2003/06/13
人工衛星(CubeSat)最終調整

Last updated: 2003/06/14

Author: Naoki Miyashita

解説
人工衛星を宇宙まで運んでくれるロケットの打ち上げは6/30です.つまりロケットの先っぽに人工衛星を6/30までに取り付けなければなりません.とはいえ,6/30直前は,ロケットに燃料をこめたり,いろいろあるので,人工衛星の取り付けは打ち上げ15日前くらいです.で,今日は,最後の人工衛星単体の調整日です.日本からの輸送中に壊れていないかなどを確認し,綺麗にふいて,ねじとかも取れないように接着しちゃいます.


旅行記
2003/06/13:

 今日は,開発した人工衛星(CUTE-I, CubeSat)の最終調整日である.昨日の夜から心配でほとんど寝られない.この最終調整でトラブルがあったら,打ち上げることができない.ロケットの延期は無いので,何とか今日中にすべてのチェックを終え,打ち上げOKの状態まで持っていかなければならない.
 3年以上開発に掛かっているため,いったい何回このために徹夜したかわからない.もう卒業しているOBの方たちもいる.彼らも含め,これは自分たちの夢であり,子供である.宇宙にいったら修理はできない.だから過剰なくらい,念入りにチェックを施した.最後の自分の担当の作業では,日ごろやっていることだが手が震えた.
 今日は,何事もトラブルなく無事最終調整は完了した.各系ともチェックを終え,打ち上げOK状態になった.完成したあと,緊張が取れたのか一気に疲労がでた.でも良かった.
 



人工衛星を調整する場所は,もちろんホテルではありません.Technical Complexというバスで1時間くらいホテルから離れた場所でおこないます.Technical Complexという場所に移動するまえに,ホテルの周りを散歩しました.じつは,ホテルの周りは町なのですが,行ってよい区域がきまっています.ここはロシア軍の基地関係の場所なので,住んでいる人も軍人の家族のみです.一般人は入れません.自分たちも2ヶ月前くらいから,写真をおくったりして,申請してやっと入れるという感じです.町を歩いていくと×印があって,ここから先はいっちゃだめよサインです.


ホテルから散歩開始


ロコットホテル概観です.自分は,5階です.


速攻で散歩はおわって,最終調整前にホテルのロビーで集合.
今日何らかのトラブルがあったら大変なので,各自自分の作業を頭に
思い浮かべている頃です.自分も心配で眠れませんでした.
何度も何度も作業内容を確認しました.


バスに乗ります!1時間くらい


バスの中には,いままでこのロケットで打ち上げられた人工衛星のステッカーが
貼ってありました.もちろん,自分たちのも渡しておきました.


バスでモーレツにひどい道を1時間(ゆれまくり)
Technical Complexに到着です.すでに作業開始.
なぜ,車窓の写真がないか?バスから写真をとることは,軍基地なので禁止されています.
どうもやばいところらしいです(笑
白い格好をしているのは,人工衛星に埃がつかないためです.
白装束ではありません(念のため)


作業手順にしたがって,CubeSatの最終調整をおこなっています.


両大学とも,ここで人工衛星を壊さないように作業をしています.
あ,ちなみに2大学参加していますが,それぞれ別に開発しています.
つまり,今回2個日本から打ちあがります.
ロケットは,一台で人工衛星を1台とは限りません.
今回のロケットは,今まででもっとも多い14個くらいの人工衛星を宇宙まで運びます.


CubeSatを一度分解して,最終調整を行います.
ねじに接着剤をつかい固定します(もう開けられない)


紺の光っている部分が太陽電池セルです.
宇宙では,電気を太陽からもらいます.
つまりこれが壊れたら人工衛星も終わりです.


だんだん組みあがってきました.
ながーく伸びている細い線(実は金属)はアンテナです.
人工衛星は,地上に電波でデータを落としますので
アンテナが必要です.


人工衛星開発は,いろいろな系に分かれて開発しています.
彼は,CubeSatの構造を設計して組み立てたりする構造系の担当です.
ちなみに著者は電源系です.
内部の機器に電源を供給したりする系ですね.


くみ上げてはアルコールで拭くという作業を進めていきます.
とにかく綺麗な状態で打ち上げます.


CubeSatには,ノートパソコンや携帯電話に使っているリチウムイオン電池
というものを使っています.今電池の最後の充電をしているところです.
電池などは電源系である著者の仕事です.
携帯電話のようにコンセントに差し込むだけとかではなく,自分でテスターという装置を
使って充電します.はっきりいって緊張しました(笑

あ,なぜ電池がいるのか?さっき太陽電池で動いていると言いましたが,
人工衛星は地球の周りをまわっているので,いつも太陽の光はあたりません.
地球の陰になってしまうと,太陽の光が届かないのです.
そこで,太陽のあたっているときに太陽電池セルで充電して,陰の時はその貯めた分で
動作するようにしています.


組み立てが終わってきました.


これは,分離機構というものです.
ロケットは宇宙まで人工衛星を運んでいってくれるものですが,
いいタイミングで,ロケットの先っぽから人工衛星を取り外さなければなりません.
当然,人が乗っていかないので自動で分離しなければいけません.

写真の分離機構は,CubeSatを最初くっついていて,いいタイミングで
宇宙に放り投げてくれる,まさに分離機構です.


今,分離機構とCubeSatを結合しています.


結合しました!


記念撮影.下が分離機構で,その上にCubeSatが乗っかっているのがわかりますか?


これで,今日の最終調整は終わりです.
無事なにもトラブルがなく最終調整が完了しました.
もう打ち上げてOK状態です.

6/16(月)にロケットの先っぽにくっつけます.





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