(祝)東京オリンピック・パラリンピック2020。そして東京および日本がこの7年間でやるべきことを考える。

2020年のオリンピック・パラリンピックが東京で開催されることが決定しました。この決定までに相当な労力があったと思いますし、プレゼンに登壇された方、後ろで支えた方達含め、本当にお疲れ様でしたと申し上げたいです。本当に選ばれて良かったです。

さて、7年後の開催に向けてまさにこれからというわけですが、ある意味インフラが充実している東京ですと、無難な開催であれば、普通にやっていれば実現可能だとは思います。しかし、2020年のオリンピック・パラリンピックその時だけ良ければOKみたいな方針にするのはあまりにももったいないと思います。やはり、この機会をきっかけにこれからの東京、日本、そして世界へ発信する都市デザイン・日本技術・文化のモデルケースになり得る開催にすべきかなと思っています。

これからの7年間、時間にしては短すぎず、長すぎずの良い期間だと思うので、こんなのが実現できたら面白いかなというのを考えてみようと思います。面白いかなではなく、”やる”と思わないと何も実現しないですね。

●`omotenashi`ではなく、`おもてなし`の再考。

今回のプレゼンでも使われた`おもてなし`という言葉。同じく世界でも(国連などでも)使われているらしい`mottainai`(もったいない)などの言葉。日本の言葉を横文字で表現するのは良いのですが、その`おもてなし`というのを日本人は知った気になっているのではないかなと。かく言う私も例外ではなく、茶の湯の世界に触れ、何となく日本の文化を知った気になっていた自分に気が付きました。横文字になったイマイチよく分からない`omotenashi`ではなく、本質的に日本的に美しいおもてなしができるように。それはきっとド派手な演出ではないはずです。

chanoyu

●日本の伝統文化のまず我々の認知と事業維持

(これは言われなくてもやるかとおもうのですが、)おそらく開会式は着物でしょうし、和太鼓なり祭のテイストで行われるでしょう。そういう演出プロデューサーが、一部の有名な日本の文化を採用して外国に見せるのではなく、この機に我々日本人がちゃんと日本の多くの文化を勉強し認知し、良い物を見極める目(+五感)を育て、その文化(事業)を維持するにはどうすれば良いか考えたいものです。ユニクロのような安価大量消費・捨て文化の一部をちゃんと見直せるように。もちろん、それは日本食文化も含めて。
茶の湯を初めてから国内様々なところに訪ねていますが、そこで感じるのはとても良い文化があっても、それをうまく表現することに苦心しており、結果後継者も育たず困っている場面に出会します。東京にはピンからキリまでコンサルと呼ばれる職業の方が実に沢山いるようです。その一部の方達には自分の事業を3年間休んで地方に飛んでその能力を活かしてこの問題に取り組んで欲しいと思います。都内の狭いところで、例えば一つのITシステムを導入させるのに優秀な連中が切磋琢磨して凌ぎ合っているより、ごっそりその頭の使い先をシフトさせてもらいたいです。国の支援・法律などで、彼らにそういう時間を作らせることができないでしょうか。とはいえ、東京で使っているような何でもロジカルに考えすぎると、また掴みにくいのが日本文化なのですが(笑)。いろいろな物を手に持って見てみないと分からない(写真では伝わらない)世界があることを知って欲しいですね。漆・塗の文化なんて角度があるので写真ではその素晴らしさが伝わりません。

houkokuji_kamakura

●電力システムの見直し

今回の招致運動でも毎度質問されていましたが、3.11の福島第一原発の処理は難しい問題です。少なくとも3.11から2020年までの約10年で原発を収拾させるのは絶対目標に掲げたいですね。まだまだ第一原発の建屋はテントが掛けられたままで中は手つかずです。あまりの高線量に人が近づけませんから、作業は困難を極めますが、山側からどんどん水が流入していて、最近の漏れも含め、ゆっくりやっているわけにはいきません。2020年をリミットと位置づけて何とか収拾させ、もし事故が起こった場合にどのような構造になっていると収拾させやすいのかなど、設計にまでフィードバックできるようにしてもらいたいですね。世界にある既設・新設原発に向けて少しの修正で改善できるかもしれません。

また、この会場・施設・運営には、直流ネットワークに挑戦してもらいたいです。電力の地産地消とでもいうのでしょうか、電力を遠くから送電するのは無駄が多すぎてもったいないです。風力、太陽電池などのローカルで発電でき、それを一度交流に変換してまた熱にする様な無駄な熱・電気変換を最小にする電力マイクロネットワークを一地域でも実現させて世界に発信してほしいです。すくなくとも晴海・有明・お台場地域はそういう特区にしても良いと思うんですけどね。

2009年の古い記事ですけど、昔このブログでも書いています。
参考:人類として最も進化した”住み方”を考える。完全自家発電自給自足ハウスモデルの提案。

また電力に関わりますが、ボストンの町並みが綺麗なのは一時あった電線を全て地下に埋めたからだと思っています。電線が飛び交って、窓から白シャツとパンツが干してあるのもアジアっぽいですが、そのあたりは脱却して、ちゃんと電線を地下に埋めて欲しいです。毎年2~3月の予算使い切りで綺麗な道路を無駄に掘り起こすのであれば、予算使い切りは全て電線の地中埋めに使うみたいな流れになれば良いのですが。

wakasu_w

●首都圏交通ネットワーク+スマート避難システムの構築

東京の交通網は正に網の目です。網ですから、どこにでも行き渡っている様に見えて、それが各種利権の縦割りでそれが有機的に結合できていません。機械的に編み目になっているだけです。東京メトロと都営地下鉄の`馬鹿の壁`がやっと撤廃される様ですが、JRも含め東京の駅を三次元的に見てもっと最適な接続を再検討していただきたいです。パラリンピックも開かれるのでバリアフリーはもちろん、日本語が分からない外国人がきても100%絶対に迷わず最適(+ちょっと遊びで観光ができる)交通ネットワークシステムを作って欲しいですね。
東京に限らず日本のバスの路線図って最悪だと思っています。例えば”何系統の何とか神社行き”とかって地元の人しかわからないですよね。全部のバス停がバス停の看板には書いていなかったり、バス停の自体が見つからなかったり。正直バス会社は路線図作成に努力が足りないと思っています。日本人でも分からないのですから、外国人がわかるはずがありません。地下鉄・鉄道・そしてタクシーとの垣根を越えて実にスマートな交通システムを確立してほしいです。たぶんそれができるようになると、まもなく発生する首都圏直下地震のスマートな人輸送にも使えると思うんですよね。網を貼っていれば魚がひっかかるわけではなく、戦略をもって交通網を見直したいものです。スマホ利用前提でも良いと思いますし。
それに関連して、首都高整備など道路見直しも出てくるとおもいますが、真っ先に日本橋の上の首都高を撤廃してほしいです。高度経済成長時代の第一回東京オリンピックで突貫工事でつくり、今回成熟した第二回の東京オリンピックで撤廃したみたいなストーリーがよろしいかと思います。日本橋在住としては、日本の道路基準に空が無いのは悲しすぎます。

●首都圏のビル風・アスファルト照り返しの異常な暑さへの対策

上述の電力システムの見直しに近いのですが、熱い熱いとエアコンを入れて、室外機の熱風をまた別の部屋でエアコンで冷やして・・・という繰り返しでは熱くなるばかりです。今まで原発を好き勝手に建設できた時代は、都心が要求した電力をまかなうように原発を増発すれば良い話でした。3.11以降もう一度節電意識を高め、とにかく首都圏から電力を要求しない体制を作らなければなりません。
首都圏からの電力は地方から相当な電送ロスをもって運ばれ、何かの電化製品を通して熱に変わるわけです。この暑さは(一時的な)異常気象もあるわけですが、まず東京で電力→熱変換をさせない意識を高め発熱を激減したいものです。細かい話でいえば、DC/DCコンバーターなんてこの最近は変換効率で90%近いです。PCに代表されるようにちょっと使わなければスリープに入る技術も成熟しました。この最新の電力変換デバイスとこまめなスリープ機能を電力食い虫の工場の各施設に(国の支援も使って)導入をはかり、たとえば旋盤などの工場機械も直ぐにスリープに入って電力が落ちるなど、徹底的に省電力化をはかりたいですね。全ての工場機械にスリープ機能は必須みたいな法整備が必要かと思います。たぶん旋盤などの機械まで導入すれば世界でも売れるはず。
あと、アスファルト・コンクリート・ビルの壁の素材など、もう少し光学的(α・ε)を考えた材料を導入してもらいたいですね。面積に効いてきますから、今後建設するビル・道路などは、最先端の素材で作り替えていけばいずれ大きく違いが出てくると思います。自転車は走りにくくなりますが、自動車道では、アスファルトと草をゼブラ的な道を作ってみるとか・・・。

*****

ダラダラ書いてしまいましたが、2020年の期間中だけ乗り切る開発ではなく、7年後以降のスマート東京(次世代東京)になるように意識を変え、そしてそのモデルが世界に発信し、そのモデルに関わる産業が儲かるようになればと願うばかりです。たとえば、今の日本の緊急地震速報なり水道システムなんて世界で十分に売れると思います。私もエンジニアの端くれとして技術面では努力と、茶の湯を嗜む面から本当の日本の美・文化に向けて情報を発進して行きたいと思います。

 

東京日本橋から福島第一原発周辺まで車で放射線計測をしてきた(その3)

以前の関連記事をまずご覧ください
東京日本橋から福島第一原発周辺まで車で放射線計測をしてきた(その1)
東京日本橋から福島第一原発周辺まで車で放射線計測をしてきた(その2)
東京日本橋から福島第一原発周辺まで車で放射線計測をしてきた(その2.5)

番外編:
車載ガイガー+GPSによる東京都の放射線マップ作成(2011/06/17)

********** ”その3”の記事は以下より ***************

さて、最終(の予定)の記事”その3”です。気づいた事を箇条書きで紹介。

1)最も述べたいこと:”放射線が強い地域の自然は本当に素晴らしいものでした”

福島市から東に向けて原発方面に向かいました。線量はどんどん上がってゆき、恐怖感を感じましたが、それよりも思うことは現地の自然の美しさでした。
本当に自然の豊かな場所に、新緑の美しさ、田畑の綺麗さ、とにかく素晴らしい地域でした。
こんなに綺麗な場所がこの線量(簡単に1μSv/h越え)は本当に悔しく、残念で仕方がありません。
自転車好きの人間としては、線量のない時期にこの綺麗な自然をツーリングしたかったです。

写真がしょぼくて申し訳ないのですが、綺麗な福島の風景。

2)他のサーベイメーターとの比較(GM-45は低めに値がでる傾向があった)


一緒に持って行ったGM 計数管式サーベイメータ(TGS-121)

私の安物ガイガー(GM-45)に比べて定番とも言える、むしろ管理区域のある研究機関であればまず置いてあるサーベイメーターを2台持って行き比較しました。
GM-45と比べて、低線量(0.1~0.2μSv/h)程度であれば、GM-45が高めにでて、0.5μSv/h以上になってくると、TGS-121の方がGM-45よりも高い値を示す傾向がありました。
2台のTGS-121でもやや値に差はありました。この写真は、撮影日時 2011/06/11 13:49:20とEXIFに記録されています。ここでの線量を比較してみます。

GM-45 1.32μSv/h
TGS-121 (No.1) 画面左 3μSv/h
TGS-121 (No.2) 画面右 2.1μSv/h

線量が強い地域は、GM-45に対してTGS-121 No.1は、約2倍、No.2は、約1.5倍程度を概ね示していました。
TGSの方が精度が良いことを考えると、GM-45の放射線マップの数値の最大2倍程度と考えても良いかもしれません。

3)胸ポケットに入れておいた線量計がちゃんとカウントされていた

普段、放射線を扱う際に、胸に線量計を入れて、厳密に管理された”放射線管理区域内”で各種試験を行います。
1日の試験が終わって管理区域を出る際に、線量計が、”0(ゼロ)μSv”であることを確認して、ああ、今日も全く問題なしということを記載するわけです。


線量計の電源をONして、リセット(0000μSv)にして、胸ポケットにいれました。ちょうど福島市あたりから使い始めたかな。


浪江、いわきなどを車で通過して帰宅の頃の値。ちゃんと2μSvを示していました。線量計が0(ゼロ)ではないのを始めてみました。
改めて強い線量地域だと思いました。ちゃんと今までの積算被曝線量を個人記録管理をしているので、今回の値もちゃんと記録しています。

これが現実なんですよね。今までは”管理区域内”で普段0(ゼロ)μSvを確認して試験完了していたのに、管理区域でもない屋外(計測は車の中)どこにいても、たった1~2時間で受けてしまう線量の強さに恐ろしさを感じました。

4)防災対策法による、”立ち入り禁止区域”と、地方警察による職務質問。

浪江の近くで、車を止めて放射線を計測していたところ、警察から職務質問を受けました(笑)
最近は留守の家での空き巣被害が多く、全国の警察が当番制で原発界隈の地域を見回っているとのこと。
更に東京ナンバーの車は目立つらしく、声を掛けてきました。車にはノートPC+ガイガー、複数のサーベイメーターで怪しさ満点です(笑
事情を説明し、そもそも20キロ圏内に入っているわけでもないし、問題なく開放されました。現地の見回りも大変ですね。

さて、今回の原発近くの車載計測では、約4~5カ所の立ち入り禁止検問にあたり、それ以上は原発に近づけませんでした。


ここは今回の計測で最も線量が高かった場所。津島中学校の先あたりです。TGS-121のサーベイメーターで10μSv/hを越える非常に高い線量でした。
警察も胸に線量計を付けていました。あの場所では6分に1μSvずつカウントアップされていくでしょうし、大変なお仕事ですね。心配です。
ちなみにここは、20キロ圏よりもずっと離れていて、原発からは30km近く離れています。線量が強すぎて、20kmよりももっと遠いこの地点でブロックしているようでした。


<その1で紹介していますが、再度表示。測定してきたデータのKMLファイルです>
ALLデータ:ポイントと線(表示が重い) : https://www.spacewalker.jp/rad/20110611_fukushima_radiation_all.kml
線データ:線のみ(軽い) : https://www.spacewalker.jp/rad/20110611_fukushima_radiation_lines.kml
ポイントデータ:ポイントのみ (少し軽い): https://www.spacewalker.jp/rad/20110611_fukushima_radiation_points.kml


葛尾村での立ち入り禁止。このように簡易立ち入り禁止も。これは無人だったし、違う理由での立ち入り禁止かな?


ここも本格的に立ち入り禁止。20km圏境界。


ここはいわきの北側の立ち入り禁止。ここは原発まで20km境界。

何カ所か、立ち入り禁止ブロックがかかり迂回することに。一方で車載で計測していると、20km境界はあまり関係なく、線量が高くなったところに検問が置かれている。
つまり、ちゃんと関係者は線量を測っていて、政府発表の20km圏とか関係なく、境界を設けているようだった。
おそらく5km, 10km, 20kmとなし崩し的に避難区域を広げてきたので、今更30kmとか拡大できないとかあるのだろうかと。そもそも風などに影響されるのに、円形の避難区域設定も無理があると思います。

5)まとめ

今回の車載計測を通しての一番印象が残っているのは、1)で紹介した線量が高い地域の自然が非常に美しいということ。私も田舎出身と同様に非常に自然が豊かで綺麗な場所でありその場所が、高線量であることは残念で仕方がないです。
また線量が高い地域で普通に子供がマスクなどもせずに、バスを待っている姿を見かけた。とにかくちゃんと情報が伝わっているのかなど心配な気持ちになりました。
私のシステムと同様に、車載ガイガーシステムなどがぽつぽつ出現しているので、いろいろな情報が集まってくるかと思います。より細かいホットスポットなどが見つかり、リアルタイムでメッシュ的に測れる体制を早く整えたいものです。

車載ガイガー+GPSによる東京都の放射線マップ作成(2011/06/17)

福島でやったのと同じ、車に簡易ガイガーカウンター(米国BCS社GM-45)と秋月で購入したGPSを搭載し、NotePCで走行しながら放射線を計測するシステムを用いて、東京都内の一部を走行し放射線マップを作成してみました。測定方法などは、記事最後の参考記事をご覧ください。

今回は福島のシステムに加えて、以下に示すような放射線マップをKML形式でリアルタイムで生成し、車載で計測しながら随時マップが生成されるようにしました。
リアルタイム放射線KMLマップシステム概説書:https://www.spacewalker.jp/rad/readme_realtime_kml.html
* 結果としては、途中E-mobileが妙に切断されてしまい、マップ更新もそれほど頻度良く生成できませんでした。この辺は要改善ですね。

さて、今回も日本橋からスタートし、主に3点を計測して、あとはダラダラ回ってくる経路としました。
1)葛飾区金町浄水場@東京都葛飾区金町3丁目
2)東部スラッジプラント@東京都江東区新砂3丁目9-1
3)南部スラッジプラント@東京都大田区城南島5丁目

金町浄水場は、一時飲み水が基準を超えて、都内から水がなくなりテンヤワンヤになった浄水場です。都内の東半分はこの浄水場にお世話になっています。
スラッジプラントは、今回の震災(放射線問題)で話題になった設備ですね。ここで加熱処理された最後の灰が強い放射線を出していると話題になった所です(おそらく都内では一番強い箇所と言えます)
そこで、上記1)~3)を回るコースで、あとはダラダラ走ることにしました。

< 放射線レベルに応じて色が変わる”線”によるマップ>

< 放射線レベルに応じて色が変わる”ポイントと線”によるマップ>

◆Google Earth用KML : Google Earthにてご覧ください◆
ポイント+線(上図2つめの図):https://www.spacewalker.jp/rad/20110617_tokyo_radiation_all.kml
線のみ(上図1つめの図):https://www.spacewalker.jp/rad/20110617_tokyo_radiation_lines.kml
ポイントのみ:https://www.spacewalker.jp/rad/20110617_tokyo_radiation_points.kml

◆ウェブブラウザ・スマホ・iPhone, iPad, アンドロイドなどで簡易に見る用:上記KMLをGoogle Mapsで表示◆
ポイント+線(上図2つめの図):http://goo.gl/maps/FkYw
線のみ(上図1つめの図):http://goo.gl/maps/PYcU
ポイントのみ:http://goo.gl/maps/1UXj

◆生データ:ご利用の際にはコメント欄に御記載ください。◆
Excel形式:https://www.spacewalker.jp/rad/20110617_tokyo_radiation_map.xls
CSV形式:https://www.spacewalker.jp/rad/20110617_tokyo_radiation_map.csv

◆結果:雑感
・結果として、浄水場、両スラッジプラント共に他の場所に比べて特別強い点などはあありませんでした。上記のKMLファイルをGoogle Earthにて起動し、検索窓で、上記の3つの住所を入力すれば付近の放射線計測結果がわかるかと思います。
・留意点として、車載でどんどん動いているため、プロットしている点は、自然放射線(BG)を含む瞬間値です。
・福島で経験したようなレベルに比べて都内はどこでも、場所によって大差ないように思われましたが、数値の感じ方・読み方は人それぞれですので、どうぞご自身の知識の上でご判断頂ければと思います。
・本システムと同様に車載ガイガー+GPSは、京大なりが計測を始めています。まぁ、考える事は同じですが、ガイガーが超安価な私のシステムが一番安いでしょうね(安さを競っているわけではない(笑))

参考記事(本ブログ):
東京日本橋から福島第一原発周辺まで車で放射線計測をしてきた(その1)
東京日本橋から福島第一原発周辺まで車で放射線計測をしてきた(その2)
東京日本橋から福島第一原発周辺まで車で放射線計測をしてきた(その2.5)

 

東京日本橋から福島第一原発周辺まで車で放射線計測をしてきた(その2.5)

以前の関連記事をまずご覧ください
東京日本橋から福島第一原発周辺まで車で放射線計測をしてきた(その1)
東京日本橋から福島第一原発周辺まで車で放射線計測をしてきた(その2)

東京日本橋から福島第一原発周辺まで車で放射線計測をしてきた(その3)

********** ”その2.5”の記事は以下より ***************

その3の記事を書こうと思っていたら、文科省から素敵なデータが公開されました。

文部科学省及び米国エネルギー省航空機による航空機モニタリング

この内容は、文部科学省と米国エネルギー省DOEが、ヘリコプターを使って福島第一原発周辺を一気に空から計測したデータを公開しています。
極めて強烈なデータであり、さすが米国といった感じです。私の車で計測したデータを無意味にする圧倒的なデータ(笑
とはいえ、今回公開されたのは5/26のデータの様で、多少データ処理と公開に時間が掛かるようですね。

私の車載計測でーたは、”リアルタイム性”と、”より細かい解像度”とうことで何とか意味があるのではと無理矢理考えています(笑

さて、今回の航空機データを、私の計測データを重ねてみました。


2011/06/11 車載ガイガー+GPS独自計測データと、5/26 (MEXT + DOE)航空機測定の重ね合わせ図。

Google Earthのプロットデータ(KML形式):Ver 1.1版。改良してゆきます。

ALLデータ:ポイントと線(表示が重い) : https://www.spacewalker.jp/rad/20110611_fukushima_radiation_all_mext_doe.kml
線データ:線のみ(軽い) : https://www.spacewalker.jp/rad/20110611_fukushima_radiation_lines_mext_doe.kml
ポイントデータ:ポイントのみ (少し軽い): https://www.spacewalker.jp/rad/20110611_fukushima_radiation_points_mext_doe.kml
(前のデータに、MEXT+DOEの航空機測定図が重なったKML)

拡大して見るとわかるのですが、かなり一致していました。特に私の計測の最大値エリア(福島県浪江町立津島中学校あたり)が強いのもちゃんと傾向が出ています。

この結果から私の簡易・安価ガイガーでも傾向を掴む上では有効と言えるのではと考えています。リアルタイム計測+より細かい計測点で、この圧倒的な情報量のヘリコプターデータに張り合ってゆきます(笑

東京日本橋から福島第一原発周辺まで車で放射線計測をしてきた(その2)

前回の記事をまずご覧ください

東京日本橋から福島第一原発周辺まで車で放射線計測をしてきた(その1)
東京日本橋から福島第一原発周辺まで車で放射線計測をしてきた(その2.5)

東京日本橋から福島第一原発周辺まで車で放射線計測をしてきた(その3)

********** ”その2”の記事は以下より ***************

その1を公開していろいろなご意見、反響を頂きました。
本当は、現地で撮ってきた写真と、計測に関する感想などをまとめたいのですが、仕事の合間にやっておりますのでもう少々時間が掛かります。
その2では、とりあえず頂いたご意見に少し反応します。

1)今回測定していない地域の方から地元を計測してほしいという要請

近日では、多くの市町村や市民団体などが独自に調査しているようですね。主にホットスポットの局所的に強い箇所を探す目的が多い様です(側溝など)。一方で私が頂いた要望は、基本的に行政がまだ細かい調査が進んでいないエリアの方からの要請です。私の装置は金も掛かっていない概算値しか出せない簡易システムではありますが、10秒毎に自動計測し、その1で示した様なマップを自動で作成するので計測は簡単で大量にデータを取得できます。その1でも留意を促しましたが、私の計測方法は、移動しながらの瞬間値を、しかも簡易ガイガーで取得しているためで誤差を多く含む可能性があります。その為何μSv/hだと数値に対して定量的な評価は少し危険です。一方で同じ車の中で同条件(地表高さなど)で同じ日に計り回れるため、少なくとも相対的な値として、他より強い(高い)場所などの特定はできるのではと考えております。車でそこら中を走り回り強い地域などが分かれば、今度はちゃんとした計測で再計測すれば良いのかなと考えています。車で走れる粒度でのホットスポットの発見などには貢献できるのではと考えています。
要請頂いた地域(宮城県仙南地域、前回の試験で行けなかった原発の北側)あたりを計測に行こうと計画中です。もう一台ガイガーを購入したので、同じシステムのクローンは作れます。別車でも計測できればと思いますが、原発が再び強い線量を拡散する可能性も0ではないため、なかなかドライブに行ってくれる人は少ないかもしれませんね(笑
私も平日は仕事で一杯ですのが、一応何か要請などがあればコメント欄などに適当にどうぞ。要望には一部しか応えられませんが、検討材料には致します。

2)Google Earthで放射線マップが見られない。

約4000点の計測点がありましたので、Google Earthでの表示はPCのパワーがある程度必要な様です。その為に、その1でも紹介しましたが、Google MapsにKMLを貼り付ける方法ですと普通のウェブブラウザ、更にiPhone, iPad, アンドロイドなどのスマホでも気軽に表示できるのでお試しください。 例として、計測の”線”だけ示した軽量の図を以下に載せます。(クリックすると拡大)

以上の2枚の図は結局Google Earthのスクリーンショットなのですが、下のリンクをクリックするとウェブブラウザ上でも同等に見られます。

<Google Maps + KML版 : ブラウザ・スマホで普通に開けます>
上記の図と同様に線だけデータ: : http://goo.gl/maps/MDsp
ポイントと線データ : http://goo.gl/maps/Y3Z7
ポイントのみのデータ: http://goo.gl/maps/nV5o

3)生データを頂けないか?(Google Earth, Maps形式ではなく)

生データを公開致します。データはGM-45のガイガー、GPSは秋月で購入したもののデータを加工することなく保存したデータです。とはいえこのデータを用いて何か二次的な問題が起こっても弊サイトでは責任を負えません。あくまでの概算値として参照頂ければと思います。測定時間、東経/緯度、cpm、μSv/h( cpmから換算したもの)、東経・経度から取得できる住所番地名

・Excel形式:https://www.spacewalker.jp/rad/20110611_Tokyo2Fukushima_rad_gps_data.xls
・CSV形式:https://www.spacewalker.jp/rad/20110611_Tokyo2Fukushima_rad_gps_data.csv

*生データを別所などで利用する際にはコメント欄にご一報頂ければと思います。
* NOD32 v4.2 (2011/06/16定義ファイルでウイルススキャン済)

4)記事:その3では?

記事その3では、以下の様な現地の写真を交えて感じたことなどをまとめます。


こんなに美しい農村風景。チャリで爆走したくなる綺麗な自然と道。素晴らしいところでした。(クリックすると拡大)
場所は、http://goo.gl/maps/qoN6 ここです。根岸というのかなこの近くの田んぼのど真ん中の交差点。線量もやや低めの地域です。
今回福島市からいわきに抜ける道はずっとこんな感じで最高の自然に囲まれた綺麗な土地でした。
ロードバイクでツーリングしたかったなぁと思いました。


その一方で現実は、災対法により立ち入り禁止の箇所がこの写真のように何カ所かあり、20km圏境には近づけませんでした。(クリックすると拡大)
何回かこのような立ち入り禁止にあい、結果的には原発から30km程度の距離以上は近づけない様子です。

その3ではこのあたりも含めもう少々詳しく紹介する予定です。

東京日本橋から福島第一原発周辺まで車で放射線計測をしてきた(その1)

2011/06/16追記:本記事の”その2”を公開いたしました。以下の本文をお読みの後にご覧ください。”東京日本橋から福島第一原発周辺まで車で放射線計測をしてきた(その2)”
2011/06/17追記:本記事の”その2.5”を公開しました→東京日本橋から福島第一原発周辺まで車で放射線計測をしてきた(その2.5)

2011/06/29追記:新しい記事を公開しました。

東京日本橋から福島第一原発周辺まで車で放射線計測をしてきた(その3)

番外編:
・ 車載ガイガー+GPSによる東京都の放射線マップ作成(2011/06/17)

********* 以下、”その1”の本文 **********

2011年6月11日(土曜日)に、車にガイガーカウンター(米国BCS社GM-45)とGPSを搭載して、日本橋から福島県まで走行計測をしてきました。
測定結果が多く得た知見も多いので数回に分けてその結果を随時紹介したいと思います。まずはその1。
NHK ETVで話題になった、ネットワークでつくる放射能汚染地図~福島原発事故から2ヶ月~に近いことをやっています。

◆計測データをプロットした図◆


Google Earth上にプロットした図のスクリーンショット。クリックすると拡大。

Google Earthのプロットデータ(KML形式):Ver 1.0版。改良してゆきます

ALLデータ:ポイントと線(表示が重い) : https://www.spacewalker.jp/rad/20110611_fukushima_radiation_all.kml
線データ:線のみ(軽い) : https://www.spacewalker.jp/rad/20110611_fukushima_radiation_lines.kml
ポイントデータ:ポイントのみ (少し軽い): https://www.spacewalker.jp/rad/20110611_fukushima_radiation_points.kml

(2011/06/17追記:関連記事”その2.5”にて、航空機観測データと重ねてみたデータも公開しているので、そちらも是非ご覧ください)

* Google Earth(最新版をご利用下さい)が正しくインストールされていれば上記のURLをクリックするだけで自動でGoogle Earthが立ち上がるはずです。
* 自動で立ち上がらない場合は、Google Earthを起動。ファイル(F)から開くを選択し、ファイル名の部分に上記のKMLのURLを入力すれば表示されるはずです。
* 4000点もの計測点を表示するのでとても重たいです。ALLデータをまず試して頂き確認してください。東京から福島を全体表示していると重いですがズームして一部だけにすると割とサクサク動きます。それでも重い場合は、Google Earthを一度閉じて、上記の”線データのみ”をお試しください。
* iPhone4, iPad1でSafariからGooole Earthアプリを起動して表示してみました。一応表示はできました。スマホなどでは”線のみ”が良いかと思います。
* またKMLファイルは、Google Mapsの検索窓でURLを入力して検索すると、Google Earthを立ちあげることなく、Google Maps上にKMLを表示できます。

<Google Maps + KML版 : ブラウザで普通に開けます>
ALLデータ:ポイントと線 : http://goo.gl/maps/Y3Z7
線データ: : http://goo.gl/maps/MDsp
ポイントデータ:ポイントのみ (少し軽い): http://goo.gl/maps/nV5o

◆車載システム概説◆


後部座席上に
1)ガイガーカウンター:BCS GM-45 : RS-232c -> USB変換 -> NotePC
2)GPS : 秋月購入 GT-720F : RS-232C -> USB変換 -> NotePC
3)おまけGPS : チャリ用に使っているGarmin Edge 800 -> 内部メモリ保存(とりあえずデータは使わない)


後部座席には、格安NotePC Lenovo G560eを置いて、シガーライター -> ACインバーターを介してACアダプターで電源供給しました。
図の矢印の様にμSv/h、緯度、経度が出ています。

・ガイガー(GM-45), GPSをそれぞれUSB接続しています。
・リアルタイムで現在位置と放射線量をTwitterにジオタグデータ付きでつぶやく為に、E-MobileのD21LCも接続していました。
・G560eにScientific Linux6をCUI(Runmode 3)で入れ、GM-45データ、GPSデータを10秒に一回記録し、内部のMySQL DBにデータ保存して行きます。Twitterには10分に一回つぶやきました。G560eでのLinuxベース計測システム概要は、このブログの別記事 “Lenovo G560eにLinux(Scientific Linux6)を入れて低消費電力GPS+センサーロガーを構築。“をご参照ください。(興味があればですが・・)
・Twitterは、@nihonbashi_rad アカウントでつぶやきました。6/11のつぶやきの様子は、Twilogに記録されていますので、そちらも参照ください。http://twilog.org/nihonbashi_rad/date-110611
・ガイガーが300ドル、G560eノートPCが30000円、GPSが3200円、各種ケーブルで5000円で、約65000円程度の安価な車載・簡易放射線計測システムですので、あくまで概算値としてご参照ください。一方で、日立アロカメディカルのGMサーベイメータTGS-121を2個持ってゆき、各所でGM-45と比較計測を行いました。(一時話題になりましたが、もちろんアルミキャップは付けて(笑))。GM-45はTGS-121の2台に比べ常に50~70%と低めに出ていたことを紹介しておきます。マップの一番強いエリアでは1台のTGS-121は10μSv/hを超えていました。

<雑感>
・この記事(その1)ではまずデータを淡々と紹介します。各所で感じたこと、現地での災対法による進入禁止の様子などはその2以降の別記事で紹介します。まずはデータの速報としてその1を公開しました。
・全データは自然放射線によるバックグランドを含んだものですからご留意ください。
・本来の計測は一点に止まり時間を掛けて計測し、バックグランド(自然放射線)などを考慮して値を評価するものですが、今回の計測は車載であることから、常時移動しています。その為あくまで瞬間値をプロットしていることにご留意ください。その為、都心に近いところでも0.2~0.3μSv/hとか出ることもあり得ます。
・今までと同様にこのブログではこのデータを元に何か行動を起こせなどの内容は述べません。
・その2以降では各所で撮った写真などを交え、感じたことなどを紹介したいと考えています。

本サイトにおける放射線関連の情報のまとめ。

このサイトで公開しております放射線関連の記事・情報・システムなどの現状のまとめです。

 

◆放射線関連の専用ページの紹介◆

このサイト(spacewalker.jp)は、このspacewalkerブログを通して、放射線以外の情報も含め情報を発信しておりますが、放射線関連の情報は特別なページがあります。

放射線関連のトップページ : https://www.spacewalker.jp/rad

今回、この記事で現時点でのまとめを行いますが、上記の”放射線関連のトップページ”を見てもらうのが一番まとまっています。
この記事よりも、上のページを良くご覧になって頂ければと思います。ブログ形式ではないので、記事も流れないですし。

たとえば、上のページでは、

東京都中央区日本橋の放射線グラフ
このような東京都中央区日本橋の放射線グラフ(リアルタイム更新)などが見られます。

*上記ページにも何度も留意を促していますが、この値は簡易ガイガーによる概算値であること、またバックグランドノイズ(自然放射線など)を含んだ値であることに留意ください。

 

◆30分ごとに”現在”の東京都中央区日本橋の放射線量(瞬間値と、1時間平均)をつぶやくTwitter Botシステム◆

上記のグラフはシステム公開後から今までの推移グラフですが、今、この瞬間の放射線量(瞬間値と、1時間平均値)をμSv/hでつぶやくTwitterボットを公開しています。

東京都日本橋放射線bot : @nihonbashi_rad : (Twitterアカウント)

東京23区界隈に出勤先、ご自宅がある方で興味のある方はフォローくだされ。

◆iGoogle用ガジェット形式のリアルタイムの放射線量を表示するシステム◆

ウェブブラウザのホームページ(ブラウザを立ち上げた時にデフォルトで開くページ)にGoogleの個人ページiGoogleを利用されている人が多いのではないでしょうか?
そこの1コンテンツに、”現在”の東京都中央区日本橋の放射線量(瞬間と1時間平均)をμSv/h形式でリアルタイムで表示するガジェットです。

iGoogle用ガジェット形式:東京都中央区日本橋の放射線量

 

◆1時間ごとに”現在”の東京都中央区日本橋の放射線量(瞬間値と、1時間平均)を投稿するブログシステム◆

このシステムは、1時間ごとの現在の日本橋の放射線量を、ブログの1記事として投稿するプログラムです。
しかも、このサイト(spacewalker.jp)ではなく、敢えてサーバ負荷耐性の高い、Google社の運営するblogspotに専用ブログを立ち上げて、淡々と投稿(自動)しています。
このシステムの意図としては、ブログですので最新記事(放射線量)はRSSリーダーで参照できます。よって、RSSリーダーに登録しておけば、ブログを見ている合間に、放射線量が上がっていないかな?などを確認できるのではないかと思ったからです。またこのサーバーが落ちても、堅固なGoogleサーバなので、まず落ちることはないかなと。
もう一つ。職場から、Twitterにアクセスできない方は多いかと思います(技術的にも、政治的にも)。更に、私のspacewalker.jpも、何らかの基準があるのですかね?多くの会社から閲覧がブロックされているとのことで(笑)、google社のブログにアップしていれば、見られるのかなという狙いも含んでおります。

東京都中央区日本橋放射線量ブログ @ blogspot

このブログのRSSは:http://nihonbashirad.blogspot.com/feeds/posts/default

 

◆関連ブログ記事◆

このspacewalkerのブログに放射線の各種調査結果などを載せています。主にお子様の砂場遊び、ペットの散歩を想定した地表での放射線計測調査です。地表と人の顔の高さなど、測定の高さによる放射線量の違いを計測しています。是非ご覧ください。

記事1)関連ブログ記事:2011/04/20:”道路、砂場、歩行時などの高さの違いによる放射線量調査@東京都中央区日本橋
記事2)関連ブログ記事:2011/04/24:”東京都港区の公園(有栖川、白金、芝公園)での地表・砂場での放射線測定

番外記事A)関連ブログ記事:2011/04/19:”Black Cat Systems GM-10, GM-45 ガイガーカウンターの使い方(Linux)
*この番外記事は、私が使っておりますガイガーカウンターをLinuxでデーモン(24時間運用)する際の解説です。放射線計測に古いPCを使いたい方で、Windowsを使うにはパワー不足などの方は、是非Linuxで24時間計測するのが得策だと考えます。GM-10, GM-45をお使いの方はご検討ください。

 

◆留意点◆
・本ブログの放射線に関するデータは、ガイガーカウンターの値を”淡々”とデータを改変することなく公開しております。そのデータを見て、どのように行動すべきかなどの判断は行いません。多くの情報と比較し、ご自身でご判断頂ければと思います。

東京都港区の公園(有栖川、白金、芝公園)での地表・砂場での放射線測定

2011/04/25追記:本記事の一番したのまとめで少し解説を追記しました。
2011/04/25追記:大変基本的なレベルのミスをしてしまいました。一般の年間被爆限界は、バックグランドを除いた値で評価しなければなりません。よって事故前の測定点のバックグランドが”わからないため”、厳密な値を評価できません。よって、結果よりもやや低いと考えるべきと思われます。その関連で後半の内容を修正致しました。
2011/04/26追記:今回は以下の条件の下、”バックグラウンドを含めたデータ”を淡々と公開しているものです。この数値に関してどう考えるべきか?などの判断はこの記事では致しません。多くの情報がネットに溢れておりますので、その情報などを併せてご自身で判断頂ければと思います。

*************** 以下本分 *****************

先日行ったのと同様に、今日は港区の公園の地表・土の上などでの放射線を計測してきました。
参考(前回の計測@東京都中央区日本橋のデータ:道路、地表、砂場、歩行時などの高さの違いによる放射線量調査@東京都中央区日本橋

今回も先日購入した米国Black Cat System GM-45ガイガーカウンターを用いて計測しました。主にお子様が遊ぶと思われる砂場、土の上、草の上、滑り台の上などで計測してきました。昨日は一日大雨でしたので、それも一応ご留意ください。

その前に、私のブログでも紹介しているように放射線に関する情報をまとめたページがございますので、併せてご覧下さい。
https://www.spacewalker.jp/rad | 放射線関連のトップページ

◆測定条件◆
日時:2011/04/24 朝7~11時頃
場所:東京都港区界隈の公園など
測定装置:Black Cat System GM-45 Geiger Counter Radiation Detector
放射線単位・概算:GM-45から取得されるCPM(Counts per Minute)を、Cs137にてキャリブレーションした参考サイトを元に換算する。0.00333 x CPM = μSv/h @ GM-45固有換算式。よってあくまで概算値であることに留意。
測定条件:1Hzサンプリング、5分間(場所固定)=300サンプルを単純算術平均。レート量を単純算術平均で評価することには一考の余地がある。一方で明らかな増大などがあるか確認する調査であるためこの方法で代用した。
場所決定指針:全箇所、上に屋根はなく雨などが降れば直接ぬれる場所を選定。
留意:原発事故前の各点のバックグランドは計測できておりません(当然だけど)。その為、バックグランドも含めた値であることをご承知置きください。

◆測定場所◆*後半のグラフの1~19の番号に対応
●港区立白台児童遊園:地図→http://goo.gl/maps/ZuL9

(1)砂場

(2)滑り台の上

(3)滑り台の下

(4)ベンチの上

●白金台どんぐり児童遊園:地図→http://goo.gl/maps/Iw6j

(5)ベンチの上

(6)土の上

(7)草の上

(8)公園の土の道の上

●港区立有栖川宮記念公園:地図→http://goo.gl/maps/ikPp

(9)有栖川公園前から公園にはいって直ぐの所のベンチの上

(10)有栖川公園前から公園にはいって直ぐの土の上(池のまわり)

(11)有栖川公園の上の段に上がっていく途中の道(土の上)

(12)有栖川公園の上の段の馬の銅像の前の広場(土の上)

(13)有栖川公園の上の段の砂場

(14)有栖川公園の上の段の滑り台

(15)有栖川公園の上の段のシーソー

(16)有栖川公園の上の段の噴水まわり

(17)有栖川公園の一番上の、弁当を食べる用の草の上(花見をやるところ)

●愛育幼稚園:地図→http://goo.gl/maps/MCfG
(18)愛育幼稚園入り口

●港区芝公園(日本で最も古い公園の一つ:豆知識):地図→http://goo.gl/maps/D1cW
(19)芝公園

◆測定結果◆(バックグランドは、事故前を計測できていないため、引いておりません。バックグランドを含んだ値であることに留意)
●港区立白台児童遊園
(1)砂場 : 0.154μSv/h
(2)滑り台の上 : 0.170μSv/h
(3)滑り台の下 : 0.164μSv/h
(4)ベンチの上 : 0.212μSv/h

●白金台どんぐり児童遊園
(5)ベンチの上 : 0.175μSv/h
(6)土の上 : 0.131μSv/h
(7)草の上 : 0.206μSv/h
(8)公園の土の道の上 : 0.194μSv/h

●港区立有栖川宮記念公園
(9)ベンチの上 : 0.185μSv/h
(10)直ぐの土の上(池のまわり) : 0.191μSv/h
(11)途中の道(土の上) : 0.208μSv/h
(12)銅像の前の広場(土の上) : 0.179μSv/h
(13)砂場 : 0.144μSv/h
(14)滑り台 : 0.177μSv/h
(15)シーソー : 0.160μSv/h
(16)噴水まわり : 0.228μSv/h
(17)弁当を食べる用の草の上 : 0.210μSv/h

●愛育幼稚園
(18)愛育幼稚園入り口 : 0.205μSv/h

●港区芝公園
(19)芝公園 : 0.198μSv/h

◆測定結果グラフ◆

各点における放射線量平均:場所は上記の場所番号と対応している。縦軸は、μSv/h。

◆まとめ◆
・今回の調査で、各点における(地表に対する相対高さの違う測定点)明確な違いは見られなかった。つまり、一部の動画サイトなどであった、高い位置の値が、地表につけたら数十倍になったとか、そういう明確な(数倍の)差は見受けられませんでした。
・安価なガイガーカウンターの算術平均(300サンプル)であり、シンチレータ+フォトマルなどをもちいた厳密な測定値でないことにご留意頂きたいです。
・一般の方の年間照射量は、1mSv/year 以下(1年間で1ミリシーベルト以下)とされています。つまり、約0.114μSv/h。しかしこれは、バックグランド(その場での自然からもともと受けている放射線量)を引いた分で評価しなければなりません。今回の測定結果は、バックグランドを含んでいるため注意が必要です。バックグランドを引いた上で0.114μSv/hと比較しなければなりません。しかし残念ながら各測定点の原発事故前のバックグランドは計測できていないため、厳密な評価はできません。一方で#19のコメントで、日本各地の自然放射線量マップが提示されておりますので、参考になさってください。ただし単位がGyなので留意が必要です。

道路、地表、砂場、歩行時などの高さの違いによる放射線量調査@東京都中央区日本橋

◆このページに検索などから来られた方は”東京都中央区日本橋の放射線量計測+Twitter Bot公開。”を先にご覧ください。

◆2011/04/24追記:港区の公園でも計測してきました東京都港区の公園(有栖川、白金、芝公園)での地表・砂場での放射線測定

**************************

先日購入しました米国Black Cat System GM-45ガイガーカウンターを用いて、今朝地下の橋、公園などに行き”高さの違いによる放射線量”を計測してきました。 と言いますのも、ネット、動画サイト、知人からの情報などで、全国各地で放射線は計測されていますが、地表すれすれと高さのある場所では放射線量が違うのではないか?という意見を頂いているからです。
3/22,3/23の東京での大雨で大気中にある放射線が地表に落ち込み放射線量が明確に増大しました。そうなると、確かに公園の砂場、アスファルト・コンクリートなどの歩行面など低い場所で放射線が高い・貯まっているのではないか?という懸念です。公園の砂場などはお子様が素手で遊びますし、その汚れた指で土が口に入るかもしれません。またアスファルト・コンクリートの高さはペットたちの高さであり、一応計測してみることにしました。

◆測定条件◆
日時:2010/04/20 朝6~7時頃
場所:東京都中央区日本橋界隈の橋および公園など
測定装置:Black Cat System GM-45 Geiger Counter Radiation Detector
放射線単位・概算:GM-45から取得されるCPM(Counts per Minute)を、Cs137にてキャリブレーションした参考サイトを元に換算する。0.00333 x CPM = μSv/h @ GM-45固有換算式。よってあくまで概算値であることに留意
測定条件:1Hzサンプリング、5分間(場所固定)=300サンプルを単純算術平均。レート量を単純算術平均で評価することには一考の余地がある。一方で明らかな増大などがあるか確認する調査であるためこの方法で代用した。
場所決定指針:全箇所、上に屋根はなく雨などが降れば直接ぬれる場所を選定。

◆測定場所◆
(1)橋の入り口にあるオブジェクトの上(橋の道路からの相対高さ156cm)*上に屋根なし

*測定時にはPCの影響を避けるためPCは下に置いた。

2)橋の入り口付近の地表「コンクリート」(相対高さ0cm)*上に屋根なし

3)橋の入り口付近の土の上(相対高さ0cm)*上に屋根なし

4)橋から公園までの歩行(顔の高さ約165cm)

5)公園のベンチの上(相対高さ約80cm)

6)公園の砂場(相対高さ0cm)*上に屋根なし

7)公園から家までの歩行(顔の高さ約165cm)
8)部屋の外のベランダ(相対高さおそらく35mくらい)

◆測定結果◆
1)橋の入り口にあるオブジェクトの上 = 平均0.288μSv/h
2)橋の入り口付近の地表「コンクリート」 = 平均0.339μSv/h
3)橋の入り口付近の土の上 = 平均0.235μSv/h
4)橋から公園までの歩行 = 平均0.193μSv/h
5)公園のベンチの上 = 平均0.251μSv/h
6)公園の砂場 = 平均0.159μSv/h
7)公園から家までの歩行 = 平均0.201μSv/h
8)部屋の外のベランダ = 平均0.184μSv/h

◆測定結果グラフ◆

Fig.1 各点における放射線量平均:場所は左から1)~8)に対応している。縦軸は、μSv/h。


Fig.2 各点における放射線量の推移。縦軸は、μSv/h。このグラフを載せた理由は、各点に明確な差が見えないことを示すため。

◆まとめ◆
・今回の調査で、各点における(地表に対する相対高さの違う測定点)明確な違いは見られなかった。
・あくまで東京都中央区日本橋界隈での結果なので、他所での傾向と一緒であるとは言い切れないことにご留意頂きたい。
・安価なガイガーカウンターの算術平均(300サンプル)であり、シンチレータ+フォトマルなどをもちいた厳密な測定値でないことにご留意頂きたい。
・一方で少しコンクリート(測定点2)が高い感じもするので、日を改めて再度計測し報告する予定。追記→この点に関してコメント欄にあるようにコンクリートに含まれる放射線同位元素の影響ではないかという指摘がございました。

Black Cat Systems GM-10, GM-45 ガイガーカウンターの使い方(Linux)

留意:このページに検索で飛んできた人は、まず”東京都中央区日本橋の放射線量計測+Twitter Bot公開。”の記事をご覧ください◆

*************

ミーハーな私は米国Black Cat Sysmtes (以下BCS)が販売しております格安ガイガーカウンター放射線検出器(Geiger Counter Radiation Detector) GM-45を個人輸入しました。GM-10の方が安いのですが、私と同様に問い合わせが多いらしく品不足が続いているようで、一つ上の精度のGM-45しか売っておりませんでした。

公式サイト:BCS GM-45 Geiger Counter Radiation Detector : http://www.blackcatsystems.com/GM/products/GM45GeigerCounter.html

さて、このGM-10やGM-45は、RS-232C(バスパワー)で放射線カウント値(CPM : Counts Per Minute単位)で取得できます。BCSのページには、USBバージョンも売っているわけですが、これは要するにRS-232CシリアルをUSBに変換するアダプターが同封されてくるだけの様です。今回私はRS-232C版(つまりUSB変換アダプタなし)を購入しました。

中身を言ってしまえば普通のRS-232Cレベルのシリアル(57600bps)で取得するだけですので、大した仕組みではありません。ソフトウェアもWindows用、Mac OS X用、Linux用がCD-ROMで付属してくるのでこれを使えば、まぁ手元で計測は大したことはないでしょう。

今回私は、常時稼働しているLinuxサーバで取得することにしました。この検出だけで24時間Windows機を動かしておくのもバカバカしいので。よってこのエントリーでは、LinuxでRS-232C経由(USBも同じ考え方で可能)で取得する方法を紹介します。まぁ、実際に私がやった際に定期取得までに2時間くらい掛かってしまったので、同等システムを組む方がいらしたら、参考になるかなと思い少し解説します。今回のLinux環境は、CentOS5(RHEL5クローン)@x86_64 : 64bit版です。

GM-10/GM-45の常時取得を、使わなくなった古いPCで運用する際に、Linuxは低パワーで動きますし、OSフィーも発生しませんし、オススメだと思います!

◆取得プログラム:たんなるRS-232Cのシリアル通信なので自分で書いても大して難しくはありません。とはいえ、せっかくなので他人の過去の遺産を使わせて頂くことにします。
利用したソフトウェア:Gm4Lin: driver for GM45 and GM10 radiation detectors under Linux : version 1.2.15を利用

0)シリアルポート(デバイスファイルの準備)
0A-1) RS-232C接続の方は、一番最初のシリアルポートにGM-10/GM-45を接続すれば、普通は、/dev/ttyS0に接続されるはずです(てぃーてぃーわい・えす・ぜろ)
0A-2) 試しにcu (UUCPパッケージ | yum install -y uucp)あたりでポートを叩いてみて下さい。# cu -s 57600 -l /dev/ttyS0  <enter> これで接続されなんかゴミをはけば接続できています。”~.”を入力して接続解除。
0B-1) USB経由の方は、USB -> RS-232Cアダプターのドライバを適切にインストールし、デバイスファイルを適切に取得してください。/dev/ttyUSB0とかになるのかな?同じくcuを用いてテスト。
* 以下、/dev/ttyS0に接続されているものとする。

1)関連パッケージのインストール
gm4linは、MySQLサーバのテーブルに10秒毎ロギング(insert)してくれるアプリです。よって、MySQLサーバの起動はもちろん、MySQLのC/C++ベースの開発ライブラリが必要です(mysql-develなり、その辺テキトーに)。基本的にcentosのデフォルトリポジトリだけで対応可能です。dagとかなくても動きました。

2)gm4linのダウンロード
マニュアル:http://mathias.bavay.free.fr/software/gm4lin/readme_file.html
ソース・バイナリ:http://mathias.bavay.free.fr/software/gm4lin/gm4lin_1.2.15.tgz
そして展開。中には、ソースコードと、32bit Linux環境で動作する一応のバイナリが付属しています。

3)付属実行バイナリで一応テスト動作してみる。(MySQLなどへの接続はなしに)
# ./gm4lin –device /dev/ttyS –start 0 –default-sensitivity=GM45_CO60
* ./gm4lin –help  ←ヘルプを出せます。
*これを実行すると10秒に一回値が標準出力されるはずです。できれば成功。ちなみにGM45の場合は、上記の様に”GM45_CO60″と設定。GM10の場合は、”GM10_CO60”と設定します。
*接続デバイスファイルが/dev/ttyUSB1の場合は、–device /dev/ttyUSB –start 1となりますね。予想してください。
*ログファイルが同じディレクトリにできているはずです。log_probeX_日付.datみたいなファイルで。よってMySQLサーバを使わずにファイルロギングならこれでOKだと思います。しかし、私の環境では10秒毎にロギングされず、アプリを終了(Ctrl + C or Kill)したときにflush(書き込まれる)という状態に。なんでかな?ソースコードあるので、その辺見れば良かったけど、MySQLにinsertするのが(後述)うまくいったので、ファイルロギングは無効にしました。

4)MySQL用Insert対応バイナリのビルド(コンパイル)
4-1)付属してくる実行バイナリは、MySQL insertモードが無効になっているので、メイク(make)を通してビルドしないといけない。./configureはない。その為、Makefileを自分で編集する必要あり。まずは、makeを実行して通ればOK.
4-2)64bit環境対応:Makefileの中のARCHITECTURE=#(INTEL_PENTIUM)というのが余計な事をしている。普通に64bitで通すためには、消してしまうのが一番楽。ARCHITECTURE=にしてしまう。これで、makeが64bit環境でも通るはず。
4-3)MySQLに対応させる:Makefileの中の”#comment the following 5 lines to disable my_sql support”につづく5行のコメントアウトをはずす。32bit環境では、makeで通るはず。通らなかったら、yumで関連パッケージをインストールされたし。64bit環境では、通らなかった。
* MYSQL_LIBS=-L’/usr/lib/mysql’ -lmysqlclient -lz -lcrypt -lnsl -lm の部分を
* MYSQL_LIBS=-L’/usr/lib64/mysql’ -lmysqlclient -lz -lcrypt -lnsl -lm に突貫工事で変更。私の環境ではこれで通った。
4-4)できあがったgm4lin実行バイナリは、MySQL insert(10秒毎)対応のバイナリになる。

5)MySQLサーバにデータベースを用意。
これが一番困った。上記のreadmeにはデータベースにinsertすることは分かったが、テーブルのカラムフォーマット(スキーム)が書いていない。ので、紹介。”raddb”というデータベースを作り、ローカルホストからusernameというユーザが”hogepassword”のパスワードでアクセスを許可する。その後、radiationというテーブルを下記に示すカラム名などで作成する。
mysql > create database raddb;
mysql > grant all on raddb.* to username@localhost identified by “hogepassword”;
mysql > use raddb;
mysql > CREATE TABLE radiation (device TINYINT, dose DOUBLE, data DOUBLE, dataunits VARCHAR(3), stamp TIMESTAMP NOT NULL DEFAULT NOW());

6)実行する。
実行例:/usr/local/gm4lin/gm4lin –device /dev/ttyS –start 0 –default-sensitivity=GM45_CO60 –mysql username@localhost:raddb:radiation:gm45_ –passwd hogepassword –port 3306 –log-path /var/log
* これは、MySQLにinsertもするし、/var/log以下にログも残す設定。
実行例2:/usr/local/gm4lin/gm4lin –device /dev/ttyS –start 0 –default-sensitivity=GM45_CO60 –mysql username@localhost:raddb:radiation:gm45_ –passwd hogepassword –port 3306 –log-path /var/log –daemon
* 更に–daemonをつければ、バックグランド実行になる。

7)その他。
・gm4lindは、redhad系の起動スクリプト。私は使っていないが、必要とあればこれを参考にすればいいらしい。
・取得される放射線量単位は、CPM(Counts per minute)です。これをμSv/h (マイクロシーベルト毎時)に換算ですが、何せ放射線源、スペクトルを考えてもそれほど単純ではありません。しかしあくまで概算ということでしたら、BCS社のCs137を用いてキャリブレーションした計算式を使えば、概算値は算出できます。参考:Converting From CPM to mR/hr : uSv/h
・私の備忘録的殴り書きなので誤字など多発しているかもしれませんので、ご容赦を。