ISO感度からみたカメラ選び

下手なりにも写真をやっているため,”どんなカメラを買えばいいのですか?”とか,”何を使っているのですか?”と時々聞かれます.今回は,ちょっと違った視点(カメラをやっている人からすればあたりまえだけど・・)でのカメラ選びを紹介します.(2004/2/15現在)

”ISO感度によるカメラ選び”です.

室内での飲み会などで,写真を撮ったら
・フラッシュによって,鈴木その子さんのようになっていた
・フラッシュによって,店のやわらかい照明の雰囲気がなくなって,人物以外全く暗くて見えなかった
・フラッシュによって,みんなが赤い目(赤目)をしていた
・写真がブレていた(手ブレ)
・人がブレていた(被写体ブレ)

こんな経験ないですか?

これを解決するためには,
・フラッシュを焚かない
・手振れをなんとか抑える
・相手(被写体)に静止してもらう

などの工夫が必要です.しかし部屋が暗い場合,フラッシュを焚かないと写らないし,手振れ,被写体ブレを抑えるのも,人間的に限界があります.しかもフラッシュって実際には3m程度しか飛びません.

ここで注目なのが,カメラの画素数ではなく,ISO感度と呼ばれるディジカメの性能です.高ければ光を多く集められるので,フラッシュ焚かなくてもシャッター速度が速くて,手振れとか被写体が多少うごいても,写真としては止まって見える.という仕組みです.

なぜこんな話題を出したかということですが,富士のファインピックスというディジカメシリーズがありますが,今日日本で発表されたカメラが何とISO1600という相当な高感度のディジカメ.
一般的にISOを上げると画像がノイズで汚くなると言われています.その問題があり,ほとんどのディジカメは400程度が限度です.その4倍明るくとれるのでこれは注目です.

FUJIFILM Finepix F10サイト(2005/3月発売)

宮下のディジカメは,ディジタル一眼レフなので,ISO1600なぞ当たり前ですが,今回のような小さいカメラでは,大したものだと思います.富士の回し者ではありませんが,一つ注目製品だと思います.
せっかくの楽しい飲み会を,お店の雰囲気をそのままに,ノーフラッシュで残すなら,ISO感度を注目してカメラを選ぶのがいいかもしれません.小さいとか画素が多いとか,そんな観点よりも残したい場面をちゃんと残せるというカメラ本来の目的で選ぶのは良いことだと思います.

ちなみに今回のカメラ選び基準は,気合い入れた写真じゃなくて,気軽にパシャパシャ撮りたい人用の選び方です.本格的にやりたくて,選び方を困っているなら,長時間相談にのります(笑

補足:
・今回ISO感度という観点でのみ検討していますので,他のメーカーとは全く比較していません.ちなみに宮下は,富士フィルムのFinepixシリーズを使ったことはありません.
・まだF10のサンプル画像がでていませんので,どれだけISO1600モードが使えるか未知です.
・手振れ補正も一つの解決策に見えますが,被写体ブレには(当たり前ですけど)効きません.フラッシュを焚かずにシャッター速度を稼ぐには,ISO感度増感しかありません.
・フラッシュの赤目を防止するには,赤目防止機能があるカメラを使うか,無い場合は,撮る直前にすごくあかるい電気などを見て,目を慣らしておけば,赤目にはなりません.ハイ・チーズじゃなくて,”ハイ,そこの電灯見て,こっち向いてチーズ”みたいなかけ声が日本で一般化すれば赤目はなくなるでしょう.
・富士フィルムでは,ISO1600のフィルムカメラ(カメラとフィルム)“Natura”という面白いカメラも発売しています.

IR1S9519.jpg
表参道,六本木ヒルズなど,このサイトの夜の写真は,ISOを上げてノーフラッシュでとっているので,
その場の雰囲気を残すことができています.今まで撮れなかった暗い雰囲気が撮れるようになるわけですから,最先端技術(感度を上げてもノイズが載りにくく,コンパクトディジカメに搭載)による新しいパラダイムです.ディジタル一眼レフの世界でも高感度低ノイズは一つのキーワードで各社力を入れています.自分がキヤノンのディジタル一眼を使っているのは,この高感度低ノイズ技術において他を圧倒しているのが一つのポイントとなっています(使っている理由は他にもたくさんありますが).ノーフラッシュ,ナウいですよ.

ISO感度からみたカメラ選び」への2件のフィードバック

  1. 私もデジイチを普段使ってるので、ISO感度の有り難みをあんまり感じないですが、コンパクトデジカメって400程度だったんですね。知らなかったです。

    高感度対応に加えて、レンズがも少し大口径で、絞り優先AEが出来る仕様であれば、光源が厳しい状況でもかなり使えそうですよね。

  2. おでちんさん>

    ISO1600クラスの高感度撮影は,今まで銀塩では撮れなかったシーンでも,残す可能性があるという新しいパラダイムだと思っています.
    コンパクトディジカメはイメージサークルが小さい為,被写界深度がどうしても深くなってしまうため,一眼のように一部だけピントを合わせるのは難しいかもしれませんね.

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