再ダイエット開始:インテリジェント・トレーニング環境の構築(Garmin GPS + Withings)

さて、2008年にダイエットをして痩せたのですが、この2年のウチにぶくぶくぶくぶく太って参りました。
こりゃあかん!ということで、またダイエットを開始することにしました。

2008年の時は、携帯で体重を簡単にログができるシステムを開発し、その第一被験者として行ったことで衝撃的に痩せることに成功しました。
今回も同じシステムを使っても良いのですが、当時のJavaベース(Servlet) + MySQLシステムは、今となっては昔の手法であり、
ウチのサーバーも変化してきているので、当時のエンジンをもう一度起こすのは面倒です。
そこで、今回は既存のインテリなトレーニング環境を整え、ダイエットに励もうと思いました。

1)Wi-Fi経由で体重がアップロードされるWithings Wi-Fi Body Scale
2)サイクリング用GPSログ+速度・ケイデンスセンサー:GARMIN Edge 705
3)ジョギング用GPSログ+速度センサー:GARMIN Forerunner 405CX

この3システム(ツール)を導入し、管理していくことにしました。

1)Withings Wi-Fi Body Scale


その名の通り、Wi-Fi(無線LAN)経由で体重をアップし、Withingsサイト内にデータを管理してくれる体重計です。乗っかれば、その体重・体脂肪量などを、Wi-Fi経由でアップロードするので、超簡単です。乗るだけ。2008年に作ったシステムは携帯で20秒で入力できるというものでしたが、それより楽ちんですね。この体重計を買うと、Withingsサイト内に自分のアカウントを作ることができ、その中にデータが管理されます。

これがそのサイトのイメージです(クリックすると拡大)。データのインポート・エクスポートがCSVファイルで扱えるため、2008年のダイエット前からのデータも全部投げ込んじゃいました。2008年の怒濤のダイエットっぷりと、その後2年で順調に肥えているのが分かります(笑

このサイトは、とても良くできていて、この体重データを、A) Google Health, B) Twitter C)一般公開サイトなどに流用できます(する必要はもちろんありませんが)。Google Healthは日本ではまだサービスインしていませんが、内容を見る限り強烈です。が、Googleに健康情報までアップするのは危険ですので、どうぞお使いになる際には、お気を付けください。

また、iPhoneアプリも公開されていて、iPhoneでいつでも体重確認できます。

というわけで、このWithingsとてもおすすめです。普通の体重計からすれば恐ろしく高いですが、ちゃんと残すという意味ではもっとも便利なツールです。
ちなみにダイエットは、グラフの右肩下がりっぷりをいつも眺めてニヤニヤしながら進めないと絶対に続きません。
”今日の自分の体重を100g単位で正確に言えますか?”。これが言えないとダイエットは成功しません。と、ここまで書いたので私の今回のダイエットも失敗できません。

2)GARMIN Edge 705

ご存じの通りチャリンコを乗りまくりの生活をしていますが、せっかく走った道のりを残したくなりました。そうなるとGPSロガーとなります。
GPSロガーだけでなく、クランクがどのくらいのペースで回っているか(ケイデンス)、どのくらいの速度が出ているか?(GPS + ホイールセンサ)を計測できれば、ただのチャリンコ乗りから、スピードやペースを意識したトレーニングサイクリングとなります。

Edge 705は、自転車に取付、またケイデンスセンサもフレーム、クランク、スポークに取り付けて各データを収集し内部メモリに蓄えます。
ケイデンスセンサーからEdge 705はANT+という低消費電力の無線送信をするため、煩わしい配線を追加する必要はありません。

さて、お台場を1週回してきたサイクリングのデータです。GARMINも購入者にアカウントが発行され、そこに各データが保存されてゆきます。

これが、お台場を周回したときのアクティビティです。通った道の位置はGoogle Maps上に表示され、速度・ケイデンスの情報などもグラフ化されます。
この時は平均巡航25km/hを目指して走っていきました。信号で止まったときにタイマーをストップしないといけないのですが、それを忘れたため、平均速度はさがってしまっていますね。
お台場は先の方に行くと、車も全く通っていない広い道があり、そこで全力で踏んだときに時速50km/hオーバーが出ました。
とはいえ、クロスバイクで50km/hオーバーだと流石に若干ガタガタして不安でした。もちろん回りの安全を完全に確保しないと危険です。

さて、Google Mapsに表示できるのですから、もちろんGoogle EarthのKMLにも対応しています。

(クリックすると拡大)

こう見るとお台場をどのように走ったか一目瞭然です。道のりがこうやって再現できるのはとても楽しいです。
ちなみに中央部上方にある1周くるっと回っているのがレインボーブリッジです。

というわけで、自転車にEdge 705を載せるととても楽しいです。Edge705はやや高価なので、GPS+ケイデンスのロギングだけなら、弟分のEdge 500でも良いかもしれません。
私は日本の代理店経由が鬼高かったので、円高を利用して海外から個人輸入しました。日本地図が入っていないので、Edge 705上のマップは役に立ちませんが、(自分で別途マップデータを購入すれば日本代理店を通すのと全くおなじもの)
しばらくはこのまま(マップを使わずに)いきたいとおもいます。乗っているときはマップを見ませんし、帰ってくれば上記の様にGoogle Earthで確認できるので十分です。
そういう意味で、GPSロギング+ケイデンスだけのEdge 500でも良かったかもしれません。まぁ大は小を兼ねるということで。

3)GARMIN Forerunner 405CX

さて、自転車でGARMIN社のGPS性能と、GARMINウェブサイトの完成度に感動し、平日のランニングトレーニングの際に、Edge705を手に握りながら走ってみました(笑)。
もちろん、問題なく動作し、ランニングのスピードやラップ、走った道のりが、同じようにGARMINのサイト内に表示されました。
しかしEdge705を握りながら走るのはやや大変なので、腕時計型のGARMIN Forerunner 405CXを買ってみました。同じく個人輸入+アウトレット(箱がつぶれている)物で相当安く買えました(日本の代理店値段の1/3)。言ってみれば、Gショックよりも安価に購入できました。


(クリックすると拡大)

月島・新川界隈のランニングです。こんな感じで、腕時計として走るだけで、これだけ正確にロギングできます。Nike+とか比べると、こちらはGPSなので比較にならない精度です。
ちなみにGPSから時刻が取れるため、電波時計よりも時間は正確です。デザインは鬼ダサイですが、世界一正確な腕時計とも言えなくもありません。

GARMINのサイトでは、カレンダーもあり、

 
(クリックすると拡大)

こんな感じで、エクササイズ状態と体重など全て日付毎管理されます。8/21のお台場周回サイクリング(ピンク)をクリックすれば上記の1つのアクティビティが詳しく表示される仕組みです。とても便利で見やすいです。ピンクがサイクリング、青がランニングとなっています。

というわけで、体重計測をよりスマートに、サイクリングとランニングを位置情報・速度情報・ケイデンスを正確に計測できるような環境になりました。
結構便利ですので、何か興味があれば、お使いになってみるのも良いかもしれません。安く買う方法など疑問点がありましたらコメント欄にお気軽に。

“Rapido” 自作スピーカープロジェクト: その2: ユニット特性SPL、フィルター設計など

バッタバタで圧倒的開発が遅れている32周年記念自作スピーカープロジェクト”Rapido”のその2です。誕生日も毎年のことながら余裕で通過しました(苦笑)。本プロジェクトの過去の内容は、“Rapido”カテゴリーをご覧ください。

Rapidoは、2ウェイのブックシェルフスピーカーになる予定です。理由は、私がフロア型、トールボーイ型よりもブックシェルフ型が好みだからです。
あれだけ好きだったクラシックは大学学部時代位からあまり聴かなくなりました。理由は私の好きなマエストロは録音が古く、その頃の録音をそれなりにちゃんとしたオーディオシステムで聴くと、音が悪すぎて気持ち悪くなってしまうからです。そういう意味では現代のクラシックの演奏を聴けば良いのですが、最近はヴォーカルを含むJazzばかりで、気合いを入れて聴くというよりはBGMとして聴くといったスタイルです。
そういうスタイルですと、どうもトールボーイなどで聴くのは重すぎて好きになりません。ブックシェルフ型のスピーカーをピリっと慣らす方が心地よく感じています。

さて、”Rapido”では、

高音部: Tweeter : Fountek NeoCD 3.0 リボン型
中・低音部:Mid Woofer : Accuton C173-6-096

のユニットを選択しました。この2つのユニットは価格差がありすぎて、価格の面からすればバランスが悪いのですが、NecCD 3.0はMonitor Audio PL-100に近いユニットであること、またデータシートの性能(を信じると)を見る限りとても良い特性を示しているため採用に至りました。
Accutonは、高性能ユニットメーカーとして相当有名です。超高級スピーカーなどでScanSpeak, SEAS, AudioTechnologyなどと並んでよく採用されるユニットメーカーです。NeoCD 3.0が高能率のユニットですので、能率が高いミッドウーファーを選択しました。それがC173-6-096です。海外から納品されて空中で鳴らしてみましたが、ピリっと軽くとても良いユニットである印象です。

さて、スピーカーユニットの性能は、T/Sパラメーター(Thiele/Small Parameters)という指標で性能を評価されることが多いです。まさにThieleさんとSmallさんが考えたものですが、何十年経った今も頼りにしている指標です。そのT/Sパラメーターやデーターシートから読み取れる性能から、パッシブなディバイディングネットワーク、すなわちフィルターの設計を行います。人間が一般的に聞き取れる周波数帯域は20Hz ~20kHz位です。この帯域を、2つのユニットで鳴らすわけですが、アンプからの出力信号を低音部・高音部に分けてユニットに入力しなければなりません。


図1: 2つのユニットの単体の音圧の周波数特性

図1で示す様に、今回は2750Hz程度のカットオフ周波数で高音・低音に分けることにします。2つのユニットの仕様をみてもこの位の周波数を推奨しています。


図2: 理想的なフィルター

図1の状態から図2の様にばっつり高音・低音にカットできれば良いのですが、現実はかなり困難です。以前作った30周年記念スピーカーでは、この部分に多段タップのFIRディジタルフィルタで急激なフィルタを施しましたが、何せ音が良くない!今回は、デジタルフィルタを使わずに典型的なアナログのパッシブフィルタを用います。そこで、


図3: 3次のフィルター(-18dB/oct)

図3は、高音部にハイパスフィルター、低音部にローパスフィルターをそれぞれ3次のパッシブフィルターを施したものです。この3次のフィルターを実現すべく、コイルやコンデンサを使ってフィルタ回路を設計します。


図4: コイル・コンデンサは、デンマークのJantzen Audio製を採用しました。日本ではあまり売っていないメーカーで、売っていたとしても下位グレードの物です。今回採用した物は、Superior Z-capシリーズというもので、Jantzen Audioでは上から2番目のグレードです。トップのZ-Silverシリーズは、さすがに高すぎてとても買えません(1本5000円!!!)。Jantzenは、海外通販+円高効果でうまくやればかなり安く購入できます。Jantzen Audioは本当に品質が良く、このコンデンサも外装がつるつるで綺麗です(音には関係ありませんが・・・)


図5: Rapidoフィルタ回路

図5のような基板を開発します。普段FPGAの回路などを作っているので、ドが付くほど簡単な回路です。ささっと設計しました。


図6: 同じくRapidoのフィルタ回路です。

* コメント欄でのご指摘の通りコイルに角度を付けて配置する必要がありますね。

さて、今回のエントリーでは、Rapidoプロジェクトのユニット特性および、フィルター設計について紹介しました。
開発がかなり遅れていますが、これからスピーカーの箱(エンクロージャー)の設計です。はやく仕上げないと・・・・。