先日,地震で目が覚めた.この星は,最近,地震,津波,台風と大忙しである.星は生き物であるから天災は避けられないのだが,多くの命が失われている以上,少しでもエンジニアリングの分野から予測などできないかと考えることが多い.今回はそんな高尚なものではなく,極々お馬鹿な乗り物の構想である.しかもその乗り物を山手線に適応できるかを検討する.
山手線.東京を一周する東京を代表する円環電車である.あらゆる鉄道が山手線から髭を生やしたように接続されている.この山手線に何かがあると東京はパニックとなり,たぶん経済効果も相当なものであるかと思う.今回この山手線をより快適(!?)に利用するための新しい乗り物を提案する.
動く歩道は,空港や駅,恵比寿カーデンプレースなどで乗った経験がある人が多いと思う.今回考えている乗り物とは,その動く歩道を並列に並べ,端から順々にスピードが速いレーンで構成されているお馬鹿乗り物である.動く歩道のスピードを上げることによる問題点は,あまりに早いと人間が飛び乗れない(飛び降りれない)という問題である.つまり,時速2キロ,4キロ,・・・と列によって少しずつスピードが上がっているので,順々に横のレーンに移っていけば早いレーンの乗られるというお馬鹿な乗り物である.
では,どのくらいまでスピードを上げればいいのだろうか?新しい山手線になることによって,今の山手線より時間が掛かるのでは意味がない.現在山手線は,1周約34.2kmを70分掛けて回っているらしい.つまり平均速度は34.2km / (70min/60min) =29.3km/hである.意外と遅いと思うかもしれない.これは駅間で加速・減速をしているために,時間が掛かっているのだ(もちろん今回の乗り物もスピードが早いレーンに移るのに時間は掛かるが・・)
これにより,最高速度のレーンは30km/h程度と設定する.
次に何本のレーンを設けて加速していくかについては,動いているものに(進行方向に対して直角方向に)乗り移るのに無理のないスピードに設定しなければならない.これに近い動きの乗り物として(宮下には縁がない)観覧車だと思いつく.観覧車は,止めることなく人が次々に乗り降りする.そこで,お台場パレットタウンの大観覧車のスピードを計算してみる.調べてみると,直径100m,16分の空の旅ということである.その為,ゴンドラの速度は,時速(0.1km x 円周率) / (16min/60min) = 1.17km/hである.うーむ・・・意外と遅い.
これにより,最高速度レーンまで25本のレーンを並べて配置する.
山手線は,ご存じの通り円環である.その為このレーン群も円環にしないといけない.現在の線路も直線のレールを少しずつ繋ぎ目で角度をつけていくことで円環を形成している.今回の各レーンも同様に直線のレーンをつなぎ合わせて円を形成する.(連続なつなぎを作るのが難しいのだが・・・)
さて,この乗り物を実現したときに利点と欠点(→その解決方法)
<利点>
・電車を待つという概念は存在しない
・災害が起きても,電車のような閉鎖空間ではないので,最悪歩いて動ける.
・(おそらく現在の電車の様な閉鎖的な乗り物に乗るよりも)東京の各街の距離感を体感できる
<欠点>
・恐らく怖い(笑) → 小学校の時に”少年の船”という怪しい旅行に参加したことがある.その時新潟から北海道へ載ったときの船は,時速40km/hであった.甲板にいても40km/hはそれほど辛いスピードではなく,それより遅い30km/h程度ならいけるのではないか?(笑
・カーブ時の遠心力が怖い? → 山手線の現在のレールを真円だと仮定して,その円を時速30km/hで回った時の遠心力を求めてみる.Mapionの東京地図によると山手線は,意外とお米型の円環なことがわかる・・.が.とりあえず,真円だと仮定すると半径約8km.遠心力は,計算を省略するけど,地球に引っ張られる力の1/1500.つまり高い所から飛び降りた時に地球に引っ張られるから地面にたたけ付けられるんだけどのその1500分の1の力.つまりこの乗り物の遠心力は大したこと無い
・25本レーンは幅(土地)を取る(しかも内回り・外回りで2倍の土地が必要)
・輸送能力の問題 → 現在の山手線の輸送力を下回るわけにはいかない.つまり,ラッシュ時の山手線の輸送能力を今回の乗り物がこなせないといけない.ここで効いてくるファクターは,最大速度レーンの幅である.最大速度レーンに人を詰め込めれば輸送能力が上がる.ラッシュ時の山手線は,2分半の間隔で走らせているらしい.1車両の定員が136人で11車両で200%の乗車率だとすると,2992人.この人数を2分半で運ぶ為には,最大レーン速度で2分半進んだ距離の間に2992人収めないといけない.時速30kmで2分半では1250mなので,1m間隔にに2人配置すると2500人が輸送できる.輸送要求は2992人なので,最大速度レーンに人が横に2人並ぶことにより倍の5000人の輸送能力を運べるように設計する.人の横幅を60cm位に取ると,24(加速レーン) + 2(二人幅の最大速度レーン)でレーン幅は60cm x 26 x2(内回り・外回り) = 31.2mとなる。30m幅のレール群の大きさなら現実味をおびますかね(?)
・天気の問題→屋根を全エリアにつけることで何とかなるが,コストが・・・.
・冬は普通に寒い→全レーンを室内エアコン完備.コストが・・.
結論として莫大な予算と土地が必要であるが乗り物自体は実現可能性がある.しかし利点が少ないため没かな・・.
山手線ではなく,空港などなら少ないレーンで採用されるかもしれない・・・!?空港なら,入国審査・ハイジャックとの関係上,閉鎖空間であるため天候と気温の問題は政治的に解決できる.ただ,ローラーがついたスーツケース引きづりながら横のレーンにずれていくのは大変かな・・・.