久々に北野武監督の”Kids Return”を見ました。

北野武監督の映画”Kids Return”をおそらく10年ぶり位に見ました。

私は北野監督の映画ではこの映画がぶっちぎりで好きです。
見たことが無い方にはネタバレになるので言えませんが、最後のセリフで全てひっくり返される映画です。

10年ぶりに見るともちろん映像もアナログですし、金子賢や安藤政信(新人)が若く歴史を感じますが、やはり良い映画でした。

Kids Returnに関しては何人かの知人と過去に話したことがありますが、完全に賛否両論でした。
私の様に間違いなく北野映画ではNo.1という言う人から、何が良いか全くわからないという意見まで180度違った感想を受けるようです。
Yahoo映画のKids Returnのレビューを見ても、平均点で4.4点(満点が5点)ですから、かなり高得点です。
逆に割とマニアックな映画に属するため、おそらく好きな人だけ書き込んでいるのでしょうから、自ずと点が高くなるのかなと思います。
その中でもやはり全く意味がわからないというレビューを書いている人がいるので、万人受けはしない映画なのでしょう。

映画のストーリーとしては、完全に暗い映画です。楽しく見られるものではありません。主人公の二人(金子賢と安藤政信)を始め、少年達の夢がことごとく粉砕していきます。その悲壮感が映画としては続いていくので、ここだけ見れば最悪の映画という評価になるのかもしれませんね。

私は洋画よりも圧倒的に邦画好きです。ハリウッドの火薬とCG使いまくりのドンパチ映画なんぞ全く見たくもありません。英語が苦手なのもありますが、行間が読める母国語の映画は、やっぱり良いです。日本の映画は駄作も多いですし、最近は美人ヒロインが不治の病で死んでいくお涙ちょうだい映画が多くて萎えますが、このKids Returnなり、黒沢映画なり、西川美和監督なり、素敵な邦画はたくさんあります。邦画の直接的には表現せずに、何とも言えず考えさせられる感じが好きでして、その感じを最初に受けたのがKids Returnだったのではないかなって思っています。Kids Returnの最後の言葉や、例えば黒沢監督の”八月のラプソディー”のおばあちゃんが走るシーンの”感じ”を、洋画で味わったことはありません。セリフを超えて、その間から感じられるような”感じ”がとても好きです。

暴力的なシーンもありますので、強くはオススメできませんが、あらためて良い映画だなぁと思いました。

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