ハーフ還暦(30歳)を迎え、そういえば着物を着たことがほとんど無いことに気がつきました。宇宙の研究をしていると国という枠組みは極めてバカバカしいものですが、国家と切り離された生活ができるわけではなく、やはり日本人であります。そう考えると着物・和服で生活をしないのはむしろ恥ずかしいことではないか、何も考えずに洋服を着るのではなく、和服も着た上で洋服を着る方が感覚もセンスも変わってくるのではないかと思い始め、着物に興味を持ち始めました。また、ダイエットをして洋服が全て買い直しになったわけですが、なんだかんだとGAPやユニクロなどを使うことが多く、外国の大衆安売り洋服を大多数の人たちと同じように買っている姿に、何か情けない気持ちになったのも確かです。365日和服は難しいとは思いますが、この明らかにレールに乗っているような洋服買いに少し変化を付けたいと思いました。そんなこんなでとりあえず男の着物を調べてみようと思いました。
まずは、銀座に男の着物専門店である”銀座もとじ”さんに行ってきました。一通り着物のド基礎を教えて頂き、大変かっこいい着物、羽織、袴用の生地を沢山見せて頂きました。生地から体に合わせて仕立ててくれるので、値段は全て揃えるとやはり20万円は軽く超えてしまいそうでした。私が良いなぁと思った生地は、生地だけで29万円していました。体に完全にあわせて作ってくれるので4~5週間かかるようです。もちろんお金に余裕があれば即決してしまうところでしたが、着物生活をしたことがなく、善し悪しが全くわからない時分にこの値段は少し厳しいかなと思ったのでとりあえず基本だけ教えて頂きお店を後に致しました。”銀座もとじの男のきもの”という本は買ってきました。着物の基本から着付けの方法(DVD)まで良くまとまっています。
銀座から帰ろうとしていると、月9のドラマのようなベタな展開で50代くらいで同じくらいの背丈のおじさまが綺麗な和服で銀座を歩いているのをみかけまして、やはり着物が欲しいと思い返りました。そこで、家を出る前に銀座の他に浅草にリーズナブルで男性用の着物屋があることを調べて置いたので、銀座線にのって行ってみることにしました。行ったお店は浅草寺からすぐ近くにある”男きものと袴 ちどり屋”さん。ちどり屋さんは、生地から作ることももちろんできますが、いろいろな着丈や素材によって既にできている着物を売っていました。着物生活がどうなるかわからないですし、また慣れない着物で転んでいきなり破けた(笑)とかあるかもしれないので、まずは出来ている着物で良いかなと判断し、ちどり屋さんで揃えることにしました。ちどり屋さんで、秋~冬~春と着られる生地で、柄は黒に白のストライプの着物、ベージュの半襟付きの長襦袢(じゅばん)、茶色の帯、襦袢用と帯用のこしひもを2本購入しました。足袋と草履(ぞうり)・雪駄(せった)はちどり屋さんでは扱っていないので、足袋はめうがや、草履はまつもとさんで購入しました。羽織や袴はとりあえず買わず、着物に慣れて本格的な冬が来た頃にまた買いに行ってこようと思います。
着物と長襦袢
帯
腰紐
草履
とりあえず、今鏡を見て着付けを練習しています。購入した本に解説DVDもあるので、それを見ながら勉強です。
もうちょっとすんなり着られるようになりましたら、着物で出かけてみようかと思います。
着た感じはとても軽く、中はスースーして気持ちよくとても良い感じです。
そうおもった矢先、和物のバッグを持っていないことに気がつきました。このままでは、この格好で洋風鞄という、花火に浴衣で来たものの手にはヴィトンのバッグという浴衣ギャルと変わらん状態であります。しかしバッグ選びも容易ではなく、まあ浅草にでも行って探してみたいと思います。
着物生活がどうなるかはわかりません。しかし洋服はまだ100年近くしか歴史がないので、それ以前はずっとこの格好で、この国の人は進化してきたわけです。温故知新ではないですが、何かこの中から新しいセンス、感覚、インスピレーションが生まれれば良いなと期待しています。少なくとも着物の知識は最低限身につきますので、茶道、華道、日舞と興味がありますので、趣味が広がりそうです。ふとしたところで和服で歩いている宮下を見かけましたらお気軽にお声をおかけください(笑)