(祝) WBC日本2連覇と雑感

WBCで日本が2連覇を達成しましたね。私は仕事中だったのでリアルタイムでは見られませんでしたが、ドキドキして結果を期待しておりました。帰ってから映像を見ましたが、本当にすばらしい活躍で、心底感動いたしました。私は、ナショナリズムをぶつけるなら、戦争ではなく、スポーツでと考えていますので、野球にしろ、サッカーにしろ、オリンピックにしろ日本代表はあらゆるスポーツでモーレツに応援しています。そういう意味でも今回の優勝は大変嬉しく、こんな末端のブログではありますが、選手たちに賛辞を贈りたいと思います。

ぶっちゃけ、今回のWBCは、前回の北京オリンピックの結果も含め、決勝ラウンドにも進めないだろうと思っていました。ちょうど野村監督と同じような印象を持っていました。WBC前にさんざんメディアで放送されていた各国のチーム(特に、キューブ、プエルトリコ、ドミニカなど)の怪力っぷり、体のでかさなどを見て、こりゃだめだろうと思っていたわけです。しかし結果的には日本が優勝しました。この結果などを踏まえて私が感じた今回のWBCに関する雑感を書いておきたいと思います。

まず、今日の日経(朝刊)の1面は、小沢一郎の政治献金の記事でした。朝ズバで、野球のイチローと小沢一郎で両方イチロウというような話題をしていましたが、はっきりいって日経の一面がWBC優勝の記事じゃなかったことが非常に残念でした。日経は東スポとは違うぜ、経済新聞だぜとでも言いたかったのでしょうか。日本の経済を考える新聞ですよね。野党代表の政治献金のネガティブな記事と、WBC優勝はどちらが”経済的”なのでしょうか?WBCの記事としても、ただ優勝だと述べなくても、その経済効果なり、これだけ不景気でテレビ離れ、熱狂離れしている時代に、多くの人が応援していることを”経済的”に書けば良いと思うのです。もちろん賛否両論あるとは思いますが、今日の一面にWBCの記事を大きく取り上げられなかった日経のナンセンスっぷりにビビりました。逆に優勝の記事の陰で、政治献金問題を静かに通すのが問題と考えたのでしょうが・・。

次に日本の”コンパクト野球”という言葉に関してです。実況がよく”日本のコンパクト野球が世界に通用する”みたいな話をしていました。今回世界一になったわけですが、日本チームはほとんどホームランを打っていません。4番に稲葉を置くあたりを見ても、とにかく繋いで1点1点ジワジワ野球がキーワードでした。野球をエンターテイメントと見た場合、日本の野球は見ていて面白くないと思います。決勝が日本・韓国のアジア対戦でしたから、(もともと人気がない)アメリカ、キューバあたりはおそらく決勝なんてまったく注目されていなかったでしょう。全力のストレートで勝負し、フル・スイングでホームランをかっ飛ばすキューバなどのチームからすれば日本の小憎らしいコンパクト野球は、おそらく”みみっちく”見えるのではないでしょうか。
私は、コンパクト野球には基本的に反対で、それこそキューバみたいな野球の方が見ていて楽しいのですが、今回の1点の攻防の場面が多かったWBC全体を通して、この野球は本当に日本らしいと思いました。フェラーリやポルシェのスピード(見た目)重視に対して、日本の低燃費車文化。平らなヨーロッパの大地を力任せで走る世界最高速重視のTGVと、起伏、カーブの多い中で紙コップのコーヒーをこぼさないで走れる新幹線。体格の小さい日本人が、体の大きな怪力外国人に野球というルール内で勝つ方法として、みみっちくても”コンパクト野球”というアプローチは素晴らしいと思いました。

このコンパクト野球ですが、ホームランを狙わずとにかく塁に出て、バントで繋いでゆく野球というもの”だけではない”というのが今回WBCを通して気づいたことです。日本選手は、圧倒的に”基礎技術”が安定していました。日本のプロ野球は歴史が長く、その世界に憧れリトルリーグ、部活、高校野球と巨大なヒエラルキー構造が歴史を持って構築されています。その中で土壌として身についている一つ一つの基礎技術は本当に安定していて、その安定感が今回の結果を生んでいると思いました。やはり、キューバやアメリカ、韓国も含め大事な場面でエラーが多く、そのエラー後に精神的ダメージで更にミスを誘発する機会がありました。このエラーの少なさは、このコンパクト野球という大量得点を生まないアプローチの地を固めているものだと思います。日本のサッカー代表を見ていて、気になるのはこの点です。ヨーロッパや南米サッカーに比べて日本代表のプレーはトラップ・パス・シュートなどの基礎技術が不安定な気がします。枠に飛ばない、トラップが足元に確実に落ちないなど、そのあたりの基礎技術が日本サッカーにはなく、世界トップで争えない壁である気がしました。

10回表のイチローは、やはり賛辞をおくらざるを得ません。不調とマスコミに連日叩かれていましたが、あの場面で打席に回ってくるタイミングと、そこで結果を残せるイチローは、実力+スター性がありますね。失礼にもあの場面を仮に自分が立っていたらと想像するだけでも緊張しますし楽しそうだなと感じました。

今回のWBCの日本の優勝を通して、日本の文化や、経済・技術に関しても日本の立ち位置などをいろいろ考えさせられました。日本は、体が小さくても(資源がなくても)、やるべきアプローチがあるなという感想を改めて感じました。

(祝) WBC日本2連覇と雑感」への2件のフィードバック

  1. 私も今回のWBCで1次予選は突破出来ても 2次のキュウバー戦はとても無理だと
    思ってました。 ましてアメリカにも勝てるとは夢のようです。
    おっしゃるとおり 日本の野球は他の優勝を争ったキューバ、アメリカ、韓国に比べると
    本当にスケールが小さいです。
    ホームランも2~3本だったかな。  でも日本らしさを出して優勝できたのだから堂々と大意張りで日本野球を世界に誇りたいと思います。

    私は昨日の優勝戦だけは 仕事をホッタラカシにして全部見ました。
    本当に中途で見るのを止めるわけにはいかなくなってしまったので!!!

    今日の新聞にはWBC優勝の経済効果が500億円で株価も久しぶりに8500円台
    まで戻したと有りまして。

    小沢一郎の渋面は気分が悪いが イチローの笑顔が一面の新聞が最高です。

  2. ukule-Hさん

    本当に素晴らしかったですね。私もどんな野球であれ世界一に野球という共通ルールで勝ったわけですから、胸を張って世界一と言えると思います。

    日経以外のまともな新聞はWBCが一面ですよね。経済効果500億ですか?お金の額もそうですけど、この熱狂っぷりでごちそう様という感じです(笑)

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