Sony α6500はRAW現像ソフトに注意が必要(解像度低下のおそれ):修正版

* 2016/12/09 修正・追記:Adobe Camera RAW 9.8が発表されα6500が正式対応しましたので再検証しました。比較画像も更新し、最後のまとめの文章を修正しました。

******** 以下より本文 ************

先週から使い始めたSony α6500(a6500 : ILCE-6500)ですが、SEL1018(E 10-18mm F4)の超広角レンズでの撮影で解像度がイマイチぱっとせず、EOS M3 + EF-M 11-22mmの方が高画質で悶々としておりました。今朝の朝トレ時の撮影ではRAW + JPEG(同時記録)にし、JPEGをPCで確認したら解像度が高くて驚きました。結論として、現時点でSonyも公式で使用を促しているCapture One for Sonyでは解像度が上がらない(適切にRAW現像できない)ことが分かりました。一方で、Sony純正のIDC(Image Data Converter)で現像したところ、カメラ内JPEG(同時記録)よりも高画質で現像できることが分かりました。さらに現時点では公式に対応していないAdobe Camera RAW(Photoshop, Light Room)に対して、EXIFをα6300(ILCE-6300)に改変し現像したところCapture Oneよりは良いですが、IDCに比べると今ひとつの結果となりました。(*12/8にCamera RAW 9.8で対応したので下の画像を差し替えました)

1) Capture One for Sony (v10.0.0.225) * レンズ補正プロファイル(Sony E 10-18mm F4 OSS(SEL1018)適用
2) Sony Image Data Converter (v4.2.06)
3) カメラ内JPEG(RAWと同時撮影) (ILCE-6500 firm v1.00)
4) Adobe Camera RAW (v9.7.0.668) *EXIFをILCE-6300(a6300), ARW 2.3.2に改変し無理矢理開いた * レンズ補正プロファイル(Sony E 10-18mm F4 OSS(SEL1018)適用

* すべて同じRAWファイルから現像しています。
* Lens : Sony SEL1018 : ISO100, F=8, 20sec, Fuji CC-M30(ゼラチンフィルター)撮影
* クリックすると拡大(元サイズファイルにリンク)

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Capture One for Sony現像

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Sony IDC(Image Data Converter)現像

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RAW + JPEG同時記録によるカメラ内JPEG


Adobe Camera RAW (v9.8)現像

20161207_img_0008_canoneosm3_2048
(参考比較) Canon EOS M3 + EF-M 11-22mm : ISO100, RAW, f=11mm, F8, 30sec : DPP4 + DLO

*まとめ:

・RAW現像ソフトにより処理結果が異なることは想定しておりましたが、SEL1018に関してはかなりの差が出ていますので、現像ソフト選びは適切に選ぶ必要がありそうです。Canonの場合は、DPP4が鉄板でしたので選択肢は無かったのですが、Sony RAWの場合は適材適所(解像感、ノイズリダクション等)があるようなので、使い分けが必要な様子です。

・今回の比較では(特にSAL1018利用において)良:Sony IDC > カメラ内JPEG >> Adobe Camera RAW >> Capture One : 不良という順番でしょうか。

・この問題は、私のカメラ・レンズの個体差によるものより、SEL1018というレンズに起因する(超広角という性質上荒が見えやすい)問題でありα6000, 6300 + SEL1018でも起こっているかもしれません。

・現時点で公式で対応しているソフトウェアは、Sony純正IDC(Image Data Converter)、Adobe Camera RAW(9.8)、およびCapture One for Sonyとなりますが、3者で大幅に画質(解像度・色収差)が異なりますので留意が必要です。

・上記の結果、Capture One for Sonyはしばらく使用を控えようとおもいますが、解像感がない変わりにノイズ叩きは上手そうなので、ソフトウェア的な傾向が顕著に表れた比較なのかもしれません。

・今回の結果をみるとやはりレンズ補正・プロファイルは公式に優るものはないですね。CanonのDPP4のDLOも完璧でした。IDCのてこ入れに期待したいところです。

・IDCで現像すればEOS M3 + EF-M 11-22mmに対して大差なく、十分に使えそうな画質であることが分かりました。ISO100の画像とはいえ、α6500はM3よりも低ノイズであり流石のソニーイメージャーの底力を感じました。

・FujiのXシリーズもRAW現像ソフトがイマイチで、カメラ内JPEG出しが良いと聞きます。RAW撮影、後のPC現像というフローが当たり前となっていましたが、こういう結果を見るとカメラ内JPEGも再評価して良いのかなと思いました。

・DxO Optics Proの対応がまだなので、こちらも期待して待ちたいと思います。(公式アナウンスによると2017/2月対応)

*参考(もう必要がなくなりました):
・ExifToolによるEXIFの変更スクリプトを紹介:(自己責任で)
・# exiftool -SonyModelId=”ILCE-6300″ -FileFormat=”ARW 2.3.2″ DSC01594.ARW

2015/09/28 Supermoonと月までの距離インチキ計測

2015/09/28は満月であり、また地球・月間の距離が近くスーパームーンと呼ばれます(最近になってこういう呼び方が)

20150928_supermoon
Canon EOS-M3 + EF70-200mm F2.8L IS USM + x2 Extender : RegiStax6 (4枚合成)。
f=200mm x2 = 400mm, RAW ISO 100にも関わらずノイジーです。かなりシャープをかけています。RegiStaxのコンポジット合成の威力は発揮できず。

さて、この200mmでx2テレコン状態で今度は道路の`止まれ`文字の撮影。

20150928_supermoon2

20150928_supermoon3

20.51m離れた場所から59.5cmの`止`の文字を撮影した場合にピクセル間距離は3044px。
昨日は満月なので満月撮影時の写真から赤道直径をピクセル間距離で求める。赤道直径をインチキだけどWikipediaから3471.3kmという値を使えば、撮影地点から月の距離が求まる。結果354662km。
9/28は956900kmまで接近するという記事があったので妙に正確に出てしまった。記事の距離はおそらく地球中心からの距離だろうし(撮影は北緯35度の東京)、しかも南中時に撮影していないのでたまたま。

よく使う200mm x2 = 400mmの画角とピクセル間の比を求めたのは今後いろいろ使えそうです。とりあえずスカイツリーの高さから距離を求めてみようかな。

おまけの動画。

スマホ用熱赤外カメラFLIR ONEが届いたのでその雑感と茶の湯の家稽古を撮影テスト。

2015/07/10 15:00追記:以下の記事の動画はFPSが低くカクカクですが、これはやはりiPad mini初代のパワー不足でした。会社のiPhone6 Plusユーザーに端末を借りてテストしたところ相当なめらかでした。

米国の熱赤外カメラで有名なFLIR社が、iOSスマホ、androidスマホ、およびタブレット用の熱赤外カメラモジュールFLIR ONE(第2世代)を発売開始しました。半年前から予約を入れていて、先週海外向け発送が始まり今日届いたので早速テストしました。日本に入ってきているのはまだまだ少ないかな。FLIR ONEはiPhone5/5s専用の第一世代から、今回Lightningコネクタ対応、またAndroid版も発売になってFLIR ONE 第2世代となりました。

公式サイト:FLIR ONE @ FLIR

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FLIR ONEアプリはiOS/androidともにアプリストアからダウンロード。あとはスマホ・タブレットに差し込むだけ。セットアップは簡単です。私は、Androidスマホユーザーですが、なぜかiOS版を購入しました(いろいろな事情により(笑))。私が持っている対応iOS端末ですとiPad mini(初代)しかないのでCPUパワーが心許なし。
文章で書くより、まずはファーストインプレッション概説としてYoutubeに動画をアップしました。


リンク:FLIR ONE for iOSを簡単に紹介。 | youtube


この動画は、最初の解説動画中で実際にFLIR ONEで撮影されたもの。

<動画内の解説まとめ>
・セットアップは簡単。アプリ(FLIR ONE)をアプリストアからダウンロードしてFLIR ONEを接続するだけ。
・iOS版の場合、iOS標準のカメラインターフェイスとそっくりで直感で使える。
・VGAの解像度でfpsはやや落ちるカクカク動画や、静止画、タイムラプスなどの撮影ができる。動画は音声も記録される。後日iPhone6で確認したところなめらかでした。やはりiPad miniのパワー不足です。
・熱赤外の見え方には数種類のエフェクトがある(今回はレインボーという種類を選んだ)
・画面の中央部には絶対温度が数値で出る。どれほど正確かは未検証。
・メニュー等に日本語対応。

さて、私がFLIR ONEを半年前から予約していたのは、毎晩帰宅後に家で行っている茶の湯(いわゆる茶道)の家稽古の様子を熱赤外カメラで撮影してみたかったからです。
茶の湯の魅力は語り出したら終わりませんが、私個人としては知人と楽しく美味しい一服の茶を楽しむことからはじまり、やはりお点前は美しくありたいものです。
本業の人工衛星でも大いに利用している重力ですが、茶の湯のお点前においても、重力を綺麗に使うという意味で、熱赤外で火・湯・水の動きが視覚的に見えれば少しでも点前・所作の改善に繋がるのではと考えました。
早速、長着の着流しで撮影してみました。風炉・薄茶・平点前です。


リンク:FLIR ONE for iOS(iPad mini) Test 茶の湯 風炉 薄茶 平点前 No2
* あまりに汚い点前でバッシングを受けそうですが、今回はFLIR ONEの動画撮影テストということで恥を承知で動画を紹介。

iPad miniのパワー不足が問題か、FPSがあまり上がらずカクカクしていて流れるように見えないですね。iPad miniではなく、私の点前がカクカクでダメなのかも(笑)

<まとめ>
・FLIR ONEは実に面白いです。私は茶の湯の稽古用に求めましたが、FLIR ONEの公式サイトにあるように配管チェックなどの非破壊検査や、自転車などのパワートレーニングの様子等使い方はかなりありそうです。
・差し込んで、アプリをダウンロードして起動するだけですぐ使えるので簡単でした。
・多少FPSが低くカクカク動画ですが、もうちょっとCPUパワーのある端末でいずれテストしてみようと思います。後日iPhone6で確認したところなめらかでした。やはりiPad miniのパワー不足です。

Google Photosの無料・無制限ストレージにおけるGoogleの画像解析・収集戦略について

Google Photosという「無料・容量無制限ストレージ」のサービスが開始されました。
写真好きというのもあり、少し試したところ気が付いた事がありました。Googleがなぜ無料・無制限に踏み切ったかについて私なりの思うことを書いておきます。
多くの方が(無意識のウチに)使って行くでしょうから、長文ではございますが使用前に一考くだされ。(長文なので結論を先に書くと安易に使うのは危険です)

iCloud, Google Drive, DropBox, One Driveとクラウドストレージ(ネットワークストレージ)の低価格競争(容量増大競争)は近年顕著であり、シェアを落としてきた会社が容量増大・値下げるという形を繰り返してきました。
今日Googleが発表したのは、1600万画素以下の画像・1080p以下の動画であれば容量無制限・無料で使えるというサービスです。各社のニュースメディアを見ると、「iCloudとのガチンコバトルになる」などの内容が多く、この無料・無制限の意味をあまり書いている記事は少ない様です。

早速、私も使ってみました。写真好きの私から見ると、この1600万画素以下の画像という部分がひっかかり、私の画像を実際にアップした時に適切に自前で縮小してからアップすれば、`その画像が改変(再圧縮劣化)されることなく`アップされるのか確認したかったからです。普段私がブログなりに載せている写真は、構図などのセンスは無いものの、`常に高画質`というのはこだわりを持ってアップしています。そこで私の写真・画像が改変(劣化)されることなくアップされ、それが容量無制限・無料であれば、写真のバックアップに使えるかなと考えた為です。

1600万画素以下ということと、現状の4K(4K DCI)などの状況を見て、解像度を4096x2730pxのJPEG画像(この記事に貼ってある小石川後楽園の青楓写真)を元画像とします。RAW画像から、この4096×2730にPhotoshopで縮小し、JPEG圧縮時の品質を10, 8, 6, 4, 2, 0と6種類の圧縮率(数値が下がると圧縮率があがりファイルサイズが小さくなるが劣化が顕著になる)でJPEG画像を生成し、Google Photosにアップしてみました。Googleの発表の`1600万画素以下`という条件は曖昧ですが、この解像度であれば1100万画素相当なので条件は満たしているはずです。アップ後に、ダウンロードをして、画像の前後を比較してみました。

(279日ぶりに)足の小指を三脚に激しくヒット!

今朝、朝トレの為に起床しストレッチをして準備をしているときに、激しく扉の角に左の足の小指をヒットしました。痛てて。流血はしなかったのですが、かなり痛くて(またちょいと右足首の痛みもあったので)朝トレは中止に。今もちょいと腫れ気味。

というわけで、久々に足の小指ヒットデータベースを更新。279日ぶり。このブログで何度も紹介しておりますが、私は2004年7月14日以降、足の小指を激しくヒットしたのをカウントしデータベース化しています。いよいよ記録開始してから11年目になりますね。

最新足の小指ヒットデータベース
・2015/1/19 朝トレ出発前の準備時に、部屋を区切る扉の角に左足の子指を激しくヒット(NEW!)
・2014/4/15 朝、大型`三脚の足`に左足子指を激しくヒット
・2012/11/21 朝、自宅の風呂場に入る段差に左足を激しくヒット(歩くと痛む・・)
・2011/3/31 オフィスで物を運んでいるときに棚に右脚を激しくヒット(流血手前)
・2007/12/26 自宅のリビングからバスルームに移動するエリアで右足小指を激しくヒット(流血)
・2006/08/20自宅のキッチンからリビングに移るエリアで右足小指を激しくヒット
・2005/11/04 研究室で重い机の足に右小指を激しくヒット
・2005/07/14 研究室で扉に足の小指激しくヒット
・2005/03/02研究室(実験室)で先輩の実験装置の角に右の小指激しくヒット
・2004/07/14 研究室のシンクの角に右の小指激しくヒット

現在のヒット率:10 / (40 * (365 * 10.545)) = 0.0065%

もうヒット率は限りなく0に近いです。なぜデータベースを残しているのかは、最初の記事”201312_kozanji1200
おっちょこちょいっぷりといえばと思い出し、以前高山寺で撮ってきた鳥獣戯画(国宝)を。

最終売り尽くしCanon EOS-M(ミラーレス)のススメ。ダリア(花)撮影フローの概説。

(留意:2015/02/06) この記事は既に古い記事です。
EOS-M3に関して、新しい記事を書いています。
参考:IMG_0078_1200

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●追記写真(物撮りは適しているか?という質問があったので)

IMG_6996_1200
EOS-M + EF100 F2.8 Macro USM(マクロレンズ)

◆Canon EOS M(最終処分セール)を勧める理由。

1)異常に安い。たとえばCanon EOS M + ダブルレンズキット + EFレンズマウントアダプター + スピードライト(いわゆるフラッシュ)付きでAmazonで38,000円です。正直これが発売当初の10万円だったらうーむ・・と考えますが38,000円なのでオススメなのです。
参考:Canon ミラーレス一眼カメラ EOS M ダブルレンズキット EF-M18-55mm F3.5-5.6 IS STM/EF-M22mm F2 STM付属 ブラック EOSMBK-WLK @ Amazon
他にもレンズの有無の組合せでいろいろありますがどれも最終売り尽くしなのでかなり安価です。

2)Canonのエンジニアの生真面目さが分かる製品で小型でありながらかなり高画質。(両社に知り合いがいるのであまり書けませんが)EOS Mを使っていると、ソニーだったらもっと危ない設計にするなと思うような部分を、Canonエンジニアは本当に保守的に作っています。おそらく彼らの中でEOSという往年の名前を付けるなら、ミラーレスといえども譲れない線っていうのがあるじゃないですかね。その線の引き方が、ソニーとCanonではかなり違っていて実に面白いのです。その保守的な線の引き方からAFの遅さなど`鈍くささ`がにじみ出てしまい、ライトなカジュアルなカメラとして業界が動いているミラーレス市場に後から参入したのでこうなっちゃったんだろうなと。洋風の気軽なパーティーに礼装の和服で着ちゃったみたいな(笑)あれ、そういう奴近くにいるぞみたいな(笑)。要するにその保守的な線というのを、EOS Mは`高画質`に重みをおいたんですよね。ミラーレスだけど画質は譲らないという頑固さが、私のようなユーザーには響くのです。

3)軽い。私が毎日朝の空の写真を撮るのにも使っていますし、京都なり旅行に行くのもこのカメラと(後で紹介します)超広角ズームレンズ(EF-M 11-22mm)を一本付けて出かけています。もうこれだけ軽くて良く写るのですから、往年のミラー`付き`一眼レフなんぞ持ち歩く気にもなりません。重たいカメラってバックから出すのも面倒で、シャッターチャンスを失っていると思うんですよね。汗かいてカメラとレンズを何本も持って出かける旅行なんて楽しくないですよ。そして三脚に関しても、カメラが重ければそれを支える更に重い三脚が必要になり、カメラの軽さは`力`なのです。

4)ミラーレスである点。昨年Sonyがフルサイズミラーレスカメラ α7シリーズを発表しまして、遂に一眼レフとミラーレスカメラの性能は逆転しました。今市場全体では、一眼レフがトップに立って、その下にミラーレスというように見えますが、私は去年、それが入れ替わった年だと考えており、これからはミラーレスの時代です。ミラーレスなんていう名前は不要で、カメラと行ったらミラーレス。もうトップの座を譲ったのですから、往年の一眼レフこそミラー`付き`一眼という名前で呼ぶべきです。え?まだミラー付けたカメラ使っているの?という時代にもう数年でなるでしょう。EOS Mはミラーレスというこれからの主流のカメラ(方式)であるという点でオススメなのですが、正直EOS Mは、高画質で写りますが`まだまだ`未熟なミラーレスです。その為、今回の安い時期のEOS Mはそれほど長い間使えないかもしれません。ミラーレスは、ソニーのアルファシリーズ、FujifilmのX-T1、そしてCanon EOS M/M2などの各社特徴がそれぞれ分散しており、互いに意識して良い機能を取り込んでいる状態です。ソニーのミラーレスカメラの電気部の性能の良さは今やトップレベルですが、ボディ剛性などのメカ部や専用現像ソフトが残念。一方X-T1は堅実なボディと高画質で現在とてもバランスが良いですが、ソニーのディジタル部を見ると少し劣るかなと(開発姿勢は実に良い)。Canon EOS Mは後述する現像フローや、上に書いたまじめな物作りという観点から良い部分もあります。こんな事情からEOS-Mもそれほど長くは使えないかもしれませんが、なにせ安いのでオススメです。

5)AFの遅さは多くの場面でそれほど問題にならない。AFの速さはカメラの重要なセールスポイントなので、その点はEOS Mは確かに良くはありません。しかし私の様な風景専門、そしてシャッターを押すのもスローな人間にとって、EOS MのAFの遅さは殆ど問題になりません。EOS Mでオススメできない被写体は、
・運動会などの被写体がかなり早く動く場面。スポーツ大会など
・戦闘機、鉄道、F1などの高速移動体の被写体
・顔を振りまくったり、落ち着かないお子様や、とにかくカメラに突進してくる犬など(笑)
要するにAFが遅いので早く動く被写体は苦手です。上記の内、お子様や犬くらいなら慣れれば撮れるんじゃないかなと思います。ディジタルカメラだから数打つこともできますし。しかし両方とも私は撮る機会がないのでわかりません・・・。

6)超広角レンズEF-M 11-22mm m F4-5.6 IS STM異常に高性能なレンズ
EOS Mとのセット販売はラインナップとしてないので、今回の最終安売りの恩恵は得られないのですが、EOS Mを購入したら是非別途購入していただきたいレンズがEF-M 11-22mmの超広角ズームレンズです。レンズはたまに異常に良く写るレンズというのがあってまさにこのレンズがそれにあたります。上で紹介した私の撮影した写真の殆どはこのEF-M 11-22mmのレンズです。旅カメラとしては小さくて、軽量(298+220=518g)で、高画質で最高の組合せです。実にオススメなレンズです。Amazonでもボディだけなら22,000円で買えるのでボディのみ+EF-M 11-22mmもオススメなセットです。

7)CanonのEOS用レンズをお持ちの方(EFレンズ)は、マウントアダプターを使う事で、EOS-Mで使用することができる。
上記で紹介しているアマゾンの安売りセットには付属していますが、往年のキヤノンレンズ(EFレンズ)はEOS-Mで使う事が可能です。

おまけ8)基本的なEOS Mにおける操作方法、撮影体勢、スマホへの即時画像転送、RAW現像などの撮影フローを動画で紹介するので操作法も安心!?(笑)。また、声を掛けて貰えば、都内の夜景撮影など付き合って撮り方など直接教えますよ。
(この記事の後半で紹介)

◆EOS Mの問題点
良いことばかり書いても胡散臭いので、正直問題点も列挙。

1)Canonのミラーレスの将来性
上述の通り、ミラーレスは今後の主流であり一眼レフは減ってきます。そういう意味では将来性があるのですが、CanonのEOS M/M2シリーズはミラーレス市場では苦戦しているため、キヤノンがこのままEOS Mシリーズ、EF-M(EOS-M専用レンズ)を続けるかは少し心配が残るところです。最近も新しいレンズが発表されたのでまだ数年は大丈夫だと思いますが、未来はどうなるかわかりません。しかし、今回は何せ安いので、数年後にこの規格が仮になくなっても、それまでは良い画質で残してくれるのではないかなと思います。

2)他社のミラーレスの方が良いのではないか?
もちろん他社には素晴らしいミラーレスカメラがあります。EOS-M + EF-M 11-22mmのセット(質量518g)に匹敵するセットですと
Sony α6000 + SONY E 10-18mm F4 OSS SEL1018 = 13万円, 質量(344 + 225 = 569g)
Sony α6000は実に素晴らしいカメラで是非候補に入れるべきカメラだと思います。AFの爆速ですしとても良いカメラです。敢えて比較するならEOS Mの2倍以上高いのと、`タッチパネル`がないのがやや問題です。以下の撮影フロー動画でも紹介していますがミラーレスにタッチパネルは必須だと思います。ソニーは現在ミラーレスでトップを走っています。どんどん良くなっていますので、次世代でソニーに行っても良いのかなと(笑)
Fuji X-T1 + XF10-20mm F4 R OIS = 21万円、質量(440 + 410 =850g)
防塵防滴ですし、画質も実に素晴らしい。X-T1は素晴らしいカメラです。敢えて比較するなら、EOS Mの3倍以上高いのと、やや重い点でしょうか・・・。
・EOS M2はどうなのか?
画質はEOS-MとEOS-M2は一緒です。AFのスピードは改善されましたが撮影後の処理があんまり早くないのでこの値段差を払う必要はあるのかなと思っています。Wi-Fi内蔵になりましたが、後述するEye-Fiカード(私も使っている)で十分対応可能です。EOS-M2を検討するなら他社のものかな・・(笑)
*コメント欄にあるように、現在EOS-M2は一部のセットが最大7000円のキャッシュバックキャンペーンをやっています。オススメのEF-M 11-22mmのレンズ(36000円程度)を購入するのが前提なら候補に入ってくるかもしれません。

◆ダリア(花)の撮影フローを動画で紹介。

ちょうどダリアを部屋に飾っているので、ダリアをEOS Mで撮影する工程(フロー)を動画で概説します。出先でスマホに転送する方法も。
まずは、このフローの結果(JPEG画像)を以下に貼り付けます。

IMG_6970_1200
EOS-M + EF-M 11-22mm, RAW, ISO100, F7.1

1)(この記事でオススメしている)EOS M + (レンズ)EF-M 11-22mmの組合せ
2)三脚を使ってダリアをRAW + JPEG、絞り優先AE、ISO100、絞りF7.1、セルフタイマーで撮影します。
3)Eye-Fi SDカードを使うことで、JPEGファイルは、スマホに即時転送されます。出先でその写真をSNSなどに投稿するなどは、Eye-Fiカードを使うことで可能です。
4)RAWファイルは、EOS Mに無料で付属してくるDigital Photo Professional(DPP)で現像し、その有効機能であるDigital Lens Optimizer(DLO)やレンズ補正をかけます。*ここで、DLOをかけるには、最初に一度だけご使用のレンズデータをダウンロードする必要があります。DLOを掛けるボタンの近くに`更新`ボタンがあるのでそこで該当レンズデータをまずダウンロードしてください。
5)露出補正、ホワイトバランス、ピクチャースタイル(+彩度などの調整)を行います。
6)必要な画像サイズに縮小します。DPPを使う場合と、Photoshopでアンシャープマスクを掛けて縮小する方法を紹介します。

◆追加企画:Canon EOS-M, Canon 5D Mark II, Sony α7R比較
同じレンズ(Canon EF100mm F2.8マクロ)を、EOS-M (APS-C), Canon 5D Mark II(ミラー付き一眼レフフルサイズ), Sony α7R(ミラーレスフルサイズ)で撮影比較します。
三枚の写真でどれがどのカメラか分かりますでしょうか?(答えはこの記事の一番下に)

5D2_IMG_9869_1200

A7R_DSC01894_1200

EOSM_IMG_7004_1200

まとめ
いろいろかきましたが、まとめます。

・EOS Mは高画質で軽量で、今だけとても安いので、高速被写体ばかり撮らないのであればオススメです。
・今回の最終在庫処分でとにかくEOS Mのボディを手に入れた後は、是非EF-M 11-22mmの超広角ズームも是非ご検討ください。これ一本で良いのではと私は思っています。
・動画で紹介しましたが、Eye-Fiで簡単にスマホに撮った高画質の写真を渡せるので、出先でSNSに画像を投稿するにも大変ではありません。それよりも旅先の美しい風景をスマホの底辺カメラではなく、綺麗に残してくださいな。
・(EOS Mに限りませんが)カメラの高画質な撮影の仕方であればいつでも教えます(私レベルで良ければ)
・(おまけ)予備バッテリーは1本買った方が良いでしょう。特にEye-Fi使うと消費が激しいので。

*3カメラ比較の答え。上から5D Mark II, α7R, EOS-Mです。予想と当たっていましたか?

遠く離れた宇宙へ(疑似)物質転送装置とグルメテーブル掛け

ちょっと遠くて、行くのも大変な(イメージの)宇宙へ行くには、今はロケットに頼っているわけですが、未来ではロケットを使わなくても済むかもしれません。それは宇宙エレベーターみたいな遠回りの物ではなく、まさにスタートレックに代表されるSFドラマの世界で描かれる物質転送装置やドラえもんの道具の様な物かもしれません。そんな技術に繋がる技術が、近年色々試されており、宇宙開発のフィールドでも使われ始めています。

一つ記事を紹介すると、米国ロケットベンチャー(ベンチャーと呼べる企業規模では既にありませんが)SpaceXが、ロケットのエンジンチャンバーの部分を3Dプリンターで作成し打ち上げたという記事です。

JULY 31, 2014
SPACEX LAUNCHES 3D-PRINTED PART TO SPACE, CREATES PRINTED ENGINE CHAMBER

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インコネルの3Dプリンタで生成したチャンバー部品
画像引用 : SpaceX (上記リンク記事より引用)

3Dプリンターは、最近世界中で大流行であり、米国なんかは国をあげてこの業界にてこ入れしています( NAMIIなどの設立 )。日本では、米国から取得したデータを用いて3Dプリンターで銃を作るという事件もおこりました。メディアレンタル業のDMMキンコーズなどいろいろな業種の企業が3Dプリント分野に進出し始めています。3Dプリンターが普及すると、日本の製造業(切削業)や金型がどうとか述べている人も多いのですが、ここでその辺りの予想を述べるつもりもありませんし、彼らは生真面目で繊細な技術があるので、時代が変わっても何とかやっていくと信じております。

さて、この3Dプリンターで作られた部品がロケットに使われたというのは、宇宙業界ではちょっとしたニュースになっています。私の会社でも、3年くらい前から主に樹脂部品で3Dプリント発注はしています。実際に宇宙には行っていませんが、適所での利用がはじまっています。衛星の部品は、軽量化でありながら強度を確保するという観点から、大きな材料の塊から必要なものだけ削り出す、いわゆる`削り出し`を多用しています。これは材料的には結構もったいなく、更に加工時間に伴って加工費が高いので、衛星開発コスト増に繋がります。一方で、3Dプリントですと、必要な部分だけ造形されてくるので、無駄な削り出しというのは概念的に存在せず、今後使用も増えてくるのではないかと思います。現在はまだまだ金属系が高価であるのと精度面で難ありのため、本格導入はもう少し成熟してからでしょうか。

P1060861
これは、DMMで作って貰ったナイロンの部品です。こういう簡単な部品は1週間少しで気軽に安価に作成できます。(おそらくDMM側もほとんどシステム化・無人化され、あまり人手は掛かっていないでしょう。)

さて、この3Dプリンターは、何も金属や樹脂などの部品だけではなく、食料にも使われ始めています。現在、多くのメーカーが参入していますが、米国3D Systems社のChefJetでは、チョコレートを始め、いろいろな食料材料を任意の3D形状で作成可能であり、今年中に個人向けに出荷が開始されます。


`ChefJet`, 3D Systems, Inc., Las Vegas, CES 2014.

今やサプリのコーナーに行けば、ビタミン、カルシウム、プロテインなり何でも粒状で売っているので、味と雰囲気を無視すれば、栄養面は確保でき、形状だけ見た目に美しい食事を作れそうです。食事本来の楽しみは皆無ですが(笑)。まさにドラえもんのグルメテーブル掛けに近い概念ですね。

3Dプリンターは、このように部品から食料まで幅が広がりつつありますが、その利点は、空間を擬似的にジャンプできることにあります。今は地上(陸海空)でのロジスティクスは発展し、世界中から数日で物が届くようになりました。一方で、まだまだ人類にとって、ちょっと遠いのは`宇宙`です。この地上と宇宙の距離を埋めるように、数日毎にロケットが飛び立つ時代になりましたが、それでもまだまだ物を軌道上(宇宙)に運ぶのはやっかいです。そこで、上述した様ないろいろな分野に幅が広がりつつある3Dプリンターを国際宇宙ステーションに持っていく計画が既に進んでいます。我々も、衛星の部品などは一つ一つ3D CADで設計して、地上で加工して打ち上げているわけですが、国際宇宙ステーションの様な、宇宙空間に設置してある3Dプリンターで出力すれば、厄介な地上と宇宙の距離を埋められそうです。SFドラマでは、地上からの物質を宇宙船などに転送することは基本技術として描かれていますが、それに近いことが実現に近づきつつあります。この記事のタイトルに`疑似`と書いてあるのは、金属で言えばチタン、チョコレートでいえば、クーベルチュール(カカオ)などの粉末材料を別途運ばなければいけないため、造形データだけ転送されている点で、まだまだ疑似でしょうね。これは、いずれ宇宙で作った部品を再度粉々にする技術などで再利用したり、月や火星などの星に上陸後では現地の材料で何とかなるかもしれません。

これに近い話で、少し話題を変えましょう。米国と並んで圧倒的な技術力と歴史がある旧ソ連・ロシアですが、彼らは`コバルトM`と呼ばれる素敵な偵察衛星を持っていて、未だに現役で使っています。

0506kobalt-m
Image courtesy from Russian Space Force.

この偵察衛星は、アナログカメラ、つまりフィルムカメラで(主に米国などの)他国を0.3mの分解能で写真撮影し、そのフィルムを地上へ再突入カプセルで落下させ、回収しフィルム現像するというものです。こんな事をやってしまうのはさすが旧ソ連・ロシアの宇宙軍だなと感心してしまいます。

今やロシア以外はディジタルカメラによる衛星からの撮影が主流です。これも空間転送の一つと言えるかもしれません。昔は、フィルムに感光していた写真を、今やディジタルカメラで撮影しディジタルデータにし、電波で地上に送信することで、実際にフィルムを地上に落下させる必要はなくなりましたし、新たに新しいフィルムを打ち上げる必要がなくなりました。そういう意味で、あらゆるものをディジタル化できれば、ちょっと遠い宇宙へ気軽に持って行ける(転送できる)時代が来るかもしれませんね。

ここで紹介した材料・食料の3Dプリンターを宇宙や他の星で生成するのは技術的には目処がたちはじめています。それよりも興味深いのは、我々人間などの生物を分子レベルで3Dスキャンしディジタルデータ化し、宇宙で3Dプリントで生成したときに`記憶・意識・性格・感情`などもコピーされるのでしょうか。このあたり3Dプリンターだけでなく、3Dスキャン技術も近年発達してきていますし、さらに人間の記録・記憶に関わる脳波in / 脳波outなどの技術もやはり米国を中心に進んでいますから、生物の`肉体的な物質以外の部分`の転送も可能になるかもしれませんね。宇宙旅行も、ロケットを使わずに`物質転送`で行く時代がくるかもしれません。しかし、脳波や記憶などをコントロールするようになれば、転送技術を使った宇宙旅行すら実際には行かず、既に行った方の記憶を脳に植え付けて`行って来たことにする`などの技術も出てくるかも知れません。

(久しぶりに)足の小指を三脚に激しくヒット!

昨晩、月が綺麗だったので撮影に使った大型三脚を出しっぱなしにしておりました。今朝、その三脚の足に久しぶりに左足子指を激しくヒットいたしました。痛てて。
三脚なのでヒットの瞬間に三脚自体がズレてくれれば良いのに、壁際に押し付けられて子指ヒットのダメージを回避できず(笑)
というわけで、久々に足の小指ヒットデータベースを更新。509日ぶり。このブログで何度も紹介しておりますが、私は2004年7月14日以降、足の小指を激しくヒットしたのをカウントしデータベース化しています。いよいよ記録開始してから10年になりますね。

最新小指ヒットデータベース
・2014/4/15 朝、大型`三脚の足`に左足子指を激しくヒット (NEW!)
・2012/11/21 朝、自宅の風呂場に入る段差に左足を激しくヒット(歩くと痛む・・)
・2011/3/31 オフィスで物を運んでいるときに棚に右脚を激しくヒット(流血手前)
・2007/12/26 自宅のリビングからバスルームに移動するエリアで右足小指を激しくヒット(流血)
・2006/08/20自宅のキッチンからリビングに移るエリアで右足小指を激しくヒット
・2005/11/04 研究室で重い机の足に右小指を激しくヒット
・2005/07/14 研究室で扉に足の小指激しくヒット
・2005/03/02研究室(実験室)で先輩の実験装置の角に右の小指激しくヒット
・2004/07/14 研究室のシンクの角に右の小指激しくヒット

現在のヒット率:9 / (40 * (365 * 9.75)) = 0.00632%

なぜデータベースを残しているのかは、最初の記事”足の小指激しくヒット平穏術”を参照頂きたいのですが、要するに泣きそうになる位痛い足の小指のヒットを、”ああ、この柱にいつも小指をぶつける”とか思うのではなく、どのくらいの確率で足の小指をヒットしているかを定量的に評価して、いかに小指のヒットが希有であるかに驚き、むしろ痛みを有り難く思うという現実逃避プロジェクトです。まぁ、結局痛いんですけどね(笑)

占いも当たったときだけ覚えていて、連戦連敗している外れた占いは覚えていないのと一緒ですね。

20140414_moon_400mm
2014/04/14の月。隣に火星が綺麗にみえました。

20140415_fullmoon
2014/04/15の満月。

人工衛星の打上・初期起動・動作に成功

開発した人工衛星WNISAT-1が2013/11/21ロシアのロケットをつかって無事打ち上げられました。ウェザーニュース社さんのプレスリリースが出ましたので紹介。

新たな宇宙ビジネスの第一歩
ウェザーニューズの超小型独自衛星「WNISAT-1」、打ち上げ成功
発行日 : 2013年11月22日
http://weathernews.com/ja/nc/press/2013/131122.html

プレスリリースにあるように、
1)ロケット打上成功
2)衛星分離成功
3)衛星の起動および、初期健康状態=健全

現在、順調に動作中です。これから内部機器を少しずつONにして動作チェックをして行きます。

打上映像(演出っぷりが凄いですが・・)