たまにしか書かないブログをこんな内容で良いのか気になるが、とりあえずPLAYSTATION3(以下PS3)の話。本日、最新のファームウェアのアップデーターが公開された(Ver.1.8)。今までチョコチョコ更新はあったが、今回のファームアップは今までのPS3のファームアップの中ではもっともドラスティックな更新と言える。更新点は数多くあるが注目すべきは以下の二つ。
・DVDのアップスケーリング(1080p出力)に対応した
・DLNAクライアントが搭載された
この2つの更新は、PS3らしい意味のある更新といえる。まず前者のアップスケーリングであるが、ハイヴィジョン解像度の無いDVD動画をいわゆるフルハイヴィジョン画像にアップスケーリング(補間)し、更にプログレッシブ(Progressive)出力するというものである。この機能はほんの1年前までは数十万円以上する高級DVDプレーヤーやAVアンプなどに搭載されていた豪華な機能であり、その機能を満たすために専用のチップを搭載していた。しかしPS3は、このアップスケーリング機能、およびI/P変換(インターレース、プログレッシブ変換)を専用チップではなく、モーレツな処理能力があるCELLによりソフトウェア的に処理している。つまり、今まで専用チップを物理的に搭載しなければならなかった機能が、ソフトウェアで後から追加したことになる。これはスパコン並みといわれている強烈なCELLを搭載しているからこそできる、つまりPS3ならではの機能アップであると言える。言ってみれば、PS3はこれからファームアップ次第でどんどん高機能なハードウェアになっていくことができる。
後者のDLNAは、家庭内のネットワーク機器で画像、音楽、動画などを共有するためのプロトコルである。Windows XP, Vistaに付属のWindows Media Player 11はDLNAサーバー機能を有しているため、Windows Media PlayerにPCで管理している画像、音楽、動画データーを登録し、PS3をクライアントとして承認してあげれば、PS3からその画像、音楽、動画データにネットワーク経由でアクセスできる。PCにあるデータをわざわざPS3で再生する必要があるのか?という疑問にたいして、大いにあると思っている。PS3は、HDMI端子の出力があるため、ハイヴィジョンテレビに接続できる。全く当たり前だが、これこそが、PS3がハイヴィジョンテレビへ出力するゲートウェイ的な役割を一手に担っていると言える。しかもHDMIは、各社対応が遅れているVer 1.3にいち早く対応しているため、Deep Colorの映像、ロスレスマルチチャネル音声など機能的にかなりの余裕をもって出力できる。
このテレビへのゲートウェイとも言える機能により
・DVDの再生:1080pのアップスケーリング
・BDの再生:1080p出力対応
・PCの音楽データ:再生可能
・PCの画像データ:表示可能
・PCの動画データ:再生可能
・PS1, PS2, PS3のゲーム:私は数独(カズオ)しかやらないが・・。
となりとても頼もしい。特に私にとって嬉しい機能は、PCの画像データの再生である。私のディジタル一眼レフカメラはもちろん、コンパクトディジタルカメラや携帯カメラに至るまで高画素化が進んでいる。少し前までは写真はL判サイズで見るものみたいな文化があったが、この機能によりフルハイヴィジョンテレビ(208万画素相当)で大画面で綺麗に見ることができる。これは何ともすばらしい。環境問題もあるし、特別な事でないかぎり紙にプリントする時代ではなくなったと言えるほど綺麗に表示できる。ただ、ディジタル一眼レフカメラなどで利用されるRAW形式には再生が対応していないのが残念であるが、先述の通り、これも強烈にプッシュすればファームアップでいずれ対応してくれるであろう。ファームアップ機能万歳である。
PS3は売れ行きが良くないらしく、SCEIは苦戦を強いられているらしい。ゲーム機と宣伝するからいけないと思う。DVDのアップスケーリング機能を備えたDVDが20万以上で売られているのにファームウェアアップだけでいとも簡単にその機能を有してしまうPS3は、少し本気が出てきたかなといった感じである。Wiiなどのゲーム機として張り合うのではなく、高級機能を有するAV機器とみれば、PS3の値段は破格であると思う(まぁ、高級機能を有するAV機器を望むマーケットが狭いのかもしれないが、これもハイヴィジョンテレビの普及によって増えてくると思う)。将来的に発売されるであろうBD録画機能を備えたPS3が10万円前後で出たらほかの会社は全く追従できないと思う。