宇宙の時間と花鳥風月

この星(地球)で生活している限りとても重要な時間がある。それは、1日という時間と1年という時間だ。星が自転する時間から来ている1日、星が恒星(太陽)を公転する時間から来ている1年、この2つは人類が作った単位ではなく、もともとこの星が持っている時間である。その時間(リズム)を持っている星から生まれた人間であるから、この短い人生の中でもできるだけ、そのリズムを感じて生きていきたい。

私が生まれてから地球は太陽を既に28周回ろうとしている。1周の間には春夏秋冬があり、その季節にしかないできごと、その季節にしかできないことがある。この28回あったチャンスを私はぼうっと過ごしてきた感がある。幸い18歳までは長野で農業をやっていたから、農業をやることで、1年に1回の米・野菜の収穫という形で星のリズムに同期することができた。18歳で上京して以来、宇宙を追いかけ勉強・研究を重ねてきたが、宇宙を見ているつもりが、宇宙工学の勉強という星のリズムとは関係のない生活で生きてきた気がする。学位を取るころなどは生活もめちゃくちゃで、公転はおろか、自転のリズムにすら非同期の生活であった。この生活で感じたことは、宇宙に対して、木を見て森を見なかったような感覚を覚えていた。

この星で生活する以上、星のリズムを大切にした生活をしていこうと思っている。”花鳥風月”、具体的な花、鳥、風、月ではなく、星のリズムを感じるという感覚として、”花鳥風月”の生活をしていきたい。このブログの”花鳥風月”カテゴリーはこの感覚をベースとしたエントリーでまとめていきたい。

全く恥ずかしい話だが、28回も春夏秋冬を経験しているにもかかわらず、どの時期にどの花が咲くなどの知識が極めて曖昧である。実家の庭には、母親が大切に育てている花々があり、いつも見ていたのだが、どの時期に何の花という記憶が曖昧であることに気づいた。そこで引っ越しも終わり、新しい生活を迎える機会に、常にその時の旬の花を部屋に飾ることにした。その話を今日立ち寄った花屋で話したところ、ポカンと聞いていたが、とりあえず花の知識だけはいろいろ教えてもらった。

今日新居に飾られている花は、紫陽花である。今回は紫ではなく、黄緑の紫陽花にしてみた。紫陽花が部屋にあることで随分部屋の雰囲気が変わった。

今後も星のリズムを感じるような”花鳥風月”プロジェクトとして、意識して生きていきたい。

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紫陽花
(手前は友達から引っ越し祝いで頂いたもの)

紫陽花

先日の東京タワーの写真を撮りに行く途中で見つけた紫陽花.後ろに枯れた葉っぱがあったり,ボケ味が汚くなんともイマイチな写真である.ちゃんと撮れば良かった.

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東京タワー

カメラと三脚をもって自転車で東京タワーの周りを回った。それは、下の写真にある場所を探すため。並木道の先に東京タワーが見える写真を以前見たことがあり、それを探して回った。

結局この場所は,御成門交差点前@google localでした.

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ニコラ・テスラ~クロアチアの天才~

何とか同点に抑えた日本対クロアチア戦.そのクロアチアに150年前に生まれた天才が居る.ニコラ・テスラ(Nikola Tesla)という孤独な天才科学者(発明家)である.電磁気学を勉強したことがある人なら,磁束密度(T : Tesla)からご存じの方もいるかもしれない.そういう私も詳しく知っていたわけではなく,何かのきっかけで彼の生涯を読んだことがあり,久しぶりに彼の名前でネット検索していたら,今年が生誕150周年ということだった.しかも,先日日本とW杯で戦ったクロアチア出身ということで少し紹介したい.

今,この星の電力システムは基本的に交流電流によって成立している.その交流システムのベースを作ったのがテスラであるから,彼の功績は計り知れないものと容易に想像できる.更に我々宇宙開発でも極めて重要な,無線送信機なども発明しており,正に天才である.テスラは,発明王エジソンの会社で働いていたことがあり,エジソンの直流システムのいくつかを交流で動かし様々な利点と可能性を示したころから,エジソンが嫉妬し,確執が生まれたと言われている.ニコラ・テスラ – wikipedia によると,エジソンの有名な言葉「天才とは99%の汗(努力)と1%のインスピレーション」を皮肉って,「天才とは99%の努力を1%の努力で覆す存在である」という発言をしたらしい.当時世界的に有名だったエジソンと決別したことから,ノーベル賞などもその関係で拒否し,エジソンほどの名声を得ることは無かったようである.しかし,彼の功績を冷静に判断してみれば,今の電力システムのベースを発明しており,あらゆるデータが無線で飛ぶ今,エジソン以上の天才であったことは間違いない.

テスラは一生独身を通した.彼の名言の一つに「発明家は、野性的で情熱的な激しい性格の持ち主なので、愛する女性に夢中になると全身全霊で打ち込み、自分が選択した分野からすべてを与えてしまうだろう。結婚した男によってなされた偉大な発明をあげることはできないと思う。(1897年)」と言っている.毎日4時間しか睡眠を取らずに一生研究を続け,息を引き取った時も,誰も周りにいない孤独の死であったという.メイドが後日に亡くなっているのに気づき葬儀の準備を始めると,FBIが彼の研究ノートを持ち去ったという.それは彼の発想があまりに先に行きすぎて危険と判断したからだという.

私個人的には,テスラのような不器用な天才は大好きである.先述のエジソンの皮肉に関しても,一握りの天才が素晴らしいものを発明することを言っておきながら,そういう彼も全てを犠牲にして研究に人生を捧げている.当たり前だが,ここに一つの命題が生まれる.「天才になれる保証は全くないが,天才と呼ばれた人は死ぬほど努力していた」.宇宙の分野にいると嫌というほど天才が多くて,議論をしていても自分の頭の悪さに萎えてくる.彼らを見ていると,上の命題に一人も例外がいない気がしてくる.もちろん,クールに振る舞ってはいるが.

ニコラ・テスラの関連サイトを是非ご覧ください.とても偉大な発明家です.

ニコラ・テスラ 稲妻博士と呼ばれた男

テスラかく語りき(名言集)

発明超人ニコラ・テスラ

ナウでヤングなスチームオーブンレンジ

引っ越しにあわせて電子レンジを買うことにした。大学時代、自分たちの人工衛星を運用するため、毎朝4時には大学にいなければならなかった。そのため、深夜1時に帰ってきて、朝3時半には出発という生活であり、電子レンジを使うような料理をしている時間がとれなかった。今回、本格的な料理までとは言えなくても電子レンジくらいは必要かなと思い、電気屋へ向かった。

ジャパネットたかたなどで、電子レンジは1万円もしないこと、そしてオーブン機能も付いたオーブンレンジというものが存在するなどの知識はあったのだが、いざ店に行ってみると各社、各グレードで数十種類にも及ぶ製品の数。正直困った。何を選んで良いかわからない。とりあえずエンジニアらしく、消費電力と表示パネルのLCDの質、ドアの開閉の機構と剛性などを見て回っていたが、料理とは全く関係のないことに気づく。そこでビックカメラの店員でありながら、エプロンをつけている男性店員に声を掛ける。

書くまでも無いのかもしれないが、電子レンジ機能単品、電子レンジ機能+オーブン機能、電子レンジ機能+オーブン機能+スチーム機能の3グレードに大きく分けられることが分かった。今まで”レンジ機能で暖める”、”オーブン機能で焼く”という製品群あったのが、スチーム機能により大きな技術革新があったということなのだ。スチーム機能はその名の通り、水をタンクに入れておくことで温めながら水分を与える機能。これにより、ラップが無くとも潤いのある暖めや、焼き魚の塩分を落とす減塩機能が実現できるらしいのだ。各社ともスチーム機能により、電子レンジ+”ヘルシー”機能というものをウリに商品を販売している。シャープのヘルシオなどはその名前の通り、スチーム機能で様々なヘルシーメニューができる人気商品らしい。ヘルシオはちょっと値段が張ったので、私は、競合他社のナショナル製、スチームオーブンレンジを選んだ。選んだ理由はその週末だけポイント還元が10%→20%であり、普通のオーブンレンジ級の値段に下がっていたこと、さらにスチーム機能が両面できるため、鮭などの焼き魚でひっくり返す必要がないという点に惹かれ、この製品を選んだ。

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ナショナル スチームオーブンレンジ NE-SS23

ナショナルは、NE-SS30Aという内部30リットルの大型と、私が購入したNE-SS23(内部23リットル)の小型の2種類がヘルシーメニュー+両面スチームに対応した機種のようである。

なにせ鮭を買ってきて、水を専用タンク(レンジ下部にある)に水を入れてボタンを押すだけで、潤い+減塩焼き鮭ができるので、とてもいい感じである。調子にのって毎朝焼き鮭生活を先週送ってしまった。今まで、カメラ、パソコン、AV家電ばかりで、生活家電に目を向けることが少なかったのだが、今回いざ購入してみると非常に発展しており、努力しているなと背筋が伸ばされる思いである。

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本当の武勇伝

最近のお笑いブームで,数多くの若手お笑い芸人がデビューしている.その中でも最近有名なのは,”武勇伝”ネタで有名なオリエンタルラジオ.確かに二人の息はあっていて,踊りなどもスピード感があり,変わった芸風だと思う.しかし,個人的にはネタ自体が,あまりおもしろいと思ったことがない・・.あの短い間に連続しているためか,その数割のネタは意味が分からないこともあるし,架空の話とはいえちょっとイマイチな芸人という感想である.

そんななかすごい武勇伝を見つけた.

江頭2:50の武勇伝

はっきり言って最高です(笑).武勇伝とはこういうものだし,ゲストの笑いも本家よりも江頭の方がずっとウケています.やはりお笑いはブームではないなと再認識しました(笑)

旅美人

フジテレビの番組で,旅美人という番組がある.21:54 ~ 22:00のとても短い番組で,名前の通り美人が東日本エリアを旅をするという設定で,綺麗な場所を紹介する.

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番組紹介(フジテレビサイトより転載)
“旅美人”である女性の旅人が東日本エリアを旅しながら素敵な日本の風景、文化、人、さらには昔から伝わる言い伝えや伝説を紹介する旅番組です。
特に、素晴らしい眺望や街並などが溢れる“美しい東北”や現地の人たちとの触れ合いがある“楽しい東北”を紹介していきます。もちろん、「食」、「温泉」、「宿」の情報も必見です!

あなたも「旅美人」をきっかけに、東日本の魅力を存分にお楽しみ下さい。そして、今度はあなたが素敵な旅美人に!

この番組をこのエントリーで紹介しているのは,美人が出ているからではなく,映像がとても美しいからである.地上波ディジタル(地デジ)のハイビジョンで放送しているからであるが,この映像を見ると,従来の非ハイビジョン映像なぞ見てられない(←言い切った).

この美しさを見てしまうと写真,静止画が危ぶまれる.フルスペックのハイビジョン規格(たとえばISDBなど)では,最高1920×1080の解像度で約60Hzである.つまりディジタルカメラでいう約200万画素で毎秒60枚撮りである.たとえば人撮り写真の場合,下手な鉄砲ではないが毎秒60枚もあれば,1枚くらいは綺麗に撮れていることを考えると,この規格・スペックは驚異的だ.200万画素あれば,2L判くらいのプリントは耐えられる気がするので,普通の写真はハイビジョンカメラで撮った方がいいではないかと思ってしまう.写真をやっている以上,そのシャッターチャンスというのが難しく,そして楽しいものなのだが,例えば子供の成長を残すなどの場合,合理的に失敗無く残すという目的を果たすためには,静止画カメラは不要という考えも起きてくると思う.

何年後かに地上派アナログが停派され今までのテレビは使えなくなる.皆様,そこまでひっぱらず,早く地デジに乗り換えましょう.5年間テレビが無かった人間からの提案です.CMでやっている,”極限までの美しさ”,”開けあたらしいヴィジョン”,”本当の色が目を覚ます”などの各社のキャッチフレーズはその通りだと思います.

素人の家具選び

4年住んだ三軒茶屋を引っ越す事にした.三軒茶屋はお店も多くてとても良い町だった.また,たまに遊びにきたい.昨日,友達に手伝ってもらい新居に全て荷物の移動も完了し,新居の部屋づくりをこれから頑張るところ.

新居に置く家具選びのため,先週金曜日出張の代休であったため,家具屋を模索した.家具なんて買ったことが無かったので,どういうアプローチで探せば良いのか分からず,ネットで少しずつしらべ何となくコツが分かってきた.

まず,家具を買う際に必ず抑えるべきアプローチは,家具セールが近くでやっているかを調べることである.

例:全国の激安家具セール情報

例えば上記のページは全国のセール情報が掲載されている.はっきりいって関東圏なら毎週どこかでやっている.では,セールはどのくらいの”セール”なのか?
家具がお店などにおいてあるとつい寝そべってみたり,座ってみたりする.そう,家具なので基本的には展示品をみて購入する機会がおおい.あたりまえのことだが,あの展示品の”セール”なのである.私が調べたところによるとセール品は定価の8割引というようなものまである.つまり,家具セールは絶対に調べないといけないアプローチである.

さて,セールだけで全てが揃うわけではない.普通の家具を選ぶためにどうすればいいのか?引っ越しを考えていると友達にいったら,その友達が「インテリアショップガイド2006-2007」を貸してくれた.この本は悪くない.少し写真が少ないが,私のように全く家具屋を知らない人間にとってとても役にたった.見ているだけで,部屋のイメージが頭に浮かんでくる.

では,実際に私が足を運んだお店を紹介.

まずは大手を回った.

IKEA @南船橋
 南船橋にある超大型の家具ショップ.週末はディズニーリゾートも顔負けの混み具合らしい.私は金曜日だったので,比較的普通に回ることができた.あまりに大きいので,一回りするだけでもだいぶ苦労する.家具はあり得ないほど安いものから,それなりの値段まで豊富に揃っている.とりあえずIKEAを一周してみるのはとても良いと思った.安い家具が多いので結構惹かれた商品は多かったが,正直言うと安いだけあってクオリティとデザインがイマイチだと思った(ベッド,ソファあたり・・).自分が決めていた値段を超えた商品はあまり見なかったので,あくまで安い商品ではあるが何となく雑というイメージが残った.掛け布団に関しては,その模様のセンスは最悪だった.とはいったものの,ベッドフレームは安くて中に収納スペースがあるものを見つけたので,もしかしたらもう一度行って買うかもしれない.

IDC大塚家具
 国内家具メーカーとして最も大きな売り場面積を誇るIDC大塚家具.客一人に対して,一人のスタッフさんがとても丁寧に接してくれる.家具の質も文句なく良い感じで,品揃えも豊富で,気に入るものはたくさんある.しかし,やはり良いものだけあって値段が高く,ちょっと手が出ない感じだった.将来的にはお世話になるかもしれないが,今回は保留かなと思った.お金があるなら,大塚で全て揃うでしょう.

インテリアショップガイドで目を付けていた2つの家具屋に足を運んだ.この2軒はとてもお勧め.

デザイナーズオリジナルソファ SO-FA-S @ 三田(田町)
 JR田町駅から徒歩で10分程度の所にあるSO-FA-S.リンクをたどっても分かるように全て楽天ベースのショップから購入できる.日本人のデザイナーがオリジナルでデザインし,直販で購入できるため,随分安い値段でソファなど家具が購入できる.スタッフさんもとても丁寧に接してくれる.ソファだけではなく,花瓶などの置物もとてもシンプルでかっこよく新居のイメージにピッタリでいろいろ欲しいなぁと思った.ソファの場合,ソファの型を選び,そこにクラスA,B,Cという3ランクのカバーを選んで購入するシステム.クラスAが一番高く良い生地だと思う.各クラスに多くの色があり,生地のサンプルがあるので部屋にあった色で安いソファが購入できる.IKEAと同じ価格帯のソファを比べても明らかにクオリティが高く,端々まで丁寧な作りである.ネットから購入できるが,是非足を運んで,生地のサンプルなどを見てみることをお勧めする(調べてみたらサイトから生地のサンプルは無料で頂けるようだ・・)

STYLICS @ 新宿(紀伊国屋本店隣,献血ビル9F)
 大変気に入ってしまった家具屋さん.インテリアーコーディネータが,本人の意向や予算を聞いて,3Dソフトをつかってシミュレーションしてくれる.お店にはあらゆる家具のカタログがおいてあり,70000点の家具から選べるらしい.私のようなセンスのない人間にとっては,プロのコーディネーターさんが一緒に選んでもらえるととても”良い部屋な気”がしてしまう(戦略にはまりまくりだが・・).家具の高さなど感覚ではなく,このくらいの高さだと首が疲れないとかいろいろ教えてくれて,その相談をするだけでもとても勉強になる(もちろん無料).STYLICSの特徴は,欧米の[Rent to Own]とよばれる“SMART PLAN”という購入システム”も”利用できること(当然普通に購入もできる).家具は一通り揃えたら決して安い買い物ではない.SMART PLANは,家具をレンタルし,月額で手数料もなく払っていくというもの.気に入ったら差額で買い取ることもでき,なかなか面白いシステムだと思った.

とりあえず,これを回っただけで一日終わってしまったが,家具選びがこんなに楽しいとは思わなかった.これから少しずつ購入していきたい.

おまけとして,FrancFrancなどの家具は安く購入する方法があった.興味があれば私に問い合わせてくださいな.

飛行機から見えたもの

金沢からの帰京に飛行機を使った。金沢は、鉄道と飛行機でほとんど時間が変わらないため、どちらで行こうか迷ったが、やはり飛ぶことが好きなので飛行機を利用した。飛行機は本当に美しく、飛び上がる時の加速感、窓から見える世界、飛んでいる時の翼などとにかく楽しい。最近は前方のディスプレイに飛行機の進行方向などのカメラ映像が流されることが増えた。今回のフライトでは、飛行機下部に着いた地上(真下)を写すカメラ画像が表示されていた。

金沢から東京までの間、やはり日本は山の国だと再認識した。山の中にぽつぽつと家が立ち、生活をしている。その中に何とも許せない下品なものが数多く見えた。今回の内容は多くの人に不快感を与えると思うが、これだけは私的にナンセンスだと思っているので、書きたいと思う。

飛行機から見えたナンセンスなもの。それはゴルフ場。この時点でかなり多くの人を敵にまわしているが、私はゴルフというスポーツとゴルフ場は全くナンセンスだと思っている。

山の中腹にあれだけの敷地と”草の生えていない”フェアウェイを作るには、どんなことをしているか想像がつくだろうか?大学で上京するまで長野の農家で育った。ウチの親父のいう”地球のひげそり”である草取りをしたことがある人はわかると思うが、雑草の生える力は凄まじい。米を作るにも、野菜を作るにも、豆を作るにも、雑草に栄養がとられないように毎週、毎週草取りをする。そんな雑草が全くなく、ゴルフボールが綺麗に転がるフェアウェイを作るには?そう、莫大な農薬である。18ホールという宇宙的に見てもあまり意味のない数字のホールの面積の木を切り倒し、農薬を膨大に撒く。ゴルフコースは山の高い位置に作られるから、その下の住民の水質汚染および、農作物の影響などその被害は計り知れない。

様々な問題に反対している人々は多い。その中で私は原子力などエネルギー面、技術面においてなくてはならないものに対しての反対は素直には同意できないが、このゴルフ場に関してはやはり反対である。だいたい、ゴルフというスポーツがナンセンスだと思っている。バスケットなり、サッカーなり、陸上なり、いろいろスポーツがあるなかで、どうもこのスポーツは頂けない。運動神経の良い友達が、社長にはわざと負けるように打っているとかいう話を聞いていても、いったいどんなスポーツだと思わざるを得ない。

10年以上前に、ウチの実家の少し上にゴルフ場が建設ということで、被害者感情で述べているというのは正直ある。しかし、なんかこのゴルフというスポーツは、スポーツマンシップとも言い難く(もちろんプロゴルファーは、素晴らしい技術だと思うが)、星への影響が甚大であることから考えても、ナンセンスだと思わざるを得ない。

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Image Courtesy from NASA (クリックすると拡大)

スペースシャトルコロンビアのクルーが最後の残した写真は、日本の富士山だった。
その中腹には気持ち悪いほどのゴルフ場が広がっている。ごみ問題もあるが、このゴルフ場の多さも世界遺産にならない理由ではないのかと考えてしまう。

この年になって、同期、同年代がゴルフはじめたという話を良く聞くようになり、不愉快に思わせることを承知で一発書かせていただいた。宮里選手などの活躍も目覚しいスポーツなので、海の上に人工芝のゴルフ場を作るなり新しいクリーンなゴルフ場は提案できないだろうか?

シンドラーのエレベータを考える

先日、扉の開いたまま上昇をし、間に挟まって高校生が命を落とすという事故があった。同じエレベータを私の出身大学である東工大でも使っており、半年くらい前からいろいろトラブルが発生していたらしい。このエレベータは、世界シェア2位のシンドラー製のエレベータらしく、どうやらこの会社のエレベータが怪しいのではないかという報道がなされている。今日のエントリーではこの事故に対して思うことを書きたい。

まず、某巨大掲示板でこのニュース(シンドラーエレベータが東工大でも利用されトラブルが頻発していた件)で紹介された。そのレスポンスが非常におもしろい。かなり多くの意見として”東工大ならそのくらい直せ”と。問題のエレベータがあるキャンパスにいる学生は全員が工学部。多少分野が違うとはいえ、半年間トラブルに対して何も対策は取らなかったのははっきりいって残念だ(実際には今回の報道を見た感じかなり自信満々の会社のようで、修理依頼をしても無視したのかもしれない・・)。エレベータは危険な乗り物である。工学部学生として、扉が半分閉まらなかった、階数表示に有るはずのない階数が表示される、人が多く乗ると沈む、変な音がするなどの現象がありながら何もしなかったとしたら、それは本当に残念であるし、もう少しエンジニアリングについて考え直した方がいいと思う。私はまだまだエンジニアの下っ端も下っ端だが、世の中にあるエンジニアリングについて疑問をもったら、業者でもメーカーでも必ず質問している。なぜその設計にたどり着いたのかなどを聞くだけで自分の種にもなるからだ。今回、高校生の命が失われたが、可能性として東工大でももちろん起こりうるわけで、工学部しかもほとんどが大学院生のキャンパスでこのトラブルを事前に解析し、事故を防げなかったのが本当に残念だ。

さて、シンドラーエレベータ自体を考える。まず、シンドラージャパンのホームページには、かなり強きのコメントが載せられている。

>2006年6月6日時点では、この事故がエレベーターの設計や設備によるものではない事を確信している旨を述べさせていただきたいと思います。
http://www.schindler.co.jp/jpn/WEBJPNJP.nsf/pages/new-060606-01

以上のようにかなりの強気のコメントである。彼らの主張も少し理解できる。世界シェア2位で世界中で使われているエレベータは、十分に信頼性があり、今回の事故は個々の特殊な(たとえば建物の問題など)問題に起因するものであり、エレベータそのものの設計には問題がないと。少なくとも東工大やほか多くの同社エレベータでトラブルが多発していることから、こんなコメントを発表したことを後悔することになるだろう。

まずこのエレベータの設計思想が甘いと思う。フェイルセーフの考え方が私のような素人でも甘すぎると思う。今回のトラブルの多くはたぶんソフトウェア・回路系のトラブルでハードウェアが暴走しているようである。ソフトウェアをどんなに完璧に開発してもトラブルは起こりうることを想定していないのだ。
 扉の開閉状態は何個ものセンサーでセンシングし、内部ソフトウェアはその情報を把握しているはずだ。その中で、”扉が閉まっている時は昇降しない”というプログラム(条件分岐)は必ず書いているはずである。しかし、今回の悲しい事故では実際に起こっている。エンジニアとして設計に盛り込まなくてはいけないことは、扉が閉まらなかったら昇降できないハードウェアの設計である。たとえば扉が閉まったら初めて歯車がかみ合い昇降運動が有効になるような設計であれば、どんなにセンサーなどのソフトウェア・回路が不具合を起こしても昇降運動は起こらない。このようなフェイルセーフ設計が全く行われていないと考えざると得ない。
 保守会社が変わろうと、どんな変な建物で使おうと、あいている時は動かないという仕組みなどは絶対に確保して設計しなければならない。私は人工衛星を作ってきているから、修理が絶対にできないエンジニアリングである。そのため、このようなフェイルセーフは最新の注意を払い、この未知のエラーにどれだけ想像力を働かせられるかが、一番おもしろいところである。宇宙という極限状態に人間の設計で立ち向かうときに起こりうるエラーをどこまで回避できるか、それは自然と人間の能力の戦いであり、そこに宇宙開発を行うおもしろさを感じている。
 今回のエレベータは明らかにそういったフェイルセーフの設計が甘いエンジニアリングである。エレベータという人命を扱うものに対してあまりにも設計が甘い。私の予想では、ソフトウェア系、回路系の熱暴走あたりじゃないかな?と思っている。日本は湿度も高いし、ビルの中のエレベータも十分な空間をとって作られていない。そのあたりでソフトウェア、または回路系に不具合でも発生したのではないだろうか?しかしそういう未知のエラーに対して、前述のように、物理的に閉まっていなければ昇降しないなどの設計を絶対に行わなければならないと思う。実際にエレベータの設計は非常に大変だと思う。それを簡単にこう言ってしまうのは大変失礼なのかもしれないが、何とか原因を究明し、人命を扱っているということを再認識して良いエンジニアリングをしてほしい。

 今回、シンドラー社がトラブルを起こし、人命が失われた。しかしこのトラブルはエレベータに限らずこれから多くのエンジニアリングで起こりうると予想する。その原因の一つは何か?

”プログラマブルエンジニアリング”

である。この言葉が正しいかはわからない。しかし、この10年エンジニアリングが非常に変化してきている。あらゆることが、”プログラマブル”になったことである。その最新のものを紹介すると、アイピーフレックス株式会社”DAPDNA”である。パソコンや電化製品などを分解すると必ずといって良いほど入っている緑色の基板。いわゆる回路基板であり、一つの基板には、たくさんの抵抗・コンデンサ、トランジスタなどがたくさん並び、その電気の通り道が迷路のようにつながっている。この回路が現在、自由にソフトウェアで開発できるようになった。つまりソースコード(のようなもの)を一つの電気素子に書き込むとその通りに回路ができあがることができるようになった。その中でもDAPDNAは、ナノ秒単位でその回路を切り替えることができる。つまり今までかなりハードウェアに依存していたものが、ソフトウェアでできる分野が格段に広がった。

 このプログラマブルエンジニアリングは、電気回路が入っていないモノがない現代において革命的に開発時間と開発コストを低減させた(といわれている)。しかし逆に、”緊張感のないエンジニアリング”をもたらしたと思っている。プログラマブルということは、逆にいえば、改変が可能ということである。つまり出荷し、エラーがでたらそのソフトウェアを再プログラミングするというエンジニアリングが一般的になった。もちろん、最初から完璧な物作りは難しいので、エラーなどはさけられない。しかしこの出荷後にも改変できる甘えと何でもソフトウェアで解決できるという過信が様々な業界で問題になってきているのではないかと思っている。今回のエレベータ事故、昨年の電車事故、飛行機のトラブルなど、このプログラマブルエンジニアリングが少なからず起因しているのではないかと思っている。

 エンジニアリングの最も難しく、そして日本のエンジニアリングが本来得意としていたものは”壊れないエンジニアリング”だと思っている。はっきりいって目的の機能を実現するエンジニアリングはそれほど難しくない。しかし1年動かしっぱなしで壊れないエンジニアリングは非常に難しい。今この伝統が失われつつある。この理由は経営面など様々な要因はあるが、一つは出荷後に改変できるという甘えから、物作りの精度が落ち、また壊れたら買い換えれば良いという消費者に問題がある。

 完璧なエンジニアリングなどほとんどありえない。上記のような現状でエラーが起こりうる設計の甘い物作りが今後益々増えていく。最近はモノだけではなくインターネット(ウェブ2.0)でも、ベータヴァージョンと堂々と表示している(gmail, mixi, greeなど・・)ページが増えている。このような現状であるからこそ、何かおかしいとか、不安に思ったら堂々と問い合わせるべきである。今回のエレベータ事故で、エレベータは総点検される。しかし、この尊い命が失われなければ点検されないのがとても悔しい。