自作スピーカーの開発(続編)

前回のブログ(自作ディジタルアンプと自作スピーカーの開発)で開発した自作スピーカーであるが、1週間程度聴いていると自作にしては割と良い音がするという印象である。今回のスピーカーは、少しネットなどで話題になっているJSP式と呼ばれ、4穴のダクトにより低音を補強している。今回、その4つの穴(ダクト)を塞ぎ、周波数特性がどのように変化するか計測してみた。
ちなみに音を聞きたい方は気軽に遊びに来てください。

■JSP式4穴バスレフ(4穴ふさぎ=密閉型)

JSP_Style_Altec_CD408-8A_no.jpg

■JSP式4穴バスレフ(3穴ふさぎ=1ダクト)

JSP_Style_Altec_CD408-8A_1d.jpg

■JSP式4穴バスレフ(2穴ふさぎ=2ダクト)

JSP_Style_Altec_CD408-8A_2d.jpg

■JSP式4穴バスレフ(1穴ふさぎ=3ダクト)

JSP_Style_Altec_CD408-8A_3d.jpg

■JSP式4穴バスレフ(ふさぎなし=4ダクト)

JSP_Style_Altec_CD408-8A_4d.jpg

密閉型は、低音に向かってなだらかに低下しており綺麗な特性を示している。一方で、ダクトが増えれば増えるほど、極低音を除いて低音が補強されていることが分かる。この結果よりJSP式の4穴ダクトが低音を良く出していることがわかる。

ちなみに可聴域付近の音声、楽器の周波数レンジは以下の通りである。

feqrance.jpg

この表によると、パイプオルガン、ピアノ、ハープあたりを除き40Hzくらいまで出ていれば概ねの楽器・歌声をカヴァーできることになる。あくまでこの周波数特性は各周波数における音圧だけで評価しており、そのスピーカーが音が良いかどうかは、結局各個人が聴いていてその音が好きかどうかであると思う。

さて、今回自作したスピーカーは、Altec(アルテック)という会社のスピーカーユニットを採用した。アルテックはとても歴史のあるスピーカーユニットメーカー(他にケーブルなども)であり、年配のオーディオマニアの方に人気が多い。”往年”のアルテックサウンドなどの表現で、すばらしい音を昔奏でていたスピーカーらしい。残念ながら私はその”往年”のアルテックサウンドを聴いたことがないが、その伝統を引き継ぐアルテックのユニットを採用した(コストパフォーマンスが高かったため)。そのAltecのスピーカーユニットがついに生産中止になったらしい。このユニットをゲットするには在庫のみとなるため、もしAltecに興味をお持ちなら入手を急いだ方が良いだろう。

参考:Altec Lansing | wikipedia  

最後に、上記の自作スピーカー特性との比較として、B&W Nautilus 805と、小型低価格スピーカーで有名なOrtofon Concorde 105の特性も計測した。Concorde 105は、5万以下で購入できた(現在は発売中止)スピーカーでかなり多くの評価を得ているスピーカーである。特性だけで評価するとあまり綺麗な特性ではなく、今回の自作スピーカーの方がよっぽど良い。実際に聞いた感想でも自作の方がずっと良い音がしている。同価格帯で比較すると今回の自作スピーカーは中々よくできたスピーカーであると改めて感じられた。

比較:
BandW_Nautilus805_pinknoise.jpg
B&W Nautilus 805

OrtofonConcorde105-PinkNois.jpg
Ortofon Concorde 105

自作スピーカーの開発(続編)」への4件のフィードバック

  1. 自作スピーカー、かなり良い特性になっている様ですね。
    アルテックの良いユニットを手に入れましたね。
    アルテックの音は良いですよ。元々「ヴォイス・オブ・ザ・シアター」をメインとする系譜ですから、臨場感や明瞭感は特筆ものです。JBL程繊細ではありませんが、より乾いたアメリカンサウンドは魅力的です。
    周波数特性・・・エンクロージャーの角を丸めて回折現象を押さえれば、もう少し良くなるかもしれないですね。
    あと、元スピーカーメーカーに居た身から言わせてもらうと、メーカー製のスピーカーのエンクロージャーの殆どは、高密度パーティクルボードを使用します。これはチップを圧縮したものですが、音の減衰が早い事、繊維の方向が不均一で響きのクセが無い事等が理由です。
    ウチのスピーカーは自社製のコーラル X-Vlll (但しユニットは総て試作品に入れ替え、試作スーパーツィーター追加、ネットワークはPA用に変更)
    http://www.vintage-audio.com.ua/en/cat/223/1447.html
    で、マルチスリットバスレフなんですが、片側3つのダクトを吸音材で塞いでいます。
    JBLやアルテック、タンノイ等、名機と言われるユニットも周波数特性や振動板のレーザー解析等を行うと、全く大した特性ではありません。
    それでも、これらのスピーカーの音色が素晴らしいのは、それぞれにマイスターと言われる音質決定者が居たからなんですね。
    このスピーカーも、ここ迄の特性が出ているので、この先は自分の好みに合わせて、音を調整していくと良いと思います。

  2. la_quさん>

    お久しぶりです。コメントありがとうございます。
    なんとスピーカーメーカーに昔お勤めだったのですね。
    貴重なご意見ありがとうございます。B&Wのエンクロと比較すると明らかに鍵は曲線かなと思っていたので、納得です。
    曲線までになってくると自作だとかなり大変な作業になりそうですね。
    パーティクルボードに関しても納得です。今回見た目でシナ合板を選びましたが、これならMDFのほうが同じ理由で良かったのかもしれません(コストも)
    お使いのコーラルのスピーカーもいろいろ追求されてそうですね。30cmのウーファーなども良い音がしそうですね!クロスオーバーはどのくらいまで引っ張っているのでしょうか?またPA用ネットワークというのは、具体的にどのようなフィルタを指すのですか?
    いろいろな点でとても勉強になりました。ありがとうございました。

  3. >お使いのコーラルのスピーカーもいろいろ追求されてそうですね。
    もう最近は完全にオーディオからは手を引いているのですが、当時はマニアでしたので・・・(笑)。
    X-Vlllのウーファー側のバッフル板が斜めにカットされているのも回折現象を避ける為、ウーファー側のバッフル板がホーンより前に出ているのは位相を合わせる為です。
    ウーファーは30cmのクロスカーボンコーンの試作品(元のものよりマグネットも大型化)に入れ替え、ドライバーのダイアフラムも試作の特殊合金製に入れ替え、スーパーツィーターのダイアフラムもスーパージュラルミンにダイヤモンドコーティングを施した試作品に入れ替わってます。
    クロスオーバーは、元々がウーファーとドライバーの2wayなので、800Hzでクロス。ドライバーの上は伸ばしたまま、8000Hzでハイパスフィルタを用いてスーパーツィーターを付け足しています。
    PA用のネットワークというのは、自社(コーラル)でPROFESSIONALシリーズとして出していたネットワークで、オイルコンデンサと大型のコイルを使ったPAやモニター用に作られたネットワークで、ネットワーク自体の大きさも小型スピーカー位はあります。
    総てバラバラの試作品に入れ替えてしまったので、位相を合わせるのは大変で、プリ・アンプ側のトーン・コントロールも併用していますが、それぞれのユニットの素性はとても良いので満足いく音が出ています(パワーアンプはマッキントッシュのMC2500)。
    これ以上を望むなら38cm以上のウーファーを入れるか、スーパーウーファーを着けるしかないですが、最近は殆ど使わないし、マンションなのであまりドカドカ低音を出すと苦情が来そうなので、現状で満足です。

  4. la_quさん>

    またまた貴重なコメントありがとうございます。

    la_quさんの写真へのこだわりを見れば、オーディオもすごい追求されていたことを容易に想像できます!

    今回は同軸ユニットであったため、位相はあまり気にしなくても良いのかなと考えていましたが、バスレフである限りもう少し検討した上でエンクロのサイズを決めれば良かったかなと思っています。特に同軸以外の2-way, 3-wayとなってくるとバッフル面の微調整など大変そうですね!もはやX-VIIIとは言えないくらいユニット他追求されておりますね。クロスオーバーも参考になりました。

    PA用のネットワークは、イメージ通りPAようですね!小型スピーカーなみのネットワークというのはコンデンサ、コイルがとても大きいのですね。秋葉原に行くと埃を被ったその手の大型コンデンサなどが売っていますが、迫力があって良いですね。

    MC2500をお使いということで音には関係がありませんが、スピーカー含めて外観はかなりかっこよいですね。そのシステムを一度聞いてみたいです。

    いろいろ参考になりました。ありがとうございます。

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