昔から持っている皮膚のアレルギーの為に,友達の実家の漢方薬屋さんの漢方薬を試してみることした.
漢方薬に至った経緯は,今までの治療では治らないし,その医療体制のシステムに疑問を感じたからである.
一研究者として,研究とは仮定から始まって,実験などを繰り返して,少しずつ良いものへと進むべきだと思っている.
我々宇宙工学の分野で,例えば人工衛星の姿勢制御(人工衛星の姿勢をうまくコントロールすること.例えば,気象衛星ひまわりなどでは,いつも宇宙から日本の映像・気象を撮らないといけない.つまり,日本を向き続ける制御が必要である)に関して言えば,こういう方法を使えば,少ない燃料で姿勢を制御できるのではないか?という仮定(提案)がおこり,実際に宇宙で実験をして,”ああ,やっぱり燃料も少ないしうまく制御できる”と分かれば,”素敵な姿勢制御則”となるわけである.
当然,医療も同じだと考えていて,西洋・東洋医学関係なく,新薬を開発して,人間に投与したらその結果をできるだけフィードバックさせて,更に改良が進むべきだと思う.
いつも行っていた皮膚科の先生に,その辺りを突っ込んでみた.
自分と同じ皮膚の病気は患者数もとても多い.ほとんどの患者にたいして,その症状にあわせた薬の強さを決めて投与しつづけている.しかし,この薬をどうゆう患者にどのくらい適用してどうなったか?・・というもっとも重要な患者さんたちのデータが,大学病院など薬の研究開発系にフィードバックすることないそうだ.毎日,何十人もの患者を看ていれば,それは大学でラット実験などには比較にならないデータであるはずなのに.
確かに,その大変な仕事をやったあとで,すべての患者のデータをまとめてグラフにして,医学学会に論文を提出するお医者さんなんているわけないかもしれない・・・いそがしいだろうし・・・.
ただ,一部の研究機関と少しの実験だけで開発された薬が,厚生省で認可され,大量の一般人に投与される.それほど貴重なデータが上にフィードバックされないこのシステムはいかがなものか?
別に自分のかかりつけだったお医者さんが悪い訳じゃない.ただ,じゃー医者ってなんだっていう話.あれだけ勉強して,医師免許の試験を受けた人っていうだけ?
この症状の場合,○○○○○を5g毎日投与っていう仕事がお医者なら,自分たちエンジニアが,
カメラ+画像処理装置で症状を判定し,その症状にあわせた治療の仕方をデーターベースに問い合わせ,薬が窓口から出てくるシステムを作ってやる.しかも,先生の勉強不足の投与量・投与薬の間違いなどは,完全なデーターベースで正確にやってやる.
お医者様どう?悔しくない?
この症状ならこの薬.それは確かにそうだと思う.プログラムでいえば,
if(A症状)
{
A薬
}
else if(B症状)
{
B薬
}
・・・・・・・
ただ,お願いなので,
・患者の気持ち(症状じゃなく)
・できれば,論文で薬にフィードバック(理想)
・論文かかなくても,先生の中で症状のif文を増やして,柔軟な治療ができるように・・
願っている.そうじゃなかったら,エンジニアリングでお医者いらなくなっちゃうよ.
そんなものを作るのがエンジニアリングじゃないので,作りたくはないかな.
医者は,エンジニアリングでできることをやるべきではない.
自分たちエンジニアは,病気に苦しんでいる患者さんの椅子に少しでも技術を与えて,快適に腰掛けられて,お医者さんとの話に集中できるようにしてあげること.そんなことだと思ってる.自分たちエンジニアも,椅子を作ること自体がやるべきことではないと思ってる.
今日行った漢方薬の薬剤師さんは,今まで症状を見せて1分で終わっていた治療に対して,
睡眠時間・食べ物・漢方薬の原理(しかも,漢方ではできないことまで)などを聞いてくれた.
もとめていたのは,”聞いてくれたこと”.エンジニアリングでは一生実現できないものを感じた.
エンジニアリングの目からみた,偏った日記でした・・・