Windows Home ServerをNASとして導入。意外と使えそう。

2010/06/9 : 追記 電源とドライブの干渉に関して追記
2010/06/18: 追記 実際の消費電力測定
2010/06/29: 追記 CPUファン変更
2011/01/23: 追記 この記事は古いので参照しないでください。次世代WHSではDEが排除されましたので、魅力的なOSではありません(と思います)。私はDE排除がアナウンスされた直後にWindows Server 2008 R2に移行しました。よって、本記事の内容は参照しないほうが良いかと思います。

************** 本文は以下より **************

今回のエントリーは、Microsoft Windows Home Serverという家庭用・SOHO用ホームサーバーOSをNASとして利用した導入記です。私も導入前までは、甘く見ていたServerでしたが使ってみると意外といけるのでは?と思いましたので紹介致します。

今まで、バッファロー製のNAS (TeraStation)を2台使っていました。しかし、

・前面パネルのペラい部分が、HDDの振動で共振しうるさい。寝ている時にとにかくうるさくて電源を落とす必要あり。ガムテープを貼ったりしていろいろやったが改善せず。設計が甘すぎる。
・Web管理画面がへぼすぎる。とにかく重い。バッファロー製はルーターもそうなんですが、ウェブ管理画面が重すぎます。しかもFLASHベースになったりと、センスを全く疑います。このあたりのソフトウェアエンジニアは、何か勘違いしているようですね。途中でフリーズしたり、話になりません。
・3年以上使っていてRAID5なので、HDD的にはそろそろ逝くのでは?という不安
・メルコ製のTeraStationでRAID5って結構あぶないのではないかという不安。HDDではなく、RAIDコントローラー側が逝ったときに果たしてサポートしてくれるのだろうか?RAID5のリビルドが出来なければいくらHDDを買ってきても意味がないので、かなり危険を感じている。

そんなこんなで、他のNASを探している内に、Windows Home ServerというMicrosoftのサーバーOSを使ってNASにしている人が結構いるようで、思い切って採用してみることにしました。自作PCでNASのハードウェアを構成することで、仮にWindows Home Serverが使えないことがわかっても、最悪Linux + SambaでNASにできるかなという思惑です。また自作PCであれば各パーツが壊れても、何とでも復旧できるなと思いました。

OS: Windows Home Server (これより面倒なのでWHSと略します。
CPU : Intel Core i3-530
Mem : Corsair CMX4GX3M2A1600C8 (DDR3 PC3-12800 2GB 2枚組)
M/B : Intel DH57JG  : Mini-ITX規格
Case : Abee acubic T20 ACB-T20-PW (ピュアホワイト)
電源:ENERMAX MODU87+ EMG600AWT (600W 80+ Gold : ケーブルモジュール型)
Blu-rayドライブ : バッファローBR-PI1216FBS-BK (注意:以下参照)
ベゼル:Abee公式サイトショップからピュアホワイトの5インチベゼル (注意:以下参照)
HDD: WD20EARS-00MVWB0  x4台 (2TBytes x 4 = 8TBytes)
ファン:背面はケース付属の物。前面はS-Flex 12cm 800rpm SFF21D
CPUファン:サイズKABUTO SCKBT-1000

金額:少なくとも最新のバッファロー製TeraStation 8TBytesモデル(21万円)を買うよりも安く済みました。

◆パーツ解説・選定理由
・CPU: 普通NASであれば組み込み用の低消費電力の非力なCPUを採用しているのが多いです。しかし、そういう専用チップは入手が難しいですし逆に1個買う位だと高かったりします。そうなるとGPUが内蔵のCore i3-530は現状最適なCPUだと思います。WHS用としては十分過ぎるパワーがあり、安価で、低消費電力です。TDPは73Wですが、おそらくWHS利用時は仕事が殆どないので、相当低電力で動いているはずです。低消費電力だけ見れば、Xeon L3406 (TDP30W)がありますが、Xeonの場合は、別にGPUを用意しなければなりません。最近、とりあえず映れば良いという極低消費電力のビデオカードも少なく、そのビデオカードの電力分と、mini-ITXには別カードは刺すたくないのと、高価なL3406 + ビデオカードのコストを考えても、i3-530がベストチョイスだという結論に至りました。Intelのmobileプロセッサも検討しましたがM/B, CPUともに高くて却下です。あとATOMは私の中で非力過ぎてあまり良い印象がないので却下しました。WHSくらいAtomで良いのかもしれませんが・・・。

・Memory : 前回の設計・開発用デスクトップ用PCの自作に初めて使ってみたCorsairですが、一度使ってしまうとその基板の剛性・しっかり感からかなり印象が良いです。今回はサーバー用(24時間動作し続け)なので、信頼性を考えCorsairを選びました。現バージョンのWHSは32bit OSなので4Gもあれば十分です。とはいえ、普通はCFD Elixerあたりのメモリ(+Memtest86チェック)で十分だと思います。

・M/Bは、MiniITX規格で、H57のチップセットであるIntel DH57JGを選択しました。現状、mini-ITXで他のM/Bを選ぶ理由は殆どありません。安いですし(基板上のパーツも安そうなのが載っていますが)問題ないでしょう。先に書きましたように、WHSがしょぼかったときにLinuxを載せる可能性があったので、IntelのNIC搭載は運用が楽で結構魅力なのです。H57チップなので、サウスブリッジ(PCH)の部分にRAIDコントローラが内蔵されていますが、WHSでは、H/W側でRAIDのボリュームを組む必要がありません。OSが勝手にやってくれます。

・Case: ケースは大いに悩みました。NASなので、小さいに超したことはないわけです。TeraStationまでは小さくできませんが、常に部屋の片隅で邪魔扱いされるのでできるだけケースは小さいものを選びたいものです。そこで、miniITXなのですが、macminiのようなmini-itxケースはHDDがたくさん積めない、またファンの直径が小さくなるのでうるさいなどいろいろ問題がでてきます。そのあたりを踏まえ、HDDを6本搭載可能、12cmのファンを乗せられる、静音なATX電源を積めるケースとして、Abee T20になりました。普通のATX電源を載せられるので、最新の極めて静かな電源を載せれば、電源部の音は最小限に抑えられます。またケースファンも12cmの物を使えるので、極めて静かなファンを搭載できます。TeraStationから見れば体積比2倍位の大きさになってしまいましたが、2台のTeraStationの置き換えとなりますので、良いかなと勝手に思っています。

・電源: Enermaxの80Plus GOLDのプラグイン型電源を選びました。今回のシステムの電力は、電源容量☆皮算用☆計算機。で計算すると、アイドル時で46W、ピークで190W(こんなに行かないとは思うけど)なので、600Wも要らないのですが、電源はカローラで40キロで走るのと、フェラーリで40キロで走るのでは後者の方が消費電力が少ないです。ってことで、大きな容量で、効率の良い電源で、品質の良いものを選びました。が、後述する問題が発生しました。ちなみにMiniITXケースの場合、配線が超大変なので、プラグイン型の電源は必須です。

・Blu-rayドライブ + Abee製ピュアホワイト5インチベゼル: これは完全に失敗しました。NAS用のサーバなので、データを一部Blu-rayなどで焼くのでは?という思いからBlu-rayドライブを採用しましたが、上記の電源の奥行きが長すぎて、このケース(Abee T20)では物理的に干渉してしまいドライブがつけられませんでした!。ドライブのお尻と、電源のモジュールケーブルが出る側が干渉しました。しかも少しではなく思いっきり。というわけでこのケースを使う人は電源の長さは重要です。結局、USB接続のポータブルDVDドライブを使ってインストールし、普段はDVDなどドライブ系は使わないという方針にしました。またBlu-rayに焼くときは他のデスクトップにコピーして焼くことにします。ただし、Blu-rayドライブが使えないことは後述する利点がありました。ちなみに、5インチベゼルも一緒に使わないことになりました。逆に外観が損なわれず綺麗です。
* 2010/06/09: 追記:完全にぼけていました。T20のウェブサイトにこの問題の答えが載っていました。奥行きの長い電源の場合は、付属のPSUブラケットLを使って、この干渉を避けられるようです。こりゃなんだ?と思って使いませんでした。ダメですね。説明書読まないと・・・。というわけでこの干渉問題は解決できる様です。

・HDD: 静音で高速で大容量ということで、(一部の人に)人気のあるWD製の2TBytesのHDDです。消費電力・静音性ともに優れており、しかも2Tで1万円割れというコストパフォーマンスに優れるHDDです。しかも最近発売されたばかりの677Gプラッタの物が売り始めていたので、4本購入しました。このHDDはこの1~2週間で超売れているみたいですね。しかし、ここで問題が発生しました。TeraStationが4本HDDだったので、あまり考えず4本導入しましたが、今回のM/BがSATAが4本しかありませんでした。つまり上記のBlu-rayが使えなくなったのはむしろ良かったです。というわけでM/BのSATAは使い切りました。このAbeeのT20はオプションをつけると6本HDDをつけられるのですが、あと2本つける場合は、PCI Expressの拡張sataなどを付けないといけません。
また、このHDDは、WDのAdvanced Formatですので、注意が必要です。最初にWD Alignユーティリティを実行しておかないとパフォーマンスがでません

・ケースファン: 廃熱の背面ファンは、Abee T20に標準付属でついています。12cmで、非常に静かでこのまま使える感じでした。HDDは高温下で寿命が短くなるらしいので、HDDの冷却用と吸気の意味で、前面に12cmファンを追加しました。ケースには前面ファンを付ける場所があり(付属していません)自由に選べます。12cmで静かといえばS-Flexです。800rpmの全く無音とも言えるファンを取り付けました。

・CPUファン: 前から吸気、後ろから廃棄なのでサイド型のクーラーを選ぼうかと思ったのですが、何せケースがどのくらいのファンが付けられるかわかりませんでした。そこで、kakaku.comなりconeco.netのレビューを見ると、今回私も採用したKABUTOが付くようだったので採用しました。が、これがかなり巨大なファンでして、M/BにCPU載せてファンを乗せてから、ケースに入れるわけですが、その後、本当に狭くてかなり苦労しました。前面パネル用のUSBケーブル、電源ON/Off, Reset, HDD LED, PowerLEDなどの細かい配線、SATAの4本の配線、これが超大変で普通の男性の手ではまず入りません。私は割り箸とピンセットでがんばりましたが、途中泣きそうになりました。あと、電源の12V供給4ピンも相当射すのに苦労を・・。もし同じ構成で組む方がいらしたら、M/Bをケースに入れる前にできるだけケーブルは指して置いたほうが良いですね(あたりまえか)。mini-ITXの厳しさをしりました。とはいえ、無理してでかいファンを使ったのでCPUファンも極めて静かです。結果的に静音電源、静音ファン達、静音HDDのおかげで、相当耳を近づけないと音が聞こえない極めて静かなNASになりました。TeraStationの引退決定です。圧倒的に静かになりました。

◆Windows Home Serverのお話。

・ベースとなっているOSは、Windows 2003 Serverです。つまり、クライアントOSでいえば、Windows XPベースのOSとなります。インストール中に画面の上側には、Windows 2003 Serverという文字が表示されたり、そのあたりの手抜きっぷりが酷い感じですが、2003 Serverの基本機能に、いろいろなホームユースの機能(メディア共有機能など)を追加したOSの様です。

・このサーバーの情報は限られています。あまり売れていないんですかね。かといってIT系の本を今更買う気も起きないですし。ネットで情報をあさるしかありません。Microsoft公式サイトも情報がなくて役に立ちません。良いOSなのに。

・留意点: このOSベースのベースはXPなので、HDDをBIOSでsata AHCIとして認識させてOSをインストールすると途中でブルースクリーンが発生します。XPと同じ現象です(=発売当時SATA AHCI接続の規格が存在していなかった)。このブルースクリーンを解決するには、IDE互換モードで動かすか、WHSのインストール”途中”(←XPは最初の時だったが、WHSは途中です)の再起動時にF6キーを押してsataのドライバをインストールします。私はUSB-FDDを使って、インストールしましたが、USB-FDDを持っていない方は、WHSのインストールディスク内容にこのドライバを含ませたディスクを作らなければなりません。この辺はやや面倒なので、次期WHS(開発コードvail)を待つのも良いかもしれません。既に日本語のベーターも公開されているので秋くらいまでにはでるかもしれません。Windows7ベースなのでSATA AHCIは問題なく認識します。

・インストールが完了すると(今回のM/Bでは、Chipset, NIC, Soundなどのドライバを付属CDなどからインストールする必要あり)、ドライブは、CとDの二つに分かれています。このあたりが他のWindowsとは違います。WHSでは、何本HDDをつなげてもこの2つの仮想ドライブ(C=システム、D=データ)に割り当てられます。中身はどうなっているかわかりませんし、原理を知る必要はありません。HDDを運用後に途中で増やすと、Dドライブの方の容量が増える形です。こうなるとRAID1なのか5なのか6なのかとかあんまり考えなくて良いようです。完全に思考停止できます。LinuxのSoftwareRAID + LVMとかだと動作原理もわかりやすいですが、それを一つ一つ気をつけてやる時代ではないのかもしれません。もうWindowsにお任せです。HDDを2本以上付けると(もちろん容量がたくさんある場合)、Dのデータは分散管理され、1本のHDDが壊れても、そのHDDを入れ替えれば自動で復旧される様です。その辺のデータの冗長化もデフォルトで自動でやってくれます(自分で設定も可能)。Cドライブのシステム(OS)部は、1つのHDDに入っている様で、そのHDDが死んだ時は、WHSを購入するとリストアCDというのが入っているのでそのCDでブートしてOS部を復旧できるとのことです(もちろんデータも復旧される)。つまりリスクとしてはHDDが複数一気に壊れたときがやばいですが、それは他のNASもそうなので同時に壊れるのだけは避けなければなりません。やはりHDDの冷却(というか高温にならないエアーフロー計画)と、物理的に衝撃を与えるなどを避ければ大丈夫なのではないかと。T20のケースは、前面にFANを付けるとその吸気の流れがHDDを冷やす方向に働きます。よって定期的に埃だけ取り除いてあげれば、高温も防げるのではないかと。

・とりあえず、インストールが終わると、C/Dという2ドライブが作られることは述べましたが、Dドライブの方には、パブリック・ユーザー・写真・音楽・動画など良くあるカテゴリ分けされた共有フォルダが既に作られています。それを反骨せず、されるがままにその中にデータを移動しました。この辺勝手にできているのは楽でいいですね。また、このフォルダを”メディア共有”すれば、いろいろ便利になります。いわゆるDLNAサーバーとなるので、PS3からネットワーク経由で、動画・写真・音楽を参照できます。これが相当便利でした。PS3から今までの多量な写真、音楽、動画(特に谷コーチのスイングDVD)が見られるのは相当に便利でした。TeraStationのDLNA機能もあったのですが、なんか上手く接続できず(ちゃんと試していないけど)、あまり使っていなかったのですが、WHSは想像以上にPS3と親和性が良く、おすすめの機能です。

・というわけで、TeraStationに比べ、圧倒的に静かで、(新規でTeraStation買うよりも)安価で、スピードも速く(ギガビット接続はとても速い)、リモートアクセスもできる(外出先からVPN経由でサーバにアクセスなど)、かなり良い感じのNASができました。もうLinuxで力業でやるのも時代遅れなのかもしれないですねー(この辺は反論起きそうですが)。とにかく気楽で良い感じです。この気分になってきたのも歳なんでしょうね。何でもLinuxでフリーとかいうのは疲れてきたんだと思います(笑)。NASの導入をお考えの方はWHS、結構おすすめですよ。何よりも静音になったのが大きいです。

・とは思いましたが、例えば1本のHDDが死んだ時にメールで通知してくれるとかの機能がないと不安です。その辺り、Linuxならcron+シェルスクリプトで簡単ですが、WHSはどうやるのでしょう・・。どうやらサーバーにいろいろな機能をつけるアドオンシステムがあるらしく、まさにHDDなどのヘルスチェックを行い異常時はメールを送るアドオンがあるようです。この辺りが全くマニュアルがないので困ったものですが、ウェブにちらほら記事を見かけるので少しずつ導入して行きたいと思います。

・最後にデメリットは2点です。一つは、TeraStationよりは体積が大きいこと。もう一つは、消費電力です。TeraStationは、平均60W, 最大86Wとのことです(TS-XH8.0TL/R6)。今回の自作PCは、平均約50W位のはずなので、おそらく下回っていると思いますが、もしかしたらTeraStationのより少し大きいかもしれません。今度ワットチェッカーで計測してみます。

・2010/06/18 追記: 上記の消費電力ですが実際にワットチェッカーではかってみました。48W~54Wくらいでした。良い感じです。

・2010/06/29追記: CPUファン(KABUTO)に付属のFANがコツコツコツという音を言うようになりました(早い!)。ってことで、CPUファンもS-Flex 12cm 800rpm SFF21Dに変更しました。音がなくなりました。良い感じです。core tempで計測して、CPUは2コアとも29度くらいです。

Windows Home ServerをNASとして導入。意外と使えそう。」への3件のフィードバック

  1. ピンバック: Life
  2. WHSの情報、かなり参考になりました。
    有難うございます。

    TB送らせていただきました。
    不適切であれば削除下さい。

  3. TBありがとうございます。

    WHS、私はちょうど今日”やめる”予定です。
    ウリであったDE(Disk Extender)が次世代Vailで非搭載が決まったようです。

    これがなければWHSの使いやすさが半減してしまうので、閉口です・・。

    現WHSだとWindows Live Meshが使えないので、今日WHSをアンインストールして、Windows 2008 R2に移行しようかと。

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