印刷博物館

以前より行きたかった印刷博物館@凸版印刷(株)に。

活版印刷体験があり、自ら活字(鉛製)を拾って印刷の原理・手法が学べます。今回は名前を拾って付箋に印刷しました。膨大な活字の棚から集めてくる作業を、最盛期は3秒に1個のペースで拾ったとのことです。集めるのも大変なので、印刷後は棚に戻すことなく`使い捨て`とのこと(溶解して再製作)でした。活字は鉛製でとても柔らかく、「銀河鉄道の夜:二、活版所」でジョバンニがピンセットで拾うシーンがありますが、あれは誤りとのことでした(指で丁寧に拾うもの)

1445年頃にグーテンベルクが活版印刷を発明し、人類の知識は膨大に増え、新しい学問が次々に生まれました。本業に関わるケプラーガリレイティコブラーエらの書籍(レプリカ)も展示されており大変興味深い展示物でした。

500年間基本原理も変わらず使われてきた活版印刷技術は、遂にこの50年のディジタル技術で完全になくなりました。しかしその技術は、紙への印刷だけではなく、タブレットへ表示、プリント基板、カメラ(写真)技術など多くへ応用されましたし、そもそも印刷という大量の同一内容の配布により社会をまとめる力があったと展示されていました。その最たる例が、聖書による宗教改革であり、日本においても家康公の印刷技術の奨励により各藩で書を印刷紙(木版)し、世の平安と学問を進めたとのことです。

印刷技術など、記憶と記録に関わる内容は実に興味のある分野でして、四時間くらい展示を見ておりましたが、大変面白い博物館ですので、興味のあるかたはどうぞ。活版印刷は日程・時間があるので、事前にウェブで確認ください。

公式サイト:http://www.printing-museum.org/

Sony α6500 朝焼け4K動画テスト

Sony α6500 (a6500 : ILCE-6500)を導入してから約3週間経ちました。私の場合はやはり静止画がメインなので、RAW現像フローの確立に未だ四苦八苦しており、Canon DPPの様に上手くコントロールできていませんが、大方自己流のフローは出来てきました。
α6500に移行した理由の一つとして、4K動画を撮ってみたかったというのがありますので、静止画テストを兼ねてたまに動画撮影もしています。動画はズブの素人で全く分かりません。とりあえず4K XAVC 100Mbpsの最高ビットレートで保存しYoutubeに4K解像度でアップしてみるところから始めました。

Adobe Creative Cloudはフォトプランに入っているためPhotoshop, Bridge, Lightroomは最新版を持っているのですが、動画編集のAfter Effects, Premiere Proは昔購入したCS5しか手元にありません。4Kコンテンツを古いAfter Effectsで扱うのはプロファイル的に上手く動かず、とりあえずPremiere Pro CS5だけで何とか扱っています。

冬期になり関東平野の晴天率が上がってきました。朝トレ時期の朝焼けは連日綺麗でトレーニングも気持ちが良いです。冬至の日に浅草周辺からスカイツリーをバックに、そして昨日は荒川CR(河口付近)より朝焼けを撮影してきました。


https://www.youtube.com/watch?v=GDAyP_0e9zc
朝焼け4K動画テスト

– Sony a6500 (4K : 24fps/30fps : 100Mbps) + SEL1018 (E10-18mm F4 OSS) + CC-M30 : 三脚固定
– Premiere Pro CS5で動画結合および音声割り付け

マシンパワーは要りそうですがS-Log記録もできるとのことなので少し勉強してみたいと思います。本業で衛星画像を散々1bit単位で処理・解析しているので、動画のslogなりLUTなりのダイナミックレンジをできるだけ使おうとする工夫は調べていて興味深いです。

さて、静止画も数枚載せておきます。朝焼けの強烈なグラデーションを破綻することなく、そして低ノイズで現像することが難しく苦戦しています。RAW現像ソフトも固まっておらずSony IDC, Photoshop(Lightroom)のCamera RAW, Capture Oneを行ったり来たりしていますが、多少UI/UXに難があっても出してくる絵はやはり純正IDCが良い感じです。私の現像フローが未熟なのかもしれませんが、朝焼けの様な強い逆光+グラデーションの被写体におけるISO100の画質(特に色ノイズ)がどうもイマイチで、古いCanonユーザーから見るとEOSは良く写ったなぁと思います。本音を言うと3年前に一時導入したSony α7Rを手放したのは、ISO100の画質に不満があったからでした。フィルム時代からの感覚が抜けていない古い人間なので、ISO800以上とかの高感度の改善とか全く必要はなく、ISO100~ISO400だけを完璧に出し切ったカメラを作って貰いたいと常に思います。この辺りはCanon/Nikonのカメラはきっちりまとまってくるんですよね。Sonyと比較すると、やはりCanonのDPPが安定して安心して使えたのが大きかった気がします。RAW + JPEGで撮影し、後でRAWをDPPで現像すると同時撮影のJPEGを完全に(それ以上に)再現できる安心感がありました。Sony IDCもさすがの純正で一番良い絵を出しますが、今のところRAW + JPEG同時撮影のJPEGをRAW + Sony IDCで再現ができず困っています。知人に言わせるとFuji Xシリーズもカメラ内JPEGが良いとのこと。メーカーの考え方もあるのかもしれませんが、私としては、ゆっくり抹茶を飲みながら、PCでRAWを高精度・高再現度で現像できるっていうのは必須だと思うので、この辺りはCanon DPP + DLOの安定感は抜群だと思います。とはいえ、私の現像テクニックが未熟であることが問題だと思うので、Sonyの現像フローを早く確立させたいと思います。

上記はRAW現像に限った話ですが、それ以外のα6500の3週間使った感想は概ね良好です。ボディ・レンズも許容範囲内の軽さで、MC-11経由のAFは快適だし、パシャパシャ撮れるし、4K動画は綺麗に撮れるし、EOS M5を見送ってα6500に移行したのは大正解でした。

Sony α6500 撮影テスト(SEL1018, MC-11 + EFレンズ) : EOS M3との比較も含む

2016/12/07:追記:記事下部に赤字で、RAW現像ソフトにより解像度が低下する事に関して追記しました。

******* 以下、本記事 **********

Sony α6500(ILCE-6500)の撮影テストをパシャパシャ行いました。ウリである4K動画などはまだテストしておらず、あくまで写真(スティル)のみ。
今までメインで使っていたCanon EOS M3との比較も含め、いろいろな被写体・条件下で撮影しました。
Eマウントレンズは、Sony SEL1018 (E 10-18mm F4)しかないので、その他はSigma MC-11のマウントアダプターを介してCanon EFレンズを試しています。

全ての写真はクリックすると元サイズ(JPEG)画像にリンクしています。EXIFも残しておりますので、参考になりましたら。
使用レンズは、主に
・Sony SEL1018
・Canon EF 35mm F1.4L USM(初代)
・Canon EF 50mm F1.4 USM
・Canon EF 85mm F1.8 USM
・Canon EF 100mm F2.8 Macro USM
・Canon EF 70-200mm F2.8L IS USM( II型ではない )
・Canon EF 24-70 F2.8L USM(初代) : 写真を掲載していないがMC-11経由のAFは良好

全てRAW撮影で、現像ソフトはα6500の場合は、Capture One for Sony (v10)、EOS M3の場合は、Canon DPP4。現像処理後、Photoshop CC(2017)に転送し処理しています(主にレベル補正・彩度調整・画像解像度(2048px縮小))

20161203_dsc00541_2048
Sony α6500 + MC-11 + EF70-200mm F2.8L IS USM : F2.8, ISO400, f=200mm

20161203_dsc00333_2048
Sony α6500 + MC-11 + EF70-200mm F2.8L IS USM : F2.8, ISO400, f=200mm

20161203_dsc00689_2048
Sony α6500 + MC-11 + EF70-200mm F2.8L IS USM : F2.8, ISO100, f=200mm

20161203_dsc00703_2048
Sony α6500 + MC-11 + EF85mm F1.8 IS USM : F1.8, ISO100, f=85mm

20161203_dsc00751_2048
Sony α6500 + MC-11 + EF85mm F1.8 IS USM + ND(1/400) : F2.8, ISO100, f=85mm, 30sec

20161203_dsc00759_2048
Sony α6500 + MC-11 + EF70-200mm F2.8L IS USM + ND(1/400) : F5, ISO100, f=200mm, 30sec

20161203_dsc00758_2048
Sony α6500 + MC-11 + EF85mm F1.8 IS USM + ND(1/400) : F5, ISO100, f=85mm, 64sec

20161203_dsc00775_2048
Sony α6500 + MC-11 + EF35mm F1.4L USM : F9, ISO100, f=35mm, 1.3sec

20161204_dsc01231_2048
Sony α6500 + SEL1018 : F5, ISO800, f=10mm, 1/20sec

20161204_dsc01292_2048
Sony α6500 + MC-11 + EF50mm F1.4 USM : F2.2, ISO400, f=50mm, 1/125sec

20161204_dsc01235_2048
Sony α6500 + SEL1018 : F5, ISO500, f=18mm, 1/40sec

20161204_dsc01326_2048
Sony α6500 + MC-11 + EF100mm F2.8 Macro USM w/ スピードライト: F7.1, ISO100, f=100mm(Macro), 1/60sec

20161204_img_0232_eosm3_2048
Caonn EOS M3 + EF100 F2.8L Macro USM w/ スピードライト: RAW (DPP4 + DLO) : F7.1, ISO100, f=100mm(Macro), 1/60sec

20161204_dsc01340_2048
Sony α6500 + MC-11 + EF50mm F1.4 USM w/ スピードライト: F5, ISO100, f=50mm, 1/60sec

20161204_dsc01347_2048
Sony α6500 + MC-11 + EF100mm F2.8 Macro USM w/ スピードライト: F6.3, ISO100, f=100mm(Macro), 1.3sec

20161204_dsc01357_2048
Sony α6500 + MC-11 + EF100mm F2.8 Macro USM: F4.5, ISO100, f=100mm(Macro), 1/3sec

20161204_dsc01365_2048
Sony α6500 + MC-11 + EF100mm F2.8 Macro USM: F4.5, ISO100, f=100mm(Macro), 0.63sec

20161204_dsc01374_2048
Sony α6500 + MC-11 + EF100mm F2.8 Macro USM: F8, ISO100, f=100mm(Macro), 4sec

20161204_dsc01394_2048
Sony α6500 + MC-11 + EF85mm F1.8 IS USM : F1.8, ISO100, f=85mm, 1/40sec

20161204_dsc01412_2048
Sony α6500 + MC-11 + EF85mm F1.8 IS USM w/ スピードライト: F6.3, ISO100, f=85mm, 1/60sec

20161204_dsc01421_2048
Sony α6500 + MC-11 + EF50mm F1.4 USM: F5.6, ISO100, f=50mm, 1/2sec

20161204_dsc00186_2048
Sony α6500 + MC-11 + EF50mm F1.4 USM w/ スピードライト: F3.2, ISO100, f=50mm, 1/60sec

20161207_dsc01594_idc_2048
Sony α6500 + SEL1018 : F8, ISO100, 20sec (IDC現像)

20161204_img_0168_2048
Canon EOS M3 + EF-M 11-22mm : F7.1, ISO100, f=11mm

********* 現時点での感想 *************

1) MC-11を介したEFレンズの合焦速度は良好です。少なくともEOS M3では体験したことない速度で合焦します。α7R時代にマウントアダプターを使ってEFレンズを使っていました(参考 Youtube 動画: https://www.youtube.com/watch?v=WY3hWmIlA3g)があの頃とは別次元の速度です。α7Rの頃は遅くて話しになりませんでしたが、もう十分に実用レベルで(持ってはおりませんが)EOS M5よりも速いと思います。この辺りはSonyのミラーレスにおけるAF技術の底力ですね。一方で、EF70-200mmなど途中でAFが効かなくなる事が2~3回ありました。その場合は、レンズをマウントから外すなりα6500の電源を入れ直すなりで復帰しましたが、そもそもMC-11は、Canon EFレンズは公式にサポートしておりませんので、こういうことがあったことを記載しておきます(あくまで自己責任で)

2) AFの食いつきの速さと、バッファメモリの多量搭載により撮影は極めて快適です。もう指での連写なら全く待つこと無くずっと連写できます。EOS M3などでは1枚1枚がそもそも待たされますし、連写は数枚でメモリカード記録で待たされましたが、こういった面での6500のレスポンスの良さは本当に気持ちが良いですね。バシャバシャ撮れるとはこういうことです。素晴らしい。

3) MC-11経由のEFレンズの画質に関しては、上記の下手くそな写真をご覧になって判断ください。私の中では、EOS M3と遜色なく、画質面では実用レベルだなと考えております。一方で、Canon DPPのDLO(ディジタルレンズオプティマイザ)が掛けられないのは痛手です。EOS MはDLOがあったことで、システム全体のフローを通して高画質をキープしておりました。これが使えないのは残念ですが、無料でつかえるCapture One for Sonyのレンズ補正データは使えます(下の画像を参照)。Canonの主なレンズは殆ど登録されていますので、DLO程効果はありませんが、ヴィネット(周辺減光)補正程度は改善できます。

4) Capture One for Sonyが結構使いやすくて、α6500の後処理フローとしてCapture One -> Photoshop CCの連携でやっていけそうです。DPP4に比べて、Photoshopへの転送が速いので作業が捗ります。(DPP4の転送は遅すぎる)。またfor Sonyというだけあり、SEL1018は自動でレンズを認識してレンズ補正が掛かります。

5) 若洲のゲートブリッジの超広角対決でいろいろな条件で撮影比較しました(α6500 + SEL1018 VS EOS M3 EF-M 11-22mm)。とにかく感じたのは、流石後発レンズだけあり、EF-M 11-22mmの性能は(分かっていたけど)高画質です。EOS Mシリーズ + EF-M 11-22mm + DPP(DLO補正)は小型・軽量・安価・高画質で女性も含め鉄板旅カメラとして良いと再認識しました。本当に良いレンズです。さて、Sony SEL1018は、まだまだ特性を掴めていませんが、若干色収差が多いのとシャープネスに甘さがあります。一方で上で貼ったように2048px程度に縮小すれば問題ないレベルですし、そもそも35mm換算でf=15mm程度の超広角はとても強烈です(EOS Mの場合は11mm側での換算で18mm)。広角側での3mmは実に大きく、パースの効いた写真が撮れそうです。SEL1018では、F5, F5.6位でシャープさのピークを迎えるようで、風景だとF8くらいまで絞りたくなりますが、気をつけたいところです。あと気が付いたところとして、SEL1018の10mm側でマニュアルフォーカスは、拡大しても「あわせられません」でした。ピントの山が掴めず断念しました。
2016/12/07追記:その後の調査で、現時点でCapture One for SonyでRAW現像すると、SEL1018の解像度が極めて甘くなるのがわかりました。別記事を参照ください → captureone_canonlens
参考)Capture One for Sony (v10)のCanonレンズ補正・レンズリスト

久しぶりの新カメラSony α6500

久しぶりの新カメラ。Sony α6500(ILCE-6500)。

20161202_img_0022_2048
Sony α6500 + Sigma MC-11 + Canon EF35mm F1.4L USM

カメラが変わると写真がうまくなるわけではないのですが、新カメラはやはり気持ちよいものですね。

Canon EOS M5は見送りました。理由はいろいろありますが、今更向上しないと思われる私の写真技術を考えるにM3→M5では生み出される写真に変化があるとは思えなかったからです。

悩んだ結果α6500にしました。Fujifilm X-T2と最後まで悩みましたが、上記の写真の通りSigma MC-11経由でキヤノンのレンズ群が爆速でAFが合焦することを考えると少ない出費で移行ができるかなと。
私の様に自転車ツーリングもし、車を持っていないユーザーである限り、カメラシステムの軽さはそのまま力です。機動力がないとカメラを取り出さなくなりいずれスマホに駆逐されると思っています。最近山などにおじさま・おばさまが一眼レフ+三脚担いで上っている姿などをよく見ますが、あれはどう見てもミスリードです。重たいカメラはそれだけで機会損失と考えています。APS-Cならイメージサークルが小さく、レンズが小さくなり、システム質量が少なくなり、三脚も小型で良くなります。カメラだけでなくトータルでの軽量化は必須であると考えています。

また私の撮影技術レベルを考えるに、フルサイズでないと撮れない場面が限定的で、レンズ群を含めてシステムの軽量化を重視しました(基本ISO400以下しか使わないので)。そういう意味でEOS M3で一通り良かったのですが、α6500のAFの速度、サイレントシャッター、4K動画等の機能は、M3(またはM5)では撮れない世界が広がる気がしました。

α7R以来約3年ぶりのソニーカメラに復帰ですが、今度こそ(?)撮影フローを確立し良い画を出したいと思います。

20160121_wakasu4_2048
「超広角」が好きだ。ということで超広角がメインなので、超広角レンズを取り付けたときのシステムの大きさを重視しました。
上の朝焼け写真はEF-M 11-22mmですがとても良いレンズです。EOS M3 + EF-M 11-22mmが最もコンパクトな旅カメラだと今でも思います。

ultrawidesmallcamera

ultrawidesmallcamera2

近赤外撮影(皇居東御所・若洲海浜公園)

先日の投稿`20161112_img_7447_2048

20161112_img_7441_2048

20161112_img_7371a_2048

20161112_img_7322_2048

20161112_img_7348_2048

Canon EOS M (IRカットフィルター除去改造)+ EF-M 11-22mm + Kenko PRO1D R72 (77mm) (720nmカット波長IR透過フィルター) + 三脚 : RAW現像(DPP + DLO + Photoshop)

* 参考

20161112_img_7454_2048
Canon EOS M (IRカットフィルター除去改造)+ EF-M 11-22mm : つまり全波長撮影

ASUS Zenfone3 RAW(DNG)撮影・現像カメラテスト。カラーチャートによる独自DNGプロファイルの作成。

前回の記事(20161023_adobephotoshoplr_android
Android App : `Adobe Photoshop Lightroom Android v.2.1.2`

・RAW(DNG)保存可能
・White Balance(WB)変更可能
・ISO変更可能(ISO 50 ~)
・シャッター速度変更可能(しかし、0.5秒より長いシャッター速度は設定できず←悔しい)
・絞り調整:できません。そもそも可変絞りがZenfone3カメラについていません。
・セルフタイマー機能が可能なので、以下からの撮影は全てタイマーを使ってシャッターボタンを押した時のブレを軽減しています。

◆x-rite ColorChecker Color Rendition Chart (いわゆる24色カラーチャート)撮影
ザ・定番のカラーチャートx-rite製を用いてRAW(DNG)撮影を行い、独自のDNG Profileを作成します。作成には、Adobe公式のDNG Profile Editorを用います。

20161023_asuszenfone3_ze520kl_colorcalib1_2048
このように角の4点をドラッグして、色を取り込みます。

20161023_asuszenfone3_ze520kl_colorcalib2_2048
自動で読み込んで変換カラープロファイルを作成した様子です。ザ・定番のx-riteチャートですと、角の4色を設定するだけで、全色自動で読み込んでプロファイルを作ってくれます。

*留意1 ここで本来なら環境光として5000Kの高演色蛍光灯などを用いるべきですが、その機材が用意できず撮影しているので詰めが甘い状態です。
*留意2 x-riteのカラーチャートですが、8年位前に購入したものであり、色が変化している可能性があります。

これで作ったProfileをCameraRawのプロファイルフォルダにエクスポートします。Windowsである場合、
例:C:\Users\YOUR_USER_NAME\AppData\Roaming\Adobe\CameraRaw\CameraProfiles このようなフォルダになります。
ここにプロファイルファイル(拡張子.dcp)を置いて、Photoshop, Lighroom (Windowsアプリの方です)を再起動します。
品質を保証しませんが、私の作成したプロファイルを使いたい方はどうぞ。(コメント欄に一言是非)

Asus_Z017DA_Zenfone3_ZE520KL.dcp
DCP Copyright(C) spacewalker.jp

◆作成したDNGプロファイルを使ってCameraRAWで現像を行うテスト。プロファイルの違いによる色味の違いの確認

20161023_asusz017da_zenfone3_ze520kl_cameraraw_compare_default
Zenfone3のRAW(DNG)デフォルトプロファイル

20161023_asusz017da_zenfone3_ze520kl_cameraraw_compare_profileapplied
今回作成した独自DNGプロファイルを適用した状態

如何でしょうか?少しプロファイルを適用した画像の方が色鮮やかに見えますね。技術的には色補正がそれなりに正確になっているはずです。
しかし、Zenfone3でJPEG画像で保存した写真と比べて、どうも階調的にカチっとしておらず、色褪せて、白っぽく見えます。

◆Zenfone3カメラ出力のJPEG画像と、上記までのプロファイルを適用して現像したRAW画像のヒストグラムを比較し、レベル補正で調整する。

Zenfone3のASUS公式カメラアプリでJPEG保存すると、先述の通りASUS公式のカラー調整(見栄えの良いような誇張も含む)が適用されてJPEGに保存されます。
このJPEG画像と、上記までに行ったRAW(DNG)現像で開いた画像のヒストグラムを見比べて、ASUSがどんなカラー調整を行っているかざっと予測して、その補正を真似てみます。

20161023_asusz017da_zenfone3_ze520kl_histogram
左側:RAW(DNG)撮影+独自カラープロファイル適用済みの画像とヒストグラム
右側:Zenfone3 Asus公式アプリJPEG保存の画像とヒストグラム

この写真だけでなく、いろいろな被写体に対してJPEGとDNGを比較した結果、DNGの方が上下に階調の余裕があるケースが多いことがわかりました。カメラモジュールから生値として出てくる画像に対して、JPEGは上下余裕の階調分をカットし(いわゆる累積個数による暗部・明部のカットですね)、コントラストを上げてパッと見の見栄えを良くしている印象です。その辺りの傾向を掴みDNGで開いた画像をレベル補正で上下切り詰め、中間調を変更するとかですかね。(実にテキトーです)

20161023_asusz017da_zenfone3_ze520kl_cameraraw_dng_jpen_profile_levelcc1_2048
RAW(DNG)撮影+独自DNGプロファイル適用済みの画像にレベル補正でダイナミックレンジ一杯になるように暗部を詰めて、中間調を調整した画像(もういじりすぎ)

以上の様な感じで、とりあえずRAW撮影+DNGカラープロファイル適応+レベル調整のフローが出来ました。

◆Canon EOS M3とZenfone3の撮影比較テスト

20161023_canoneos_m3_ef35mm_f1_4l_no1_2048
Canon EOS-M3 (APS-C) + EF35mm F1.4L USM : ISO100, RAW, DPP+DLO, f=35mm, F=4

20161023_asuszenfone3_ze520kl_hasselblad_officialapp_no1_2048
ASUS Zenfone3 公式カメラアプリ JPEG撮影。ISO50, SS=0.5秒

20161023_asuszenfone3_ze520kl_hasselblad_dng2jpeg_no1_2048
(今回作成したフロー) ASUS Zenfone3 + Adobe Photoshop Lightroom(Android)アプリRAW(DNG)撮影 + 独自カラープロファイル適用(PC Windows Adobe Camera RAW) + PC Windows Photoshop レベル補正 : ISO50, SS=0.5秒

*クリックすると拡大

◆まとめ
1) カラーチャートを使って独自のDNGカラープロファイルを作成し、適応した上でレベル補正などを行えば、Zenfone3のRAW撮影はそれなりに使えることが分かりました。
2) 最後の比較画像で、ASUS公式カメラアプリのJPEGと、本記事でのRAW現像フローJPEGを比較すると、後者の方がやや画質が痛んでいない印象です(背景の風炉先など後者の方がノイズが柔らかい)。また、前者(ASUS公式アプリJPEG)は、手前のカメラの`Hasselblad`ロゴの上下が青く偽色が発生していますが、後者では発生していません。
3) Zenfone3の公式カメラアプリのAWB(Auto White Balance)はやや甘く、頼りない印象があります。その点、RAWでの現像フローに目処が経っているため、RAWで撮っておいて後でPCで追い込むということが出来るかと思います。
4) Zenfone3の公式カメラアプリは、動きも快適でシャッター速度も30秒まで調整できるなど割と良く出来ています。それを考えると、撮影時にWBと露出補正をちゃんとすればJPEG撮影でも大丈夫だと思います(この記事の意味がなくなりますが・・)
5) Androidアプリ版のAdobe Photoshop Lightroom(Android)のアプリでも簡易的な現像処理は行えますが、上述の通り、カラーDNGプロファイルが無いため、JPEGの様な色に追い込む事が難しいと思われます。
6) 上記比較画像では、ISO50でいわゆるZenfone3の持っている最高性能で撮影しています。とはいえ、EOS M3のAPS-Cのイメージャーとの比較では明確に違いますので、やはりミラーレスカメラなどの立場はまだまだありますね。
7) こんなに苦労してイチイチRAW撮影をZenfone3でするよりも、iPhone7, P9, Google Pixel(たぶん)など、RAW撮影を公式にサポートしているスマホを買う方が賢明かもしれません(笑)
8) Androidアプリ版のAdobe Photoshop LightroomをRAW撮影すると、動きがやや重く、AFでの合焦も遅いので気持ち良くは正直撮影出来ません。(ASUS公式カメラアプリは快適)。またシャッター速度もRAW時は、0.5秒以上伸ばせないなど、夜景時には結構痛い状況です。

Asus Zenfone 3 (ZE520KL)カメラテスト (比較Canon EOS M3, Sony Xperia Z1), RAW撮影も

* 2016/10/23別記事投稿:20161019_asuszenfone3_ze520kl_no2_169_2048
Zenfone3(ZE520KL) 標準カメラアプリ(JPEG)

参考:Zenfone3元データ(JPEG)

20161019_canoneos_m3_no2_2048
Canon EOS M5 + EF-M 11-22

20161019_sonyxperiaz1_dsc_1223_2048
Sony Xperia Z1

**

20161019_p_20161019_064553_vhdr_on_2048
Zenfone3(ZE520KL) 標準カメラアプリ(JPEG)

20161019_eosm3_img_2887_2048
Canon EOS M5 + EF-M 11-22

20161019_xperiaz1_dsc_1200_2048
Sony Xperia Z1

**

20161019_p_20161019_065608_vhdr_on_2048
Zenfone3(ZE520KL) 標準カメラアプリ(JPEG)

20161019_eosm3_img_2901_2048
Canon EOS M5 + EF-M 11-22

20161019_xperiaz1_dsc_1213_2048

**

p_20161019_061246_vhdr_on_2048
Zenfone3(ZE520KL) 標準カメラアプリ(JPEG)

p_20161019_064051_vhdr_on_2048
Zenfone3(ZE520KL) 標準カメラアプリ(JPEG)

p_20161019_072951_vhdr_on_2048
Zenfone3(ZE520KL) 標準カメラアプリ(JPEG)

◆ 夜景

20161019_dsc_0022_2048
Zenfone3(ZE520KL) : Camera FV-5

20161019_dsc_0047_2048
Zenfone3(ZE520KL) : Camera FV-5

20161019_eosm3_img_2939_2048
Canon EOS M5 + EF-M 11-22

p_20161019_190218_2048
Zenfone3(ZE520KL) : 標準カメラアプリ(JPEG)

p_20161019_190218_hdr_2048
参考:HDR (Photomatix Pro)

◆まとめ

・ちゃんとした比較ができるほど、ホワイトバランスもそろっておらず、イマイチな画像となってしまいました。

・Xperia Z1よりは大幅に良くなっていました。スマホカメラは小型化を実現しないといけないため、どうしても画素ピッチが小さく(S/N比が悪く)、如何にノイズを叩くか(電子回路+ソフトウェア)が勝負です。現状スマホ用のイメージセンサーはSonyのモジュール一強時代であり、要するにSonyの技術の向上がそのままこの3年のスマホ写真の差に出ているかと思います。小さいカメラでがんばっていますね。

・Zenfone3のオートホワイトバランス(AWB)はだいぶ弱く、時間があれば撮影前にしっかりと合わせたいところです。公式カメラアプリは、JPEG保存しかできないのでこのあたりは悩ましいところです。

・ASUS公式カメラアプリは、JPEG保存しかできないことを除けば、なかなか良くできていると思います。シャッター速度も1/50000~32秒まで選択できるのは大変評価できます。夜景等に優位ですね。

・FV-5(有償版)などのアプリを使用すればPNG保存、RAW保存(DNG形式)ができることがわかりました。このRAW撮影(DNG形式)に関しては別記事にまとめました。
参考:

Sony Xperia Z1 バッテリー交換

もう長い事使っているXperia Z1ですが、3時間しかバッテリーが持たないので交換しました。
Amazonで売っている交換バッテリーですが、やはりソニー純正ではないですね。(自己責任です)
もうZ5まで行っている時代にZ1の純正バッテリーなんてありませんかね。発売からまだ3年経っていないのでサイクルが早くメーカーさんは大変です。
私の方は、構造設計で学ぶことは多かったです。

20160716_xperia2_2048

20160716_xperia1_2048

20160716_xperia3_2048

Canon EOS-M3による高画質撮影およびDPP4によるRAW現像フローの動画解説

このブログで紹介している最近の写真はほぼCanonのミラーレス一眼カメラのEOS-M3, EOS-M(初代)です。
小さいカメラでとても良く写るため私もお気に入りですが、AF(オートフォーカス)の遅いのが玉にキズ。
しかし私のように風景などを中心に使うのであれば、とても良いカメラだと思っています。旅先カメラ、ツーリングカメラには、超広角レンズのEF-M 11-22mmと組み合わせてベストなカメラだと思っています。

今回は、以前ブログでも紹介したEOS MによるRAW現像処理の解説を更新し、EOS M3 + EF-M 18-55mm(標準ズームレンズ)によるダリアの撮影および、DPP4(Digital Photo Professional4)によるRAW現像のフローを動画で紹介します。DPP4はCanonから無料でダウンロードできます。EOS M3ユーザーで、いまいち高画質に撮影ができない、オート(プログラムオートP)で撮影ばかりしている人に参考になればと考えています。

◆被写体(ダリア)とカメラのセッティング
20160131_cameraset1_2048

今回は、白壁の前にダリアを置いて、それに正対するようにEOS-M3 + EF-M 18-55mm + スピードライト(580EX)を配置しました。

◆EOS-M3 + 三脚を用いた高画質撮影に関する動画


https://www.youtube.com/watch?v=W7tKu-DaPTo

<撮影動画のポイントまとめ:高画質で撮影するためには>
(A.1) 手ぶれを起こさないことが重要。今回は三脚なので手ぶれの心配はなし。しっかりと固定する。
(A.2) 被写体がぶれないことが重要。室内なので動くことはないですが、エアコンの風なども気を付ける。特にお子様などが被写体だと動いてしまって大変ですね。
(A.3) ISO感度をできるだけ下げる。下げるほど高画質。今回は三脚を使って手ぶれが起きないのでISO100に。
(A.4) 三脚を使う場合は、手ぶれ補正機能をOFF。留意として、撮影後はまたONに戻すのを忘れない
(A.5) 撮影モードをAv(絞り優先AE)にダイヤルで切り替え、絞り(F値)を調整する。絞り(F値)によって、被写界深度(ボケ具合)とレンズの抜け(MTF)が変化する。レンズの開放F値から少し絞るのが良し。今回はF7.1で撮影。
>> 参考:各レンズがどのF値にて最高画質が出るかは、DxO Markなどのサイトで計測されているのを参考にする。今回のEF-M 18-55mm のDxO Markの結果なども参考に。
(A.6) RAWで撮影し、パソコンを使って更に追い込む(主にホワイトバランスと露出補正とレンズ補正)
(A.7) シャッターボタンを押すときにカメラがぶれるので、セルフタイマーを使ってそのぶれを防止する。
(A.8) 必須ではないが、スピードライト(いわゆるフラッシュ)を、白壁などにバウンス(反射)させて撮影すると影などを飛ばせる。

◆上記で撮影したRAWファイルをCanon純正現像ソフトウェアDPP4にて現像しJPEGファイルを作成する。一部Photoshop(必須ではない)


https://www.youtube.com/watch?v=dHdJSyxbZ70

<RAW現像動画のポイントまとめ:高画質でJPEG化するには>
(B.1) まずDLO(Digital Lens Optimizer)にて、Canon純正のレンズ補正をかける(収差・回折・周辺減光等の改善)。高画質化を目指せる。
(B.2) ホワイトバランスを、自分で色温度で調整するか、白い物が映り込んでいるならそこをクリックしてホワイトバランスの白原点とする。
(B.3) 露出補正(明るさ調整)を行う。あくまで微調整なので撮影時にちゃんと露出補正(+/-EV)を掛けておくのが大前提。
(B.4) ピクチャースタイルは好み選択。
(B.5) 色調整等はいわゆる画像処理なので、やりすぎると自然の感じから逸脱するのでここを使用するかは個人の好み
(B.6) Photoshopに転送すれば、いわゆる(B.5)の画像処理の延長(Photo Re-touch)になるが、いろいろ表現手法を加えられる。自然の彩度やレベル補正など。
(B.7) SNSなどにアップする際には2016年1月現在は、横2048pxに縮小するのが良い。Photoshopの場合は縮小後、アンシャープマスクを加えると少し画質がキリっとする。
(B.8) JPEGに保存

◆上記の動画で実際に撮影・RAW現像・JPEG化した写真の紹介

20160130_dha1_2048_ph
Canon EOS-M3 + EF-M 18-55mm F3.5-5.6 IS STM + スピードライト580EX(点灯) + 三脚撮影
RAW, ISO100, F7.1, DPP4 + DLO, Photoshop CC
*クリックすると拡大

20160130_dha2_no_speed_light_2048_ph
Canon EOS-M3 + EF-M 18-55mm F3.5-5.6 IS STM + スピードライト点灯なし + 三脚撮影
RAW, ISO100, F7.1, DPP4 + DLO, Photoshop CC
*クリックすると拡大

背景を黒にして撮影してみました。締まりますね。
20160131_dahlia1_2048
Canon EOS-M3 + EF100mm F2.8 Macro USM + スピードライト580EX(点灯) + 三脚撮影
RAW, ISO100, F4, DPP4 + DLO, Photoshop CC
*クリックすると拡大

<まとめ>
 こんな感じで、EOS-M3と標準ズームレンズ(EF-M 18-55mm)の性能を出し尽くす高画質撮影手法およびRAW現像手法を紹介しました。もちろんいろいろアプローチはあるので、あくまで一例ということで。いろいろ試していただきたい思います。質問等あればお気軽にどうぞ。
最近はiPhone6をはじめかなりスマホでも良く撮れるようになりました。ミラーレスなり一眼レフなり敢えて重たい・大きなカメラを使うのであれば相当画質を追い込まないとスマホにやられてしまいますね(^^;)