Hasselblad (ハッセルブラッド)の魅力

私が愛してやまないカメラHasselblad(ハッセルブラッド.どうやらハッセルブラードと発音するのが正式らしい).Hasselbladは,スウェーデンのカメラメーカーであり,Hasselbladが作るカメラは,あのNASAもその堅固性を評価し採用している.アポロ計画で宇宙飛行士がお腹の前につけて月面を撮影したのもHasselblad製のカメラである.このエントリーでは,宮下および一部の人が愛してやまないHasselbladの魅力を,読者の興味は完全に無視して紹介したいと思う.このエントリーの目標は,このエントリーを読んだ人が最低1人Hasselbladを購入することである(笑).今回のエントリーに掲載されている写真は,ライティング,グラデーションバック,ディフューザー,三脚などフルに使って気合い撮影.Hasselbladの美しさが伝わることを願う.

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Hasselblad 501C/M + Carl Zeiss Planar 80mm C T* f/2.8 + A12
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EOS-1D Mark II + Carl Zeiss Makro-Planar 60mm T* f/2.8 (MMJ), RAW, ISO100, F8, AWB

Hasselbladは,写真にもわかるようにちょっと変わった形をしているが,これも分類すれば”一眼レフ”カメラとなる.Hasselbladにはいくつかのカメラのシリーズがあるが,ここで紹介しているのはVシステム500シリーズと呼ばれるカメラで,Hasselbladと言えばこのシリーズが圧倒的に有名であり,ユーザーも多い.1957年に500Cという最初の500シリーズを発表して,最新の501C/M・503CWまで,基本構造は全く変わらず,レンズ,アクセサリなど全て共通で使用することができる.約50年前のカメラボディに最新のレンズを取り付けて写真を撮ることができるなど,現代の物作りでは考えられないほど歴史のあるカメラである.
この500シリーズの特徴は(私見を含む)
・かっこいい!!!
・全て機械式:つまり電池などは一切必要なくバネなどの機械仕掛けで動作する
・シャッター音がとても気持ちいい
・中判フィルムという,一般的な35mmフィルム(135フィルム)よりも大きいフィルムを使うため高画質
・6×6という正方形の写真を撮れることで有名
・初代500Cを含め現在でも修理をすることができ,一生モノのカメラである

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Hasselblad 501C/M + Carl Zeiss Planar 80mm C T* f/2.8 + A12
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EOS-1D Mark II + Carl Zeiss Makro-Planar 60mm T* f/2.8 (MMJ), RAW, ISO100, F8, AWB

上の写真でかろうじて確認できるが,Hasselbladの500シリーズは,ドイツCarl Zeiss社のレンズを採用している.Hasselblad社は,自社でのレンズ開発を行わず,1950年代既に素晴らしいレンズ技術を持っていたCarl Zeiss社にHasselblad用のレンズ開発をお願いしたのだ.この写真で写っているレンズは,最初に誰もが買うPlanar 80mm f/2.8というレンズ.大変淡い綺麗なコントラストを出し味わい深い描写をするレンズである.

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Hasselblad 501C/M
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EOS-1D Mark II + EF100mm F2.8 Macro USM, RAW, ISO100, F8, AWB

Hasselbladというネーミングは,創業者のDr. Victor Hasselbladから来ているものだが,そのファミリーネームのHasselbladには逸話がある.Dr. Victor Hasselbladの先祖が,一人娘を嫁がせるときに命名したものらしい.「家の門を出て,最初に出会ったものによって姓を決める」といって街にでるとHAZEL(はしばみの穂)のBLAD(葉)が舞い降りるのに出会った.HAZEL+BLAD = Hasselbladとなったそうである.素敵!!
1940年にドイツ軍の爆撃機がスウェーデンに墜落し,その残骸の中から優秀なドイツ製カメラが発見された.スウェーデン空軍は,Dr.Victor Hasselbladにドイツ製に負けないカメラを開発するように依頼したことから,Hasselbladのカメラの歴史は始まる.それから試作機が完成し,その後もっとも有名な500シリーズを世にだし,ちょっと前まで(今でも?)ファッションポートレート,広告などのカメラマン御用達のプロ用カメラとして世界中で愛され続けている.

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Hasselblad 501C/M
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EOS-1D Mark II + EF100mm F2.8 Macro USM, RAW, ISO100, F2.8, AWB

私が持っているのは現行モデルの501C/Mという機種.現行モデルは,その上位機種として503CWというのが存在するが,私にとっては501C/Mで十分.私のような下手くそが言うべきではないが,初代500Cでも全く問題なく素晴らしい写真を撮ることができる.もし中古を探すのであれば,500Cを改良(Modify)した,500C/Mがバランスも良くおすすめ.

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A12 Film Magazine + 120 (Brownie) Medium Films
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EOS-1D Mark II + Carl Zeiss Makro-Planar 60mm T* f/2.8 (MMJ), RAW, ISO100, F8, AWB

500シリーズで使うフィルムは,右下に並んでいるような長細い箱に入っているブローニーと呼ばれる中判フィルム.フィルムは,レンズによって結ばれた像を映像として焼き付けるものであるから,フィルムの面積は大きければ大きいほど画質が良くなる(=情報量が多くなる).小さい方からAPSフィルム,35mmフィルム(一般的なフィルム:135とも言う),中判フィルム(ブローニーと呼ばれる:120, 220などがある),大判フィルム(4×5など)となっていて,Hasselbladは中判フィルムを利用できる.中判フィルムは今でも問題なく購入することができ,現像代も35mmフィルムと同等である.
写真を見ると,カメラのボディの後ろの部分が外されているのがわかるだろうか?これはフィルムマガジンといって,ここに中判フィルムを入れてカメラの後ろにくっつける.実は,このマガジンはいつでも付けたり,外したりできる.私はこのマガジンを2つもっていて,カラーフィルムと白黒フィルムを入れておき,好きな時に取り替えて撮影している.35mmフィルムのように36枚取り終わるまでフィルムが変更できないなどの問題は発生しない(まぁ,ディジタルカメラならこんな問題はないんだけど・・).ちなみに,1本のフィルムで12枚撮影できる.

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Hasselblad 501C/M + Carl Zeiss Planar 80mm C T* f/2.8 + Polaroid Back (Polaplus)
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EOS-1D Mark II + Carl Zeiss Makro-Planar 60mm T* f/2.8 (MMJ), RAW, ISO100, F8, AWB

この写真では,とてもおもしろいマガジンがカメラの後ろについている.なんとポラロイドフィルムバック.中判フィルムだけじゃなく,ポラロイドバックを使えばCarl Zeissのレンズ,Hasselbladのカメラボディでポラロイド撮影ができる.プロの現場では,フィルムの現像には数日かかるので,写り具合を見るのにこのポラロイドバックを使うそうだ.

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Hasselbladのファインダー
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EOS-1D Mark II + EF24-70mm F2.8L USM, RAW, ISO400, 40mm, F3.2, AWB

Hasselbladは一眼レフですが,一般的な一眼レフのように顔の前にカメラを構えて覗くという方法で撮影しない(することもできる).ウエストレベルファインダーというのがカメラボディの上にあり,カメラの上から覗くという方式をとる.この写真は,上から覗いているのをそのまま写真にとったもの.このファインダーが本当に綺麗で感動する.イメージとしては,8ミリのビデオカメラのような古い映画をみているような本当に素晴らしい空間が広がっている.ちなみにファインダーの中に写っているのは,後日紹介するライカ.

書き始めたら止まらないのでこのあたりでまとめたいと思うが,Hasselbladはシャッター音,その外観のかっこよさ,一生モノ,ファインダーのたまらない美しさ,そして下の写真で紹介する正方形フォーマット(スクエアフォーマット)などの魅力にあふれた写真の撮る喜びを教えてくれる素晴らしいカメラである.詳しくは説明しないが,Hasselbladを使えば良い写真が自然と生まれやすい.Hasselbladの最低限必要な撮影手順を踏むと,実は自然と良い写真になりうる要素を多く含んでいる.写真の楽しさだけでなく,ちゃんと腕があれば,それに答える素晴らしい写真を残すカメラである.私もがんばっていい写真が撮れるようにこれからも楽しみながらハッセルを愛していきたい.カメラボディばかり紹介してもしょうがないので,一応とった写真を二つ紹介.

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内之浦湾
Hasselblad 500C/M + Carl Zeiss Planar 80mm C T* f/2.8 + Kodak E100VS

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Friend Yumi
Hasselblad 500C/M + Carl Zeiss Planar 80mm C T* f/2.8 + Kodak E100VS

Hasselbladの特徴の一つであるスクエアフォーマット.普通の写真は3:2が一般的だが,Hasselblad, Rollei, ポラロイドの3の写真はスクエアフォーマットで有名.スクエアフォーマットは,主題を写真のど真ん中に持ってきても違和感がなく,まさに人を撮るのにうってつけだと思っている.ポラロイドをコルクボードに貼っている方もいるかと思うが,あれは友達同士の写真を正方形の中心に撮った写真で自然といい感じの写真が撮れてしまう.あの感覚でモーレツに楽しく,高画質な写真を撮りたいなら,迷わずHasselbladへいらっしゃい.中古市場がぐっと下がり,購入しやすくなっている.

Hasselbladを購入・探す際に一つの楽しみがある.それはシリアルナンバー.Hasselblad製品には,アルファベット2文字+数字が書いてある.例えばEE 32412こんなかんじ.このアルファベット2文字は製造年を表している.
V H P I C T U R E S
1 2 3 4 5 6 7 8 9 0
上の10個のアルファベットには数字が当てはまっていて,EEの場合99 -> 1999年製のカメラということになる.ご自身の誕生日のHasselbladを購入してみるのも面白いかもしれない.多少古くてもオーバーホールを掛ければほとんどの場合は撮影を行うことができる.ちなみに,VHとはVictor Hasselblad,つまり創業者のイニシアルである.

最後にHasselbladを詳しく知りたい方へのおすすめの本を2冊紹介.

(1)ハッセルブラッド&ローライフレックス エイムック―マニュアルカメラシリーズ (614)
ISBN: 4870997754
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ハッセルとローライのスクエアフォーマットを余すことなく掲載.これはあると便利です.

(2)ハッセルブラッドの時間 (エイ)文庫 藤田 一咲 (著)
ISBN: 487099982X
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ハッセルブラッドの魅力(一緒に過ごす至上の時間)を素晴らしい写真を含め紹介しています.この本を読んだらかなりの確率でハッセルを買いたくなるでしょう(笑

まだまだ知識不足ですが,疑問や”買ってみたくなった”ら気軽に連絡してください.私がわからなくとも鬼の知識人が知り合いにたくさんいます.

関連記事:フィルムカメラの魅力(2005/10/04)

Hasselblad (ハッセルブラッド)の魅力」への11件のフィードバック

  1. おつかれさまです。さかです。

    銀塩に踏み切れない理由として、失敗しても(特に夜景や夜空の長時間露光とか)その場で分からないってのが大きいもので;

    撮影される前に、露出の計算とかガリガリして撮らなきゃいけないイメージなんですが、実際のところどうなんでしょうか?

    でも格好良いですよね…
    上から覗くのが何ともまぁ…

  2. sakaさん>

    こんにちは.Hasselbladの500シリーズは基本的に露出計が搭載されていないため,常に首から掛けられる小さい露出計を持ち歩いています.夜景,夜空の長時間露光になるとフィルムだと難しいのは確かだと思います.ディジタルで経験してフィルムに行くのはアリかもしれませんね.一方で,ディジタルに比べ,ポジ,ネガ両方ともラチチュードが広いので多少の露出のズレは現像でカバーできます.

    銀塩を持ち歩くのはその辺の楽しさですかね.一発勝負ですから,緊張感ありますし.とはいっても,色の懐の深さは,ディジタルではまだまだかと自分は思っています.

  3. しげさん>

    昨日はありがとうございました.楽しかったです!
    さて,ハッセルはすごく安くなってきています.もしご興味がありましたら,ご検討くださいな.かっこいいです!

  4. 通りすがりさん>

    フィルムの2つの切れ込みで逆とわかりますよね.
    随分前の写真なのでひっくりかえしていません(惰性・・)

  5. 中判が欲しくて彷徨っていたら辿り着きました。
    記事や写真を拝見させて頂き、ますます欲しくなってしまいました。

  6. 親父さん

    ウチのオヤジかと思いました(笑

    さて、コメントありがとうございます。
    中判はフィルムが高くなってきておりますが、やはり魅力的だと思います。
    サイト足を運ばせて頂きましたが、すばらしい写真と、素晴らしいカメラ(+知識)ですね!

    もう技術的に中判に行かない理由はありませんので、是非!(笑
    日本では相変わらずhasselは高いですが、ebayなど(リスクも高いですが)安く買えたりします。
    とはいえ、ハッセルのマガジンは消耗品ですので、変なものを買うと光線漏れが多く大変です。
    良い中判に出会えることをお祈りしております。

  7. 先月500C/Mを入手しました。ローライ3.5Fを修理に出したら壊されてしまい!!その代替え品で我が家にやってきたものです。ローライに比べて頑丈なところが良いですね。休日の度に持ち出してスナップを楽しんでいます。スクエアな写真は難しいけれど面白いですね。

  8. 親父IIさん

    (上記と一緒の方でしょうか??IIですから違う方?)

    さて、500C/M入手おめでとうございます。3月に富士クロームと、エクタクロームが次々に生産終了となり、中判は形見が狭いですが、本当に良いカメラですので、大切にしていきたいですね。

    ローライ災難でしたねぇ・・・。ハッセルはシンプルですから、結構自分でも直せるところがありますし、それなりに修理マイスターがいますので、あと数年は使えそうですね!(フィルムがなくならないかぎり)

  9. 500C/Mで7本程撮ってみました。動き回る子供のスナップはキツいですが、何かに熱中しているところなら撮れますね。構図はさておき(^ ^;;、画質は素晴らしいです。ローライよりもコロンとしたスタイルがとても気に入っています。

  10. 動き回るお子様は、左右反転も含め、ピントあわせは難儀ですよね。
    ファインダーも綺麗ですし、ハッセルの写真をとる動作をすべて丁寧にやれば、自然と良い写真になっていますよね。

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