Sony α6500 撮影テスト(SEL1018, MC-11 + EFレンズ) : EOS M3との比較も含む

2016/12/07:追記:記事下部に赤字で、RAW現像ソフトにより解像度が低下する事に関して追記しました。

******* 以下、本記事 **********

Sony α6500(ILCE-6500)の撮影テストをパシャパシャ行いました。ウリである4K動画などはまだテストしておらず、あくまで写真(スティル)のみ。
今までメインで使っていたCanon EOS M3との比較も含め、いろいろな被写体・条件下で撮影しました。
Eマウントレンズは、Sony SEL1018 (E 10-18mm F4)しかないので、その他はSigma MC-11のマウントアダプターを介してCanon EFレンズを試しています。

全ての写真はクリックすると元サイズ(JPEG)画像にリンクしています。EXIFも残しておりますので、参考になりましたら。
使用レンズは、主に
・Sony SEL1018
・Canon EF 35mm F1.4L USM(初代)
・Canon EF 50mm F1.4 USM
・Canon EF 85mm F1.8 USM
・Canon EF 100mm F2.8 Macro USM
・Canon EF 70-200mm F2.8L IS USM( II型ではない )
・Canon EF 24-70 F2.8L USM(初代) : 写真を掲載していないがMC-11経由のAFは良好

全てRAW撮影で、現像ソフトはα6500の場合は、Capture One for Sony (v10)、EOS M3の場合は、Canon DPP4。現像処理後、Photoshop CC(2017)に転送し処理しています(主にレベル補正・彩度調整・画像解像度(2048px縮小))

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Sony α6500 + MC-11 + EF70-200mm F2.8L IS USM : F2.8, ISO400, f=200mm

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Sony α6500 + MC-11 + EF70-200mm F2.8L IS USM : F2.8, ISO400, f=200mm

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Sony α6500 + MC-11 + EF70-200mm F2.8L IS USM : F2.8, ISO100, f=200mm

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Sony α6500 + MC-11 + EF85mm F1.8 IS USM : F1.8, ISO100, f=85mm

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Sony α6500 + MC-11 + EF85mm F1.8 IS USM + ND(1/400) : F2.8, ISO100, f=85mm, 30sec

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Sony α6500 + MC-11 + EF70-200mm F2.8L IS USM + ND(1/400) : F5, ISO100, f=200mm, 30sec

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Sony α6500 + MC-11 + EF85mm F1.8 IS USM + ND(1/400) : F5, ISO100, f=85mm, 64sec

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Sony α6500 + MC-11 + EF35mm F1.4L USM : F9, ISO100, f=35mm, 1.3sec

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Sony α6500 + SEL1018 : F5, ISO800, f=10mm, 1/20sec

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Sony α6500 + MC-11 + EF50mm F1.4 USM : F2.2, ISO400, f=50mm, 1/125sec

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Sony α6500 + SEL1018 : F5, ISO500, f=18mm, 1/40sec

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Sony α6500 + MC-11 + EF100mm F2.8 Macro USM w/ スピードライト: F7.1, ISO100, f=100mm(Macro), 1/60sec

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Caonn EOS M3 + EF100 F2.8L Macro USM w/ スピードライト: RAW (DPP4 + DLO) : F7.1, ISO100, f=100mm(Macro), 1/60sec

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Sony α6500 + MC-11 + EF50mm F1.4 USM w/ スピードライト: F5, ISO100, f=50mm, 1/60sec

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Sony α6500 + MC-11 + EF100mm F2.8 Macro USM w/ スピードライト: F6.3, ISO100, f=100mm(Macro), 1.3sec

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Sony α6500 + MC-11 + EF100mm F2.8 Macro USM: F4.5, ISO100, f=100mm(Macro), 1/3sec

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Sony α6500 + MC-11 + EF100mm F2.8 Macro USM: F4.5, ISO100, f=100mm(Macro), 0.63sec

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Sony α6500 + MC-11 + EF100mm F2.8 Macro USM: F8, ISO100, f=100mm(Macro), 4sec

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Sony α6500 + MC-11 + EF85mm F1.8 IS USM : F1.8, ISO100, f=85mm, 1/40sec

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Sony α6500 + MC-11 + EF85mm F1.8 IS USM w/ スピードライト: F6.3, ISO100, f=85mm, 1/60sec

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Sony α6500 + MC-11 + EF50mm F1.4 USM: F5.6, ISO100, f=50mm, 1/2sec

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Sony α6500 + MC-11 + EF50mm F1.4 USM w/ スピードライト: F3.2, ISO100, f=50mm, 1/60sec

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Sony α6500 + SEL1018 : F8, ISO100, 20sec (IDC現像)

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Canon EOS M3 + EF-M 11-22mm : F7.1, ISO100, f=11mm

********* 現時点での感想 *************

1) MC-11を介したEFレンズの合焦速度は良好です。少なくともEOS M3では体験したことない速度で合焦します。α7R時代にマウントアダプターを使ってEFレンズを使っていました(参考 Youtube 動画: https://www.youtube.com/watch?v=WY3hWmIlA3g)があの頃とは別次元の速度です。α7Rの頃は遅くて話しになりませんでしたが、もう十分に実用レベルで(持ってはおりませんが)EOS M5よりも速いと思います。この辺りはSonyのミラーレスにおけるAF技術の底力ですね。一方で、EF70-200mmなど途中でAFが効かなくなる事が2~3回ありました。その場合は、レンズをマウントから外すなりα6500の電源を入れ直すなりで復帰しましたが、そもそもMC-11は、Canon EFレンズは公式にサポートしておりませんので、こういうことがあったことを記載しておきます(あくまで自己責任で)

2) AFの食いつきの速さと、バッファメモリの多量搭載により撮影は極めて快適です。もう指での連写なら全く待つこと無くずっと連写できます。EOS M3などでは1枚1枚がそもそも待たされますし、連写は数枚でメモリカード記録で待たされましたが、こういった面での6500のレスポンスの良さは本当に気持ちが良いですね。バシャバシャ撮れるとはこういうことです。素晴らしい。

3) MC-11経由のEFレンズの画質に関しては、上記の下手くそな写真をご覧になって判断ください。私の中では、EOS M3と遜色なく、画質面では実用レベルだなと考えております。一方で、Canon DPPのDLO(ディジタルレンズオプティマイザ)が掛けられないのは痛手です。EOS MはDLOがあったことで、システム全体のフローを通して高画質をキープしておりました。これが使えないのは残念ですが、無料でつかえるCapture One for Sonyのレンズ補正データは使えます(下の画像を参照)。Canonの主なレンズは殆ど登録されていますので、DLO程効果はありませんが、ヴィネット(周辺減光)補正程度は改善できます。

4) Capture One for Sonyが結構使いやすくて、α6500の後処理フローとしてCapture One -> Photoshop CCの連携でやっていけそうです。DPP4に比べて、Photoshopへの転送が速いので作業が捗ります。(DPP4の転送は遅すぎる)。またfor Sonyというだけあり、SEL1018は自動でレンズを認識してレンズ補正が掛かります。

5) 若洲のゲートブリッジの超広角対決でいろいろな条件で撮影比較しました(α6500 + SEL1018 VS EOS M3 EF-M 11-22mm)。とにかく感じたのは、流石後発レンズだけあり、EF-M 11-22mmの性能は(分かっていたけど)高画質です。EOS Mシリーズ + EF-M 11-22mm + DPP(DLO補正)は小型・軽量・安価・高画質で女性も含め鉄板旅カメラとして良いと再認識しました。本当に良いレンズです。さて、Sony SEL1018は、まだまだ特性を掴めていませんが、若干色収差が多いのとシャープネスに甘さがあります。一方で上で貼ったように2048px程度に縮小すれば問題ないレベルですし、そもそも35mm換算でf=15mm程度の超広角はとても強烈です(EOS Mの場合は11mm側での換算で18mm)。広角側での3mmは実に大きく、パースの効いた写真が撮れそうです。SEL1018では、F5, F5.6位でシャープさのピークを迎えるようで、風景だとF8くらいまで絞りたくなりますが、気をつけたいところです。あと気が付いたところとして、SEL1018の10mm側でマニュアルフォーカスは、拡大しても「あわせられません」でした。ピントの山が掴めず断念しました。
2016/12/07追記:その後の調査で、現時点でCapture One for SonyでRAW現像すると、SEL1018の解像度が極めて甘くなるのがわかりました。別記事を参照ください → captureone_canonlens
参考)Capture One for Sony (v10)のCanonレンズ補正・レンズリスト

小江戸@川越

小江戸@川越。とても良い街でした。
醤油味の焼団子、芋菓子、亀の最中、蔵造りの町並み、とても良かったです。
初めて訪れましたが、実にオススメです。

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払沢の滝@檜原村。

ちょいと檜原村へ。自転車では何度も`通過`していますが、電車とバスで行ったのは初めて。
払沢の滝の写真をパシャパシャ撮ってきました。マイナスイオンとかよく分からない存在は認めておりませんが、そんな気分になるような(笑)気持ち良い空気で癒されました。
全てEOS-M + EF-M 11-22mm / EF24-70 F2.8L + ND(3EV) + 三脚

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ひのはら陶芸館 ギャラリー・喫茶 やまびこでのうどん。最高でした。

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ツーリング、朝模様写真で使っているEOS Mが在庫処分セール中なのでオススメです。

タイトルの通り、この自転車ブログのほとんどの写真を撮っているCanon EOS-Mミラーレスカメラですが、現在在庫処分セールでかなりお安くなっています。まもなくなくなるでしょう。
私のブログレベルの写真の画質でも良いのであれば、小さいしオススメです。

その内容の記事を、本家ブログで紹介していますのでツーリングカメラ等で興味があるかたはどうぞ。
出先でのスマホへの転送方法や、RAW現像フローも紹介しています。

最終売り尽くしCanon EOS-M(ミラーレス)のススメ。ダリア(花)撮影フローの概説。| spacewalker

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白生地反物から黒染め、紋抜き、仕立てに京都に行ってきました(小田織物さん)

だいぶ時間が経ってしまいましたが、初夏に京都に着物のお仕立て(の注文)に行ってきました。
今回お世話になったのは、白生地(反物)を専門に扱っておられる「きものとおび 織物屋」の小田織物さん。

茶の湯の稽古はもちろん、週末の外出は基本的に着物になりまして、だいぶ着物の失敗も重ね(笑)慣れてきました。週末の外出や飲み会などでは、長着の着流しですが、茶の湯の稽古では、羽織・袴もつけて行っています。うちの流派では、お点前の際には羽織は外して席入りするので、羽織は必須ではないのですが、の時期(10月→5月)に、防寒も含め羽織をいつも羽織っていたら、袴を付けているのに羽織がない状態で外をあるくのが何とも気持ち的に心許なくなりました。誰もそんなところ見ていないんですけどね。

そこで、単衣・盛夏の時期の羽織を持っていなかったので、お仕立てを頼もうといろいろ調べておりました。今回も同じように、巾のある(身長があるため)正絹の反物を探して、お仕立てを知人に頼むという流れでも良かったのですが、今回は、白生地の反物から染め、抜き紋、お仕立てに挑戦してみることにしました。

白生地で色々調べると、京都の丹後(丹後ちりめん)滋賀の長浜(浜ちりめん)、新潟の五泉などが有名であることがわかり、その辺りで検索すると必ずたどり着くのが小田織物さんでした。小田織物さんは、まさに白生地の専門店で、上述の三織り元を含むいろいろな白生地(小千谷とか、結城紬とか)を扱っており、そして、ご近所の京染め屋や仕立て屋との繋がりも強いので、正に私の今回の希望を小田織物さんだけで対応いただけるとのことでした。メールで恥ずかしいような初心者レベルの質問からいろいろ教えて頂き、そのまま注文でも良かったのですが、やはり着物に関しては一度物を見てみたい(白生地はあまり見たこともなかったので)と思い、京都の旅行も兼ねて行ってきました。

*上洛したのは土曜日でしたが、サイトに書いてあった事前に連絡しておけば土曜日も開けて頂けるという言葉に甘えて、土曜日の朝に対応頂きました。

対応してくれたのは同じ歳の小田さん。同世代ですと親近感が沸きますね。メールの返答も丁寧でしたが、実際に白反物の基礎を実際に商品を見せて頂きながら教えてもらいました。やはりこういう物は一度見ておいた方が良いですね。白生地といっても多くの種類があり、その特徴と工夫を知って、毎度の事ながら日本の伝統技術に感心しました。特に女性用のものはとても種類が多く(モチーフも)、それが綺麗に色が染まってと考えると、着物好きでしたらテンション上がることは間違いなしです。

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今回は、茶事・茶会(席中でははずしますが)でも使える用に、で紋付、そして黒染めにしました。``といっても多くの種類があり、そして黒染めといっても実に種類が多く。白生地の種類と黒染めの種類でまた黒の出方が異なったりと。もう写真では全く表現できる世界ではないので、一言で黒染めとは言う無かれという感じで素晴らしかったです。

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写真の様に、候補になる白生地(男性物はそれほど選択肢がないのも事実ですが)を比べて、そして、いろいろな黒染めのサンプルを拝見して染めの種類(業者)を決定しました。
今回は、新潟五泉の白生地の`平絽`の`七越(ななつごし)`。七越というのは、絽の一種なのですが後で写真を持って紹介します。

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写真では全く伝わりませんし、この黒の深みは写真で伝わって欲しくないですが、サンプルをいろいろ見て泥による泥黒染めを選びました。他には、一度白生地を黄色に染めてから黒く染めたり、同様に藍色に染めてから黒に染めるなど、手にとって見てみると同じ黒染めといえども表情が違いました。この辺りで、自分の着物を白生地から染めて仕立てることの面白さに気が付きました。今回は黒染めでしたが、京都ですので、まさに何色にも染められますし、絵も描けますし、白生地の種類だけでもテンションあがるのに、組合せは無限と言えますし、まさに一品物で大切にしたくなりますね。

小田さんにいろいろ教えてもらい、宮下家の紋のデータを渡して、羽織の仕立て寸法などを確認し注文しました。今まで仕立て上がりの時間だけが待ちでしたが、今回は染めの時間もあるので、確かに注文してから手に入るまでは時間が掛かりますが、何でもネットで物を見ずに注文してその日に届く時代には、逆に大切な物を思い返してくれますね。大量生産ではなく、自分好みに時間をかけて1工程1工程丁寧に進めてくれる過程は、今の時代こそ大切かなと思います。
誂える(あつらえる)=自分の思い通りに作らせるという言葉が、これからまだ価値が出てくるのではないかなと思います。

<しばし時を経て:羽織が到着>

いつの日も箱から出したりする瞬間ってワクワクしますね。しかも、今回は京都に行って反物・染めをいろいろ選び、家紋はもちろん一品物の私だけの物ですからその感慨も一入です。

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黒染め終わった白生地の切れっ端に、今回依頼した泥染め業者のラベルが素敵に貼られていました。この泥染めは登録商標になっているらしく`神光 古代泥黒染め`です。こういうラベルとか個人的には好みです。

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宮下家の紋は`丸に三つ茶の実`。茶の湯を嗜むことになって、家の家紋がまさにお茶の実であるのは嬉しく思っています。茶事・茶会では格を大切にしておりますので、紋付を基本としていますが、今回は縫い紋ではなく、抜き紋にしてみました。その名の通り、縫い付けるのではなく、染める際に抜くわけですね。実に素敵です。そして、先述の絽の七越というのがこの写真でよく分かります。絽の緯糸は、必ず奇数となっており七個ずつ飛んでいるのが分かりますね。七本絽とも言うそうです。これは白生地から見ないとなかなか気に掛けない部分でした。そういう意味で勉強になりました。

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盛夏の時期の羽織ですが、この透け感が何とも涼しげです。見た目は大切。

今回、初めて白生地から染め、紋入り、仕立てに挑戦し本当に良かったと思っています。小田さんの人柄もありますが、実に懇切丁寧に解説していただきだいぶ理解が進みました。実際、男性の色付きの反物は種類も少なく、シンプルで地味な物ばかりですので、今後の反物探しは、白生地から好きな色に染めてもらおうと思っています。今回は黒染めでしたが、どのような色でも染められるということですので楽しみが増えそうです。今度は染めの方を見学・体験してみようかな。

小田織物さんのサイトに、お誂えの記録と題して、皆様の染めたお着物が掲載されています。今回の単色だけではなくいろいろあるので参考になるかと思います。

日本三景`松島`へ。

突然思い立って日本三景`松島`(宮城県松島町)へ一泊二日で行ってきました。
今更日本三景である松島の概説をしても仕方がないので、説明は`松島 – Wikipedia`に譲り、この記事では大量の写真を交えて淡々と紹介。そして感じた事を最後にまとめます。

東京駅→東北新幹線→仙台駅→仙石線→松島海岸駅:時間にして二時間半強の距離で、家が東京駅近くというのもありますが、関東からはさっと行ける距離でした。(昼間に行こうと思って気軽に行ける程度)

*写真はほぼCanon EOS-M + EF-M 11-22mm。クリックすると拡大。それにしてもこのカメラは小さくてよく写りますね。旅行カメラとして最適ですね。

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日本三景と定義されたのは結構古く、約350年前の江戸時代前半に書き記されたのが最初とのこと。松島といえば伊達政宗をはじめとする伊達家というイメージがありますが、百人一首で殷富門院大輔(1130~1200頃)が松島について歌っていたりと昔から日本人に好まれていた場所のようです。
ちなみに、宮島(厳島)は行ったことがありますが、天橋立には行ったことがないので、近々日本三景を制覇するためにも行こうかと。

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何せ松島に行こうと思いついたのが土曜日の昼過ぎなので、松島到着時にはもう日が傾きかけていました。伊達家だけでなく、松尾芭蕉も奥の細道で松島を通っていますが、今調べてみると松島では句を残さなかったとのこと。きっと何も感じなかったのでしょう(何となくわかる気もしますが)。

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町の主要なエリアは想像以上に小さく。十五分もあれば端から端まで歩けます。
殻焼牡蠣、かまぼこなどそこら中で売っているので食べながら歩きます。

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さて、松島といえば、海にポコポコ浮かぶ松が生えた小島の海というイメージがありました。しかしコンパクトな町には伊達家がいろいろ整えた国宝の寺院などがあります。その一つ瑞巌寺(国宝)(ずいがんじ)も海に近く気軽に歩いて行けます。総門を越えて本堂に向かうこの参道がとても綺麗です。

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振り返るとこんな感じ。国宝の本堂は改修中でした。もう一つの国宝:庫裡(くり)に向かいます。庫裡とは寺院の僧侶が移住する場所(または台所)。瑞巌寺は臨済宗なので、もしかしたら・・・

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やはり茶道具がありました。臨済宗といっても大徳寺派ではないので、見慣れた千家に由来するような茶道具とは少し違いますね。
炉も裏千家が使うような大炉のような大きさで切ってありました。中の人に質問すると、大晦日に住職と(おそらく近所の要人を呼んで)お茶を飲むようです。
いわゆる侘び茶とは違う茶をどのように飲んでいるか興味があります。

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松島の自然といえば、この写真で説明ができます。最初に紹介した松島のWikipediaの説明によると、

`松島は、仙台平野を南北に分ける松島丘陵の東端が海にまで達し、それが沈水して出来たリアス式海岸がさらに進んだ沈降地形で、溺れ谷に海水が入り込み山頂が島として残った多島海である。全体として松島湾(広義)を形成し、湾内の水深は10メートル以内である。これは、この一帯が過去から大きな地震のたびに地盤が少しずつ沈下してできた地形であることを物語っている。この地域の大部分の地層は第三紀層の凝灰岩、砂岩、礫岩など侵食に非常に脆い岩質で出来ており、特に波に洗われる部分は容易に侵食される。そのため多くの小島は上部に松などが植生し、海面に近い基部は白から灰白色の岩肌を見せている。さらに、海水面近くが波に洗われて鋭角に抉られており、ややキノコに似た形になっているものもある。`

この説明の通り、松島の景観は、リアス式がさらに沈降し、その残った先っぽが小島としてたくさん現れて形成されているとのこと。つまり絶えず変化(崩壊)を続けており、伊達政宗などが見ていた松島と今の姿はもちろん違っているわけですね。東日本大震災の際にも津波は押し寄せましたが、たくさん小島がそのパワーをどんどん減衰させ町の被害はそれほど大きくなかったとのこと。逆にいえば定期的に起こる津波などで小島はどんどん削られているわけですね。
松島というだけありどの島にも松が生えていますが、立派な`楓`も多く生えており、紅葉の時期なんて素敵かなと思いました。もちろんこの時期の青楓も綺麗です。

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とても良い天気で気持ち良く。

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さて、当日に予約したホテル(民宿?)は、名前が自信たっぷりの`絶景の館`
写真にあるようにちょっとした高台の上に建っており、さらに矢印の指してある屋上に出られるので松島湾を望むことができます。
外観はやや古めでしたが、1人でさっと行くには十分なホテルと思われます。仲居さんなども親切でした。

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その屋上から松島湾を望む。
橋が架かっている島は、`福浦島`。橋を渡って島を一周することができます。この橋は昼間だけ有料(100円だったかな?)で、夜・朝は開放されています。ホテル目の前なので何度もこの記事でこの橋は出てきます。

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ホテルに荷物を置いて、カメラだけもって出かけます。快晴の青空に月が出てきました。

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橋(一回目)。日が沈みはじめていました。月も綺麗で。

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福浦島に渡り、島の中を散歩。空気がとても綺麗です。電灯も無いので日が落ちる前に一回りしないといけません。
一部砂浜海岸があるところに下りることができました。

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沈みはじめ、夕焼けが始まっています。月も明るくなってきました。

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福浦島を一回り(普通に歩くと1時間くらい)してきたらすっかり日は沈んでいました。
橋(二回目)。
さて、雪月花を日本三景に例えることがあるそうです。その場合、松島は`月`になるそうで、月の名所として有名な様です。

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さて夕飯。とても豪華。殆どが地元で採れるものとのこと。

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例の宿泊者に開放されている屋上で写真を撮ろうとしたら風が強すぎてまともに撮れず。

******* 次の日 *******

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日の出の時間と方向を調べてそれより早く起床。屋上に上ってみるとまもなく太陽が上がりそうな様相。
朝も淡い光と空気感で海がとても綺麗でした。NDフィルターをなぜ持ってこなかったか激しく後悔。

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湾の方も明るくなりはじめ。

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まもなく太陽が上がってきそうだったのでホテルを出て橋に向かいます。

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橋(三回目):朝焼けが始まり綺麗でした。

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二日目も雲一つ無い快晴でした。

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さて、九時から一時間ごとに出発する松島湾内島巡り遊覧船乗り場に向かいます。
写真の`赤い線(仁王丸コース)`を回る五〇分コース。値段の部分を見れば繰り返し増額しているのが予想されます(笑)

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第三仁王丸。

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本当に快晴で青空も海も真っ青で綺麗でした。数多くの小島の間を抜けて行きます。小島には全て名前が付いているそうです。

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快晴で気持ち良く。

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糞害により餌付け禁止となりましたが、カモメが餌を求めてやってきます。本当に良い天気。

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なぜ人間は飛べないんだろう?と疑問に思うほど、羽ばたかなくても船のスピードにすっと付いてきます。
始祖鳥などの大きな鳥がまだ死滅していなければ人間も乗って飛べたかもしれませんね。(なんて思いつつ)

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牡蠣の養殖とのことです。震災時に被害が出たようですが、今はすっかり元通りの様ですね。

遊覧船は天気が良ければオススメです。気持ち良かったです。

** 下船 **

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さて、松島の海(景観)以外で行きたかったのは、観瀾亭。この建物は秀吉の伏見城の建物を政宗が拝領し移築したもの。
観光ガイド等には茶室と紹介されていることもありますが、茶室ではありませんね。

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中で抹茶(薄茶)を頂けます。

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ずんだ餅と薄茶と注文しようとしたら、+100円でレディースセットでずんだ餅を含め三種御菓子が付きますよというお誘いに負け、レディースセット(700円)に。
伊達家は、石州流が茶頭として入っていたのでこの地域は、石州流が多いそうです。この写真の薄茶は、石州流での点て方なのですか?と質問したところ少し答えを濁していたので、本来の石州流の点て方ではないのかもしれません。そういえば石州流のお点前はまだ見たことがないなと。結構なお服加減でした。

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海を見ながら頂きました。

*** まとめ ***

松島は、東京から二時間半で来られるとても素敵な場所でした。
明確な「これ」といったものがないので、これから世界(自然)遺産になることは無いでしょう。そもそもそんな必要も無いでしょう。
とはいえ、1000年以上前から日本人が愛し続けている理由は、やはり浸食が作りあげた変化し続けているこの景観であり、空気の綺麗さと`松`をシンボルとしたこの何とも言えない静かな雰囲気が良いのでしょうね。
次はココ、その次はココみたいなせかせか見て回るような所ではなく、(町もコンパクトに収まっていますし)、さっと一泊二日くらいでゆったりと海を見ながら散歩するような場所でした。
私の様にどうせ家で仕事をするなら松島でという無計画な旅行でも良いですし、飲み会・女子会(?)などを都内で行うなら、さっと松島に移動して美味い海の幸と海を見ながらの方が素敵な時間の過ごし方だと思います。(飲み会は松島海岸駅集合でみたいな)
日本は素敵な場所がたくさんありますね。海外も安価に行ける時代になりましたが、やはり日本で、そしてそれほど有名ではない所にもどんどん足を運んで美しい日本の美を発見して行きたいと思います。