月: 2017年1月
印刷博物館
以前より行きたかった印刷博物館@凸版印刷(株)に。
活版印刷体験があり、自ら活字(鉛製)を拾って印刷の原理・手法が学べます。今回は名前を拾って付箋に印刷しました。膨大な活字の棚から集めてくる作業を、最盛期は3秒に1個のペースで拾ったとのことです。集めるのも大変なので、印刷後は棚に戻すことなく`使い捨て`とのこと(溶解して再製作)でした。活字は鉛製でとても柔らかく、「銀河鉄道の夜:二、活版所」でジョバンニがピンセットで拾うシーンがありますが、あれは誤りとのことでした(指で丁寧に拾うもの)
1445年頃にグーテンベルクが活版印刷を発明し、人類の知識は膨大に増え、新しい学問が次々に生まれました。本業に関わるケプラー、ガリレイ、ティコブラーエらの書籍(レプリカ)も展示されており大変興味深い展示物でした。
500年間基本原理も変わらず使われてきた活版印刷技術は、遂にこの50年のディジタル技術で完全になくなりました。しかしその技術は、紙への印刷だけではなく、タブレットへ表示、プリント基板、カメラ(写真)技術など多くへ応用されましたし、そもそも印刷という大量の同一内容の配布により社会をまとめる力があったと展示されていました。その最たる例が、聖書による宗教改革であり、日本においても家康公の印刷技術の奨励により各藩で書を印刷紙(木版)し、世の平安と学問を進めたとのことです。
印刷技術など、記憶と記録に関わる内容は実に興味のある分野でして、四時間くらい展示を見ておりましたが、大変面白い博物館ですので、興味のあるかたはどうぞ。活版印刷は日程・時間があるので、事前にウェブで確認ください。
今日の一服:2017/1/7
若洲の朝焼けとFuji CC M30色補正光学フィルターによる比較撮影
今朝の若洲の朝トレ。気温-1.8度まで下がりました。撮影後の確認だったので-2度までいったかもしれません。
朝焼けは水平線近くに雲が出てしまいましたが綺麗でした。
このブログでよく紹介している富士フィルム製の光学フィルター(一般的にはゼラチンフィルターと呼ばれているもの)の一種:色補正マゼンタ(30)[通称CC-M30]の有無を朝焼けで比較しました。
ピラピラシートのフィルターをフィルターホルダーに入れてレンズの前に通します。今回の撮影ではホルダーを使わずに手でシートフィルターをレンズの前に押し付けて撮影しました(風が強い時は大変です)
フィルム時代や、Photoshopが無かった時代はこういったシートフィルターで色補正なりNDなりを実現することも多かったのですが、最近のディジタル処理を考えると無用になりつつあります。
名前の通り、マゼンタ側にシフトするフィルターですので、Photoshopで同様の処理をすることは技術的には可能かと思います。
私もPhotoshopは多用しているので、こういったフィルターを使うのは矛盾しているのですが、それでもできるだけ「光学的に」「化学的に」「一刹那的に」被写体を残すことに少しのこだわりがあり、このマゼンタシフトのフィルターを愛用しています。
このゼラチンフィルターは、7.5cm x 7.5cmの3インチ規格と、10cm x 10cmの4インチ規格が一般的です。
Sony a6500 + SEL1018 + Canon製シートフィルターホルダー(ゼラチンフィルターホルダーシステムIV) + CC M30
参考までに富士の光学シートフィルターの詳細スペックシート(PDF)を掲載しておきます。
http://fujifilm.jp/support/filmandcamera/download/pack/pdf/ff_opticalfilter_001.pdf
* CC M(マゼンタ)は、PDF中のP38に掲載されています。500~600nm波長域を吸収していることがわかりますね。
比較撮影条件:
・カメラ:Sony a6500 (ILCE-6500)
・レンズ:Sony E10-18 F4 OSS : SEL1018
・三脚固定、手ぶれ補正Off、F11、RAW(IDC現像 : ホワイトバランス白熱灯、歪曲収差補正 On)、ISO100
・フィルター:富士フィルム製シートフィルター(10cm x 10cm) : CC M30 (色補正:Color Compensating : Magenta 30um)
夜景で使っても面白いですし、シートフィルターホルダーがとりあえずなくても、手でレンズの前に支えるだけでも(三脚撮影時)フィルターが掛けられるので興味があればどうぞ。