昨日までの雨も上がり,とても良い天気で暖かくなってきた土曜日の研究室(本当はカフェとかが素敵なんだけど・・).レピシエあらため,ルピシア(lupicia)の紅茶(ネプチューン)を飲みながらをクラシックを聴いている.今週は我々の人工衛星がトラブルを起こし,無事回復したのだが,その運用などで多忙の週であった.その反動で,(研究室ではあるのだが・・)優雅な気分でゆっくりしている.
今日聞いているCDはショパン.そしてピアニストは最も好きなピアニスト”アルフレッド・コルトー”(Alfred Cortot)である.
Alfred Cortot (1877-1962)
コルトーはこのウェブログでも既に登場しているが,高校1年の時に初めて彼の演奏を聴いて衝撃を受けて以来,大好きなピアニストである.高校の担任がクラシックマニアで,先生とは毎日のようにクラシックの話をしていた.ある時に先生が貸してくれたLPが,アルフレッド・コルトーのショパンエチュード集(OP.10, OP.25)であった(1936年盤).エチュードとは練習曲という意味で,エチュード集とは,ショパンが作曲した練習曲集である.ショパンにかかれば,練習曲といっても退屈な曲ではなく,極めて美しい旋律の中に運指を鍛えられたり,いろいろなアイデアが織りばめられている.有名な「別れの曲」や「革命」も練習曲(Etude Op.10-3, 10-12)であることからも,いかにショパンがピアノの詩人であったかが分かる.
ショパンの直系の弟子(直接教わったわけではない)にあたるのがアルフレッド・コルトーというピアニストである.コルトーの評価には,かならず前置詞的にある言葉が付加されることが多い.”テクニックは甘いが・・・・”.
コルトーのミスタッチは割と有名でCDを聞いていれば,時々ミスタッチをしていることに気がつくことがある.しかし,コルトーにはミスタッチなど,全く感じさせない極めて柔らかく,優しく,美しい音がある.その美しさから,ある書籍では,”強烈な魅力ある個性と,美しいタッチ,絶妙にして詩的な解釈は当代無比”.とかまで掛かれている.(引用:(「大ピアニストは語る」)
我々はショパンの生演奏を聴くことはできない.ショパンは彼の頭の中にある美しい旋律を,我々でも分かるような不完全な楽譜に一度精度悪く落とすことでしか,我々にその音楽伝えることはできない.しかし,コルトーのピアノは,一度精度を失ったショパンの美しい旋律を,本当に美しく再現している(と思っている).直系の弟子というのもあるが,きっとショパンはコルトーの演奏を喜ぶのではないかと,コルトー好きの私は勝手な解釈をしている.今日は,高校生の時に衝撃を受けたコルトーの別れの曲を再び聴いて,午後衛星がまた東京上空を通過するまで過ごす予定である.(いや,午後,ちょっと写真でも撮りに洗足池にでもいこうかな・・)
グランドマスター・シリーズ・エクストラ-GR編-
コルトー/ショパン:練習曲集(全曲)
演奏者 (ピアノ)アルフレッド・コルトー
録音:1)1933-7 2)1934-6 3)1949-11
カタログNo: TOCE3562
レーベル: 東芝emi
発売国: 日本
(クリックすると,HMVのサイトに飛びます)
上記のCDが私が持っている1936年盤がちょっとわかりません.最近”リマスタリング”とかいうCDが多く,ベースのLPがどれを参照しているか不透明で困ります.
留意点:相当音は悪いです.1936年なので.もちろんモノラルです.
*練習曲は退屈な曲が多いという考え方は私の偏見です(笑)私が大学時代に教わったピアノの先生は,バイエルをそれはもう美しく,楽しく弾いてくれました.
直己さん凄いですね!!
私も音楽を聴く事は大好きなんで。。。
(クラシックは会社で常にかかっています)
普段好んで聴く音楽はクラシックではないですが、
とても心地良い気持ちにさせてくれますよね!
(胎内にいる感覚になる様な。。。。)
音楽についてもお話したいですね☆
LOVE☆HORSEさん>
コメントありがとうございます!たびたび,このブログでは主観的に好みのクラシックCDを紹介しています.
今回紹介したコルトーさんは,もう本当に好きで,たまらなく優しいピアノにビビビと来てしまうピアニストです.
会社で常にかかっているというのは,とても素敵な会社ですね!音楽についてもよろしくおねがいします!
この記事を読んで、ピアノの音色が聴きたくなりました(^^)
Naokiさんのクラシックへの想いは本当に素晴らしいですね!
素敵だな~って思います。
クラシックと紅茶は合いますよね♪
ルピシアのHP見ました。
たくさん店舗がありますが、デパートには入っていないのですね。
サロンもあるようですし、一度行ってみようと思います(^^)
まりりんさん>
こんにちは!
ピアノ本当に素敵ですよね!とにかくピアノ好きでいつもピアノを聞いています.
コルトーさんのような古いピアニストが好きで,またちょこちょこ紹介していきたいと思います.
ルピシアはおすすめです!千駄ヶ谷店などはカフェテリアもついていて,お店で飲めますから是非足を運んでくださいな.
リーフたくさんあるので,選ぶだけでも楽しいですよ!
こんにちは、
僕もコルトーの大ファンです。彼はテクニックが甘いという前置詞が、、、とあり、よく目にしますが、実際は非常にテクニックがあるピアニストです。あの時代のピアニストは皆プロ中のプロですし、彼は演奏への感性を高めるためにあまり無意味な練習はしなかった=ミスタッチが多かったという話を聞いています。
彼のレコードを100枚近く集めていますが、その中での演奏はその事を裏づけする十分なテクニックを堪能できます。
今は彼の編曲したトッカータとフーガを弾いていますが、非常に迫力があり、ピアノに適した編曲になっていますよ。
Fumi