解説 |
| 人工衛星を宇宙まで運んでくれるロケットの打ち上げは6/30です.つまりロケットの先っぽに人工衛星を6/30までに取り付けなければなりません.とはいえ,6/30直前は,ロケットに燃料をこめたり,いろいろあるので,人工衛星の取り付けは打ち上げ15日前くらいです.で,今日は,最後の人工衛星単体の調整日です.日本からの輸送中に壊れていないかなどを確認し,綺麗にふいて,ねじとかも取れないように接着しちゃいます. |
旅行記 |
| 2003/06/13: 今日は,開発した人工衛星(CUTE-I, CubeSat)の最終調整日である.昨日の夜から心配でほとんど寝られない.この最終調整でトラブルがあったら,打ち上げることができない.ロケットの延期は無いので,何とか今日中にすべてのチェックを終え,打ち上げOKの状態まで持っていかなければならない. 3年以上開発に掛かっているため,いったい何回このために徹夜したかわからない.もう卒業しているOBの方たちもいる.彼らも含め,これは自分たちの夢であり,子供である.宇宙にいったら修理はできない.だから過剰なくらい,念入りにチェックを施した.最後の自分の担当の作業では,日ごろやっていることだが手が震えた. 今日は,何事もトラブルなく無事最終調整は完了した.各系ともチェックを終え,打ち上げOK状態になった.完成したあと,緊張が取れたのか一気に疲労がでた.でも良かった. |
| 人工衛星を調整する場所は,もちろんホテルではありません.Technical Complexというバスで1時間くらいホテルから離れた場所でおこないます.Technical Complexという場所に移動するまえに,ホテルの周りを散歩しました.じつは,ホテルの周りは町なのですが,行ってよい区域がきまっています.ここはロシア軍の基地関係の場所なので,住んでいる人も軍人の家族のみです.一般人は入れません.自分たちも2ヶ月前くらいから,写真をおくったりして,申請してやっと入れるという感じです.町を歩いていくと×印があって,ここから先はいっちゃだめよサインです. |
ホテルから散歩開始 |
ロコットホテル概観です.自分は,5階です. |
速攻で散歩はおわって,最終調整前にホテルのロビーで集合. 今日何らかのトラブルがあったら大変なので,各自自分の作業を頭に 思い浮かべている頃です.自分も心配で眠れませんでした. 何度も何度も作業内容を確認しました. |
バスに乗ります!1時間くらい |
バスの中には,いままでこのロケットで打ち上げられた人工衛星のステッカーが 貼ってありました.もちろん,自分たちのも渡しておきました. |
バスでモーレツにひどい道を1時間(ゆれまくり) Technical Complexに到着です.すでに作業開始. なぜ,車窓の写真がないか?バスから写真をとることは,軍基地なので禁止されています. どうもやばいところらしいです(笑 白い格好をしているのは,人工衛星に埃がつかないためです. 白装束ではありません(念のため) |
作業手順にしたがって,CubeSatの最終調整をおこなっています. |
両大学とも,ここで人工衛星を壊さないように作業をしています. あ,ちなみに2大学参加していますが,それぞれ別に開発しています. つまり,今回2個日本から打ちあがります. ロケットは,一台で人工衛星を1台とは限りません. 今回のロケットは,今まででもっとも多い14個くらいの人工衛星を宇宙まで運びます. |
CubeSatを一度分解して,最終調整を行います. ねじに接着剤をつかい固定します(もう開けられない) |
紺の光っている部分が太陽電池セルです. 宇宙では,電気を太陽からもらいます. つまりこれが壊れたら人工衛星も終わりです. |
だんだん組みあがってきました. ながーく伸びている細い線(実は金属)はアンテナです. 人工衛星は,地上に電波でデータを落としますので アンテナが必要です. |
人工衛星開発は,いろいろな系に分かれて開発しています. 彼は,CubeSatの構造を設計して組み立てたりする構造系の担当です. ちなみに著者は電源系です. 内部の機器に電源を供給したりする系ですね. |
くみ上げてはアルコールで拭くという作業を進めていきます. とにかく綺麗な状態で打ち上げます. |
CubeSatには,ノートパソコンや携帯電話に使っているリチウムイオン電池 というものを使っています.今電池の最後の充電をしているところです. 電池などは電源系である著者の仕事です. 携帯電話のようにコンセントに差し込むだけとかではなく,自分でテスターという装置を 使って充電します.はっきりいって緊張しました(笑 あ,なぜ電池がいるのか?さっき太陽電池で動いていると言いましたが, 人工衛星は地球の周りをまわっているので,いつも太陽の光はあたりません. 地球の陰になってしまうと,太陽の光が届かないのです. そこで,太陽のあたっているときに太陽電池セルで充電して,陰の時はその貯めた分で 動作するようにしています. |
組み立てが終わってきました. |
これは,分離機構というものです. ロケットは宇宙まで人工衛星を運んでいってくれるものですが, いいタイミングで,ロケットの先っぽから人工衛星を取り外さなければなりません. 当然,人が乗っていかないので自動で分離しなければいけません. 写真の分離機構は,CubeSatを最初くっついていて,いいタイミングで 宇宙に放り投げてくれる,まさに分離機構です. |
今,分離機構とCubeSatを結合しています. |
結合しました! |
記念撮影.下が分離機構で,その上にCubeSatが乗っかっているのがわかりますか? |
これで,今日の最終調整は終わりです. 無事なにもトラブルがなく最終調整が完了しました. もう打ち上げてOK状態です. 6/16(月)にロケットの先っぽにくっつけます. |