Corrinne Mayの久しぶりの新アルバム”Crooked Lines” 相変わらず素晴らしい歌唱力で響く。

シンガポール出身で、L.A.在住の非常に素晴らしいシンガーソングライターCorrinne Mayさんが、久しぶりにアルバムを発売しました。

最近、自転車や茶道ばかりで、オーディオに全然力を入れていませんが、それでも部屋にセッティングしてあるオーディオシステムはそれなりに素敵な音がします。オーディオ好きは変態(+オカルト)が多いですが、私は工学的・人間能力的に最もパフォーマンスが良いあたりのオーディオ・システムを使っているわけですが、そういうオーディオをやっていると歌唱力のあるシンガーで録音状態の良いCDをとにかく模索するわけです。そんな中で見つけたのが、このコリン・メイさんという素晴らしい歌声をお持ちのシンガーソングライター。ご自身で作詞/作曲もなさっています。

過去のブログ記事でも紹介しています。
参考:シンガポールの歌姫 Corrinne May (コリン・メイ)

さて、新アルバムは”Crooked Lines”。

Corrinne May “Crooked Lines”

アマゾンでは: http://www.amazon.co.jp/dp/B008S04EII

iTunes Storeでは:https://itunes.apple.com/jp/album/crooked-lines/id518134498

おそらく多くの方がお聞きになったことがないと思われますので、

Corrinne May公式サイト:http://www.corrinnemay.com/

に行くと、アルバムの収録曲”Crooked Lines”が流れます。また、上記のiTunesサイトからは30秒程度試聴ができますので聞いて頂ければと思います。
その圧倒的な歌唱力に、たとえパソコン付属のヘボイスピーカーでもすばらしさが伝わると思います。もちろん出来るだけ良いオーディオシステムで聞いてもらえれば、如何に幅広い声質であるかを感じられると思います。

過去に4枚アルバムを出しておりますがどれも素敵ですので、是非そちらもお聞きくだされ。

日本フィルハーモニー交響楽団第347回@サントリーホール

久し振りにクラシックのコンサートに行ってきました。

日本フィルハーモニー交響楽団第347回名曲コンサート@サントリーホール

http://www.japanphil.or.jp/cgi-bin/concert.cgi?action1=preview_details&seq=726

何せ題名が”名曲コンサート”なんですよ。なので、

グリンカ:オペラ《ルスランとリュドミラ》序曲
ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番
チャイコフスキー:交響曲第6番《悲愴》

<指揮>金聖響
<ピアノ>外山啓介

という極めて名曲のラインナップ。ラフマニノフのピアノ協奏曲2番は、大学1年の時に生で聞いたのが最後なのでもう14年ぶり!
悲愴に至っては生で聞くのは初めてでした。

説明の必要がないくらい有名な2曲ですが、久し振りに聞いて鳥肌立ちまくりでした。外山さんのピアノも素敵でした。若者の演奏も良いですね。

やはり定期的にクラシックのコンサートには足を運びたいですね。素敵な休日になりました。

ミルクラッパー Shibori “酪農”を考える。

最近、Twitterやテレビで話題のラッパー“Shimori”氏の”酪農”というラップに感動致しました。


関連サイト:shibori @ ナタリー

見て頂ければ一目瞭然です(笑)

Shibori氏とは、”ミルクと牛に関することしかラップしない世界で唯一人の「ミルクラッパー」”ということです。

私がこのラップを見て感動したのは歌詞です。JPOPを滅多に聞かない理由は、歌唱力の問題が大きいのですが、歌詞が”胡散臭い”からです。J-POPジェネレーターなんていうサイトもありますが、とにかくJ-POPの歌詞を聴いていると、あまりに非現実的すぎて、ドラマチック過ぎて、全く歌詞が響かないんですよね・・・(もちろん全部ではありません)。中島みゆきさんなりの大御所は素晴らしい詞をたくさん書かれていますが、なかなかそういうのには出会えない。以前どこかの記事で、”日本語ラップの謝罪率は異常”なんて書かれていたこともありました(笑)

つまりこの平和な日本、普通に育ってくればJPOPの歌詞にあるような修羅場になかなか出くわさずに、高等教育を受けてくるわけです。だから歌詞に重みがない。そんな妄想の歌詞を書くなら、今回のミルクラッパーのような、現状の酪農について淡々の述べている歌詞は実に親しみやすいと思うわけです。動画を見ていると、随所に酪農的なウケねらい(ラップ的にいう酪農+酪農関係者へのリスペクト)の箇所などがあり、実に良く出来ていると思いました。

地方疲弊が続くなか、こういったキャンペーンなどで、地方・農業・酪農など少しでも活性してくれば良いですね。仮想・妄想恋愛を述べる歌よりも、このミルクラッパーの方がよっぽどメッセージ性があると思いました。

avexの”microSD”による楽曲販売について、ナウイのか考える。

エイベックス・マーケティングが、”ケータイ音楽”向けとして、フラッシュメモリーカード(microSD)による楽曲(映像+音楽)の提供(販売)を開始するようです。

参考:第一弾として、THE REBOOTというアーチストが出すようです。

上記ウェブから引用させていただきます。

携帯電話ですぐに視聴できる音楽コンテンツ入り「microSDメモリーカード」を発売!
~アーティスト作品としては、日本初~

エイベックス・マーケティング株式会社は、音楽・映像・歌詞・画像などの携帯電話向けの音楽コンテンツなどを「microSDメモリーカード」に収録して、発売することを決定しましたので、下記のとおりお知らせいたします。本商品は、3キャリア(NTT DoCoMo ・au ・SoftBank)の携帯電話(ワンセグ録画機能を搭載した対応機種)に挿入するだけで、携帯電話をプレイヤーとして音楽や映像を楽しむことができ、歌詞データもPDF対応機種で閲覧が可能になる新しいメディアとして注目されております。当初は携帯電話取扱店にて販売を行い、それ以降順次販路拡大を行っていく予定です。

引用おわり。

つまり、今やiPhone以外の携帯ではあたりまえの外部メモリストレージであるmicroSDに、携帯で見られる・聞ける音楽コンテンツを詰め込んで販売するってことですね。浜崎あゆみが、確かUSBメモリーでアルバムを発表していましたから、エイベックスとしては、フラッシュメモリでの楽曲提供の第2弾といったところでしょうか。

この販売形態は、ある意味ナウく、ある意味ちょっと時代遅れかなと思っています。私は、SDカードの1Gbytesが1000円以下で購入できるようになった数年前の時点で、音楽提供・販売は、SDカードなどのフラッシュメモリーで音楽を提供すれば良いのにと考えていました。というのは、CDは革命的に音楽供給を進歩させたデジタル技術ではありますが、モーターで回転させてレーザーで読むという方式が、今となっては超アナクロです。このアナログレコードと同じのような、”アナログ”要素を含んでいた挙げ句、

84万円もする残念なCDプレーヤー(DENON DCD-SX)などの高級CDプレーヤーが開発され、流されやすいマニアが翻弄される結果となってしまいました。

さらに、

・高音質CD(SHM-CD, HQCD, Blu-spec CD, ガラス製のK2HD MASTERING + CRYSTALなど)の登場で、その”アナログ”要素から発生しうると言われる読み込みエラーを少しでも軽減するために素材の良いCDの開発という、無駄な難しい課題に対して努力に時間と技術を注いでいる訳です。

 確かに前者のCDプレーヤーは、D/Aコンバーターおよび、電源回路周りなどで究極のS/N比、低ひずみなどを実現しているわけで、単純にモーターや防振などの機械的要素だけで高価格になっているわけではありません。D/Aコンバーターとして見れば、人間がそこまで検知できるかはおいといて、数値の上で究極とも言えるクオリティまで追求されています。

しかし、後者の高品質CD化は進む方向が完全に間違っています。読み込みエラーの可能性があるというのが問題であるなら、解決策はこの方向じゃないだろうと思うわけです。
1)50倍速などの読み込みができるわけですから、リアルタイム再生(1倍再生)をやめてエラー率を考慮した上で先読みしてバッファリング
2)回転方式のエラーなのだから、安価になったフラッシュメモリ、ROMなどで読み込みエラーがより少ないメディア・方式に方向転換

などの方向に進めば良いと思うわけです。今回、このブログを取り上げたのは、エイベックスの商品が2)のアプローチと”なりうる”からです。
1)の技術なんてとても簡単です。今やPCについているCDドライブ(DVDなども兼用)なんぞ、50倍速再生は当たり前で、こんな時代になにもリアルタイムの1倍速再生をする必要はありません。実際には、1000円で売っているCD-ROMドライブでも懸念されるほど、エラーは起きていないでしょう。その前にその数ビットのエラーを拾えるほど、後段のD/A, アンプ、スピーカー+優秀な耳を揃えている人がメジャーだとは思えません(そのCDプレーヤーおよび高音質CDを買う人は十分マイナーですが)。上記の84万円のCDプレーヤーになぜこの機能が付かないか意味がわかりません。再生ボタンを押して、数秒間音が出ないくらい大したストレスではないと思うのですが・・・。採用しないのは、そもそも読み込みエラーなんぞほとんど起きていないってことでしょうね。高音質CDの存在理由がほとんどなくなってしまいます。

高音質CDを販売する際には、おそらく音源(マスターアナログレコードや、DATかなぁ?)あたりから、再マスタリングして販売されることが多いかと思います。そうなれば、そもそもソースからCDの規格(44.1kHz, 16bit)に変換する方法や録音レベルなども変更される可能性があり、同じアルバムタイトルでも、普通のCDと高音質CDの音楽データ自体が同じ保証はありません。ぶっちゃけ言えば、高音質CD作成時に音量をちょっと上げておけば、”音が良くなった”と感じる方は大多数だと思います(笑)

 最新のBlu-rayですら、この回転円盤非接触読み込み方式を採用しているので、集積度が高いのは証明されているのですが、CDの集積度(12cmで700Mbytes)レベルであれば、もうこの怪しい製品が多発するのを押さえるためにも、確実にリードできるメディアに置き換えるべきだと思っています。

そういう意味で、今回のエイベックスのメモリーカードによる楽曲提供は面白いはずでした。(もともとそんなには起こりませんが)CDの読み込みエラーという見えない敵との戦いは皆無となりますし、モーターが必要ないのでそのアナログ的なノイズが、D/A回りに波及するなどの面でも優位でしょう。上の84万円のCDプレーヤーはD/Aなどの部分は最高でしょうから、同じ筐体でメモリーカード差し込み口がある製品を出して貰えれば、素敵かもしれません。しかし、今回のエイベックスの企画は少し趣旨が違うのかもしれません。今回はケータイがターゲットであるため、1)音源の記録フォーマットが圧縮フォーマット(MP3 ? AAC?)でありケータイの再生能力からビットレートも低い可能性がある、2)そもそも携帯のD/Aおよび本体スピーカー or ヘッドフォンに再生能力を期待できない などの点で、高音質ピュアオーディオ用の配信・販売ターゲットではありません。CDの読み込みにおけるビットエラーを解決するべく販売されたものでは無いようです。しかし、今回の企画がある程度浸透すれば、ピュアオーディオ用のメモリーカードの規格が決まり、販売が始まるかもしれません。仮に始まった場合、普通のSDカードに対して、高音質SDカードという怪しい商品などが出てくるのが、ピュアオーディオの怪しいマーケットです(笑)

またナウさからいっても、これだけブロードバンド全盛の時代で、1曲切り売りが当たり前の時代に、物理的なメディアで配信するというのは、少し時代おくれかもしれません。ネットで非圧縮音源または、Apple Losslessなり、Dolby HDなり可逆の圧縮方式で送れば、ネット配信は簡単だと思います。そういう意味で、今回のエイベックスの企画がもう5年くらい早ければ面白かったかもしれません。

私としては、CDやアナログレコードのジャケットに魅力を感じています。ジャケットにもちゃんとアーチストがついているでしょうし、歌詞カードなど綺麗なものが多くて、素敵な物は部屋のインテリアにもなりますよね。そういう意味でエコではないですが、ジャケット+非圧縮音源のメモリーカード楽曲配信というのは、あっても良いのかなと思っています。実際にネット配信は、パソコンなりで受信するケースが多く、せっかく非圧縮音源データであっても、十分にクオリティが高くアンプまで持って行くのが大変です。PCのD/Aなんぞ全く酷いもので使い物にならないですし、デジタル転送でAVアンプあたりに渡したとしても、PCのファンの音がうるさかったりと悩ましい問題は多いです。流れとしては、ネット配信側にシフトするかと思いますが、この辺、何か良い方法で解決していきたいものです。現状最も現実的なのは、iPhone + iTunes Storeによる非圧縮音源配信をして、iPhone -> 高音質D/Aにデジタル転送というのが一番良いラインだと思います。DenonのSACD / CDプレーヤー+外部ディジタル入力(iPodなどのUSB経由を含む)搭載DCD-1650SEなどは、ピュアオーディオ屋たちが進むべき道なのでしょうね。

話は変わりますが、アメトークが最近やり過ぎ感たっぷりであまり面白くなくなってきました。一方でシルシルミシルはめちゃめちゃ面白いですね。

marantzから素敵な(背の低い)AVアンプが発売:NR1501

マランツ(Marantz)からすごく素敵なAVアンプが発表されました。

nr1501

http://www.marantz.jp/ce/news/press/2009/nr1501.html
http://www.marantz.jp/arch/news/20090715-nr1501.pdf

エコポイントなどで大型テレビなどの購入が進んでいるのではないでしょうか?
その次に興味が沸くのはホームシアター用のマルチチャネルスピーカー環境かなと思います。

その為に必須なのがAVアンプとなるわけですが、今までのAVアンプは、背が高く(最低でも15cm位はあった)、専用のAVラックでも無い限り置く場所に困る方もいらっしゃるのではないかと思います。実際に私もそうで、素敵なAVボードを使っているのですが(自分で言うのもなんですが)そこのAV機器を置く場所の高さ制限が14cm位でBDレコーダーやPS3などは置けるのですが、AVアンプは全く入らず、結局AVラックを購入してしまいました。私はもう必要ありませんが、これからAVアンプをお探しの人はこの製品は良いかもしれません。背を低くできたのは、レガシーポート(アナログ系)を大幅に撤廃したことです。これは、HDMIの台頭でケーブル・配線が1本で済むようになった恩恵ですね。

このAVアンプを回し者の様に紹介しているのは、結構パワーアンプ回りが良さげだからです。上記のプレスリリースにも書いてありますが、アナログ入力のS/N比が105dB確保されているので、これは普通に使う分には十分な性能と言えます。HDMI経由で音声を拾うため、このアナログ入力の数値は意味をなしませんが、この数値は歴史的にAVアンプの性能の1基準として評価しやすい数値であり6万円台のAVアンプとしては十分過ぎるほど及第点です。

・HDMI入力:4系統
・FM/AMラジオチューナー付き(これは宮下的には魅力だと思いますが・・あまりラジオは聞かない人もいるのかな?)
・S/N (line-A) : 105dB
・パワーアンプ:各チャネル50W
・もちろんHD Audioの各規格対応(HDMI経由)
・f-res : 8Hz – 100kHz (+/- 3dB)
・440(W) x 367(D) x 105(H) mm
・実売5万円台(??)

これからAVアンプを気軽に(安価に)導入したい方はオススメの一台と言えます。実はデノンも同じ様な背の低いAVアンプ(DHT-S500HD)というのを発表しましたが、7.1chに対応していないこと、例のS/N比が95dB(まぁ、十分だけど)など、完全に残念なスペックとなっていますので、このNR1501とでは相手になりません。

安価なホームシアターとして、このAVアンプに
・Monitor Audio RS, GSシリーズ
・Focal JM labのChorusシリーズ
・B&Wの805とか、
・または宮下へ自作依頼
この辺あわせてくると一気に良いホームシアター環境になりますね。

高画質・高音質ベルリンフィルハーモニー[Digital Concert Hall]演奏インターネット配信

久しぶりに感銘を受けるインターネットサービスを見つけました。
世界最高と名高いドイツのベルリンフィルハーモニー管弦楽団(Berliner Philharmoniker)の生演奏を、インターネットのライブ配信で見ることができます。(恥ずかしながら最近知りました)。サービス名は、そのまんまですがDigital Concert Hallです。

・映像はHDクオリティで大変美しい。H.264のHD映像です。
音声はPCM (非圧縮)で大変すばらしい。訂正:320kbps AACとのことです。とはいえ十分すばらしい音質です。
・再生はFlash Playerベースなので気軽に見られる(フルスクリーンも可能)
・生演奏は、演奏開始数時間前から会場をみていられて、臨場感もある。
・時差があるので、生で見るのは少々大変ですが、アーカイブで過去の映像も見られる。
スペックに関しては、http://www.berliner-philharmoniker.de/fileadmin/pressematerial/DCH/Flyer_DCH_09-10_ENG.pdf の14ページを参照とのこと。
・もちろん有償ですが、年チケット(シーズンチケット)が89EURで、1年間全演奏+アーカイブが見放題です。

Berliner Philharmoniker Digital Concert Hall

20090410_bp.jpg

ウェブのインターフェイスも極めてかっこよく、素晴らしいネットサービスだと思います。
インターネットを使って映像・音声のリアルタイム配信なんて、もう何年前からのベタなサービスですが、
やはりコンテンツの質、最新のブロードバンドを使った高音質・高画質映像があると違いますね。普通に感動致しました。

家では、ほとんど騒音がしないデスクトップPCがありまして、そのPCはHDMI経由でハイヴィジョンテレビに接続されています。
このDigital Concert Hallにアクセスし、テレビにフルスクリーンで映像を出し、音声は、光ディジタルで、AVアンプに送り、
AVアンプからプリアウト経由でパワーアンプに接続して、音を鳴らしています。もちろん生演奏にはかないませんが、
大変素晴らしい環境で、家に居ながら大満足です。サンプルで少し見られますので、まずは雰囲気を味わってみてください。かなり引き込まれると思います。

手嶌葵の恐ろしく録音クオリティが高いアルバム”The Rose”

ジブリのゲド戦記の主題歌で有名になった手嶌葵が、洋楽の有名な映画曲だけを集めた”The Rose”という素敵なアルバムを発売していました。

手嶌葵”The Rose”
手嶌葵”The Rose ~I Love Cinemas~”  @ Amazon.co.jp

視聴は、iTunes Storeで全曲聴くことができます。
手嶌 葵 - The Rose - I Love Cinemas -  @ iTunes Store (クリックするとiTunesが起動します)

1. The Rose(1979/米 映画「ローズ」より)
2. Moon River(1961/米 映画「ティファニーで朝食を」より)
3. Calling you(1987/西独 映画「バグダッド・カフェ」より)
4. Raindrops Keep Falling On My Head(1969/米 映画「明日に向って撃て!」より)
5. Over the rainbow(1939/米 映画「オズの魔法使」より)
6. Beauty And The Beast(1991/米 映画「美女と野獣」より)
7. What Is A Youth?(1968/英・伊 映画「ロミオとジュリエット」より)
8. Alfie(1966/英 映画「アルフィー」より)
9. The Rose(extra ver.)

一度は耳にしたことがある曲ばかりではないでしょうか?個人的にはThe RoseやOver the rainbowが好きなので最近何度も聞いています。

このアルバムの注目点は曲目ではなく、恐ろしいほど高音質な録音レベルです。元々歌唱力がある手嶌さんの歌声を、素晴らしい録音で記録してあるため、オーディオをそれなりに凝っている方達は是非聞いてもらいたいと思います。目の前で歌っている・演奏している感はばっちりですし、ギターの弦が弾けて振動(音ではなく)しているような所までハッキリ聞こえます。

興味がありましたら私のスピーカーでお聴かせしますので、遊びに来て下さい。大変素晴らしい歌声でびびびびびびと来ます。超お勧めのアルバムです。藤田恵美の”camomile Best Audio “も大変話題になっており、素晴らしいアルバムだと思いますが、個人的にはこの手嶌さんのアルバムの録音クオリティは相当素晴らしいと思っています。

歌唱力に関しては、もう少しお歳を重ねて渋みが加わってくれば、私の大好きなTierney Suttonさんくらいのレベルに到達してくれるのではないかなんて期待しています。日本人でもグラミーのJazz部門に引っかかるくらいの歌唱力のある人が出てきてくれると良いですね!(あくまで個人的な意見です)

ブーニンコンサート@サントリーホール

11月18日(日)サントリーホールで行われたブーニンのピアノコンサートに行ってきました。
考えてみればサントリーホールは改修後初めて訪れました。どこが改修されたかわかりませんが、やはり紀尾井ホールなどに比べれば響きが良いホールであると感じました。

さて曲目。

J.S.バッハ=W.ケンプ:目覚めよと呼ぶ声あり BWV645
ベートーヴェン:ピアノソナタ第8番ハ短調「悲愴」Op.13
シューマン:アラベスク Op.13
ベートーヴェン:ピアノソナタ第17番ニ短調「テンペスト」Op.31
ショパン:舟歌 Op.60
(アンコール)ショパン、マズルカとワルツ(?)かな。

最初は固い演奏でしたが、休憩を挟んだテンペストあたりからとても良い運指になってきました(失礼ですが)。ベートーヴェンのソナタも素敵でしたが、やはりショパンコンクール優勝者だけあって、舟歌とアンコールのショパンの2曲はとても素晴らしかったです。ブーニンを聞いたのはおそらく7,8年ぶりかと思います。前回はあまり気にならなかったのですが、今回ペダリング時に床を蹴る動作が多く、結構耳に付きました。ああいう弾き方と言えばそれきりですが、もう少し抑えても良いのかなと思いました。ピアニッシモにあたりの表現はさすがといった感じです。S席でアリーナ席だったのですが、位置がピアノに対して左側でしたので、音響的には若干不利な場所でした。一方で久しぶりに聞いたスタインウェイはやはり素晴らしい音がしました。音の周波数でいうと、テンペスト3楽章あたり結構40Hz付近の音が出ているように感じました。スピーカーセッティングの参考になりそうです。

さて、2時間の演奏を聴いている時にクラシック音楽についていろいろ考えていました。クラシック音楽は人類にとってのある意味究極のディジタルデータかなと思いました。私などスピーカーを作ったりするのを楽しんでいる人間としては、CDなどのディジタルデータをいかに信号のまま部屋に再現するかを目指してスピーカーを調整しているわけです。今は、マイク技術も録音技術も発展しているため、ピアニストなりアーチストの出した音を保存することができるわけですが、ベートーヴェンを始めクラシックの作曲家たちは、音ではなく楽譜というディジタルフォーマット(音が劣化しないという意味でのディジタルと表現する)で数百年を超えて音を残している訳です。今回のブーニンももちろんべートーヴェンを会ったことはありませんから、ベートーヴェンの曲に込めた思いは、楽譜というデータ以上には存在しないわけです。その解釈の違いとテクニックで現代まで演奏され音になっているわけですから、クラシック音楽はディジタルデータかなと思ったわけです。ベートーヴェンが300年後の年末に毎年第9が世界中で歌われていることを予期したかわかりませんが、今後も残っていくだろう人類のディジタルデータであるクラシック音楽をこれからも楽しんでいこうと思いました。

シンガポールの歌姫 Corrinne May (コリン・メイ)

最近、家で聴くことが多いのは歌唱力のある女性Vocalの曲である。クラシックはちょっと前のエントリーで書いたようにこの数年は随分聴かなくなってしまった。クラシックの曲はほとんどの曲は聴いたし、好きなマエストロほど録音数が少なく、聴く数も有限でとりあえずの目処は付いてしまった。そこで最近はもっぱらJazz Vocalをはじめとした歌唱力があり、録音が良いCDばかり聴いている。

この半年は基本的にSACD(Super Audio CD)のソフトのみ購入してきた。SACDはWikipediaのリンク先などでも紹介されているように、100kHzを超える周波数領域、120dBを理論上超えるダイナミックレンジで録音できるフォーマットである。このSACDを再生するにはSACDプレーヤーが必要なのであるが、所有しているPlayStation3が再生できるため、最近はSACDを中心に購入している。

SACDに記録されている周波数領域は人間が聞こえる可聴領域を裕に超えており本当にここまでのスペックが必要であるか議論が分かれているが、私もCDとの違いを”希”に感じることはある。SACDは、CDとの互換を保つために同じディスクにSACD層とCD層をハイブリッドで構成されていることが多く、SACDとCDとの差を同じデータソースで比較することができる。世の中のブログでSACDの音質は明確に違いがあり圧倒的という記事をよく見かけるが、本音を言って私はそれほど違いを明確に聞き分けることはできないようだ。私が違いを感じるのは、可聴域以外に大幅に伸びた周波数領域よりも、ダイナミックレンジの広さで少し違うかなと思う事がある。歌唱力のあるVocalの延ばす部分などでCDでは破綻気味の部分も、SACDでは持ちこたえるような場合がたまにある。このあたりでSACDはまぁ良いかなという印象である。私がSACDを中心に購入しているのは、そのダイナミックレンジの拡大もそうなのであるが、一番には”SACDで出すアーチストはそれなりに歌唱力(録音)に自信がある”ということである。私の耳はともかく、徹底的に微細な変化を聞き分けられるオーディオマニアに対してSACD録音でヘボイ録音なぞ厳禁である。そういう意味でSACDで収録されたCDは概して良い録音が多い。

ここまで書いて今回のエントリーはSACDではなく、Corrinne Mayのタイトルにしたことを思い出した。女性Jazz Vocalを中心にSACDの録音を探し歩いている時に、シンガポールの歌姫と呼ばれているOlivia Ongという女性Vocalistを知った。ヴォサノヴァを中心に歌っている女性であり、とてもハスキーヴォイスですばらしい歌唱力である。そのOliviaを調べていたところ、多くのコメントで、”Corrinne Mayと同じレーヴェルに所属し・・”という文章を見かけた。Oliviaもすばらしいが同じレーヴェルのCorrinne Mayという女性Vocalistがとても素晴らしいということだった。

SACDの話をこれだけ解説しておきながら、Corrinne MayはSACDでの録音は発表していない。一方でiTunes Storeで公開されているので気軽に試聴することができる。

Corrinne May @ iTunes Store ←iTunesをインストールしている方はクリックすると勝手に立ち上がります。

Fly Awayなどの曲を中心に人気があるようだ。興味があればクリックして聴いてみてください。私もとても歌唱力があり綺麗な歌声であるため、最近良く聴いている。外国人Vocalistを聴くと思うのが、日本人は女性も含めてなんであんなに音程が狭くて低いのかが疑問に思う。圧倒的な歌唱力の差を聞かされると日本人という人種が問題じゃなくて、母音が5つしかない日本語に問題があるのではと勝手に思ってしまう。最近は海外育ちの日本人アーチストが多いので少し調べてみればわかるかもしれないなと思った。ちなみにCorrinne Mayは土曜日に渋谷のタワレコでライヴを行っている。

さて、Corrinne Mayの他には、先ほどのOlivia Ong, Diana Krall, Jennifer Warnes, Eden Atwood, Shirley Horn, Natalie Cole, Tierney Sutton, Ella Fitzgerald, Dianne Reeves, TiffanyなどをSACDで聴いている。同じような歌唱力が高い女性Vocalistをご存じでしたら是非ご紹介ください。

Jean-Yves Thibaudet ピアノ・リサイタル@紀尾井ホール

仕事と仕事の合間に、叔母さんとピアノのコンサートに行ってきた。先日行ったのと同じ、四谷近くにある紀尾井ホール。今回のピアニストは、フランス人のジャン=イヴ・ティボーデ(Jean-Yves Thibaudet)というイケメンの男性ピアニストだった。何度かこのブログでも書いているように最近のピアニストには大変疎く、全く知らないピアニストであった。しかし多くの若い女性がスタンディング・オヴェーションで迎えていたところを見るとおそらく有名なピアニストなのであろうと思う。

曲目は
・ドビュッシー 前奏曲集第2集 Claude Debussy : Preludes Book2
・シューマン アラベスク Robert Schumann : Arabesque
・シューマン 交響的練習曲 Robert Schumann : Symphonic Etude
アンコール
・シューラ・チェルカスキーの若い頃の曲
・ショパン 夜想曲 Op.9-2
・サティ ジムノペディ

という曲目であった。先日の時も思ったが、やはり紀尾井ホールは響きが良くない。私の耳が減衰しているのかもしれないが、どうも生の臨場感が薄い。とりあえずホールの響きはおいておいて、肝心の演奏であるが大きな体からは想像できないほど、繊細な音を表現できるピアニストだと思った。交響的練習曲なんかは、かなり強い音の部分があるが、そのあたりはもちろん力強く、最後のジムノペディなんかは、本当に消えてしまいそうな、それでいて不安定ではない綺麗なピアニッシモなども豊かに表現していた。

会議を途中で抜け出し、2時間だけ聞いてまた戻るというバタバタなコンサートであったが、やはり生のピアノを聞くのはとてもリラックスでき、無理してでも行って良かった。また、最近家のオーディオをいろいろ調整しているが、ライブを聴くと、家のセッティングが過剰になっているのではないかと考えさせられた。もしかしたら響きがイマイチと感じたのも、家の音響を攻めすぎているのかもしれないなと思った。そういう意味でも今夜のコンサートは収穫が多かった。