八右エ門のいちご大福と、茶花と、和樂と、日本陶磁協会賞 受賞作家展

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シェフ夫婦がお知り合いで、更に近所であることからよく利用させてもらっているビストロ・アギャット@門前仲町の奥様から昨晩連絡が。
「山形の最高に美味しいいちご大福が届いた」。そこで夕飯を頂きつつ、そのいちご大福を頂いてきました。
結果から言うと超絶美味しかったです。いちご大福は実はあまり食べたことなくて、茶の湯を初めて和菓子好きになってからはたぶん口にするのが初めて。
「是非今日中に」と言われたとおり、中のイチゴがとても新鮮でシャリシャリ、そして表面の大福部はとてもモチモチでバランスが良く、実においしかったです。これはおすすめです。
そしてビストロ・アギャットもとても美味しいのでお薦めです。行かれる際には是非`ミヤシタ`の名前をお出しください。きっと良いことがあるでしょう(笑)

山形市 菓道 八右エ門のいちご大福

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当然、家稽古の茶菓子として頂きました。今日は土曜日なので濃茶・薄茶と時間を掛けて。

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先の写真ですと中がわからないので(笑)中身を割った状態。新鮮な山形のイチゴががっつり一つ。とてもとても美味しいです。懐紙は干支の午。

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今日の茶花は、椿と猫柳。椿は咲いていた状態なので半額。猫柳がピンク色でとても良い感じでした。

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ピンクネコヤナギと名前。そのまんま。かわいらしいですね。椿が赤なのでちょうどあっています。

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そういえば椿を拡大してみたことがないなと。フラワーアレンジメントレッスンに通っていた時はガーベラ、ダリア、薔薇などが好きだったのですが、すっかり椿・山茶花好きになりました(単純ですが・・)

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今日は、長板、炉、濃茶、薄茶の家稽古。ちょっと古い抹茶だったので濃茶がイマイチ美味しくない(抹茶というよりは練り方が悪いのか)。
いつもは平日の深夜帰り後の稽古なので、釜を乾かす時間を含めバタバタ。今日はお休みだったのでゆったりとした家稽古ができました。いちご大福も`超絶`美味しかったしですし。

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今日(2014/2/1)は雑誌`和樂`の発売日。面白そうな特集の時にたまに買っています。今月号はなかなか興味深い内容でした。映画「利休にたずねよ」で利休を演じた市川海老蔵さんと、建築家の安藤忠雄さんが利休の茶室`待庵(国宝)`などで茶の湯に関する対談。また写真の左側に写っている日本の名碗50ということで、代表的な抹茶茶碗が原寸大の写真とともに紹介されています。

今日午前中には、本日から銀座和光の和光ホールで開催されている日本陶磁協会 受賞作家展に行ってきました。目的は、先日智美術館で感動した川瀬忍さんの翠瓷茶碗を見に行くために。初日の午前に行ったのに既に契約済みでした。前日のプレオープンで招待客の方とのこと(とても私は買えませんが)。吸い込まれるような美しい茶碗でした。

2月に入りました春先の茶事に向けてそろそろ準備を開始しようかなと思っています。

家稽古:初釜。

東京に戻ってきました。家の稽古での初釜。花びら餅を買ってきました。

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濃茶は練りがイマイチ。ちょっと緩くなってしまいました。薄茶は三日月型に。
花びら餅は今月何個か食べられそうです。

謹賀新年。2013年午年。

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あけましておめでとうございます。
午年。年男です。

今年は、本業の人工衛星の二号機目の打上はがんばりつつ、茶の湯に、自転車に、ランニングに、楽しくやってまいりたいと思います。
今年もよろしくお願い致します。

2013年茶の湯家稽古の`今日の一服`写真集。

いよいよ年越しですね。2013年はだいたい帰宅が11~12時でその後から家での茶の湯の稽古を楽しんだ一年でした。 稽古後に釜を乾かすのが毎日大変でしたが、さすがに慣れてきました。 別のブログで毎日の茶の湯の記録を`茶記`として残していますが、そこに毎日の抹茶と御菓子を同じ構図で撮り続けました。その画像のサムネイルを紹介。やはり抹茶の緑は綺麗ですね。一日一日を思い出します。

茶記ブログ:http://chanoyu.spacewalker.jp/blog/

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来年の抱負はまた書こうと思いますが、所作の美しさの追求と、最低二回は茶事を催したいと思います。

ゆったりとした日曜日と茶の湯の稽古。

久しぶりのゆったりとした日曜日で朝から掃除をして、ゆっくりと茶の湯の家稽古をしています。今年はなんだかんだと土日の仕事も多かったしバタバタだったなぁと。

今日は、桑子卓の炉の濃茶・薄茶の棚飾りの確認(の稽古)。

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`禿`(写し)。濃茶を練るにはとても扱いやすく、利休が好んだといわれるのも少し分かってきました。

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御菓子処ささまの`豊年`。雪の多い冬を表したもの。雪が多かった翌年は豊作になるとのことで`豊年(豊年)`とのことです。ささまさんには、茶事も含め今年随分お世話になりました。会社から近くてこういった御菓子司があるのはとても便利です。

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干菓子もささまの`松葉`と`梅`。師走+新年といった感じですね。綺麗です。

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今日の桑子卓にも、蓋置きは、`巳`を使いました。名残惜しく。

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`巳`もあと三日。来年は午年で年男です。

棚飾りを一つ一つ確認できるくらいゆっくりと家稽古ができたのは良かったです。来月の稽古あたりから、炉の桑子の復習が入りそうなので、言ってみれば予習の稽古になるわけですが。

茶花と巳年の名残。

週末に銀座にふらっと出かけたときは、野の花「司」で茶花を買うことが多くなりました。利休曰く「茶花は、野にあるように」とのことですので、本来茶花なんぞ野から採って`入れたい`のですが、東京のマンションに住んでいる現状の環境ではかないません。

そこで家で小さい鉢に椿を育て始めました。なかなか茶花に使える椿まで成長するのは難しそうですが、とりあえず椿がどんな感じで咲くのか毎日見届けたいと思います。その椿を待っているといつまでたっても入れることができなそうなので、司の近くを通ったときに季節の野花を買ってきて、茶花の練習をしています。

今後茶の湯を進めていくのに茶花は苦戦しそうです。フラワーアレンジメントのレッスンに通っていた時も洋花を生けるのに相当苦戦しましたが、茶花はまたちがって大変です。とはいえ、茶花が酷いと床が締まらないので少しずつ試していきたいと思います。

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”やぶ椿”と”ヤシャブシ”

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丁度、椿と同じ色の主菓子を買ってきましたが、黒の縁高だとはえますね。懐紙に取る時に黒文字で刺してしまうのがもったいない(ので手で取った(笑))

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今年もほぼ毎日家稽古ができました。いつも深夜で半分寝ながらの場合も多く、もっと集中してやらんといけないなと。しかし、寝ぼけている時にまた発見があったりと。稽古=古きを稽う(かんがう):まさに勉強になります。

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”白玉”。黒・緑。綺麗なコントラストですね。

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巳年も`名残`惜しくなってきました。この蓋置きも十二年後にまた使えるかな?
師走になり、基本的にはこの蓋置きを使っていました。茶席にて、茶碗拝見でも、亭主に戻して、もういちど茶碗の名残を楽しむなど、茶の湯の`名残`の感覚はとても好きです。

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茶の湯を始めて1年以上経っているので、その時その時思う`茶の湯`について、また書きたいと思います。きっと毎年見返すと茶の湯の見え方の変化が楽しめるかもしれません。

今年もサンタクローズから素敵なプレゼントが・・。

いつも通りの5時過ぎに起きようと思ったら何やら布団が重い・・・・・・。

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おお、去年に続いて(参考:去年の記事”クリスマスプレゼントと茶湯のお稽古(第七回目)”)、今年もサンタクローズからプレゼントがありました。
しかも今年は二つ!・・とはいえ、何か箱が出物(=中古)の様に痛んでいるぞ・・・・。あれれ。

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一つ目の箱には、なんと`円座(えんざ)`が入っていました(笑)。茶事において、寄付に重ねて置いてあり、茶室への席入りまで腰掛けて待っている間に使う円座でした。しかも五座。なんとまぁ。元々は農家が冬期の内職に藁で編んでいた物の様ですが、最近は円座自体求める人が少なくなり、また編める方も少なくなり新品が中々出ないので出物を捜していました(と、サンタが言っていた)。

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美しいですね。これは、茶事だけではなく、家の畳の上に座っている時も使えそうです。そういえば、師走のこの時期は`しめ縄`の時期なので、実家では家族が秋に収穫した残りの藁でしめ縄を編んでいるかと思います。この円座も私の親なら編めるかもしれません(たぶん)

さて、二つ目の箱は・・・

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なんと長板でした!真塗。どうやら風炉用なので、この時期には少し合わないのですが、畳が京間ですし、大は小を兼ねるから家稽古には良いだろうと思いました(と、サンタが言っていました(笑))
しかも出物とは思えないほど綺麗で、とても良い感じです。ただの板ですが、されど板でして、茶の湯では立派な`棚`の一つです。長板の四つ角に竹で柱を立てて、上にも板が乗ったのが`台子`で、雛人形の前列に並んでいますよね。昔は嫁入り道具に台子の棚に飾られた茶道具を持っていったのでしょうか??台子はかなり茶の湯の稽古のフェーズが進んでいますので、皆さん嫁入り前にそこまで進めたのでしょうか・・・。

さて、せっかく長板を頂いたので、稽古用の量産型`青磁皆具`で飾ってみました。

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風炉の長板。とても良い感じ。(鬼面風炉でないのが残念ですが・・・)。今まで長板と同じ大きさの紙を敷いて稽古していたので、これで家稽古も捗りそうです。

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炉用の飾り。やはり長板が長すぎて間延びしてしまいますね・・・。(炉用の長板はもっと横に短い様です)

去年の風炉先屏風(写真の後ろに写っている物)に続いて、今年もなかなか渋いクリスマスプレゼントで、家の稽古も楽しくなりそうです。円座も春先の茶事で使ってみようと思います。

さて、昨日はクリスマスイブで、帰宅時に地下鉄駅内のHIROTAでクリスマスバージョンのシュークリームが売っていました(ので、買ってきました)

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クリスマスっぽく白い茶碗(白天目の天目台なしで)で。

茶室を借りて初茶事

某茶室を一日借りて初茶事を催しました。茶の湯を初めて今月でちょうど1年。このような未熟な状態で茶事など論外ではございますが、今自分が出来るレベルでやってみるという茶事という趣旨で行いました。客は同世代で茶の湯(流派も違う)を嗜むお友達を呼んで。

この一年、茶の湯の稽古はもちろんですが、全国中の茶の湯に関する場所、寺、塔頭、窯元、各美術館などに足を運んでみると、調べれば調べるほど新しい事柄がでてきてしまい、まさに英英辞典を引いて出てきた単語がまた分からず引き直すみたいな状態です。そのため`ここまで出来たら茶事をやってみよう`と思っているといつまで経ってもできなそうなので、その時点できるレベルでと考えた次第です。

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当日は天気もよく秋晴れ。茶事のテーマは月見と初秋に関わるものにしましたので、まさに秋らしい気候で素晴らしい天気でした。茶室を予約し道具組などの準備を始めたのがちょうど二ヶ月前くらい。茶道具なんてほとんど稽古用の物しか持っていないので、素敵な道具組にはなりませんでしたが、それでもテーマに沿って(理由をこじつけ)、道具組した経験はとても勉強になりました。

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軸の長さが長すぎて下に付いてしまっていたり(笑)、いろいろな失敗も重ね、全てが勉強になりました。それこそツッコミ所満載だと思いますが、少しずつ精錬してゆきたいと思います。

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借りた茶室なので、茶懐石を作ることはかなわず、懐石弁当を出前で取りました。量が多くて失敗(笑)。それだけでは買ってきただけになるため、母親自家製の漬け物(きゃらぶき、ししとう、梅、奈良漬け)を送って貰いました。弁当も素敵ではありましたが、やはり買ってきた物なので何も語れません。一方で実家の漬け物だと、小さい頃から食べて育っているのと、母親が畑から採ってきて毎年漬けているものなので、そのことに関して語ることができますよね。やはりできるだけ自分でつくったものを今後増やして行きたいです。

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御菓子は、いつもお世話になっている御菓子処`さゝま`さんの主菓子と干菓子。事前に注文しておいて、当日朝に受け取って茶室に向かいました(茶道具と供に)。

ちなみに柿の方(求肥)が`秋日和`でまさに色が変わりつつある初秋といった趣で当日にぴったりでした。楓の方も色が変わりつつある練切です。

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つくばいで清めて席入り。袴の着付け等も何度も練習したので慣れてきました。露地草履ではないのですが・・・。

正式な茶事とはとても言えるレベルではありませんが、今回の経験を通して道具組、各種予約などの準備、当日の道具運び、茶事次第、点前、片付け等何から何まで初めてでとても勉強になりました。先生の茶事・茶会では行けばほとんどが終わっているのですが、やはり早くからご準備されてそういった環境になっているわけで、自分でやってみると勉強になりますし先生の大変さもわかりました。今回の反省点・失敗点も多いので次に同じ事を繰り返さないように洗練させて行きたいです。

今回来て頂いたお友達も皆さん準備・片づけなどにお手伝い頂き、そしてお点前も交代でして頂いたりと実に楽しい時間となりました。薄暗い茶室で、湯気が立った釜、音(釜の音だけではなく、近所の小学校の合唱まで)、紅葉がわずかに始まった日本庭園、そして濃茶を皆で頂くなど、全てが美しい世界で茶の湯の魅力をまた感じる事ができました。

畠山記念館 `涼をもとめて`(畠山即翁の朝茶事)を学芸員解説付きで。

畠山記念館の展示物が変更になり、本日(2013/08/03)から新しい展示展が始まりました。

夏期展 `涼を求めて` ~畠山即翁の朝茶事~
平成25年8月3日(土)~9月16日(月・祝)
公式サイト:http://www.ebara.co.jp/csr/hatakeyama/exhi2013summer.html

そこで早速行くことにしました。しかも、毎週土曜日は学芸員さんが解説をしてくれるということでその時間にあわせて行ってきました。(時間等は上記公式サイトを参照)。
初日とはいえ、解説に人が集まるのかな?なんて思っていましたが考えが甘かったです。もう人が多すぎ(笑)50人近くが既に集まっていて解説を待っていました。その為、畠山即翁の生まれた金沢の名菓の主菓子”蓮羊羹”での薄茶を頂けるはずでしたが既に売り切れ!なんとまぁ。というわけで行かれる方はお早めに。(午後2時からの解説で午後1時30分いったのですが、実際には午前10時には売り切れたとのこと・・)

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さて、今回は近代大茶人の一人畠山即翁が昭和16年に上野の不忍池の浮島で行った朝の茶事(午前6:30スタート)の茶会記を元に、その時の茶道具の組合せを再現した展示会です。
`茶会記`という、茶事の記録を残すという文化は、利休の頃からあるスタイルですが、茶事の記録を書として残すという文化があったので良かったのでしょうね。昭和16年のある日の茶事が、どのような道具の組合せで、どのような茶懐石が出たのかなど全て残っています。即翁がどんなつもりで道具を合わせたのかなどいろいろ想像力が膨らみますね。非常に素晴らしい茶道具達で、しかも学芸員さんの解説で理解が深まりました。やはり美術館にいく場合は解説してもらったほうが良さそうですね。

畠山記念館の日本庭園の美しさはもちろん、今回の展示会も素敵でした。是非学芸員解説の時間に足を運んで頂ければと思います。

 

早雲寺、白雲洞茶苑@強羅公園、松永記念館:小田原の近代三茶人をたずねる。

箱根・小田原方面に茶の湯に関係のある場所を訪ねてきました。

◆臨済宗大徳寺派 早雲寺 @箱根湯本

秀吉が小田原の北条氏を征伐した”小田原征伐”(1590年)は有名ですが、

参考:小田原征伐 | Wikipedia
参考:早雲寺公式サイト
参考:早雲寺 | Wikipedia

その秀吉が小田原城に攻め込む際に本陣を張ったのが、箱根湯本にある早雲寺です。早雲寺の沿革は上の公式サイトをご覧くだされ。詳しく記載されています。実に茶の湯に関わりのあるお寺だと分かります。利休も参禅し(お墓もある)た臨済宗大徳寺派ですし。

さて、秀吉の陣ですから利休も来ているわけです。利休の逸話はいろいろ残っていますが、この早雲寺でのエピソードはたくさんあって実に興味深く、是非来てみたいと思っていました。

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さて、箱根湯本の駅から早雲寺までは歩けるのですが、”健脚坂(近道)”とぐるっとまわる道の2コースがあります。余裕で前者だと思って健脚坂を進んだのですが、泥だらけになりました(笑)あと蜘蛛の巣だらけ。上の写真のような自然たっぷりの中を歩かされます。皆さんが行かれる際には、ぐるっと回る普通のコースを歩くべきです。途中に箱根の郷土資料館もあるので。

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早雲寺惣門(そうもん)

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惣門を逆サイドからみた写真。木々が綺麗でした。

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臨済宗ですから禅寺です。`早雲禅寺`。中門。

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さて、このお墓は`山上宗二`のお墓です。400年前の利休のエピソード、茶会の記録などが今に伝わってきているのは、利休の弟子(高弟)の山上宗二が、「山上宗二記」という著を残してくれたからです。多くの点で矛盾が指摘されている「南方録」に関して、宗二記は実に詳細で貴重な資料になっています。同等の内容で少しずつ修正しながら何冊か現存していて、一つは不審庵にあるのかな。

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クリックすると拡大します。

さて山上宗二といえば、秀吉と馬が合わなかったことで有名です。小説「利休をたずねよ」では、余計な口を聞いてしまい、耳と鼻を切られて殺されてしまう章がありますね。その宗二の墓が早雲寺にあります。つまり、本陣が早雲寺にあり、利休もいて、そこに小田原陣営から宗二が抜き出してきて、この早雲寺付近で秀吉に面会し打ち首にされたわけです。冬公開の映画「利休にたずねよ」では、宗二役が誰になるかも楽しみです。三國連太郎さんが利休役を務めた映画「利休」では、井川比佐志さんが宗二役で良い味だしていました。

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町文化財の鐘楼(しょうろう)。秀吉も使ったとされています。

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北条5代の墓が写真の奥にあります。変な物が写るのもなんなのでこのあたりで。

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本堂。

一般の拝観は以上の外観のみ。奥に茶室があるようですが、見ることはできません。重要な文化財や、沢庵さんの書などいろいろあるようですが見ることはできません。たまに公開することもあるのかな?正直、茶室も拝観できないので、あまり見るものはないかもしれません。

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さて、惣門の近くには立派な竹が生える竹林が。利休作(利休好み)の竹の花入れは実に有名ですが、初めて作ったのは利休が小田原攻めの際に作ったのが最初とのこと。つまりこの竹林などを見てあの竹の花入れを思いついたのかもしれません。(実際には伊豆韮山の竹で作ったようですが)

上野の東京国立博物館に、その時作った3つの花入れの一つ”園城寺”が現存されています。
参考:竹一重切花入 銘 園城寺 @ 東京国立博物館

さて、もう一つ。茶の湯では実にいろいろな棚(茶道具を飾る棚)があるわけですが、利休時代から形が変わらない棚の一つ”旅箪笥”の棚も、この小田原攻めの際に使ったという言い伝えがあるようです。旅箪笥ですから、京から小田原に移動する際に移動式で野点てができるということで、旅箪笥の棚が生まれたのでしょうか?千家の流派では、どのお流でも旅箪笥は稽古であるようなので、この早雲寺あたりで利休が使っていたと考えるとなかなか興味深いですね。

参考:旅箪笥の棚@茶道入門

秀吉・利休・宗二はじめ、多くの利休好みの道具が初めて使われた早雲寺は歴史を想起させる素敵なお寺でした。

さて、帰りは回り道のコースを通り、郷土資料館に寄りました。

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郷土資料館

箱根の歴史や発展の仕方、昔から世界的にも有名な行楽地であったこと、そして後述する近代の茶人達が別荘を建てた歴史などを学ぶことができました。なかなか面白買ったですよ。私以外に客は皆無でしたが。

さて、箱根登山鉄道に乗り込み、強羅まで上がります。

◆白雲洞茶苑@強羅公園

強羅駅から急坂を登っていくと強羅公園に到着します。公園に入るのは有料で、いろいろな施設がある強羅公園ですが、白雲洞茶苑という茶室があります。

参考:強羅公園白雲洞茶苑

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白雲洞の茶室は、小田原の近代の3大茶人である、益田鈍翁原三渓松永耳庵にそろぞれ引き継がれた素晴らしい茶室です。三井物産の創始者であり(ウチの流派の先輩でもあり)、近代の大茶人として有名な益田孝氏(鈍翁)の別荘としてこの茶室を建てたのが始まりで、それぞれ二人に引き継がれ、現在は強羅公園内にあります(箱根登山鉄道所有)。原富太郎氏(三渓)は、横浜にある三渓園が有名で(参考:本ブログの三渓園の記事:三渓園に赴く。)、松永安左エ門氏(耳庵)は電力王として名高い財界人です。彼らが約100年少し前に茶の湯の魅力を再確認し、その財力で貴重な茶道具をコレクションしてくれたので、今こうやって世界大戦を乗り越えて残ったというのも事実だと思います。

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露地の入り口。

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(字が小さいのでクリックすると拡大します)

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露地を上がっていくと、不染庵、白雲洞、対字斎とよばれる2つの茶室と「田舎家の席」があります。いわゆる京都にある歴史のある茶室とは違い、近代茶人の趣向を取り入れた新しいスタイルの茶室と言えます。

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白雲洞の茅葺き。

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薄茶を頂けます。すると中を見学できます。人も少なかったのでいろいろ解説頂きました。

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箱根といえば・・・ということで寄付の横には温泉が。素敵すぎますね。

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原三渓が増築した茶室:対字斎。
見えにくいですが、正面の山の頂上には、”大文字山”の”大”の字が見えます。眺めも最高の茶室です。八畳の広間。素晴らしいですな。

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不染庵の四畳半の寄付。炉が切ってありますがここは寄付で、隣に二畳台目の茶室があります。

強羅は何度も来たことがありましたが直ぐにケーブルカー・ロープウェーと乗り継いでしまいあまりゆっくり回ったことがありませんでした。そもそも強羅は近代の富豪達がこぞって別荘と建てた地。近代茶人が三人に渡ってこの茶室を受け継いだのも分かります。
茶の湯に興味がなくとも、この強羅公園の白雲洞茶苑は、抹茶も頂けて露地も綺麗なので是非足をお運びくだされ。

さて、箱根登山鉄道を下りて箱根湯本へ。そして小田原駅に向かう途中で`箱根板橋駅`で下車し松永記念館に向かいます。

◆松永記念館@小田原市

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小田原市郷土文化館分館”松永記念館”

公式サイト:小田原市 郷土文化館・分館松永記念館
参考:松永耳庵 | Wikipedia

上記名前の通り、小田原三大茶人の一人:松永耳庵の最後の邸宅を、小田原市に寄し記念館にしたものです。

この記念館には、耳庵の邸宅「老欅荘」(もちろん茶室あり)、ほか3つの茶室は一般利用が可能で、茶会・茶事を催す事ができます。

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少し歩いて行くと(登っていくと)、「老欅荘」が見えてきました。イマイチな写真ですが、どのくらい自然に囲まれているか伝わるかなと。楓が多いので秋の紅葉は綺麗でしょうね。

20130720_jian3露地に入って行きます。基本的に自由に見学自由です(中にも上がれますし、説明もして頂けます)

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少し進んで振り返る。秋の紅葉の時期にもう一度来よう。

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右に広間、左は茶室。躙口が見えますかね?(暗いけど)

客は、この露地を通って躙口から茶室内へ。歴代の財界人、代議士達もこの躙口を潜って耳庵と供に日本の政治の話をここでしたのでしょうか。

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躙口より茶室をのぞく。床。こうやって自由に外から眺められるほど開放されている茶室も珍しく細かいところまで見ることができて勉強になりました。

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茶室(松下亭)は、四畳半台目。オーソドックスなデザインかな。
将来家に茶室を設けるなら、三畳台目か四畳半台目かなぁ。と妄想してみたり(笑)

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耳庵さんがこだわった半月の窓。素敵ですね。

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「老欅荘」の案内図。クリックすると拡大。素敵な数寄屋建築の邸宅でした。

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箱根は何度も行ったことがありましたが、茶の湯の視点で見るとまた違った楽しみがありました。早雲寺は一般拝観に限りがあるので少し残念ですが、強羅公園の白雲洞と、松永記念館(耳庵の邸宅)は実に素晴らしい日本庭園と茶室で感動致しました。原三渓の三渓園と供に、近代の三大茶人の偉大さと彼らの茶の湯のスタイルを見ることができます。伝統的な京都の茶の湯から少し現代風にアレンジというか、茶の湯を愉しんだということが随所に感じられて興味深い(日帰りの)旅となりました。