快適なアイロン環境の構築

引っ越した際、アイロン台が無くなっているのに気がついた。その前に前居への引っ越しにすら来ていたのかも記憶にない。知人の奥さんに、”アイロン掛けはアイロン本体ではなく、出来るだけ大きなアイロン台が全てであるという”名言を頂き、少しだけアイロン台の事が頭の片隅にあった。ちなみに宮下家のアイロン台は、テーブルの上に置いた”Orbit: Nasa Astronauts Photograph the Earth“である。名言を頂いても、ごく希なアイロン掛けという行為に対して、アイロン台を購入する気にはなれず、宇宙からの地球の写真をおさめた写真集を敷いてアイロン掛けをしていた。

しかし”Orbit”の背面が少しずつ黄色みを帯びており明らかに熱による劣化が見受けられたため、これはまずいと思い、楽天でアイロン台を探し始めた。しかしやはりアイロン台となると、安くはなく、そしてあまり大きいものが売っていない。そして何よりもあのアイロン掛けという行為に全くもって貢献しない花柄の模様が何とも邪魔である。そんな時に素敵なものを見つけた。

セラミックス アイロンマット@東急ハンズ通販倶楽部
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*上の写真の左上に”使用例”という文字がとても素敵だ。使用方法はこれ以外無いだろう。

こんなもの一般常識なのかもしれないが、机の上に広げられるアイロンのマットというものを見つけた。安いし、大きいし、(花柄付いていないし)、収納に幅を取らないし、とても素敵な商品である。早速購入し、昨晩Yシャツをアイロン掛けしまくった。とても快適であった。アイロン台を本で代用している方は是非おためしあれ。

紅葉写真 2006 有栖川宮記念公園

2週連続で週末に紅葉写真を撮りに行ってきた。花鳥風月とカメラ好きの私としては、桜などと同様心踊る季節である。先週は、神宮外苑銀杏並木~芝公園あたりをチャリンコでぶらぶら。今週は、やっと色付いた有栖川宮記念公園の紅葉である。両方とも来週にはもう散ってしまっているのではないだろうか。この短い間に極めて綺麗に色づく紅葉は、本当に美しい。星の最後の超新星のように最後に綺麗な色を出すという感覚と重なる。

(カメラのお話)。ディジタル一眼レフと中判フィルムカメラ(ハッセルブラッド)、およびハイヴィジョンビデオカメラを右肩、首、左肩に掛けて三脚を抱え行ってきた。もうこの姿も全く動じることなくのほほ~んと撮ってきた。ディジタル一眼、ハイヴィジョンカメラは忠実に高解像度に紅葉を残すため、中判フィルムはRVP, RVP100, E100VS, Fortia SPの4つの高彩度フィルムで印象色を再現するために持っていった。しかし、ハッセルブラッドのフィルムバックの巻き上げ部が突然故障し、この時のためにとっておいた生産終了済みのRVP, Fortia SPが無駄になり、フィルム撮影は全て失敗に終わった。とても残念だ。こういう失敗もあるのがフィルムの楽しいところなんだけれども。(ちなみにRVPはRVPIIとして来春に復活予定)

写真を撮ることも好きだが、もちろん肉眼で紅葉を見ることがもっとも素晴らしい。完全な言い訳なのだが見ることに注力してしまい、写真の構図があまり宜しくない。しかし、色を伝えるという意味で何枚か公開する。

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有栖川宮記念公園

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有栖川宮記念公園

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有栖川宮記念公園:やらせ写真(形が良い楓をちゃっかり置いてとりました・・・)

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有栖川宮記念公園

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神宮外苑銀杏並木

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神宮外苑銀杏並木

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芝公園:後ろに見えるのは愛宕の森ビル

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芝公園

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神宮外苑銀杏並木

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神宮外苑銀杏並木

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神宮外苑銀杏並木

ハイヴィジョン映像は後日アップします

DEEP BLUE – Blu-Ray Edition

本日発売のディープ・ブルー-ブルーレイ・エディション-(Blu-ray Disc)を予約しておいたので、取りにいってきた。

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DEEP BLUE – Blu-Ray Edition –

ディープブルーは、製作7年、ロケ地200ヶ所以上、撮影フィルム7000時間を掛けた、この青い星”地球”を眺めた大変すばらしい映像映画である。

Amazonでの商品解説を引用。

地球の表面積の7割を占める海の中やその周辺で生きる生物と、多様な表情を見せる海そのものを被写体として構成されたドキュメンタリー作品。制作に7年を費やし、ロケ地は実に200カ所を数えた、壮大なスケールの映像スペクタクルだ。
マイワシ、コウテイペンギン、シャチ、シロナガスクジラ…。数々の生物が懸命に生きる姿は、時に微笑ましく、時にショッキングで、時に感傷的。作品は擬人化などの手法には頼らず、冷静な観察者の視点をとり続けながらも、巧みな編集でドラマ性を紡ぎ出していく。
制約の多い状況で撮影されているであるはずなのに、映像がどこを取っても美しいのにも感心する。深海の生物たちの姿も圧巻。まるでSF映画のクリーチャーのようなこんな生物が現実に存在しているなんて、と驚くことだろう。“自然”の偉大さに改めて気づかされる、発見に満ちた傑作だ。(安川正吾)

さて、映画の内容はご存知の方が多いであろう。ここで注目すべきことは、”Blu-ray”であること。Blu-rayはご存知の通り、DVDなどを置き換えるハイヴィジョン映像を記録できる次世代のメディアである。ハイヴィジョンテレビを導入後、めっきりハイヴィジョンではない映像は見る気がなくなった。むろんDVDもしかりである。PLAYSTATION3を導入後、Blu-rayを再生できる環境が整ったので、何か綺麗な映像のBlu-rayを待っていたところ今日、DEEP BLUEが発売されたわけである。

率直な感想をいうと映像は酷い。Blu-rayを再生した瞬間テレビの右上に1080i (1125i)の表示が出てはっとした・・・。なぜ気がつかなかったんだろう。2003年公開のDEEP BLUEは製作7年掛かっていることを考えれば、撮影時は1996年。そんな時代にディジタルのハイヴィジョンビデオカメラは稀であり、今フルスペックハイヴィジョンで感動するクオリティで撮れているはずがないのだ。はっきりいってアナログ(フィルム)で撮った映像をハイヴィジョンの解像度でディジタル化しBlu-rayにしただけのものである。映っている内容はすばらしいが、残念ながら地球をくっきり、はっきり見たいという私の意図は満たされなかった。

Blu-rayを買うときは、安直な判断ではあるが1080pのソフトを買うべきだと思う。その場合はほぼ最新のカメラで撮影されておりすばらしい映像が体験できると思う。ハイヴィジョン映像がどんどん記録されているこれからの映像に期待したい。一方で、このDEEP BLUEは、音声がDTS化しており、音響はかなりいい感じである(本音を言うとDolby Digitalの音源と比べて明らかにわかるほど違いを実感していない・・・。)

やはり注目は、TBS / Sonyタッグの世界遺産のBlu-ray版だと思う。発売予定になっているので、なんとも早く発売してほしいものである。

世界遺産は今、落書き、経年劣化など毎年多くのものが失われつつある。そう考えるとできるだけ綺麗な映像システムで残しておきたいものである。せっかくなので、スーパーハイヴィジョンカメラなどで残しておけば、良いのではないかと思うのだが・・・。

絶対に笑ってはいけない高校

ふとお店で見かけて買ってしまいました。

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ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!! 8 絶対に笑ってはいけない高校(ハイスクール)+名作&トーク集

すこし解説すると、番組のあるゲームで、松本、山崎、田中、遠藤の4人が罰ゲームをやることになりました。それはある高校に二日間滞在し、普通の受業を受けるというもの。しかしその高校の校則が絶対に笑ってはいけないというもので、もし笑った場合は罰を受けるという設定。しかし各受業の先生がお笑い芸人だったりで4人を笑わせようとするわけです。誰しも経験があるとは思いますが、緊張の場面だったり、笑ってはいけない時ほど、笑ってしまうことがあるかと思います。それが凝縮されているので、かなり面白かったです。

久しぶりに笑いすぎて死ぬかと思いました。

宇宙ステーション見えます!(12/7 5AM)

*12/7 5:22追記:たった今通っていきました。今回雲が発生したのは上空に強い風が吹いていたようです。東京以外の地域で見えていれば良いですが・・・。

*12/7 4:00追記:かなり曇っています・・・。東京はちょっと厳しいかもしれません。私はお台場まででるのはやめて、家からみることにします。朝焼け楽しみにしていたのですが・・・。

*12/7 0:24 追記:あれだけ雲一つ無い状態から現在、モーレツに雲が発生しています(苦笑)。多少の雲なら見えるのですが、何とか晴れて欲しいものです。

明日の朝(2006/12/07 朝5時)に東京近辺で宇宙ステーションが見えます。

・今日の夕焼け
・星のまたたきっぷり
・空気の抜け感

からおそらく見えるのではないかと思います。
時速28000キロで地球を回り、人が勤務している宇宙ステーションを是非ご覧ください。

見える地域:関東、東北、中部地方
新潟、仙台、福島あたりがもっとも見えるようです。
JAXAの国際宇宙ステーションを見てみようのページ
http://kibo.tksc.jaxa.jp/
各地方が計算できますので、関東以外の方はご確認ください。

2006/12/07 東京地方
見え始め05:12:33  方位角315度(北西)
最も高い05:17:29 方位角41度 仰角60度(北東)
見え終わり05:22:29 00:09:56 方位角126度(南東)

・方位角:北0度として右回りに360度:北0度、東90度、南180度、西270度
・仰角:水平を0度として真上が90度

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Image Courtesy of NASA

携帯でのリアルタイムで方向を計算するシステム:
携帯に下のアドレスを転送して、時間になったらアクセスしてみてください。その時どちらに見えるか計算できます。

https://www.spacewalker.jp/iss
FOMAは確認できました.Softbank, AUもたぶん見られると思います。

古い機種で文字化けが発生するそうです。その場合は下のを利用してください。
https://www.spacewalker.jp/iss/index_sjis.html

天気が悪く見えなかったらごめんなさい。

ハイヴィジョンビデオカメラの動向と導入について

ハイヴィジョンビデオカメラを導入した。機種は、以前のエントリー(CEATEC2006に行って来た)で紹介したSony HDR-SR1ではなく、Canon IVIS HV10という機種である。前回、ハイヴィジョンビデオカメラを買うならHDR-SR1が良いのではないか?という結論を出していながら、実際にHV10に気が変わった経緯を紹介したい。

最近、同級生や同世代の知人にお子様が誕生している。皆さんかわいい写メールを送ってくれて、その親バカっぷりが大変微笑ましく、私まで幸せな気分になってしまう。そんなことが続くとお節介ながらも、そのかわいい時分を”綺麗に”残してあげてはどうか?と思ってしまうわけである。このエントリーは単語としてやや専門用語を含んでいるが、あくまで一般用途でのハイヴィジョンビデオカメラ利用という立場で述べており、ハイヴィジョンビデオカメラの導入などを検討されている方は参考にしていただければ幸いである。

今年のお盆に実家に帰ると、宮下家にはVHSをDVDに変換する機器が買ってあった。用途は、家族のビデオ映像をVHSテープだと劣化していつか消えてしまうため、DVDに変換しようというものだ。ウチの父親は、私が3歳の頃にビデオカメラを買ってきて、その頃から定期的に家族の映像を動画として残してきた。私が3歳の頃の映像は、まだ父方の祖父・祖母も元気に映っており、当時飼っていたうさぎにビビリまくりの私が映っている。知人が送ってくれる写メールなどと比べて、私の小さい頃なぞかわいくも何ともないが、25年経って見てみると、懐かしいのと同時に当時の事をいろいろ思い出したくなった。

たとえば、ピアノ発表会前日の練習風景を撮った映像が残っている。自分の記憶には、撮影をしたこと自体全く覚えていないし、映像を見ても少しも思い出せない。発表会前日なのに失敗している姿も映っていれば、その時の兄弟の会話などもそのまま残っている。これは写真では残せない情報だ。今回、全てDVD化したことで改めて昔の映像を見ていると、こういった映像の記録は何にも代え難い素晴らしい宝だと心から思った。とにかく自分の記憶など全くあてにならないということと、せっかく記憶できる機器があるのであれば、残しておいて本当に損はないと思った。

過去の映像を見ていて沸いてくる感情は、懐かしさだけではなく、この映像に入っていって当時の環境を見たいという感覚である。25年前の実家はまだまだ新築で、現在の実家と比べ経年劣化だけではなく、いろいろな箇所で異なっている。映像に映っている人も懐かしいが、家のあの部分は昔こうだったとか、映像の隅々までどうなっているのかなと視点が飛ぶ。

上の2つの段落は良いことを書いているつもりであるが別の思惑もある。つまり、かわいい家族を残し、画面隅々までスッキリ・クッキリのハイヴィジョンビデオカメラを買えという誘導である。ハイヴィジョンビデオカメラ、ハイヴィジョンテレビ、ブルーレイなどのハイヴィジョンメディアが登場した今、我々の世代はとりあえずハイヴィジョンビデオカメラだけでも導入し家族の映像を残しておくべきだと思っている。我々の世代の結婚式は、過去の成長写真をスライドショー形式でPCプロジェクターで紹介するのが定番となっているが、我々の子供世代の結婚式は、ハイヴィジョン映像の成長過程をハイヴィジョンプロジェクターで紹介するようになっているはずである。その時のためだけに備えるわけではないが、上で述べたように過去の映像が残っているのは本当に素晴らしいことであり、この時分であるから是非ハイヴィジョンで残すべきだと提案するのである。

ハイヴィジョンカメラへの誘惑を述べたところで、実際に宮下がどういった理由でHV10を選択し、実際にどのように編集などをしているかなど少し専門用語と現状の動向なども含めて紹介する。

まず単語を確認
HD映像:High Definition (高い解像度)=ハイヴィジョン映像のことであると思って問題ない
SD映像:Standard Definition(普通の解像度)=いままでのテレビ・VHSテープ・DVDなどの普通の解像度

TVコマーシャルで宣伝し続けているように2011年に地上アナログテレビ放送が終了し、完全地上ディジタル化になる。この宣伝がイマイチぱっとしないのは、”2011年でいいや”感が漂っていることである。地上ディジタル放送はもう全国で始まっており、もうどんどん移行しろよ的な宣伝を押し出していかないと2011年がパニックになる気がする。
とりあえず、宣伝指針の話はおいておいて、ここで言いたいことは、地上ディジタル放送はハイヴィジョンクオリティということである。つまり2011年には国民ほとんどの人がハイヴィジョンつまりHD映像を楽しんでいることになる(はず)。つまりハイヴィジョン映像は既に希有な存在ではなく、もう間近に迫った一般向けのクオリティである。現在売っているハイヴィジョンビデオカメラは、全ての機種でSD映像に落として普通のテレビで再生できるので、ハイヴィジョンテレビを今もっていなくても、将来のためにハイヴィジョンカメラだけ持っていて全く問題ないわけである。

現在購入できるハイヴィジョンカメラのリスト(2006.12.1現在):
*20万以下の一般向けに限定
*参考価格としてビデオカメラ「価格.com」の最安値を表示(2006.12.1現在)

HDV形式
Canon IVIS HV10 (89,780円)
Sony HDR-HC3 (73,980円)

AVCHD形式
Sony HDR-UX1 (99,855円)
Sony HDR-SR1 (129,800円)
Panasonic HDC-SD1 (144,000円)
Panasonic HDC-DX1 (139,790円)

ハイヴィジョンカメラの選択は、まずHDV形式かAVCHD形式かで多いに悩む。私もこの2つの形式選択には苦労しており、各種規格、仕様、編集環境、現状などいろいろな観点から評価しHDV形式を選択した。簡単にHDVが良いとは言い切れず、1年後は変わっている可能性が高いため、ここではHDV形式を選択した理由を述べることにする。

まず、HDV形式とAVCHD形式について紹介する。

HDV形式:High Definition Video – Wikipedia
圧縮方式:MPEG2 TS
ビットレート:25Mbps(固定)

AVCHD形式:Advanced Video Codec High Definition – Wikipedia
圧縮方式:H.264/MPEG-4 AVC : 以下H.264
ビットレート:可変(8Mbps – 15Mbps位が現在のカメラでは設定できる)

詳しい解説はリンク先のwikipediaなどに任せて、私のような素人での理解を述べる。
2形式の違いは、言ってしまえば圧縮方式がMPEG2かH.264かの違いである。MPEG2は、DVDの圧縮形式、地上波デジタル放送、BSデジタル放送など既に一般化されているのに対して、H.264形式は最近注目されている新世代の圧縮方式で、素人としては、MPEG2と同じクオリティの画質を半分のデータ量で圧縮できる程度の理解で問題ないと思う。つまり、HDV形式では、25Mbpsのビットレート(1秒間に25Mbitデータを使う)のMPEG2と同程度のクオリティが、AVCHD形式では、その半分の12Mbps程度のビットレートで実現できる。

データが半分で同じ画像クオリティが再現できるのであれば、データ量は小さいに越したことはなく、H.264を採用しているAVCHDが良いのではと普通は考える。しかし、MPEG2よりもデータ量が小さいということは、それだけ高度な圧縮(符号化)を行っており、その処理がMPEG2の数倍掛かると言われている。つまり、パソコンでの動画編集などで多くの処理時間が掛かることになる。このような処理が重いという問題は、時間が解決してくれる。ちょうど昨日、富士通がH.264形式の映像処理LSIを発表した。このプレスリリースを読んでみても、まだフルHD(1920ドットx1080ライン)には対応しておらず、これからと言ったところだ。つまりハイヴィジョン映像を扱うとして、H.264の圧縮方式はデータ量も小さく魅力的だが、現時点ではまだ時期尚早と言える(と私は考えた)

H.264の問題は処理が重いだけではない。現時点でH.264で動画を記録してしまうとそのデータの行き先がイマイチ安定しない。家族の映像など大切な記録を、パソコンのハードディスクに残しておくのは、容量的にも保存的にも限界がある。やはりBlu-rayなどのメディアに残すべきと考えるのであるが、H.264をBlu-rayに保存する規格がまだ決まってこない。私がAVCHDを見送り、HDVにした理由はこの点が大きい。というのは、Blu-rayはMPEG2形式で保存することがとりあえず一般的であり、H.264形式もサポートするとなっているが未だその仕様が見えてこない。なぜ次世代のメディアであるBlu-rayがMPEG2を主にサポートしているかという点は簡単である。地上波デジタル、BSデジタルのハイヴィジョン放送がMPEG2で圧縮されているため、ハイヴィジョンテレビ番組をその圧縮のまま、Blu-rayに記憶できるからである。先月あたりから発売を開始しているBlu-rayレコーダーも基本的にMPEG2の録画・再生を基本としており、H.264形式については特殊な条件でのみの利用となる。

AVCHDは、多量のデータを扱うハイヴィジョン映像をH.264の高圧縮方式で圧縮し、普通のDVDなどに書き込むことを想定した規格である。これは、Blu-rayなどの大容量メディアの開発が遅れているのに対して、ハイヴィジョン映像を撮る技術は発達してしまい、撮った多量のデータを保存する環境(Blu-rayの普及)が整っていないからの、繋ぎ規格と言える。その為、普通のDVDにH.264形式での保存は、現時点で確かにできるが、この特殊なDVDを一生再生できる機器が供給されるのかが心配である。

つまりH.264 on Blu-rayの規格が不透明であり、何ともこの部分が見えないことから、私はHDV形式を選択した。HDV形式は、MPEG2形式であり、Blu-rayにもそのまま投げ込める。11月から発売している、Panasonic, SonyのBlu-rayレコーダーではiLink経由でHDVハイヴィジョンカメラと接続し、その映像をBlu-rayディスク化することができる。これは将来的に映像を残すという点で大きなアドバンテージである。(現在私も含め、Blu-rayレコーダーを持っていなくてもHDVのテープで冷暗所に適切に保存しておけば、購入後Blu-ray化ができるだろう)

更にハイヴィジョン映像を編集する場合にも現状ではHDV形式が有利である。有利であるというよりも、H.264形式で保存された動画を編集できる環境は、現在存在していない。SonyのHDR-UX1, HDR-SR1を購入するとWindows用のソフトが付属してくるが、これは編集とはいえず、部分的なカットができるだけの編集とは呼べないものであり、更にH.264の高圧縮処理のため、カットだけの編集でも非常に時間が掛かるとのことである。HDV形式は、1万円前後で数種類の編集ソフトが現在市販されており、MPEG2は圧縮処理も軽いため、最近のPCであれば実時間の3倍程度の時間で処理できる(例:編集して10分程度の動画とした場合、再圧縮に30分程度)。HDV形式の動画編集ソフトに関しても、ほとんど全てのソフトを体験版で確認しその使い勝手や、画質の劣化状況などを確認しているため、その点はまた後日別のエントリーで紹介するつもりである。
パソコンでの動画編集といえば、iLink (IEEE1394, firewire)というイメージを持っている方がいらっしゃると思うが、これもちゃんとDV(SD画像のビデオカメラ)形式, HDV形式で規格化されており、AVCHD形式のハイヴィジョンカメラは接続できない。AVCHD形式での動画データは、基本的にUSBになりそうな様子であり、パソコンはともかくBlu-rayレコーダーにUSBポートが付くかなどいろいろな点で不安がある(つまりAVCHDカメラからBlu–rayレコーダーに動画データを転送できない)。一般人としては、編集などはあまり必要なく、撮影したカメラからパソコンなどを通さず、Blu-rayレコーダーでBlu-rayにダビングするというのが、将来的な一般の感覚だと思うがいかがであろうか。

まとめると、
・H.264形式は今の環境では編集が難しい(編集環境がない、処理が重い)
・Blu-rayとH.264の規格がまだ安定しない
・DVDに書き込んだH.264のメディアは将来性が不安

以上の点により、H.264の圧縮技術は大変すばらしいが、”現状の状況”では見送るべきであると考え、HDV形式を選択した。しかし、1年後、上記の問題が解決されればH.264の方が良いと言っている可能性が高い。H.264形式のビデオカメラは、HDD, DVD, SDカードなどにファイルシステムを持って保存しており、HDV形式のテープ形式とはちがい、巻き戻し、早送りなどの煩わしさがない。またテープ形式はディジタルデータであるため、データ内容の劣化はないとはいえ、経年的なテープの劣化によりある時点でいきなりデータが読めなくなる可能性がある(数年は大丈夫なのでそれまでにBlu-ray化する必要がある)。よって上記の問題さえ解決すれば良いことだらけの規格なので、私のような一般人がH.264形式に踏み込む良いタイミングなどは私の判断ではあるが、またいつか紹介したいと思う。

以上のように私は、AVCHDの潜在的な魅力を感じながらもHDV形式を選択することにした。HDV形式と決めたら今度は、カメラの機種選びである。HDV形式は、繰り返しになるが以下の2機種である。

HDV形式
Canon IVIS HV10 (89,780円)
Sony HDR-HC3 (73,980円)

どちらも甲乙付けがたく、価格コムなどの口コミでも、HV10とHC3のどちらが良いか迷っていますという話が長期にわたって議論されている。私見も含む長所・短所を紹介する。

Canon IVIS HV10

長所:
・高画質(映像のプロに言わせてもTV放送・業務放送に耐えうる高画質という評価を得ている。個人的にも家で再生してみてみると極めて美しい画像である)
・軽い、小さい
・Canon製 ←超私見(笑

短所:
・バッテリーがソニーに比べ持たない(本体を小さくするためにバッテリー容量が少ない)←予備バッテリーを買って対処
・外部カメラ入力端子がない。何か外部のマイクで音声入力したい場合はHV10では実現できない←宮下的には利用しないのでこの点は短所にはならない
・HDMI端子が付いていない。これは実際問題としてちょっと悲しい。現在D端子でAquosに接続している。

HDR-HC3

長所:
・バッテリーがソニーらしく標準のモノでも結構持つ
・HDMI端子が付いている
・外部マイク入力端子が付いている
・安い

短所:
・クリアビットCMOSの画像は、HV10を見てしまうと若干ネムイ画質である

正直言って、私は画質が良いこととCanon製という理由でHV10にした。HC3も画質はSD画像などに比べたら凄まじく綺麗なので、安いこともあり良い機種だと思う。

長きに渡って書いてしまったが、このような経緯を持ってCanon IVIS HV10を購入した。実際に六本木ヒルズや東京タワーで撮影してきたが、息をのむほど美しい。あれだけの高画質が個人で残せるというのは本当にすごい時代になってきた。この長文を読んでくださった方がどれだけいるか分からないが、その映像に興味をお持ちになられた方は、宮下家に足を運んでくだされば、お見せすることができます。子供なぞ当然いないので、私は風景、宇宙ステーションなど撮影がメインであるが、綺麗な映像をお見せできます。

以上に書いた見解は、仕様に誤解を含んでいる可能性もあり、さらに”本日”での見解である。今日から、Panasonic製のAVCHD機HDC-SD1が発売になったので、AVCHDの盛り上がりから目が離せない。また、HV10は素敵な機種で極めて満足しているが、HDMI端子、外部マイク、バッテリー容量(むしろ内部回路の消費電力の低下)により後機種はかなり期待できる。それを狙うのも悪くないかもしれない。

次回のエントリーでは、HV10で撮影した極めて高画質な動画の紹介と、編集ソフト選定に関して紹介する。

2006.12.1 7PM追記:

とりあえず撮影した動画を公開する。形式はMPEG2 TS形式(拡張子.m2t)で、HDVキャプチャーしたままのデータである。再生には、最新のDVDプレーヤーソフトなどで対応できると思うが以下のフリーソフトをお勧めする。

VLC media player (無料)

VLCプレーヤーはきわめて多くのフォーマットに対応しているすばらしいプレーヤーである。Windows, Mac OS X, Linuxなど多くのプラットフォームでも利用可能である。

必ずリンクを右クリックしてお使いのPCにダウンロード後再生してほしい。ファイルが極めて大きいので注意してほしい。また、解像度はHDV規格である1440 x 1080 pxであるため大型ディスプレイでないとはみ出てしまうかもしれない。

1.東京タワー:約130Mバイト

2.花:約18Mバイト

3.六本木ヒルズの旗:約147Mバイト

4.犬:約26Mバイト

5.東京タワーの特別展望台からの六本木ヒルズ森タワー:約46Mバイト

6.テレビ朝日の数字:約34Mバイト