どつぼにハマっているミュージカルですが、先日、N.Y.ブロードウェイミュージカルでもとても有名で代表的なミュージカル”コーラスライン(原題:A Chorus Line)”を劇団四季版で見てきました。
公式サイト:コーラスライン作品紹介|劇団四季
この作品を見るのは、初めてだったのですが、見た後何日か経ってくると、いろいろな事を考えるようになり、とても印象に残るミュージカルになりました(のでブログを書いています)
”Chorus Line”とは、稽古中に舞台中に引かれている1本のラインを指しています。このラインを名前も出ない裏方のコーラス達は歌でもダンスでも決して超えてはならず、メインキャストを邪魔しないために引かれる線らしいです。
ストーリーは、N.Y.のブロードウェイの新作ミュージカルのオーディションでのお話です。演出家のザックは、このミュージカルの為のコーラスのオーディションを行っています。ここに集まった大勢のダンサー達は、無名の脇役”コーラス”(8人)の仕事を求めて人生をかけてオーディションを受けています。ザックは、最終に残った17人に対して、履歴書や写真だけでは判断できないその人の過去、人生について赤裸々に話すように指示して行きます。華やかなブロードウェイミュージカルを縁取る脇役のオーディションという世界を表現した何とも考えさせられる内容です。
この作品は、ライオンキング、ウィキッド、CATSの様な非現実的ともいえるストーリー形式で、また舞台装置も動いたりするような豪華なものではなく、単純に舞台に1本の白い線が置かれ、後ろにはオーディション用の鏡(ダンスを確認するため)があるだけの舞台で、上記のストーリーをリアル感を持って表現していく形です。17人の告白の内容は、一部実話も混ざっているらしく、いろいろ個性があってとてもバラエティに富んでいます。ラインダンスなどもあり、まさにN.Y.のブロードウェイとも言えるような作品かもしれません。
コーラスラインを演じている劇団四季のキャストもまさにこのようなオーディションを受けているわけで、自身の努力も重なって演じているのかと思います。四季のキャストではなく、自分の人生に重ねてみたときも、共感できる部分は必ずあるはずで、そういう意味でコーラスラインは見終わった後にいろいろ考えさせられるミュージカルとなりました。今まで見てきたミュージカルがセットの豪華さ、歌の良さ、ダンスの格好良さなどを求めて見ていましたが、それとは違った形で新たなミュージカルの面白さを知った作品です。
コーラスラインは、残念ながらライオンキングなどに比べるとやや人気が落ちるらしく、土日の当日券でも割と取れる様です。ミュージカル初体験の人にはちょっとお勧めできないかもしれませんが(逆にいいのかなぁ・・・)、経験者にはお勧めです。N.Yブロードウェイでも代表的な作品らしいので、是非、東京でやっている間にいかがでしょうか?代表曲の”One”は、日本のCMでキリン一番搾りのテーマに採用され誰もが知っているメロディーです。
さて、Chorus Lineを見終わった後にいろいろ調べたのですが、今年の春先に”ブロードウェイ♪ブロードウェイ:A Chorus Line コーラスラインにかける夢”という映画がやっていた様です。A Chorus Lineのミュージカルは、N.Y.で1975の初演から1990年までロングランをして一度終わった様です。2006年に16年ぶりにリバイバルしたらしいのですが、そのリバイバルの為のキャストにもちろんオーディションをする訳ですが、そのオーディションの模様を映画にしたようです。日本人も一人選ばれているらしく、このミュージカルを見たきっかけでこの映画も見てみたいと思います。