茶の湯に関する四つの東京の美術館巡り。

ちょうど、時期が良く都内の四つの美術館で茶の湯に関する(茶道具)美術展がやっていましたので、一日で回ってみました。

(1)東京国立博物館

大学2年の時以来で、約12年ぶりの東京国立博物館に行ってきました。

20130112_4muse_1

20130112_4muse_2
本館。こんな建物だっけなぁ?という記憶の薄れっぷり。

20130112_4muse_3
お目当ての展示は、
”東京国立博物館140周年特集陳列 松永耳庵の茶道具”(2012年11月27日~2013年2月24日)

公式ページ:http://www.tnm.jp/modules/r_free_page/index.php?id=1572

「電力王」「電力の鬼」と呼ばれ、美術品のコレクターでも有名な松永安左エ門(松永耳庵)の茶道具の展示。小田原三茶人の一人。耳庵は多くのコレクターを東京国立博物館に寄贈しており、その一部を展示する催し。

20130112_4muse_4

20130112_4muse_5
重要文化財 大井戸茶碗 有楽井戸 (朝鮮)
朝鮮時代・16世紀 松永耳庵氏寄贈

名前の通り、織田信長の弟の織田有楽斎(銀座の隣の有楽町の”有楽”の人ね)が所有していた大井戸。大井戸といえば、国宝の”喜左衛門井戸”(大徳寺所有)が有名ですが(私も本でしか見たこと無いけど)、これも同じ位有名なもの。こうやってサクッと見られて、しかも写真を撮れるのも良い環境ですね。茶碗の善し悪しに関して私が語れるものではないので言及を避けますが、朝鮮の井戸茶碗のトップ評価な物を目で見られたのは良い経験になりました。

この他にも松永氏のコレクションは多岐に渡り、美濃焼の志野香合、備前焼の水先、利休の高弟の蒲生氏郷(がもううじさと)の茶杓、唐の砂張の建水など。どれも素晴らしいものばかり。

20130112_4muse_6
千利休の書状 左下に”宗易”の名前がわかりますね。字が結構下手??・・・・なんて、極めて字が下手な私が言えることではありませんが。

松永さんの展示を抜けて茶道具はこれだけかな?と思いきや、”陶磁”というコーナーにもありました。

公式サイト:”陶磁” 13室  2012年12月18日(火) ~ 2013年3月3日(日)

”陶磁”のコーナーでは、樂焼初代の長次郎、二代常慶、三代道入(ノンカウ)などの樂茶碗など見られました。初代長次郎は利休に直接指導されただけあってシンプルですね。

さすがは東京国立博物館だけあって、貴重なものばかりでした。さて、次の美術館へ移動。

 

(2)三井記念美術館

20130112_4muse_7

三井記念美術館@日本橋 : 毎日通勤で前を通っているにもかかわらず始めて行きました。
今回の展示会のチラシを記念に貼っておこうかと(すぐなくなっちゃうし)

20130112_mitsuip1
20130112_mitsuip2

 

茶道具と円山派の絵画
2012年12月8日~2013年1月26日

公式サイト:http://www.mitsui-museum.jp/exhibition/index.html
*このURLは次の展示会になると変わってしまいます。変わってしまっていたら、本展示会のチラシ(PDF)目録(PDF) をご覧ください。

というわけで、三井家所有の素晴らしい茶道具を拝見してきました。

やはり注目は、和陶器で2つしかない国宝の1つ:志野茶碗 銘 卯花墻(うのはながき)ですかね。和の陶器なんて国宝は乱発していると思いきや、実は2つだけ。その一つを見ることができました。また、織田有楽斎の竹茶杓 歌銘富士が極めてシャープで`かいさき`の形も含め格好良かったです。織田有楽斎の作品や所有物はなにやら彼のセンスフルな人生を想像させます。

また「夜咄の茶事」(夜の茶事)を三井家のお宝茶道具で揃えたら・・・というコーナーは圧巻でした。全くもって”侘び”を感じることなく、豪華な道具たちでさすがは三井家とうならされるものばかり。素敵でした。この展示会は極めてオススメです。日本橋の三越あたりにお越しの際には是非お寄りくだされ。素敵です。

 

(3)根津美術館

20130112_4muse_8
根津美術館入り口。こちらも超久しぶり。昔この近くに住んでいたので、何度か来たことがありましたが最近はめっきりでした。

20130112_4muse_9
いい雰囲気ですな。

根津美術館にも少し茶道具の所蔵があります。その一部の提示がありました(小さい一部屋だけですが)

20130112_4muse_10
(写真が雑すぎる・・・・)

展示室6:寿ぎの茶会 (平成25年の歌会始の御題「立」にちなむ作品もふくめ、新年を寿ぐ茶会の道具をご覧いただきます。)

公式サイト:http://www.nezu-muse.or.jp/jp/exhibition/collection.html

根津美術館の”陶磁”にかんするコレクション(今回全部提示されているわけではない)は、
http://www.nezu-muse.or.jp/jp/collection/list.php?category=5

その後NEZU カフェでまったり一休みして次の五島美術館へ

 

(4)五島美術館

20130112_4muse_11
五島美術館 時代の美 第3部 桃山・江戸編 2013年1月5日~2月17日

公式サイト:http://www.gotoh-museum.or.jp/exhibition/open.html

武将や茶人の息遣いを伝える手紙。用と美を兼ね備えた茶の湯のやきもの。斬新な意匠が今も人々の目を楽しませる琳派絵画。江戸の洒脱をしのばせる俳人自筆の稿本。桃山の茶道と江戸の文芸の世界を伝える作品を中心に展示します。

先日、第二部を見に五島美術館を訪れましたが、やはり茶の湯の時代からは少し前の時代で茶道具の展示はありませんでした。今回は正に大成した桃山時代。これは楽しみにしていました。

尾形光琳・尾形乾山の屏風
本阿弥光悦の色紙帖
千利休・古田織部・明智光秀・織田信長・豊臣秀吉・古渓宗陳などの直筆の書状
樂長次郎の赤樂・赤樂茶碗
常慶の黒樂
のんこうの黒樂
本阿弥光悦の黒樂・赤樂
桃山時代の美濃焼(黄瀬戸・瀬戸黒・志野・鼠志野・黒織部)
他にも陶器として、唐津・古備前・古伊賀・信楽なども。

非常に素晴らしいラインナップでした。これがもともと個人像だったと考えると五島慶太氏恐るべし。五島氏とは地元が一緒なんだけども。

五島美術館を出た頃にはさすがに回りも暗くなってきました(4つも回ったので)。その後、この直ぐ近くに住んでいる地元の友達の家で鍋を頂きました。お子様二人が超成長していてびっくり。奥様の手料理も超おいしく。

 

<+α>しぶや黒田陶苑

20130112_4muse_12

渋谷にある”しぶや黒田陶苑”さんからDMを頂きまして、足を運びました。

【初夢初碗展】開催期間 : 2013年1月11日(金)~15日(火)

 

”新年最初の展示会に華々しく作家二十数名の気持ちのこもった茶碗を発表させて戴きます。唐津、志野、備前など、当苑にて推薦させて戴いた現代作家新作の数々をじっくりと、ご覧戴けましたら幸いでございます。”

ちょうど新年の抹茶茶碗展をやっていました。上の四つの美術館で見てきたような桃山時代の物とは異なり現代の作家達の作品を見るのもとても勉強になりました。化学的にも、技術的にも、人類的には作芸に関してはスキルが上がっているはずの現代で敢えて伝統的な古美術を目指すのか、それとも独自性を出すのか。それぞれの作家さんが個性があって興味深かったです。また”ど”素人の私に丁寧に解説して下さり現代作家さんたちに関して少し理解が進みました。

*************

さて、家に戻り部屋で稽古。

20130114_okashi1
京菓匠 鶴屋吉信 季節の主菓子「梅が香」

20130115_chagashi1
京菓匠 鶴屋吉信 季節の主菓子「福梅」

先日、京都に行ってきたときに(参考:”茶の起源”を辿りに京都へ赴く(一日目))本店も行ってきた京菓匠 鶴屋吉信。銀座三越にも入っているので季節の主菓子を買ってきました。やはり見た目も美しく美味しいですね。

今回、四つ茶道具に関わる美術館を回ってきて、国宝・重要文化財級の作品を見てきました。ハッキリ言って全然よく分かりませんが(笑)、それでもいろいろ書籍などの情報なども含め、”どこ焼か?”位はわかるようになってきました。この次の日に、”美濃焼”を訪ねに岐阜の多治見に行ってきたのですが(また後日ブログで紹介予定)、その予習にもなりました。私の先生の茶道具が出てきた時に何焼か?くらい分かるように早くなりたいものです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください