白生地反物から黒染め、紋抜き、仕立てに京都に行ってきました(小田織物さん)

だいぶ時間が経ってしまいましたが、初夏に京都に着物のお仕立て(の注文)に行ってきました。
今回お世話になったのは、白生地(反物)を専門に扱っておられる「きものとおび 織物屋」の小田織物さん。

茶の湯の稽古はもちろん、週末の外出は基本的に着物になりまして、だいぶ着物の失敗も重ね(笑)慣れてきました。週末の外出や飲み会などでは、長着の着流しですが、茶の湯の稽古では、羽織・袴もつけて行っています。うちの流派では、お点前の際には羽織は外して席入りするので、羽織は必須ではないのですが、の時期(10月→5月)に、防寒も含め羽織をいつも羽織っていたら、袴を付けているのに羽織がない状態で外をあるくのが何とも気持ち的に心許なくなりました。誰もそんなところ見ていないんですけどね。

そこで、単衣・盛夏の時期の羽織を持っていなかったので、お仕立てを頼もうといろいろ調べておりました。今回も同じように、巾のある(身長があるため)正絹の反物を探して、お仕立てを知人に頼むという流れでも良かったのですが、今回は、白生地の反物から染め、抜き紋、お仕立てに挑戦してみることにしました。

白生地で色々調べると、京都の丹後(丹後ちりめん)滋賀の長浜(浜ちりめん)、新潟の五泉などが有名であることがわかり、その辺りで検索すると必ずたどり着くのが小田織物さんでした。小田織物さんは、まさに白生地の専門店で、上述の三織り元を含むいろいろな白生地(小千谷とか、結城紬とか)を扱っており、そして、ご近所の京染め屋や仕立て屋との繋がりも強いので、正に私の今回の希望を小田織物さんだけで対応いただけるとのことでした。メールで恥ずかしいような初心者レベルの質問からいろいろ教えて頂き、そのまま注文でも良かったのですが、やはり着物に関しては一度物を見てみたい(白生地はあまり見たこともなかったので)と思い、京都の旅行も兼ねて行ってきました。

*上洛したのは土曜日でしたが、サイトに書いてあった事前に連絡しておけば土曜日も開けて頂けるという言葉に甘えて、土曜日の朝に対応頂きました。

対応してくれたのは同じ歳の小田さん。同世代ですと親近感が沸きますね。メールの返答も丁寧でしたが、実際に白反物の基礎を実際に商品を見せて頂きながら教えてもらいました。やはりこういう物は一度見ておいた方が良いですね。白生地といっても多くの種類があり、その特徴と工夫を知って、毎度の事ながら日本の伝統技術に感心しました。特に女性用のものはとても種類が多く(モチーフも)、それが綺麗に色が染まってと考えると、着物好きでしたらテンション上がることは間違いなしです。

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今回は、茶事・茶会(席中でははずしますが)でも使える用に、で紋付、そして黒染めにしました。``といっても多くの種類があり、そして黒染めといっても実に種類が多く。白生地の種類と黒染めの種類でまた黒の出方が異なったりと。もう写真では全く表現できる世界ではないので、一言で黒染めとは言う無かれという感じで素晴らしかったです。

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写真の様に、候補になる白生地(男性物はそれほど選択肢がないのも事実ですが)を比べて、そして、いろいろな黒染めのサンプルを拝見して染めの種類(業者)を決定しました。
今回は、新潟五泉の白生地の`平絽`の`七越(ななつごし)`。七越というのは、絽の一種なのですが後で写真を持って紹介します。

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写真では全く伝わりませんし、この黒の深みは写真で伝わって欲しくないですが、サンプルをいろいろ見て泥による泥黒染めを選びました。他には、一度白生地を黄色に染めてから黒く染めたり、同様に藍色に染めてから黒に染めるなど、手にとって見てみると同じ黒染めといえども表情が違いました。この辺りで、自分の着物を白生地から染めて仕立てることの面白さに気が付きました。今回は黒染めでしたが、京都ですので、まさに何色にも染められますし、絵も描けますし、白生地の種類だけでもテンションあがるのに、組合せは無限と言えますし、まさに一品物で大切にしたくなりますね。

小田さんにいろいろ教えてもらい、宮下家の紋のデータを渡して、羽織の仕立て寸法などを確認し注文しました。今まで仕立て上がりの時間だけが待ちでしたが、今回は染めの時間もあるので、確かに注文してから手に入るまでは時間が掛かりますが、何でもネットで物を見ずに注文してその日に届く時代には、逆に大切な物を思い返してくれますね。大量生産ではなく、自分好みに時間をかけて1工程1工程丁寧に進めてくれる過程は、今の時代こそ大切かなと思います。
誂える(あつらえる)=自分の思い通りに作らせるという言葉が、これからまだ価値が出てくるのではないかなと思います。

<しばし時を経て:羽織が到着>

いつの日も箱から出したりする瞬間ってワクワクしますね。しかも、今回は京都に行って反物・染めをいろいろ選び、家紋はもちろん一品物の私だけの物ですからその感慨も一入です。

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黒染め終わった白生地の切れっ端に、今回依頼した泥染め業者のラベルが素敵に貼られていました。この泥染めは登録商標になっているらしく`神光 古代泥黒染め`です。こういうラベルとか個人的には好みです。

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宮下家の紋は`丸に三つ茶の実`。茶の湯を嗜むことになって、家の家紋がまさにお茶の実であるのは嬉しく思っています。茶事・茶会では格を大切にしておりますので、紋付を基本としていますが、今回は縫い紋ではなく、抜き紋にしてみました。その名の通り、縫い付けるのではなく、染める際に抜くわけですね。実に素敵です。そして、先述の絽の七越というのがこの写真でよく分かります。絽の緯糸は、必ず奇数となっており七個ずつ飛んでいるのが分かりますね。七本絽とも言うそうです。これは白生地から見ないとなかなか気に掛けない部分でした。そういう意味で勉強になりました。

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盛夏の時期の羽織ですが、この透け感が何とも涼しげです。見た目は大切。

今回、初めて白生地から染め、紋入り、仕立てに挑戦し本当に良かったと思っています。小田さんの人柄もありますが、実に懇切丁寧に解説していただきだいぶ理解が進みました。実際、男性の色付きの反物は種類も少なく、シンプルで地味な物ばかりですので、今後の反物探しは、白生地から好きな色に染めてもらおうと思っています。今回は黒染めでしたが、どのような色でも染められるということですので楽しみが増えそうです。今度は染めの方を見学・体験してみようかな。

小田織物さんのサイトに、お誂えの記録と題して、皆様の染めたお着物が掲載されています。今回の単色だけではなくいろいろあるので参考になるかと思います。

白生地反物から黒染め、紋抜き、仕立てに京都に行ってきました(小田織物さん)」への2件のフィードバック

  1. お疲れ様です。

    もうほんとうに、きりがないくらい着物の世界もたのしいですよね。
    御紋が橘かな、と思いましたが勉強になりました。
    足袋はどうですか?
    京都にも東京にも誂えていただけるところ、ありますよね。
    やはり足袋はぴしっと履きたいところ。
    ご経験おありでしたらまた記事にでもしてください~

  2. 着物の世界は本当に奥深いですね!
    男性の場合、巾のある反物探しから困難を極めますが、良い物は本当に良いですよね。

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