去年(2012)12月に”茶の起源”を訪ねて京都に行ってきましたが、再度行ってきました。一泊二日で。
前回の旅の記事(参考):”茶の起源”を辿りに京都へ赴く(一日目)
前回の旅では、千利休とその関係者にスポットを当て、また茶の種を日本に持ち帰ってきた栄西さん関連の茶の種の流れを中心に京都を回りました。大方そのテーマでは回り終わってしまったので、今回はもうちょっと時代をずらして、茶の湯に関わりのある人・場所を巡ってきました。さすがに京都の交通機関も慣れてきましたが、結果としては、Google Maps(スマホのGoogle Mapsアプリで現在値から行き先で検索)で検索する方法が、ほぼ正確で最短・最速だと思いました。偉大です。
*写真は全てクリックすると拡大。文字など見えにくい際には。
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朝9時に京都に到着。まずは大原に向かいます。京都駅からバスで向かうと時間がかかるので、地下鉄も併用。京都駅周辺は曇りでしたが、山の方は雪の予報。
◆其之一:三千院(さんぜんいん)
三千院最寄りの”大原バス停”で下りたら帰りのバスの時間をチェックすべきです。当たり前の事ですが、大原くらい京都中心地から離れてしまうと、効率良く観光するには、計画通りに進まないとあっと言う間に時間が過ぎてしまいます。まぁ京都に来ているのですから時間を気にせず見るべきとも思いますが・・・。
さて、大原は雪景色でした!
三千院の説明は、看板にお任せしましょう。クリックすると拡大。
参考:三千院公式サイト
参考:三千院 | Wikipedia
さて、この日は、”初午大根炊き”の日でした。ラッキーでした。
幸せを呼ぶといわれているそうです。無料で大根を配っていました。2つ頂いたり。寒かったので体もあたたまり。
三千院は、直接茶の湯に関わりのあるお寺ではございません。しかし薄茶を頂けますし、この大原という地域が綺麗ですし、お寺全体の雰囲気が山の中で静かで素晴らしかったです。
さて、直ぐにバスに飛び乗り大原を離れます。大原は、その地域で取れた野菜・野花などが豊富で、その市場もあるようです。茶人達は茶事の日の早朝に、大原を訪れて季節の物を買っていくとか・・・。とにかくのどかな大原の地域で最初から癒されました。
◆其之二:通圓寺(ついえんじ)
公式サイト:円通寺 (京都市) – Wikipedia
圓通寺は素晴らしすぎて腰が抜けるかと。
枯山水式の圓通寺庭園。日本の名勝。素晴らしき事限りなし。
この庭園は”借景”(しゃくけい)を使っています。つまり、写真にも写っている毎日姿を変える(一日として同じ姿のない)比叡山の姿を”借”りて完成させる庭の風”景”。それで借景。しかもこの庭園には、今の時代では奇跡的に電柱などの人工物が一切入り込まず、その景観を維持しています。庭の石は、ほんの一部だけを覗かしているだけで、下に深く沈み込み(遠くから持ってきた)、植えてある花も非常に多数に及び。圓通寺の庭園は本当に素晴らしかったです。また、霊元天皇宸翰消息という重要文化財も見られます。写真は最近になって、庭園側のみ撮影可能ですが、借景ですから、カメラで残しても意味がありません。
ここでも薄茶を頂きました。(室内なので写真撮影は禁止)。二服目。
さて、圓通寺を出て、どんどん京都市内に向かって移動します。
◆其之三:光悦寺(こうえつじ)
さて、書でも、茶碗でも有名な多才な茶人”本阿弥光悦”の光悦寺にやってきました。
八つもの数寄屋(茶室)があるお寺として有名です。
近づけない数寄屋(茶室)も多く、そもそも中も覗けないので庭や外観しか楽しめず・・・。天気が悪かったので写真はありませんが、光悦寺から見える3つの山(鷹峰三山=鷹ヶ峯、鷲ヶ峰、天ヶ峰)の山並みはとても静けさがあり素敵でした。
数寄屋に関しては、普段から内覧などで解放されることはなく、私の様な一般人が入れる可能性があれば、年に1回行われる光悦会という茶会しか方法は無いようです。しかし、光悦会は正に本阿弥光悦にちなんだ茶会・茶事なので、家元クラスの人々が行うもので格式が高すぎて行くのは相当困難とのこと。最終日だけは、それでも少し一般人側の枠があるようですが、それでも東京在住で茶の湯の”いろは”も分かっておらず、そもそも光悦会に`つて`も無い私では実質参加は不可能に近い様です。いつか行かれると良いですが、客の作法も含め中途半端な状況ではいけないなと。
光悦の茶碗は私も結構好きなので、おそらく光悦作の樂も出ると思うので、いつかは・・なんていう気持ちも。京の方がこのブログを読んだら論外過ぎて鼻で笑ってそうですが・・(笑)
また、昭和40年くらいまでは数寄屋の中も自由に見ることが出来たようです。近所のやんちゃ坊主がボール遊びなどをして痛むので内覧禁止になったという話が・・・(ホントかな?)
上の光悦会などの話は、光悦寺の近くにある”光悦茶屋”のご主人に薄茶を頂きながら、お話しを伺いました。本日三服目。是非、光悦寺に行く際にはお寄りください。せっかく茶人で有名な光悦寺に来たのに抹茶を頂かないわけにはいかず!
参考:光悦茶屋(食べログ)
さて、光悦寺から歩いて鹿苑寺へ。20~30分歩いたかな。
◆其之四:鹿苑寺(舎利殿`金閣`が有名な):夕佳亭(ろくおんじ・きんかくじ・せっかてい)
京都と言えば金色の舎利殿`金閣`が有名な鹿苑寺。今回は舎利殿を見たかったわけではなく、裏にある茶室:夕佳亭(せっかてい)を見るために。
舎利殿。中学校の修学旅行以来ですが、やはり大人気で多くの観光客が居ました。個人的に、この舎利殿はセンスレスな建物だなぁと・・。放火焼失前の写真などを見ると、金箔が剥げているだけらしいですが、何となく趣があって良いかなと。さて、さっさと先に進んで夕佳亭へ向かいます。
茶室ではなく、”茶席”と書いてありますね。クリックすると拡大。
その名の通り、夕方に金閣が誠に美しく見えることから名付けられた茶席の様です。荒廃が激しく、野ざらしの為、状態はかなり良くないです。大徳寺で禅を学んだ金森宗和の設計の様です。
とりあえず、観光客がものすごい中、一応鹿苑寺でも薄茶を。四服目。
さて、仁和寺に向かいます(近いので)
◆其之五:仁和寺(にんなじ)
仁和寺の二王門。”仁”王門じゃないですよ。こだわって”二”王門。タクシーがなかなか動かず、日も落ちてきたのでフレームアウトできず。北野天満宮などもそうでしたが、山門前にタクシー乗り付けはなんとかならないものか・・・。
仁和寺公式サイト:http://www.ninnaji.or.jp
さて、仁和寺に来たのは、金堂、五重塔などもありますが、尾形光琳の数寄屋”遼廓亭(りょうかくてい)”が目的です。しかし全くの調査不足で突然行って拝観はできませんでした・・。二畳半台目の小さな数寄屋ということで、是非見たかったのですが残念です。拝観するには、事前予約が必要とのことでした。準備不足でした。仕方がないので金堂などを拝観。
完璧すぎて説明する必要もなく。仁和寺は、国宝と重要文化財だらけです。
仁和寺の後に、銀閣に向かう予定でしたが、拝観時間を考えると寺院拝観はこの日は仁和寺で最後。とりあえず夜の京懐石の予約時間までまだあったので、市内を少し。
◆其之六:表千家不審庵(おもてせんけ・ふしんあん)
おきまりの表千家不審庵も。ただ、私は川上不白を祖とする表千家なので厳密にはここは家元の家元なのですが(上層のことはよくわからん)。
その後対面にある茶道具やましたさんにも寄り、稽古帛紗を購入。
◆其之七:裏千家今日庵(うらせんけ・きょうあん)
不審庵のお隣(お裏と表現すべきか)にある裏千家今日庵。5時過ぎていたので門が閉まっています。お友達はお裏の方が多いので、今日庵写真も紹介。
今日庵の対面にある本法寺もふらっと見てきました。本法寺は”利休居士像”で有名で且つ、利休とも親交の深かった長谷川等伯が一時寝泊まりしていた寺です。その為、等伯の資料などいろいろ残っているようですが、5時過ぎているため中には入れず。また庭園のプロデュースは、本阿弥光悦が行っており、それもまた茶の湯・利休に近いお寺でもあります。さて、時間も遅くなってきたので、京懐石を食べに祇園に向かいます。
◆其之八:京懐石 さくら
今回は、京懐石「石塀小路さくら」で食事。菊乃井などにも連絡をいれたのですが、やはり一人では予約できず・・・。この辺が京懐石は難しいところです。とりあえず、一人でも受け入れてくれた石塀小路さくらさんで。おいしかったですね。お店の雰囲気もよく、お皿などを置く手つきなど料理人としての所作も綺麗でした。
さて、ほどよく酔っ払って京都駅前のビジネスホテルで一泊。一日目から非常に素晴らしい京都を巡ることができました。
二日目の記事に続きます
相変わらず写真が素晴らしい!
雪の三千院もきれいですね.
僕も去年の12月に学会出張ついでに三千院に行きましたが,その頃は雪まだ降っておらず,
地面という地面が全て苔むしていて,いい雰囲気でした.
SassaHeroさん
おお!コメントありがとうございます。
今年は平年から比べると多いですが、それでも雪の三千院は珍しいらしく、ラッキーだよと言われました。
大原良いですよね。ただ寺院があるような寺ではなく、おっしゃるとおり大原という土地に根付いている感じの寺院で素敵ですよね。
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