ガーベラと分類について

1年を通して花屋に通っていると、やはり好みの花というのが分かってきて、つい同じ属の花を買ってしまうことが多い。非常にありきたりであるが、ガーベラがとても好きであると自分の中で分かってきた。

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ガーベラ ”シナリオ”

ガーベラについて、Wikipediaで調べたところ植物界も奥が深いなぁと思った。

参考:ガーベラ | Wikipedia

ガーベラは、キク科に属するガーベラ属の総称という位置づけである。発見者であるドイツ人の自然学者ゲルバーの名前からとられた花らしい。花言葉は、『崇高美』『神秘』。ガーベラの正式な位置づけは、

界 : 植物界 Plantae
門 : 被子植物門 Magnoliophyta
綱 : 双子葉植物綱 Magnoliopsida
亜綱: キク亜綱 Asteridae
目: キク目 Asterales
科: キク科 Asteraceae
属 : ガーベラ属 Gerbera

となるらしい。この界、門、綱 などの分類がとてもおもしろく、wikipediaで追いかけていくと生物もすごく複雑多岐に渡っており、興味が尽きない。ちなみに同じように人間を分類すると

界: Kingdom: 動物界
門: Phylum/Division: 脊索動物門
綱: Class: 哺乳綱
目: Order: サル目
科: Family: ヒト科
属: Genus: ヒト属Homo

となるらしい。このような分類は、もちろん人間(リンネなど)が学問として分類し始めたものである。散らばっている事象を種類に分けて分類することを生物学にかかわらず人間は行ってきた。ここに示したような動物と植物の分類が宇宙スタンダードなのかちょっと疑問に沸いた。同じ地球、つまり宇宙から生まれたガーベラと人間を、人間からの視点で呼吸をしていないとか背骨がないからという理由で植物という違うものとして分類した。もし、植物的な光合成をパワーとして背骨をもって歩く生物が他の星にいて地球に遊びにきたときに、ガーベラと人間を今回のような分類にするかがとても興味がある。この生物の分類に関わらず、他の星でも変わらない普遍的な原理みたいなものがあればおもしろいなぁと思った。

Google Maps for Mobile (Googleマップモバイル)とKMLによるGPS連動 | FOMA 903i以降

2007/08/27追記:コメントでアドヴァイスを頂きました。FOMA付属のブラウザで本文をコピーできない件に関して、formのinput type=textの中に表示させることによりコピー機能が使えるようにしました。
追記終わり。

GoogleはFOMA 903i, 904i以降および、PDAなど携帯端末で利用できるGoogle Maps for Mobile(Googleモバイルマップ, Googleマップ モバイル)を発表した。Google Mapsは、パソコンのウェブブラウザで利用できる地図と連動したサービスで、位置情報マッシュアップの代名詞といえるサービスである。そのGoogle Mapsを携帯端末で利用できるサービスが昨年米国で開始していた。今回、やっと日本の携帯(NTT Docomo FOMA 903i以降限定)のサービスが開始された。早速遊んでみることにした。

Google Mapsは、Gmailと並んで、AJAX技術を使った軽量で快適なシステムである。さらに、Google Maps APIを利用することで、地図上に様々な情報を重ねる(マッシュアップ)することができる。今までこのAPIを使って数多くのウェブアプリを開発してきたため、Google Maps for Mobileの発表とそのAPIを楽しみにしていた。しかし問題が発生した。Google Maps for Mobileは、携帯端末のブラウザを利用せず、i-Appli(iアプリ)によるJavaのソフトウェアである。AJAXは、JavascriptのXMLHTTPRequestを非同期で通信することにより軽快な動作を実現している。携帯にもウェブブラウザが搭載されつつあるが未だJavascriptを十分にサポートされておらず、今回のGoogle Maps for Mobileはウェブベースではなくi-appliベースになったものと思われる。つまりi-appliベースであるため、今までのGoogle Maps APIが利用できない。これによりGoogle Maps for Mobileはとりあえず地図を見るだけか(ソフトウェア内で文字列検索はできる)と諦めようとしていたところ素敵な情報を見つけた。

Google Maps for Mobile now supports KML

この記事によると、なんとGoogle Earthで採用されているKMLをサポートしているというのだ。Google Maps for Mobileを起動すると画面左下にメニューがある。その中に、”お店やサービスの検索”という項目があって、そこでキーワードを入力してそのキーワードに関する位置検索ができる。そのキーワード入力欄に、KMLのファイルのURIを入力すればKMLを処理してくれるというである。つまり、このKMLを動的に生成すれば、Google Maps for Mobileに情報をマッシュアップすることができる。

今回のエントリーでは、GPS受信機能を使って位置情報を取得し、その情報からKMLを動的に生成し、そのKMLをGoogle Maps for Mobileに渡すことで、Google Maps for MobileとGPSの連動をテストしてみたので簡単に紹介する。

ここで、FOMAのGPS機能について少し触れる。以前、このブログで紹介したように、最新の携帯電話には位置を検出できるGPS受信機・機能が搭載されている。この機能に関しては、過去のブログを参照されたい。

携帯GPS実験(FOMA 903i, KDDI au)

上記のエントリーで紹介しているように、携帯電話(FOMA)のGPS機能は、i-appli DX(トラステッドアプリ)か、URIに位置情報を付加する方法(ここではちょっとニュアンスが違うがHTTPリクエスト法と呼ぶ)により利用することができる。今回も後者のURIのHTTPリクエスト法を利用する。

KMLを介したGoogle Maps for Mobile とFOMA GPS連動の流れ

1.GPS位置検出を行うためのHTTPリクエストを行うページにアクセス
2.位置情報が付加されたURIをHTTP GETメソッドで取得するサーバーサイド動的ページにアクセス(今回はJava Servletを利用したが、PHP, CGIなどでももちろん可能)
3.取得した経度・緯度・高度をGETパラメータとしたKMLを動的に生成する。(実際にKMLのテキストファイルを生成しておらず、パラメータに対して変化する動的なウェブページである(コンテンツタイプはtext/kml)。
4.KMLファイルのURIを携帯電話のコピー(クリップボード)機能でコピーする。ウェブブラウザを終了し、i-appliのGoogle Maps for Mobileを起動する。
5.Goole Maps for Mobile内の”メニュー”>”お店やサービスの検索”のキーワードにコピーしたKMLのURIをペースト(貼り付け)する。
6.現在位置の地図が表示される。

という流れである。簡単なサーバーサイドアプリで実現可能である。とにかくダサイのは、KMLのURIを連動とかいいながら、コピー&貼り付けで渡している点である。しかし現状の仕様ではこれしか方法はない。ここでもう一つ問題が発生した。携帯のブラウザ上でKMLのURIを表示しているが、私のSH903i, N904iではブラウザ上の文章をコピーできなかった。長いURIの文字列を紙に写すのはさすがにフィジカルコピー過ぎるので、そのURIをメールに送信する機能も追加した。アクセス後、自分にメールが届くので、その本文に掲載されているKMLのURIをコピーし、Google Maps for Mobile上で貼り付けるという過程になった。結果としてはコピー&貼り付けが面倒であるが、極めて良好に動作した。先のブログでも、GPS情報を使ってGoogle Mapsの非公開APIを使って画像の切り出しを使っていたが、あれは所詮画像の切り出しであり、その地図の移動・ズームを行うことができなかった。今回のシステムを用いることで、携帯で自分の位置を検出し、サクサクと地図を移動・ズームすることができた。

さて作成したページを公開する。雑に作ったシステムなので不具合などはご容赦願いたい。

Google Maps for Mobile + GPSテスト
Ver : 2007.08.21
for NTT DOCOMO FOMA 903i, 904i
https://www.spacewalker.jp/iss/gmapgps.html
* 注意1:FOMA 903i以降の機種でアクセスしてください。
* 注意2:標準のブラウザを用いてください。フルブラウザでは、HTTPリクエストによるGPSが動きません。

今回のエントリーでは、GPS機能により位置情報を取得とその情報をGoogle Maps for Mobile上にマッシュアップさせる方法について紹介している。もちろん、Google Maps for Mobileがヴァージョンアップして、GPS受信をアプリケーション上から呼び出せば今回のような面倒な方法をする必要がない。当然考えているとは思うので、その内実装されるのではないかと思われる。一方でGPSの情報以外でのマッシュアップの方法として、とりあえず公式なAPIが公開されていない以上、今回紹介したようなKMLを介した方法を利用するしかない。コピー&貼り付けによるKMLの取り込みはあまりスマートではないので何か使いやすいように改善してもらいたいものである。最後に、同じHTTPリクエスト法によるGPSが使える、Softbank, KDDI AUでもGoogle Maps for Mobileさえ公開されれば同等の機能を実現することができると思われる。ちなみにPC版のGoogle Mapsでも、KMLのURIをそのまま検索キーワードに掛ければ、KMLを読み込むことはできる。

実家に帰省、ジャガイモ収穫

お盆のため、長野の実家に帰ってきた。お盆はご存じのとおり、先祖が1年に1回帰ってくる行事であるから、実家などでは正月と同様にとても重視されている。実際に先祖が帰ってくる・帰ってこないなんていう科学的なアプローチは無意味に等しく、1年という地球が太陽を公転するリズムで、墓掃除をし、先祖を思い出し、親戚と会い、実家に帰るという行事としてすばらしいものだと思っている。昨晩帰ってきて、今日は朝からジャガイモの収穫である。

玄関をでると昨年も咲いていたアサガオが綺麗に咲いていた。それにしてもこの自然の青は美しい。

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玄関の軒先には、梅干しが干してあった。梅”干し”が、”干し”てあったという表現がおかしいと思えるほど、普段食べる梅干しは、やっぱり干してある。最終製品ばかり目にしていると名称が生産過程を示していても、実感が沸かないがこうしてみると、梅干しである。

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さて、実家からジャガイモの畑は歩いて10分くらいである。汚れても良いようにボロを着て、麦わら帽子で歩いていく。まずこんな格好は都会ではできないが、いくら汚れても良い、いくら汗かいても良いという感覚がとても気持ちが良かった。

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私が料理で使うのと、兄の奥さんもジャガイモをよく使うということで、今年は種芋を例年の5キロから一気に10キロに倍増したらしい。おかげで大量である。今日のお昼はさっそくコロッケにして食べた。新じゃがという名称でスーパーに売られていることもあるが、収穫して2時間後にコロッケになっているので超新じゃがである。

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実家から送ってもらうのは主に、米、味噌、ジャガイモ、そしてこの長ネギである。とにかくネギ好きなのでネギを送ってもらうのはとてもうれしい。この写真の時には雑草が生えているが、ジャガイモ収穫後にこの間の草取りをした。これだけ天気が良いので、雑草もモーレツに成長する。草取りはいわゆる、地球のひげそりである。

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かぼちゃも収穫。

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これが、ジャガイモ掘り起こしシステムである。手押し式の耕耘機の後ろに、でかいフォークみたいなものを付けて右側に堀りあげる極めて単純なシステムである。昔はこのでかいフォークがなかったため、鍬で堀りあげていたが、その鍬でジャガイモをヒットすることが多く痛めることがあった。この技術革新により作業効率の向上と精度の高い(痛めない)収穫が可能になった。
ちなみに、犬たちは後ろをついて回る。

先日、知り合いのお子様が大学受験で少しアドヴァイスをする機会があった。そのお子様が高校時代どのくらい勉強していましたか?土日は勉強していましたか?みたいな質問をされたのだが、今回農作業を手伝って思い出したのだが、土日は農作業をしていたことを思い出した。生きていくために農業をやる、こんな当たり前のことから離れてしまうと随分感覚がおかしくなる。昼飯で食べたサラダ(トマト、タマネギ、キュウリ)は全て実家で採れた物である。農業という仕事に就職しなかったのであるから当たり前の事であるが、キーボードを打って出る給料から野菜を買うという感覚に違和感を感じた。セカンドライフ内の貨幣や、各種電子マネーなどを、仮想貨幣(第3のお金)と呼ばれるようであるが、農家出身の自分からすれば、今の”お金”というルールで農作物という生きるために必須のものを買える(交換できる)という時点で今のお金もよっぽど仮想的なものだと思った。

ちなみに、長野の星空はやっぱりすごい。流れ星も天の川もバッチリ見えた。

ガス瞬間湯沸かし器とIHコンロによる最適湯沸かし実験

お茶好きであるため、毎日1回はヤカンでお湯を沸かす。実家で母親が行っていたのを自然とみていたため、普段ガスによる瞬間湯沸かし器でお湯を出し、そのお湯をIHコンロで沸騰させてお茶を飲んでいた。その他、パスタを茹でる時なども、何となく水道水からではなく、瞬間湯沸かし器で加熱したお湯をコンロで沸騰させてつかっていた。熱力学や電気工学による知識から、電気を使った加熱(IHコンロなど)は、ガス加熱に対して無駄が多く、より多くのCO2を排出するのではないかという工学的な感覚があり、この湯沸かし法を実践していたと言える。このエントリーでは、ヤカンでお湯を沸かす際、ガス瞬間湯沸かし器とIHコンロをどのように使うと、最適な湯沸かしを実現できるのかを実験した。

ところでこの”最適”であるが、以下の3点において検討しようと考えた
・光熱費の最適化: もっとも安い方法を検討する。
・人生の時間の最適化: もっとも早く沸騰する方法を検討する。
・CO2などの地球環境に関する最適化: もっともCO2が排出されない方法を検討する。

また現在一人暮らしをしている宮下家の環境は、
・30度~75度に設定できる都市ガスによる瞬間湯沸かし器(風呂の湯張りも利用可能)
・1-9のパワー調整ができるIHコンロ(2口)

以下の各実験に関しての細かいデータは、Excel形式のデータも併せて公開している。

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(1)IHコンロの電気代計測
目的:IHコンロのMAXパワー(設定9)利用時の電気代を算出する。
方法:家の電化製品を極力OFFにし待機電力を算出し、IHコンロ利用時から差分して求める。家の電力計の円板の回る時間をストップウォッチで計測する。

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電気代の算出の参考:http://www.tepco.co.jp/e-rates/custom/kihon/ryoukin/index-j.html

(2)水道代の計測
目的:水道を全開にした場合の水道代を計測する
方法:水道を全開にした状態で、水道メーターの進み具合をストップウォッチで計測する。

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水道代の算出の参考:http://www.waterworks.metro.tokyo.jp/life/index_1.html

(3)瞬間湯沸かし器のガス代の計測
目的:42度および75度に設定した際に水道全開でのガス代を計測する。
方法:42度および75度に設定した状態で水道を全開にし、ガスメーターの進み具合をストップウォッチで計測する。

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ガス代の算出の参考:http://home.tokyo-gas.co.jp/userguide/ryo-kin/r_tokyo.html

以上の(1)、(2)、(3)により毎秒のガス湯沸かし、水道、IHコンロの料金が計算できる。

(4)瞬間湯沸かし器の設定温度までに達する時間の計測
目的:瞬間湯沸かし器は設定温度に達するまで水を出しっぱなしにしなければならない。42度、75度の2温度に対して、何秒で設定温度に達するかを計測する。この時間は、当然のごとく、上記のガス代と水道代が加算される。

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注意:この時間は、瞬間湯沸かし器をONにして水道を全開にしたときに何秒かかるかを計測している。数回実験したところ、1回目50秒程度だったものが、2回目は30秒近くで達することがわかった。これは、瞬間湯沸かし器が1回目の余熱および配管にお湯が含まれているため時間が短縮したものと考えられる。お茶を沸かすという状況を考えた場合連続でお湯を沸かすことはないため、1回目の時間を計測値として採用した。

ここから実際にお茶を飲むための実験を行う。紅茶、日本茶、中国茶を好んで飲むため、基本3gの茶葉に対して200ミリリットルのお湯を基本にお茶を入れている(もちろん例外は多い)。そのため、今回の実験では、少し多めの400ミリリットルのお湯を沸かすという条件とした。

(5.1)400ミリリットルのお湯を水道水(26度)からIHコンロのみで沸騰させる実験
(5.2)42度に瞬間湯沸かし器で加熱し、そのお湯をIHコンロで沸騰させる実験
(5.3)75度に瞬間湯沸かし器で加熱し、そのお湯をIHコンロで沸騰させる実験

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注意1:ヤカンにいれる水(お湯)400mlは5秒程度で出るとした。
注意2:42度、75度設定の瞬間湯沸かし器によるお湯を使う場合、ヤカンに入れることで少し温度が下がるため”約”とした。(実験では400mlを正確に計るため、少し時間が掛かっているので、ここでも温度低下が若干含まれる)

考察:
・光熱費最適:ガスを使わず常温(水道水)からIHコンロのみで沸騰させた方が安い
・人生時間最適:ガスを使って高い温度に加熱した方が総時間は早い
・CO2などの地球環境最適:複雑なので後述

せっかくなので関連する予備実験を行った。

(6.1)ヤカンのフタの有無による沸騰までの時間
(6.2)IHコンロの中心からヤカンの位置を半分ずらした場合の加熱時間
(6.3)200mlちょうどの水(26度)を沸騰させたときのお湯の残量(加熱過程での蒸発量差分)

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考察:
・フタの有無:沸騰時間に25秒程度の差が出た(複数回実験を行っていないため誤差は多く含むと思われる)。フタは必須である。
・ヤカン位置ずらし:下の写真のようにヤカンをずらした状態では、明確に沸騰時間が遅い。IHコンロとヤカン底面の重なっている面積に比例するという感覚と一致する。下の写真にあるように、IHコンロの基準線は1つの円である。今回のヤカンの場合、この円より底面の直径が大きく、上に重ねた場合、ヤカンが正確に中央に置かれているかを判断することが難しい。直径の違う同心円の基準円をもっと数を多くすることで、視覚的に中央に鍋・ヤカンがおける工夫は必要であると思う。こういった簡単な工夫で二酸化炭素排出量は少し軽減できる。早速メーカーに問い合わせてみる。

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・沸騰までの水量の減量:200mlのお茶を飲むのであれば、沸騰したお湯が200mlあれば良いわけである。不必要な水の沸騰はその分沸騰に時間が掛かるわけであるから、無駄である。一方でこの結果(185ml)ということから分かるように常温から沸騰までに約15mlの水が蒸発してしまう。これは当然のことであるが、このように定量的に計測してみれば、200mlの沸騰のお湯を用意するのに400mlは大過ぎであり、250mlもあれば十分であることがわかる。今回計量カップで量って各種実験を行っていたが、その感覚からすると、200mlのお湯を沸かすのに今まで1L(リットル)くらいの水を無駄に沸かしていた気がする。今後は気をつけたい。

補稿1)CO2などの地球環境に関する最適化について

CO2に関する最適化を定量的に計測・判断することは極めて困難である。熱力学や電気工学を学んだ感覚からすると、IHコンロより、ガスコンロの方がCO2などの排出量は少ないであろうという予想は付く。その理由は、IHコンロでお湯を沸かすために、IHコンロでの電気から熱を作る効率、長距離を送電する際のロス、変圧時のロス、発電時の発電効率など、電気をコンロで使うために実に多くの無駄がある。パソコンなどのように電気でなければ動かないものはしょうがないとして、湯沸かし、風呂、ドライヤーなどの熱を利用するものを、わざわざ電気から作ることに無駄があると感じていたからである。以下に、東京ガスがまとめた同じような視点でのエネルギーを効率したサイトがある。

東京ガス エネルギーの選び方

このサイトによると、ガスは、石炭・石油に比べて温室効果ガス(CO2, NOx, SOx)の排出力が少なく供給が安定している。さらに、私が上で述べたように家までガスが来ているためガスステーションから家までの輸送ロスなどが少なく1次エネルギー(石油・天然ガスなど)で見たときのCO2排出量が少ないらしい。しかし、この点はもう少し考えなければならない。まず、天然ガスが東南アジアをはじめとした海外からの輸入に頼っており、その輸送時のCO2などの排出量はどうなのか?また、発電に化石燃料を使った場合を比較しているが、原子力を使った場合は、多少電送ロスがあっても総合的に見れば電気の方がCO2排出量が小さいのではないか?という点である。世界唯一の原爆被爆国であることと、先日の柏崎原発の事故によりこの国での実現はまだまだ難しいが、各都道府県に原子力発電所を設置し、化石燃料による発電を撤廃すれば、電送ロスも少なくなり、CO2などの排出量が少なくなる可能性もあるのではないだろうか。(もちろん原子力発電に使うウラン・プルトニウムなどの放射線物質を採取するのにエネルギーを要するためその部分を考慮しなければならないが。) 熱力学的、電気工学的な感覚ではIHコンロは無駄が多い漠然としたイメージがあるが、日本のように資源を海外から輸送しなければいけないような国である場合、地球規模で考えた場合のCO2などの排出が本当に少ないか判断が難しくなる。阿部首相などが「1人1日1kgのCO2削減」キャンペーンでCO2排出を削減しようと運動しているが、先日のブログ(閉鎖系での地球環境(温暖化)の考え方)で書いたように、地球規模で考えたときに本当に削減になるかを厳密に考えないとタダの偽善行為の空振りになる可能性がある。現段階では、発電に石油、天然ガスなどを使っているため、おそらくガス利用の方が排出量が少ないが、電送ロスが少ない地域分散型100%原子力が仮に実現したときにどうなるかなどは一考の余地があると思う。こういった様々な背景から、今回の湯沸かしというアプローチで地球環境的な最適法はどちらの場合が良いかを定量的に判断することは難しい。

補稿2)沸騰させる水量を変化させた場合の光熱費

今回の実験では、お茶を飲むという設定であるため400mlの水を沸かすという設定であったが、本来はこの水量を変化させた実験をする必要がある。理想的には水量が増えた場合、増えた体積に比例して熱量が必要になり、そのままIHコンロによる沸騰するまでの時間が増大する。この理想条件を用いて今回の実験結果(400ml)のデータから水量を変えた場合の光熱費を算出した。

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面白い結果となった。今回実験した400ml程度では、IHコンロのみによる沸騰が最安であるが、2100ml – 3000ml程度では、42度までガス湯沸かし器で加熱しIHコンロで沸騰させた場合が最も安く、3000ml以上では、75度までガス湯沸かし器を使った方が安いことが分かった。ガス湯沸かし器は、実験(4)に示したようにその設定温度に達するまで約50秒程度かかる。しかし、一度その温度に達してしまうと、その温度のお湯をずっと出せるわけであるから、水量がある一定を超えるとガスを併用した方が安いという現象は容易に考え得る。一人暮らしで3リットル程度のお湯を沸かすことはあまり無いが、大家族とか厨房などの環境ではガス併用の方が良いという結果である。

総合的な考察

何気なくガス瞬間湯沸かし器で加熱し、IHコンロで沸騰させるという湯沸かしアプローチをずっと採ってきていた。漠然と(1)沸騰までの時間が早い(人生時間最適)、(2)CO2排出量が少ない(地球環境最適)、(3)光熱費がガスの方が安い(IHコンロは工学的に無駄が多いため)と考えていたためである。しかし実際に計測してみると、400mlを沸かすという条件では、確かに時間は早いが、光熱費に関しては3倍以上ガス併用した方が高い。この結果により私は今後、ガス湯沸かし器を使わず常温からIHコンロのみで沸騰させることにした。時間の早さはそれほど気にするほどでもなく、一般消費者らしく光熱費が安いからである。CO2に関しては、上述の通り判断が難しいが、地球規模でみた場合の排出量が明確に少ないことが分かればそれを考慮した沸かし方を選択するかもしれない。この観点はこのブログでもっとも述べたい点なのであるが、地球温暖化など認識が広まったとはいえ、まだまだその危機感を有していない人が大半だと思っている。このような社会情勢と資本主義経済の場合、環境問題より光熱費が安い方法を大半が選択するはずである。仮に瞬間湯沸かし器を使ってある程度加熱した方がCO2排出量が少なく、さらに光熱費も安いというのであれば経済原理がそのまま地球環境活動であると思う。日本の政治は荒廃しすぎていて、年金なり天下りなりとても地球環境なんぞに目が回るとは思えないが、このような見えない力で50年後、100年後の地球が少しでも良い環境であるような政治をしてほしいが、年金が無くなっているからまぁ無理だろう。とあきらめずにがんばってほしい。(ガス代を政治でコントロールすることは難しいが)

今回の実験において、IHコンロを主に使って湯を沸かすことになるが、予備実験などで示したように以下の点には気をつけ少しでも光熱費、人生時間、地球環境に最適な湯沸かしとなるように心がけたい。
・ヤカンはIHコンロのセンターにしっかりと置く。また、IHコンロメーカーは、センターに簡単に置けるようなガイド円を工夫してほしい。使っているコンロメーカーにメールは送ってみる予定である。
・フタは必ず使う
・200mlのお湯を沸かすのに、不必要に多い水を沸かす必要はない。ヤカンの内部に、常温から沸騰させた際に最終的にどの程度のお湯が残るかを考慮した水量目盛りがついたヤカンが発売されれば素敵なことだと思う。無印良品にでもメールを送ってみる予定である。

宮下家では、ガス湯沸かし器、IHコンロという組み合わせであったためこのような結果となったが、ガスコンロの家庭では、おそらくガス湯沸かし器で極力加熱をしておいたほうがよいと思われる。瞬間湯沸かし器はガスコンロに比べ熱交換の効率が良いため、コンロの時間をなるべく短くしたほうが良いはずである。お時間がある人がいらっしゃったら是非計測して結果を教えてほしい。

最近オール電化が流行っている。東京電力と東京ガスのCMの戦いは凄まじい(笑)。どちらが良いかという判断は、光熱費や地球環境などの点をじっくりと吟味して考えなければならないと思っている。お互い足をひっぱるのではなく、適材適所に効率良く使っていければ良いと思う。一方で、リンナイのガス湯沸かし器の不具合や、柏崎の原発のトラブルなど、両分野において人々に不安感を起こさせる事故があった。電気、ガス、水などのインフラの”メンテナンス”には政府もしっかりと介入し事故が起こらない仕組みを何とか実現してほしいものである。

今回、夏休みの研究という感覚でいろいろな計測・実験を行った。理論的にもシンプルで、計測も簡単に行える。もし興味があればご自宅の環境を計測してみるのをおすすめする。湯沸かしだけでなく、電化製品の電力などいろいろなことが、数値で分かると思われる。

薔薇、ひまわり写真

連日の暑さのため、昨日買ってきた薔薇とひまわりが急激に弱ってきている。昼間エアコンを付けっぱなしで外出するわけにはいかないため、昼間の痛みが酷い。明日はもう首が垂れてきそうなので今日中にさっさと写真を撮ってしまった。昨日のブログ国立新美術館写真に続いて、とりあえず写真を載せておく。家の中だと背景がうるさく、とりあえず画面いっぱいの構図を撮らざるを得ない(ムラバックをベッドの下から引っ張り出すのが面倒なだけだが・・・)。とにかく綺麗な色の薔薇ばかりだ。パソコンでいくらでも色を作れるけど、やはり自然が奏でる(詩的だ)色にはとてもかなわないなと思う。思っているのにディジタルカメラに残そうとする。

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薔薇 ローテローゼ
薔薇 ローテローゼ

薔薇 イエローアイランド
薔薇 イエローアイランド

薔薇  パリジェンヌ
薔薇 パリジェンヌ

ひまわり レモン
ひまわり レモン

国立新美術館

東京大学生産技術研究所跡地に国立新美術館(THE NATIONAL ART CENTER,TOKYO)が今年オープンした。モネ展を始め、既に何度か足を訪れているのだが、そういえば美術館の建物を写真に収めていなかった。設計は、最近都知事選、参議院議員選挙などでお茶の間を賑わせている黒川紀章である。一番太陽が高い真っ昼間に、写真に撮りに行くというとてもやる気のない写真であるため、後で見てみると面白くもなんともない写真ばかりであった。数は結構撮ったのだが使える写真が全くない。そのほとんどが誰もが撮っている写真じゃないかと自問しながらも、とりあえず紹介することにした。写真はともかく広くて気持ちの良い美術館なので気になる展覧会を見かけたら是非足を運んでほしい。

参考:国立新美術館 | wikipedia

国立新美術館

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ベンチ、ソファが数多くあり、カフェもあるのでここに本を読みにちょっと散歩にきても良いかもしれない(美術展を見なければ入場は無料)

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壁と床は木を使っており暖かみがある。

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美術館3Fには、竹の中庭がある。

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東京ミッドタウンから近く、帰り道に撮った。

233mの高さから飛び降りてきた@マカオ

先日マカオ(Macau)に写真撮影の仕事で行ってきた。マカオと聞いてすぐに地理的な場所が思いつかなかったのであるが、香港から船で30分くらいの場所にある小さな島からなる都市であった。面積はちょうど品川区くらいらしい。元々ポルトガルの領土であったのだが、10年位前に中国に返還されている。正確には、中華人民共和国マカオ特別行政区というらしい。詳しい歴史はマカオ | wikipediaに任せる。

マカオは、カジノが有名でありその売り上げ高(?)が昨年度ラスベガスを超えて世界一になったらしく、とにかくバブリーな街であった。ラスベガスで有名なカジノのオーナーも次々とマカオに進出し、町中カジノの建築ラッシュである。好調な中国経済に押されてのバブルであるが、おそらく長くは続かないであろう(詳しくは書かないが・・)。ラスベガスのオーナーたちもバブル時に短期で売り逃げていくような投資だと思われ、ラスベガスが売り上げで再びトップに立つのも時間の問題だと思う。ちょうどIPOで瞬間的に儲けていくようなものだと思う。もちろん経済の素人であるからこの先恒時的にカジノが続いていくかもしれないが。

さて、マカオはポルトガルの領土であったこともあり、ヨーロッパの綺麗な建築物が街の中に多く存在している。具体的にはイエズス会の教会などである。現代の高等教育を受けたものなら誰でも知っているフランシスコ・ザビエル(もちろん歴史的な興味というよりは彼のインパクトのある肖像画が起因するものと思われるが)もマカオに寄って、その後日本に宣教にきたらしい。その歴史的な建築物は、UNESCOの世界遺産(Historic Centre of Macao)に認定された。ヨーロッパ風の歴史建築の間に、中国風のモーレツな密度の住居、そしてカジノが混じり合うとても不思議な街である。治安はカジノで明るいのもあるためか、とても良い様に思われた。住民の9割は既に中国系の人々であるが、いわゆる大陸の中国人気質とは少し違う様である。マカオでフランス料理店を開いている日本人に言わせると、マカオに住んでいる中国系の人々は大陸の人々を馬鹿にしているらしく、根底にポルトガルというのであろうか欧米のプライドみたいなものがあり、少し紳士的ということだ。あくまで聞いた話なので鵜呑みは禁物だが、私が行った感じでは信号も”わりと”守っているし、整列も”わりと”割り込まないし、好印象であった。

マカオには、その経済の勢いを示すシンボリックなランドマークがある。マカオタワー(Macau Tower | Macao Tower)である。マカオタワーの展望台(233m)には、世界一高いバンジージャンプがあり、高所興味症を患っている私としては真っ先に飛んでみることにした。厳密にいうとバンジージャンプではなくスカイジャンプというものをやってきた。仕事の関係でマカオタワーを訪れたのが午前中で、バンジージャンプは午後からでないと飛べなかった。そのため、スカイジャンプにせざるを得なかったのであるが、要するに自由落下するバンジージャンプに比べ、ワイヤーで吊られて自重で降りてくるアトラクションである。バンジーが5秒くらいで落っこちるのに対して、スカイジャンプは15秒(?)くらいで233mを落っこちる。その時の動画を撮ってくれてDVDでもらってきたので以下に紹介。何せ高いところには全く抵抗がないため、飛び降りる瞬間も全く躊躇がない。

飛ぶプロセスは単純で、モーレツに派手なナウい格好をさせられ、ワイヤーを取り付けられる。飛び降りる場所は、展望台のもう1階上にあたり、飛び降りるとまず5mだけ落っこちて止まる。つまり吊られている状態を展望台の知り合いに手を振って挨拶をしてから、ワイヤーを切られて下まで落っこちる。その5m落っこちたところで体を振って展望台側を向かなければいけないのだが、なかなか体が回らず結果的に長い間空にいることができた。5m上のスタッフにOKサインを送って落っこちる。10秒ちょっとで落っこちるのであるが、その時は本当に空を飛んでいる気持ちでマカオの街が一望でき本当に気持ち良かった。飛び降りた後、その派手な格好のまま、エレベータを上って展望台まで戻る訳だが、そのエレベータには今から展望台に観光にいく客が大勢乗っている。そんな格好をしているため、外国人に”Done, Done?”など声を掛けられそれが何よりも恥ずかしかった。ドバイには800mの世界一高いタワーが建設中の様だ。おそらくこのマカオタワーを超える高さのバンジージャンプが作られるのではないだろうか?是非とも飛んでみたいが、その前にスカイダイビングがあるじゃないかと思ってしまった。

世界遺産好きとしては世界遺産をもちろん写真に納めてきた。天気がとても悪かったのであまり良い写真は無いがとりあえず数点公開しておく。バブル絶頂のやり過ぎ感たっぷりなマカオに行ってみてはいかがであろうか?

写真を選び出したら極めて面倒になってきた。へぼい写真ばかりだがとりあえず数点を紹介。

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以上、ポルトガル文化らしい、西洋の建築がある。

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一方で、中国文化の町並みも密度濃く入り込んでいる。

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競技場。

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飛び降りたマカオタワー。

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建設中のMGMグランドのカジノ。シンボルのライオン(?)も建設中だった。

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Wynnグループのカジノ。

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高層マンションに人々は住んでいる。世界一の人口密度らしい。

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マカオは南北に分かれていて、3本の橋が架かっている。

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泊まっていたWestinホテル。

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エッグタルトの有名なお店らしい。

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建設中のカジノ+ホテルであるVenetian。名前の通り、このエリアにヴェネチアの町を再現するらしい。もうバブリーぷりが半端ではない。建設用のクレーンが多すぎてお互いぶつかりそうなくらいの建設ラッシュである。町中クレーンだらけである。このホテルの最初の客は、マンチェスターユナイテッドの選手と既にきまっているらしい。