8月に結婚式に呼ばれているので、茶会などにも使えるように絽の紋付長着を誂えました。
今回も小田織物さん。五泉の平絽七越の白反物から色を小田さんとあーでもない、こーでもないと選択し、染めて仕立ててもらいました。
着物の誂えって出来上がってくるまでがとても愉しみなんですよね。満足の色の染め上がりと抜き紋で良いものがあがってきました。
カテゴリー: 着物・和服
単衣の長着の誂えました。染め色選び用色見本生成システムの開発。
和装の暦の上での`盛夏`の時期(7~8月頃)が終わり、`単衣`の季節(六月頃、九月頃)になります。そういえば今年の五月に六月の茶会に合わせて単衣の長着を誂えました。
六月の茶会ということで、単衣の正絹で紋付の長着です。今回も京都の小田織物さんにお願いしました。京都に遊びにいって、小田織物さんで誂えてくるのは実にオススメです。都内で色無地の正絹を仕立てるよりも、京都までの旅行代を含めてもリーズナブルですし満足度も高いです。
小田織物さんは白生地専門ですので、今回は`丹後ちりめん`の白生地を選び、好みの色に染め(+抜き紋で)、仕立てて頂きました。お願いして、染め上がり、お仕立てなど待っている間がまた愉しく。
*今回選んだ白生地`丹後ちりめん`。白物産地で有名な京都丹後のちりめんです。
基本的にどんな色でも染められますので、今回はどのような色にすべきか悩みました。(小田織物さんに頼めば、近所の知り合いの染め屋さん、そしてお仕立て屋さんに回してくれます)
そこで、あらゆる色のパターンを自動で作成するシステム「色見本システム」をさっと作ってみました。
基本の画像が一枚あればあらゆるカラーパターンを自動生成できます。以下がその出力例。これは紹介用に27パターンしか出していませんが、もっと色を細かく出力設定すれば1331パターンなど生成できます。
多くの知人にも意見を頂き緑系に絞りました。和装は洋服とは違った顔写りもありますし、ディスプレイの上ではありますがこうやって色見本を見られるのは結構便利でした。男性に限らず、女性の色無地を染める際にも有効ですね。ご興味があればご自身の写真を送って頂ければこういった色見本を作成します(笑)。自動生成なので一瞬です。
今回も1枚目にあるように、宮下家の紋`丸に三つ茶の実`を抜き紋でいれました。紋の部分をマスクして色を染めずに紋を入れるのですね。縫い紋とちがって抜き紋にすると換えられないので格が高いとされています。六月末のお茶会で凄く暑かったのですが、六月は茶会は単衣で・・と望みましたが、結構薄物の方も多く、和装の暦と茶会の場というのは私のようなペーペーにはまだまだ加減が難しいです(笑) まあそれが面白いのですが。
最近は結構街中で男性の和装を見かけるようになりました。茶の湯も何となく盛り上がってきている気がしますし、皆様、是非和装を楽しみましょう。小田織物さんは紹介しますので、京都に遊びに行くついでにでも。
スマホ用熱赤外カメラFLIR ONEが届いたのでその雑感と茶の湯の家稽古を撮影テスト。
2015/07/10 15:00追記:以下の記事の動画はFPSが低くカクカクですが、これはやはりiPad mini初代のパワー不足でした。会社のiPhone6 Plusユーザーに端末を借りてテストしたところ相当なめらかでした。
米国の熱赤外カメラで有名なFLIR社が、iOSスマホ、androidスマホ、およびタブレット用の熱赤外カメラモジュールFLIR ONE(第2世代)を発売開始しました。半年前から予約を入れていて、先週海外向け発送が始まり今日届いたので早速テストしました。日本に入ってきているのはまだまだ少ないかな。FLIR ONEはiPhone5/5s専用の第一世代から、今回Lightningコネクタ対応、またAndroid版も発売になってFLIR ONE 第2世代となりました。
公式サイト:FLIR ONE @ FLIR
FLIR ONEアプリはiOS/androidともにアプリストアからダウンロード。あとはスマホ・タブレットに差し込むだけ。セットアップは簡単です。私は、Androidスマホユーザーですが、なぜかiOS版を購入しました(いろいろな事情により(笑))。私が持っている対応iOS端末ですとiPad mini(初代)しかないのでCPUパワーが心許なし。
文章で書くより、まずはファーストインプレッション概説としてYoutubeに動画をアップしました。
リンク:FLIR ONE for iOSを簡単に紹介。 | youtube
この動画は、最初の解説動画中で実際にFLIR ONEで撮影されたもの。
<動画内の解説まとめ>
・セットアップは簡単。アプリ(FLIR ONE)をアプリストアからダウンロードしてFLIR ONEを接続するだけ。
・iOS版の場合、iOS標準のカメラインターフェイスとそっくりで直感で使える。
・VGAの解像度でfpsはやや落ちるカクカク動画や、静止画、タイムラプスなどの撮影ができる。動画は音声も記録される。後日iPhone6で確認したところなめらかでした。やはりiPad miniのパワー不足です。
・熱赤外の見え方には数種類のエフェクトがある(今回はレインボーという種類を選んだ)
・画面の中央部には絶対温度が数値で出る。どれほど正確かは未検証。
・メニュー等に日本語対応。
さて、私がFLIR ONEを半年前から予約していたのは、毎晩帰宅後に家で行っている茶の湯(いわゆる茶道)の家稽古の様子を熱赤外カメラで撮影してみたかったからです。
茶の湯の魅力は語り出したら終わりませんが、私個人としては知人と楽しく美味しい一服の茶を楽しむことからはじまり、やはりお点前は美しくありたいものです。
本業の人工衛星でも大いに利用している重力ですが、茶の湯のお点前においても、重力を綺麗に使うという意味で、熱赤外で火・湯・水の動きが視覚的に見えれば少しでも点前・所作の改善に繋がるのではと考えました。
早速、長着の着流しで撮影してみました。風炉・薄茶・平点前です。
リンク:FLIR ONE for iOS(iPad mini) Test 茶の湯 風炉 薄茶 平点前 No2
* あまりに汚い点前でバッシングを受けそうですが、今回はFLIR ONEの動画撮影テストということで恥を承知で動画を紹介。
iPad miniのパワー不足が問題か、FPSがあまり上がらずカクカクしていて流れるように見えないですね。iPad miniではなく、私の点前がカクカクでダメなのかも(笑)
<まとめ>
・FLIR ONEは実に面白いです。私は茶の湯の稽古用に求めましたが、FLIR ONEの公式サイトにあるように配管チェックなどの非破壊検査や、自転車などのパワートレーニングの様子等使い方はかなりありそうです。
・差し込んで、アプリをダウンロードして起動するだけですぐ使えるので簡単でした。
・多少FPSが低くカクカク動画ですが、もうちょっとCPUパワーのある端末でいずれテストしてみようと思います。後日iPhone6で確認したところなめらかでした。やはりiPad miniのパワー不足です。
今年もサンタクローズから素敵なプレゼントが・・。
朝トレの為に、いつも通り朝5:15に起きると、何やら布団が重い・・・。
(とりあえず朝ランニングしてきて)
小さい袋を空けると、なんと利休型の`露地下駄`が!
茶事の時に、露地を歩く際に使う露地`草履`ではなく、雨の日限定で使う露地`下駄`とはさすがサンタクローズ。チョイスが渋い。
サンタによると、利休時代より伝わるこの露地下駄も最近はほとんど流れておらず(作っておらず)出物(中古)で久しぶりに出たとのこと。これは5月の茶会で雨が降ったら使おうかなと。
なんと、いつかは欲しいと願っていた真塗の`手桶の水差`が。利休の茶の師である武野紹鴎が好んだ水差で、利休もこの真塗(漆)も含め好んで使っていたと伝わるもの。
サンタによると、出物(中古)だけどほとんど使った後がなく良い物であること。
400年以上前とは思えない美しいデザインで、私が茶道具の中でも上位に美しいなぁと思っていたもの。水差(みずさし)とは、お茶を点てると釜のお湯は当然減ってくるものであり、水差にいれた水を定期的に釜に差して湯量を調整するもの。
利休以前は、こういった水差などの茶道具を茶室に事前に置いておき、お点前をしていたのに対して、利休はこれを手で持ち運んでお点前をした(運び手前)という記録が残っています。手で持ち運びやすいデザインですものね。
利休が漆職人の`記三`に手桶を依頼した発注書が残っており、またその記三作、利休所持の手桶の水差が現在表千家に伝わっています。
一昨年の風炉先に続いて、今年も渋いプレゼントを頂きました。
白生地反物から黒染め、紋抜き、仕立てに京都に行ってきました(小田織物さん)
だいぶ時間が経ってしまいましたが、初夏に京都に着物のお仕立て(の注文)に行ってきました。
今回お世話になったのは、白生地(反物)を専門に扱っておられる「きものとおび 織物屋」の小田織物さん。
茶の湯の稽古はもちろん、週末の外出は基本的に着物になりまして、だいぶ着物の失敗も重ね(笑)慣れてきました。週末の外出や飲み会などでは、長着の着流しですが、茶の湯の稽古では、羽織・袴もつけて行っています。うちの流派では、お点前の際には羽織は外して席入りするので、羽織は必須ではないのですが、袷の時期(10月→5月)に、防寒も含め羽織をいつも羽織っていたら、袴を付けているのに羽織がない状態で外をあるくのが何とも気持ち的に心許なくなりました。誰もそんなところ見ていないんですけどね。
そこで、単衣・盛夏の時期の羽織を持っていなかったので、お仕立てを頼もうといろいろ調べておりました。今回も同じように、巾のある(身長があるため)正絹の反物を探して、お仕立てを知人に頼むという流れでも良かったのですが、今回は、白生地の反物から染め、抜き紋、お仕立てに挑戦してみることにしました。
白生地で色々調べると、京都の丹後(丹後ちりめん)、滋賀の長浜(浜ちりめん)、新潟の五泉などが有名であることがわかり、その辺りで検索すると必ずたどり着くのが小田織物さんでした。小田織物さんは、まさに白生地の専門店で、上述の三織り元を含むいろいろな白生地(小千谷とか、結城紬とか)を扱っており、そして、ご近所の京染め屋や仕立て屋との繋がりも強いので、正に私の今回の希望を小田織物さんだけで対応いただけるとのことでした。メールで恥ずかしいような初心者レベルの質問からいろいろ教えて頂き、そのまま注文でも良かったのですが、やはり着物に関しては一度物を見てみたい(白生地はあまり見たこともなかったので)と思い、京都の旅行も兼ねて行ってきました。
*上洛したのは土曜日でしたが、サイトに書いてあった事前に連絡しておけば土曜日も開けて頂けるという言葉に甘えて、土曜日の朝に対応頂きました。
対応してくれたのは同じ歳の小田さん。同世代ですと親近感が沸きますね。メールの返答も丁寧でしたが、実際に白反物の基礎を実際に商品を見せて頂きながら教えてもらいました。やはりこういう物は一度見ておいた方が良いですね。白生地といっても多くの種類があり、その特徴と工夫を知って、毎度の事ながら日本の伝統技術に感心しました。特に女性用のものはとても種類が多く(モチーフも)、それが綺麗に色が染まってと考えると、着物好きでしたらテンション上がることは間違いなしです。
今回は、茶事・茶会(席中でははずしますが)でも使える用に、絽で紋付、そして黒染めにしました。`絽`といっても多くの種類があり、そして黒染めといっても実に種類が多く。白生地の種類と黒染めの種類でまた黒の出方が異なったりと。もう写真では全く表現できる世界ではないので、一言で黒染めとは言う無かれという感じで素晴らしかったです。
写真の様に、候補になる白生地(男性物はそれほど選択肢がないのも事実ですが)を比べて、そして、いろいろな黒染めのサンプルを拝見して染めの種類(業者)を決定しました。
今回は、新潟五泉の白生地の`平絽`の`七越(ななつごし)`。七越というのは、絽の一種なのですが後で写真を持って紹介します。
写真では全く伝わりませんし、この黒の深みは写真で伝わって欲しくないですが、サンプルをいろいろ見て泥による泥黒染めを選びました。他には、一度白生地を黄色に染めてから黒く染めたり、同様に藍色に染めてから黒に染めるなど、手にとって見てみると同じ黒染めといえども表情が違いました。この辺りで、自分の着物を白生地から染めて仕立てることの面白さに気が付きました。今回は黒染めでしたが、京都ですので、まさに何色にも染められますし、絵も描けますし、白生地の種類だけでもテンションあがるのに、組合せは無限と言えますし、まさに一品物で大切にしたくなりますね。
小田さんにいろいろ教えてもらい、宮下家の紋のデータを渡して、羽織の仕立て寸法などを確認し注文しました。今まで仕立て上がりの時間だけが待ちでしたが、今回は染めの時間もあるので、確かに注文してから手に入るまでは時間が掛かりますが、何でもネットで物を見ずに注文してその日に届く時代には、逆に大切な物を思い返してくれますね。大量生産ではなく、自分好みに時間をかけて1工程1工程丁寧に進めてくれる過程は、今の時代こそ大切かなと思います。
誂える(あつらえる)=自分の思い通りに作らせるという言葉が、これからまだ価値が出てくるのではないかなと思います。
<しばし時を経て:羽織が到着>
いつの日も箱から出したりする瞬間ってワクワクしますね。しかも、今回は京都に行って反物・染めをいろいろ選び、家紋はもちろん一品物の私だけの物ですからその感慨も一入です。
黒染め終わった白生地の切れっ端に、今回依頼した泥染め業者のラベルが素敵に貼られていました。この泥染めは登録商標になっているらしく`神光 古代泥黒染め`です。こういうラベルとか個人的には好みです。
宮下家の紋は`丸に三つ茶の実`。茶の湯を嗜むことになって、家の家紋がまさにお茶の実であるのは嬉しく思っています。茶事・茶会では格を大切にしておりますので、紋付を基本としていますが、今回は縫い紋ではなく、抜き紋にしてみました。その名の通り、縫い付けるのではなく、染める際に抜くわけですね。実に素敵です。そして、先述の絽の七越というのがこの写真でよく分かります。絽の緯糸は、必ず奇数となっており七個ずつ飛んでいるのが分かりますね。七本絽とも言うそうです。これは白生地から見ないとなかなか気に掛けない部分でした。そういう意味で勉強になりました。
盛夏の時期の羽織ですが、この透け感が何とも涼しげです。見た目は大切。
今回、初めて白生地から染め、紋入り、仕立てに挑戦し本当に良かったと思っています。小田さんの人柄もありますが、実に懇切丁寧に解説していただきだいぶ理解が進みました。実際、男性の色付きの反物は種類も少なく、シンプルで地味な物ばかりですので、今後の反物探しは、白生地から好きな色に染めてもらおうと思っています。今回は黒染めでしたが、どのような色でも染められるということですので楽しみが増えそうです。今度は染めの方を見学・体験してみようかな。
小田織物さんのサイトに、お誂えの記録と題して、皆様の染めたお着物が掲載されています。今回の単色だけではなくいろいろあるので参考になるかと思います。
今年もサンタクローズから素敵なプレゼントが・・。
いつも通りの5時過ぎに起きようと思ったら何やら布団が重い・・・・・・。
おお、去年に続いて(参考:去年の記事”クリスマスプレゼントと茶湯のお稽古(第七回目)”)、今年もサンタクローズからプレゼントがありました。
しかも今年は二つ!・・とはいえ、何か箱が出物(=中古)の様に痛んでいるぞ・・・・。あれれ。
一つ目の箱には、なんと`円座(えんざ)`が入っていました(笑)。茶事において、寄付に重ねて置いてあり、茶室への席入りまで腰掛けて待っている間に使う円座でした。しかも五座。なんとまぁ。元々は農家が冬期の内職に藁で編んでいた物の様ですが、最近は円座自体求める人が少なくなり、また編める方も少なくなり新品が中々出ないので出物を捜していました(と、サンタが言っていた)。
美しいですね。これは、茶事だけではなく、家の畳の上に座っている時も使えそうです。そういえば、師走のこの時期は`しめ縄`の時期なので、実家では家族が秋に収穫した残りの藁でしめ縄を編んでいるかと思います。この円座も私の親なら編めるかもしれません(たぶん)
さて、二つ目の箱は・・・
なんと長板でした!真塗。どうやら風炉用なので、この時期には少し合わないのですが、畳が京間ですし、大は小を兼ねるから家稽古には良いだろうと思いました(と、サンタが言っていました(笑))
しかも出物とは思えないほど綺麗で、とても良い感じです。ただの板ですが、されど板でして、茶の湯では立派な`棚`の一つです。長板の四つ角に竹で柱を立てて、上にも板が乗ったのが`台子`で、雛人形の前列に並んでいますよね。昔は嫁入り道具に台子の棚に飾られた茶道具を持っていったのでしょうか??台子はかなり茶の湯の稽古のフェーズが進んでいますので、皆さん嫁入り前にそこまで進めたのでしょうか・・・。
さて、せっかく長板を頂いたので、稽古用の量産型`青磁皆具`で飾ってみました。
風炉の長板。とても良い感じ。(鬼面風炉でないのが残念ですが・・・)。今まで長板と同じ大きさの紙を敷いて稽古していたので、これで家稽古も捗りそうです。
炉用の飾り。やはり長板が長すぎて間延びしてしまいますね・・・。(炉用の長板はもっと横に短い様です)
去年の風炉先屏風(写真の後ろに写っている物)に続いて、今年もなかなか渋いクリスマスプレゼントで、家の稽古も楽しくなりそうです。円座も春先の茶事で使ってみようと思います。
さて、昨日はクリスマスイブで、帰宅時に地下鉄駅内のHIROTAでクリスマスバージョンのシュークリームが売っていました(ので、買ってきました)
クリスマスっぽく白い茶碗(白天目の天目台なしで)で。
茶室を借りて初茶事
某茶室を一日借りて初茶事を催しました。茶の湯を初めて今月でちょうど1年。このような未熟な状態で茶事など論外ではございますが、今自分が出来るレベルでやってみるという茶事という趣旨で行いました。客は同世代で茶の湯(流派も違う)を嗜むお友達を呼んで。
この一年、茶の湯の稽古はもちろんですが、全国中の茶の湯に関する場所、寺、塔頭、窯元、各美術館などに足を運んでみると、調べれば調べるほど新しい事柄がでてきてしまい、まさに英英辞典を引いて出てきた単語がまた分からず引き直すみたいな状態です。そのため`ここまで出来たら茶事をやってみよう`と思っているといつまで経ってもできなそうなので、その時点できるレベルでと考えた次第です。
当日は天気もよく秋晴れ。茶事のテーマは月見と初秋に関わるものにしましたので、まさに秋らしい気候で素晴らしい天気でした。茶室を予約し道具組などの準備を始めたのがちょうど二ヶ月前くらい。茶道具なんてほとんど稽古用の物しか持っていないので、素敵な道具組にはなりませんでしたが、それでもテーマに沿って(理由をこじつけ)、道具組した経験はとても勉強になりました。
軸の長さが長すぎて下に付いてしまっていたり(笑)、いろいろな失敗も重ね、全てが勉強になりました。それこそツッコミ所満載だと思いますが、少しずつ精錬してゆきたいと思います。
借りた茶室なので、茶懐石を作ることはかなわず、懐石弁当を出前で取りました。量が多くて失敗(笑)。それだけでは買ってきただけになるため、母親自家製の漬け物(きゃらぶき、ししとう、梅、奈良漬け)を送って貰いました。弁当も素敵ではありましたが、やはり買ってきた物なので何も語れません。一方で実家の漬け物だと、小さい頃から食べて育っているのと、母親が畑から採ってきて毎年漬けているものなので、そのことに関して語ることができますよね。やはりできるだけ自分でつくったものを今後増やして行きたいです。
御菓子は、いつもお世話になっている御菓子処`さゝま`さんの主菓子と干菓子。事前に注文しておいて、当日朝に受け取って茶室に向かいました(茶道具と供に)。
ちなみに柿の方(求肥)が`秋日和`でまさに色が変わりつつある初秋といった趣で当日にぴったりでした。楓の方も色が変わりつつある練切です。
つくばいで清めて席入り。袴の着付け等も何度も練習したので慣れてきました。露地草履ではないのですが・・・。
正式な茶事とはとても言えるレベルではありませんが、今回の経験を通して道具組、各種予約などの準備、当日の道具運び、茶事次第、点前、片付け等何から何まで初めてでとても勉強になりました。先生の茶事・茶会では行けばほとんどが終わっているのですが、やはり早くからご準備されてそういった環境になっているわけで、自分でやってみると勉強になりますし先生の大変さもわかりました。今回の反省点・失敗点も多いので次に同じ事を繰り返さないように洗練させて行きたいです。
今回来て頂いたお友達も皆さん準備・片づけなどにお手伝い頂き、そしてお点前も交代でして頂いたりと実に楽しい時間となりました。薄暗い茶室で、湯気が立った釜、音(釜の音だけではなく、近所の小学校の合唱まで)、紅葉がわずかに始まった日本庭園、そして濃茶を皆で頂くなど、全てが美しい世界で茶の湯の魅力をまた感じる事ができました。
袴の着付け教室(2時間マンツーマン)@人形町`衣装らくや`
袴の着付けが自分で出来ないという恥ずかしい状態でしたので、近所の(日本橋人形町)の`衣装らくや`で2時間マンツーマン着付けレッスンに行ってきました。
らくやさんは、以前日本橋の呉服屋を回ったときに着付けもやっていることを掴んでいました。
参考:石田節子流着付け教室@衣装らくや : 自分で着たい方コース
2時間内でしたら何でも質問できるということで、まずは(ほぼ自己流の)着流しの着付けの確認。客観的に教えて貰うのはやはり良いですね。普段`貝の口`で角帯を結んでいるのですが、袴をつける際には、`一文字`結びの方が良いとのことでそれも教わりました。その後、袴の着付けを教えてもらいました。2時間あるので、何度も練習し、忘れそうな場所は写真を取って家で復習できるようにしました。
(こんな感じで場面場面の写真を残しておきました)
今回は、盛夏の季節も過ぎた麻の長着と袴を持ちこんで受けてきました。麻に袴というのも変わった風合いで良い感じでした。こういう涼しげな着物で(内輪の気楽な)茶会も夏には良いかもしれませんね(かたい着物であることを認知した上で)。早速家に帰って復習。茶の湯の稽古は着流しで毎度通っていますが、今度は袴も着けていこうかなと。別記事にしますが9月末に茶事をおこなうので、今回のレッスンで安心です。
(地元帰省)上田紬 小岩井紬工房の見学と茶の湯稽古
さて、週末日帰りで実家(長野県上田市)に帰省。特別用事はありませんでしたが、正月以来帰っていなかったので、両親はもちろん、兄の甥っ子と、姉の姪っ子に会いに。兄の甥っ子(男の子二人兄弟)と、姉の姪っ子はモーレツに大きくなっていてびっくり。やはり小さい子は半年見ないだけで随分大きくなりますね。かわいかったです。
さて、せっかく地元に戻ったので茶の湯・和物に関わるものがないかいろいろ調べて、回ってきました。
地元上田市で有名な蕎麦屋の一つ`刀屋`で親父とランチに蕎麦を。
(酷い写真ですが)ざるそば普通盛り。味は普通。もちろん東京の蕎麦よりは美味しいですが。こういう蕎麦も好きな人はいると思います。いわゆる田舎蕎麦ですな。個人的には`草笛`の方が美味い気がする。
母校の上田高校前を通過。高校の正門。素敵でしょ?
上田城(上田藩主)の旧門が学校の門なのでこんなに豪華。
さて、帰省前に”上田に茶室ないかな?”と思い、上田城+茶室で検索してみたところ、この”百余亭”という茶室+茶房を発見。上田市内のある企業が企画運営している、立礼式の抹茶を頂ける気楽な感じのカフェ(百余亭)と、ちゃんとした広間・小間・寄り付きなどもある茶室(レンタル可能)な香庵というのが上田城の近くにありました。
参考:百余亭・香庵公式サイト
百余亭の様子。立礼式で御菓子と濃茶(+薄茶で1000円)または薄茶を頂けます@600円。
床・軸などもちゃんとあります。椅子になっているので正座なども必要なく気軽に頂けます。お客は居ませんでした。オススメです。作法なんぞしらなくても全く問題ありません。
薄茶を頂いた後、レンタルできる数寄屋(茶室)の香庵の外観を見学。ちゃんとした茶事を行えます。いずれ茶事をやるようになって、しかも地元上田で行う場合はここをお借りすることになりそうかな。母親が茶懐石と御菓子は手作りしてくれそうだし。一般的な道具一式は無料で借りられるそうです。
さて、親父に回って貰うのはここまで。一度実家に戻り、今度は母親と出かけます。母親とは地元の伝統品`上田紬`を見に出かけました。まず、街中にある呉服屋で上田紬を見ました。なかなか良い感じで色も良し。値段もお手頃なのでいずれ欲しいなぁと思いつつ。
そういえばどこかの着物特集で見かけた上田紬の手織り工房 `小岩井紬工房`が見学可能ということだったので行ってみることにしました。
公式サイト:手織り 上田紬 小岩井紬工房
(以下の工房の写真達はクリックすると拡大。細部が見られます)
小岩井紬工房の入り口。見学は事前に電話をいれた方が良さそうですよ。
土曜日だったので工房は止まっていましたが、見学させていただきました。丁寧に解説もしてもらい。
説明していただいた行程を全て手織りでやっているのは本当に労力がかかる話で、一反つくるのに多大な時間がかかりそうでした。凄いの一言。
さて、工房の見学後、販売している反物を見せて頂きました。男性ものも実に数多く。見せて頂いた一部の反物を写真で紹介。ちなみに先述の呉服屋で見たものよりもあきらかに手触りが違いました。
こんな感じで実に種類も多く素晴らしかったです。紬の袷の着物が欲しいので、今回は買えませんでしたが次回お金を貯めて伺いたいと思います。紬ですので、茶会では(少なくとも亭主では)使えません。それでも最近は茶の湯以外の出歩きでも着物を着て出かける機会が増えましたので、地元`上田紬`の着流しで出かけたいものです。女性用は実に色鮮やかな反物や帯が多かったです。大島紬、結城紬ももちろん素敵ですが、是非上田方面に出かける際には、小岩井紬工房をお訪ねください(大島・結城紬に比べ手織りでリーズナブルな印象でした)。
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さて、上京して茶の湯の稽古。やはり稽古は面白いです。先に進んでいる稽古の先輩(友達)のお点前を見るのも勉強になりますし、先生が実にマニアック(という表現も失礼ですが)なので何でも教えて頂けるので実に勉強になります。Googleで見つかる情報は基本的には表層の表層だけで茶の湯の奥深さの薄皮にも及ばないので、稽古・茶会を通して少しずつ覚えて行きたいと思います。今日から新しい棚もはじまりまた飾り方の違いなど楽しめそうです。
茶の湯の稽古と、袴の仕立て上がりと、盛夏の反物。
今日は茶の湯の稽古。稽古を始めた頃は洋服(+帯だけ巻いて)で稽古に通っていたのも最近は着流しで通うようになり、電車等移動もだいぶ慣れてきました。しかし今日は夏陽気だったので、袷の着物は実に暑く。
来月で茶会デビュー(亭主と板東+雑用)ですが、今日の稽古はその最終確認。お友達が亭主の時に板東をやったり、その逆をやったりととっても楽しく。そして奥深く。毎度の事なら勉強になります。しかし板東をやっていると友達の綺麗なお点前が見えないのが少し残念だったかな。今回の茶会での道具の組合せを先生に見せて頂きましたが、香合などとっても素敵なもので、遊び心もあり興味津々でした。6月らしく、涼しげな道具の組合せになりそうです。
来月の茶会で使う袴のお仕立てが上がってきたので取りに行ってきました。馬乗りです。とっても良い感じ。やっぱり出来合の物が多い時代にこうやって仕立てて貰うというのは愛着がわきますね。大切にしようと。さすがに正式な(最高格)の仙台平は高すぎて手がでませんでしたが、まずはこの袴で。これだと知人の結婚式にも出られますし。
昨日優秀な後輩の結婚式でしたが、残念ながら黒スーツでの参加でした。スーツでの結婚式参加は昨日をもって最後にしたいものです。せっかくの日本に生まれておきながら着物で冠婚葬祭に参加するのはやはりもったいないなと。それにしても年下のお二人の結婚式でしたが、素晴らしすぎておっさん(私)はウルウル来そうでした(笑)とてもしっかりしていて、同じ歳の頃の自分と比べると雲泥の差。こんなに将来が心配”する必要がない”カップルもないですな。末永くお幸せに。
7月になりますと盛夏の着物になるわけで、麻の反物をちょうど探していました。袴をいつもの閉店セールのお店に取りに行ったところ、いままで無かった麻の反物(男性用キングサイズ)が入っていました。閉店じゃないの?という疑問を抱きつつ5本新しく入ったとのこと。というわけで、麻の反物を買ってきました。お仕立ては茶の湯の先生のお知り合いに特別お安く仕立てて頂けるのでとっても安心です。もちろん良い反物は上天井であるのでしょうが、まずはこんなところから。
盛夏の着物も楽しみです。さて、暑い中どれだけ着物で出かけられるか。洋服よりも涼しいのかなど楽しみもあり。
先週後半の家での茶の湯の稽古は、神田神保町の御菓子処”さゝま”さんの主菓子でとっても素敵でした。よって紹介。
抹茶:上林 綾の森
主御菓子:御菓子処 さゝま `玉川(錦玉羹)`
「小豆の漉し餡と白餡と黒胡麻の入った白餡を錦玉羹で固めた物です。美しい流れの玉川を表現しています。」とのこと。田舎で川遊びをしたのを思い出します。いかにも涼しげ。
抹茶:上林 綾の森
主御菓子:御菓子処 さゝま 紫陽花(錦玉)
紫陽花。素敵ですよね。梅雨の時期は憂鬱ですがこういう御菓子を見ると少し気持ちが晴れますね。
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日本政府観光局がとっても素敵な外国人向け`日本`紹介動画を作成しています。もう数年前作成の物ですが、内容的に全く色褪せるものではなく。その為FullHDではなく画質が悪いですが、実に素晴らしかったので紹介。音楽も素晴らしく。
本当にこの国に生まれて良かったと思います。茶の湯を始めて、指先に気を遣うようになり、茶人・日舞の方達の手の動きの美しさにはっとさせられます。自分が同じようにできないから美しいと感じる。これも茶の湯を始めて良かったことの一つです。