(留意:2015/02/06) この記事は既に古い記事です。
EOS-M3に関して、新しい記事を書いています。
参考:
●追記写真(物撮りは適しているか?という質問があったので)
EOS-M + EF100 F2.8 Macro USM(マクロレンズ)
◆Canon EOS M(最終処分セール)を勧める理由。
1)異常に安い。たとえばCanon EOS M + ダブルレンズキット + EFレンズマウントアダプター + スピードライト(いわゆるフラッシュ)付きでAmazonで38,000円です。正直これが発売当初の10万円だったらうーむ・・と考えますが38,000円なのでオススメなのです。
参考:Canon ミラーレス一眼カメラ EOS M ダブルレンズキット EF-M18-55mm F3.5-5.6 IS STM/EF-M22mm F2 STM付属 ブラック EOSMBK-WLK @ Amazon
他にもレンズの有無の組合せでいろいろありますがどれも最終売り尽くしなのでかなり安価です。
2)Canonのエンジニアの生真面目さが分かる製品で小型でありながらかなり高画質。(両社に知り合いがいるのであまり書けませんが)EOS Mを使っていると、ソニーだったらもっと危ない設計にするなと思うような部分を、Canonエンジニアは本当に保守的に作っています。おそらく彼らの中でEOSという往年の名前を付けるなら、ミラーレスといえども譲れない線っていうのがあるじゃないですかね。その線の引き方が、ソニーとCanonではかなり違っていて実に面白いのです。その保守的な線の引き方からAFの遅さなど`鈍くささ`がにじみ出てしまい、ライトなカジュアルなカメラとして業界が動いているミラーレス市場に後から参入したのでこうなっちゃったんだろうなと。洋風の気軽なパーティーに礼装の和服で着ちゃったみたいな(笑)あれ、そういう奴近くにいるぞみたいな(笑)。要するにその保守的な線というのを、EOS Mは`高画質`に重みをおいたんですよね。ミラーレスだけど画質は譲らないという頑固さが、私のようなユーザーには響くのです。
3)軽い。私が毎日朝の空の写真を撮るのにも使っていますし、京都なり旅行に行くのもこのカメラと(後で紹介します)超広角ズームレンズ(EF-M 11-22mm)を一本付けて出かけています。もうこれだけ軽くて良く写るのですから、往年のミラー`付き`一眼レフなんぞ持ち歩く気にもなりません。重たいカメラってバックから出すのも面倒で、シャッターチャンスを失っていると思うんですよね。汗かいてカメラとレンズを何本も持って出かける旅行なんて楽しくないですよ。そして三脚に関しても、カメラが重ければそれを支える更に重い三脚が必要になり、カメラの軽さは`力`なのです。
4)ミラーレスである点。昨年Sonyがフルサイズミラーレスカメラ α7シリーズを発表しまして、遂に一眼レフとミラーレスカメラの性能は逆転しました。今市場全体では、一眼レフがトップに立って、その下にミラーレスというように見えますが、私は去年、それが入れ替わった年だと考えており、これからはミラーレスの時代です。ミラーレスなんていう名前は不要で、カメラと行ったらミラーレス。もうトップの座を譲ったのですから、往年の一眼レフこそミラー`付き`一眼という名前で呼ぶべきです。え?まだミラー付けたカメラ使っているの?という時代にもう数年でなるでしょう。EOS Mはミラーレスというこれからの主流のカメラ(方式)であるという点でオススメなのですが、正直EOS Mは、高画質で写りますが`まだまだ`未熟なミラーレスです。その為、今回の安い時期のEOS Mはそれほど長い間使えないかもしれません。ミラーレスは、ソニーのアルファシリーズ、FujifilmのX-T1、そしてCanon EOS M/M2などの各社特徴がそれぞれ分散しており、互いに意識して良い機能を取り込んでいる状態です。ソニーのミラーレスカメラの電気部の性能の良さは今やトップレベルですが、ボディ剛性などのメカ部や専用現像ソフトが残念。一方X-T1は堅実なボディと高画質で現在とてもバランスが良いですが、ソニーのディジタル部を見ると少し劣るかなと(開発姿勢は実に良い)。Canon EOS Mは後述する現像フローや、上に書いたまじめな物作りという観点から良い部分もあります。こんな事情からEOS-Mもそれほど長くは使えないかもしれませんが、なにせ安いのでオススメです。
5)AFの遅さは多くの場面でそれほど問題にならない。AFの速さはカメラの重要なセールスポイントなので、その点はEOS Mは確かに良くはありません。しかし私の様な風景専門、そしてシャッターを押すのもスローな人間にとって、EOS MのAFの遅さは殆ど問題になりません。EOS Mでオススメできない被写体は、
・運動会などの被写体がかなり早く動く場面。スポーツ大会など
・戦闘機、鉄道、F1などの高速移動体の被写体
・顔を振りまくったり、落ち着かないお子様や、とにかくカメラに突進してくる犬など(笑)
要するにAFが遅いので早く動く被写体は苦手です。上記の内、お子様や犬くらいなら慣れれば撮れるんじゃないかなと思います。ディジタルカメラだから数打つこともできますし。しかし両方とも私は撮る機会がないのでわかりません・・・。
6)超広角レンズEF-M 11-22mm m F4-5.6 IS STMが異常に高性能なレンズ
EOS Mとのセット販売はラインナップとしてないので、今回の最終安売りの恩恵は得られないのですが、EOS Mを購入したら是非別途購入していただきたいレンズがEF-M 11-22mmの超広角ズームレンズです。レンズはたまに異常に良く写るレンズというのがあってまさにこのレンズがそれにあたります。上で紹介した私の撮影した写真の殆どはこのEF-M 11-22mmのレンズです。旅カメラとしては小さくて、軽量(298+220=518g)で、高画質で最高の組合せです。実にオススメなレンズです。Amazonでもボディだけなら22,000円で買えるのでボディのみ+EF-M 11-22mmもオススメなセットです。
7)CanonのEOS用レンズをお持ちの方(EFレンズ)は、マウントアダプターを使う事で、EOS-Mで使用することができる。
上記で紹介しているアマゾンの安売りセットには付属していますが、往年のキヤノンレンズ(EFレンズ)はEOS-Mで使う事が可能です。
おまけ8)基本的なEOS Mにおける操作方法、撮影体勢、スマホへの即時画像転送、RAW現像などの撮影フローを動画で紹介するので操作法も安心!?(笑)。また、声を掛けて貰えば、都内の夜景撮影など付き合って撮り方など直接教えますよ。
(この記事の後半で紹介)
◆EOS Mの問題点
良いことばかり書いても胡散臭いので、正直問題点も列挙。
1)Canonのミラーレスの将来性
上述の通り、ミラーレスは今後の主流であり一眼レフは減ってきます。そういう意味では将来性があるのですが、CanonのEOS M/M2シリーズはミラーレス市場では苦戦しているため、キヤノンがこのままEOS Mシリーズ、EF-M(EOS-M専用レンズ)を続けるかは少し心配が残るところです。最近も新しいレンズが発表されたのでまだ数年は大丈夫だと思いますが、未来はどうなるかわかりません。しかし、今回は何せ安いので、数年後にこの規格が仮になくなっても、それまでは良い画質で残してくれるのではないかなと思います。
2)他社のミラーレスの方が良いのではないか?
もちろん他社には素晴らしいミラーレスカメラがあります。EOS-M + EF-M 11-22mmのセット(質量518g)に匹敵するセットですと
・Sony α6000 + SONY E 10-18mm F4 OSS SEL1018 = 13万円, 質量(344 + 225 = 569g)
Sony α6000は実に素晴らしいカメラで是非候補に入れるべきカメラだと思います。AFの爆速ですしとても良いカメラです。敢えて比較するならEOS Mの2倍以上高いのと、`タッチパネル`がないのがやや問題です。以下の撮影フロー動画でも紹介していますがミラーレスにタッチパネルは必須だと思います。ソニーは現在ミラーレスでトップを走っています。どんどん良くなっていますので、次世代でソニーに行っても良いのかなと(笑)
・Fuji X-T1 + XF10-20mm F4 R OIS = 21万円、質量(440 + 410 =850g)
防塵防滴ですし、画質も実に素晴らしい。X-T1は素晴らしいカメラです。敢えて比較するなら、EOS Mの3倍以上高いのと、やや重い点でしょうか・・・。
・EOS M2はどうなのか?
画質はEOS-MとEOS-M2は一緒です。AFのスピードは改善されましたが撮影後の処理があんまり早くないのでこの値段差を払う必要はあるのかなと思っています。Wi-Fi内蔵になりましたが、後述するEye-Fiカード(私も使っている)で十分対応可能です。EOS-M2を検討するなら他社のものかな・・(笑)
*コメント欄にあるように、現在EOS-M2は一部のセットが最大7000円のキャッシュバックキャンペーンをやっています。オススメのEF-M 11-22mmのレンズ(36000円程度)を購入するのが前提なら候補に入ってくるかもしれません。
◆ダリア(花)の撮影フローを動画で紹介。
ちょうどダリアを部屋に飾っているので、ダリアをEOS Mで撮影する工程(フロー)を動画で概説します。出先でスマホに転送する方法も。
まずは、このフローの結果(JPEG画像)を以下に貼り付けます。
EOS-M + EF-M 11-22mm, RAW, ISO100, F7.1
1)(この記事でオススメしている)EOS M + (レンズ)EF-M 11-22mmの組合せ
2)三脚を使ってダリアをRAW + JPEG、絞り優先AE、ISO100、絞りF7.1、セルフタイマーで撮影します。
3)Eye-Fi SDカードを使うことで、JPEGファイルは、スマホに即時転送されます。出先でその写真をSNSなどに投稿するなどは、Eye-Fiカードを使うことで可能です。
4)RAWファイルは、EOS Mに無料で付属してくるDigital Photo Professional(DPP)で現像し、その有効機能であるDigital Lens Optimizer(DLO)やレンズ補正をかけます。*ここで、DLOをかけるには、最初に一度だけご使用のレンズデータをダウンロードする必要があります。DLOを掛けるボタンの近くに`更新`ボタンがあるのでそこで該当レンズデータをまずダウンロードしてください。
5)露出補正、ホワイトバランス、ピクチャースタイル(+彩度などの調整)を行います。
6)必要な画像サイズに縮小します。DPPを使う場合と、Photoshopでアンシャープマスクを掛けて縮小する方法を紹介します。
◆追加企画:Canon EOS-M, Canon 5D Mark II, Sony α7R比較
同じレンズ(Canon EF100mm F2.8マクロ)を、EOS-M (APS-C), Canon 5D Mark II(ミラー付き一眼レフフルサイズ), Sony α7R(ミラーレスフルサイズ)で撮影比較します。
三枚の写真でどれがどのカメラか分かりますでしょうか?(答えはこの記事の一番下に)
まとめ
いろいろかきましたが、まとめます。
・EOS Mは高画質で軽量で、今だけとても安いので、高速被写体ばかり撮らないのであればオススメです。
・今回の最終在庫処分でとにかくEOS Mのボディを手に入れた後は、是非EF-M 11-22mmの超広角ズームも是非ご検討ください。これ一本で良いのではと私は思っています。
・動画で紹介しましたが、Eye-Fiで簡単にスマホに撮った高画質の写真を渡せるので、出先でSNSに画像を投稿するにも大変ではありません。それよりも旅先の美しい風景をスマホの底辺カメラではなく、綺麗に残してくださいな。
・(EOS Mに限りませんが)カメラの高画質な撮影の仕方であればいつでも教えます(私レベルで良ければ)
・(おまけ)予備バッテリーは1本買った方が良いでしょう。特にEye-Fi使うと消費が激しいので。
*3カメラ比較の答え。上から5D Mark II, α7R, EOS-Mです。予想と当たっていましたか?