本日のBGMは,大好きなロシア・ロマン派の作曲家ラフマニノフの歌曲”Vespers” 作品37である.
セルゲイ・ラフマニノフ(Sergei Rachmaninoff, Сергей Рахманинов)は,クラシックを聴き始めた誰もがその美しさに必ず一度はハマる作曲家である.ラフマニノフの詳しい解説は,wikipedia (セルゲイ・ラフマニノフ – Wikipedia)に譲るが,映画”シャイン”(David Helfgott – Wikipedia)で,使用されたピアノ協奏曲第3番ニ短調(Op,30)や,荒川静香さんがトリノオリンピックのExhibitionで使用したパガニーニの主題による狂詩曲 (op,43) など,いろいろなメディアで取りだたされ,ご存じの方も多いのではないだろうか.私はこのラフマニノフが大好きで遺作,作品番号未詳のものまで含め,手に入れられるものは全て手に入れ聴き込んだ.その中で最も愛している曲を紹介したい.
セルゲイ・ラフマニノフ 歌曲 作品37 “徹夜禱” or 晩禱 or 徹夜祷 or 晩祷
Sergei Rachmaninoff Opus.37 “Vespers”
*日本語題がいくつもあるのは,”祈る”意味の漢字が”禱”と”祷”が両方あるのと,”Vespers”の日本語解釈に問題があるからである.
私が最も愛しているラフマニノフの曲は,ピアノ曲でも交響曲でもなく歌曲である.Vespersは,ラフマニノフが信仰していたロシア正教会の典礼音楽である.Vespersは,ロシア正教会において,夕方(晩)に行う晩禱ではなく,夜通し行う”徹夜禱”と訳すべきらしく,その点で日本語名に多くの解釈がある.私はロシア正教徒ではないので,このような解釈問題や,歌われている歌詞の意味などは全く分からないが,音楽として歌曲として表現できないほど美しい.宗教歌は美しいものが多い,しかしVespersは,私が聴いた宗教歌では最も美しく,恥ずかしい話聴いていて身が浄化される気がしてしまう.それほど美しい.この評価は私の戯言に聞こえるが,実はラフマニノフ自身もVespersを彼の葬儀に用いるように指示しているほど,お気に入りの曲だったようだ(暗い話だが・・・・・)
私はこの第2番「わが霊(たましい)や主を讃め(ほめ)あげよ」(Bless The Lord, O My Soul)が特に好きで,iTunes(iPod)の再生回数をみてもこの曲だけ300回の再生を越えている・・.
宗教・信仰とは関係なく,教会で流れているような音楽が好きな方,ラフマニノフのピアノは大好きだけど,歌曲などは聴いたことが無い方など是非このVespersを聴いて頂きたい.ラフマニノフ(と私が・・)が愛した素晴らしく美しい音楽に出会えるはずである.また,Wikipediaにはこの曲のページがあった.その内容のマニア度と熱意に脱帽である.世の中マニアは多い.
参考:晩祷 – Wikipedia
参考:ロシア聖歌とラフマニノフの二大宗教曲
おすすめのCD
作曲: Sergey Rachmaninov
指揮: Robert Shaw
アンサンブル: Robert Shaw Festival Singers
Telarc – #80172 / 1990/03/15
ASIN: B000003CV0
エストニア・フィルハーモニー合唱団によるSACDの
Vespers Op. 37きいて、声の綾に感動しました。
明けの堂宇で聴いたら天に召されるかもしれない。。
ほろろさん>
エストニアフィルの録音はなんと去年のものなのですね!存じない盤だったので調べてしまいました.こういう曲こそSACDで聞きたくなりました.持っていない盤だったので早速注文しました.
本当に天に身が吸い込まれていくよう美しさですよね.今も聞いていますが,表現力豊かな日本語でもこの美しさが表現できず悔しい思いです.
この美しさをもっと広めたいです.
はじめまして、以前の記事へのコメント失礼します。
「ラフマニノフ 晩祷」でヒットしてやってきました。以下もしかしてご存じないかと思い、老婆心でお知らせを(ご存知だったらスミマセン)。東京では、毎年この晩祷の全曲演奏会があります。今年は10月6日、12日の2回です。教会と言う理想的な場所での演奏です。詳しくは東京トロイカ合唱団HP http://tokyo-troika.jp/ ご覧ください。晩祷を好きな方を見つけてうれしく、つい書き込みました。(不適切でしたらどうぞ削除くださいませ)