日曜日の昼下がり,大学から近くの自由が丘を散歩することにした.
と書くと,オシャレだけど,実際は携帯がぶっこわれたので最寄りのドコモショップ=自由が丘という理由である.
自分の携帯は1年間トラブルなしで過ごすことがない.今回もリセットが掛かりまくるという結構やっかいな現象.結局,新品と交換ということでラッキーな結果となったが,修理で2週間とか言われたらどうしようと心配だった.
ビジネス戦略として,マーケットのサイクルを早くするのはまあ1%くらい理解できるが,問題はそれに甘えをしているエンジニアリングである.携帯なんて,とくに機能を詰め込むこと,小型軽量化を目指すことにほとんどの時間が費やされていると思う.新規技術を開発するよりも,長持ちさせる技術のほうがずっと難しい.壊れたら機種変更,修理すればいいやという甘い気持ちが社会にあるのではないだろうか.日本の車は世界的に大成功している.ドイツ車・イギリス車が,豪華とかそういうイメージであるのに対して,日本車は,”壊れない”というイメージなはずである.壊れないエンジニアリング,これが今日本にもっとも必要なもので,もともと日本が得意としていたものだ.これは,経営者も考えなければいけない点である.これは,一朝一夕の技術ではない,短期的なセコイ,だましだましの経営戦略なぞ歯が立たない.じっとこらえた経営戦略が必要である.
自分が研究で開発している人工衛星は打ち上げたら絶対に修理できない.衛星開発において,作り上げるより,作ってから”ちゃんと動くまで各種試験”をするほうがずっと時間がかかる.あらゆるトラブル,故障を想像力を働かせて,過剰なほど検査を繰り返す.学生の内に,物作り,プロジェクトマネージメントに携われたことは大きな収穫だが,この”長持ちさせるエンジニアリング”を学んだ事はとても大きいと思っている.
自分たちが手作りした人工衛星も1年半以上壊れることなく宇宙を飛んでいる.このままずっと動き続けて欲しい.