アンパンマンは教育的アニメなのでしょうか?

この三連休は実家に帰ってきています。朝5:30にアンパンマンがやっていたので、久しぶりに(むしろ初めて)真剣に見てみました。従兄弟の子育て話や、知人の子供事情から、今でも子供たちに大人気のアニメということで、今の感性でもう一度見てみようと思ったからでした。

 今回見た話のあらすじは、以下の様な流れでした。

1)特別なステッキを振りかざすことで、そこに迷路を作れるキャラAが登場
2)キャラAが友達の為に迷路を作り、迷路で遊んでいる。
3)バイキンマン+どきんちゃんが登場し、その迷路を作るステッキを奪う
4)そのステッキを使ってキャラAおよび友達を巨大迷路に閉じ込める。
5)アンパンマンが助けにくる。
6)ドキンちゃんのUFOには、顔に水を掛けるホースとマントを切る巨大はさみがついており、アンパンマンの顔をふやけさせて、マントを切り、地上に落ちたところを巨大迷路に閉じ込める
7)ジャムおじさん+バタコさん登場。新しい顔にチェンジし、アンパンチでバイキンマン+どきんちゃんを地面にたたきつける。
8)ステッキを使って今までで最も巨大な迷路に閉じ込めて、助かったキャラAと友達は笑顔でその話が終了

という流れでした。私自身、小さい頃にアンパンマンを見て育ったわけではないので、この影響を受けていませんが、今回の話を冷静に見てみると割と残酷な内容なのかなと思いました。

いたずらっ子という位置づけのバイキンマンですが、今回のUFOの仕様を見ても、アンパンマンの弱点にピンポイントに攻めるもので、大変インテリジェンスと言えます。これだけ高度な頭脳とエンジニアリングセンス(そもそもUFOを作っている)を考えると、いたずらに対して、それを止めさせに行くという話し合いでの交渉の余地はなかったのでしょうか。ただのいたずらにしてはやり過ぎという意見もあるかと思いますが、バタコさん、ジャムおじさんが”パン職人”でも無いにも関わらず半永久的に顔を焼いてきて体力の回復を謀ることを知っている上で、下半身攻撃をしていません(少なくとも私は見たことがありません)。あれだけの技術力を持った明晰なバイキンマンでしたら、弱点は顔ではなく、下半身であることは、過去の数百回の戦いの上で学んでいるはずです。それを致命傷ではない顔に攻撃を集中し、回復のスキを与えていることからして、ただ仲間に入れて欲しいという寂しがり屋ではないかと判断すべきではないでしょうか。

顔をチェンジされたアンパンマンは、ドラえもんでいえばジャイアン的であり、とりあえずアンパンチでぶっ飛ばします。バイキンマンのような急所を外すといった考慮や、交渉などの余地はなく、とりあえずぶっ飛ばします。ここまで圧倒的ですと、アンパンチは、のび太のくせに生意気だ的なそれをいったら何でも正当化してしまうような無謀な制裁と言えます。

こう考えてみるとアンパンマンとはいったい何なのか?どういう意図があるのかよく分からなくなってきます。制作者側もウルトラマンなどと同等のとりあえず正義と悪というテキトーな構図でやっていて何にも考えていないのかもしれません。しかし、もう何十年も子供達に圧倒的な影響力があることを考えると、制作者側の意図(どこかに公開されているのかもしれませんが)や教育的要素を聞いてみたいところです。また子供達にアンパンマンを語らせた時に、”バイキンマンは悪だから正義がやっつけなければならない”と答えるのでしょうか。一方で大人向けの水戸黄門や東山の金さんが素敵な番組かというと、話のレベルは全く持って同じレベルな気もしてきます。たぶん、何にも考えていないのでしょうね。

私としてはピタゴラスイッチなどのような想像力をかき立てる番組をもっともっと増やしてほしいですし、理系離れが進む現状を考えると、”エンジニア魂バイキンマン”などのアニメも作って欲しいです(全然面白くなさそうですが・・)

アンパンマンは教育的アニメなのでしょうか?」への11件のフィードバック

  1. アンパンマンを、そこまで真剣に見るあなたが面白い。
    食べていたカレーを噴出しました。

    帰省先で写真は撮りましたか。
    素敵なのがあったら、載せて下さい。

  2. お久しぶりです(・∀・)ノ

    アンパンマンの日記読ませて頂きました
    私もパンチやキックとか、力で問題を解決しようとする所とか、小さい頃から疑問に感じてたので、おもしろおかしくも、共感しながら読ませて頂きました

  3. ゆきりんごさん>

    おひさしぶりです~

    おお!やっぱり同じ疑問をもちますよね?(笑
    こんな歳になれば疑問で済まされますが、子供達にとっては、影響力は少なくないではと思っています。何も考えずにキャラだけで人気であれば良いのですが。

  4. おひさです。
    こうやって見るとかなり残酷ですね。
    ちびっ子たちから見れば、わるいやつを倒せばそれで良いそうですが・・・。
    主人公、首から上が飛ぶは、仲間はカレーを口から吐くはと、色々ありますね。

  5. lei☆hanaさん

    おひさです~
    なんか、いわゆる現代のいじめの縮図な気がするので控えるべきだとも思いますし、現実的にいじめはなくならないので、現実世界の植え付けとしては良いのかもしれないですし(笑
    とはいえ、あれだけ無限リフレッシュ顔システムやら、カレー攻撃やらの大勢な正義(?)チームに対してたった二人で立ち向かうバイキンマンチームを心底応援したくなってきました(笑

  6. このまえ、NHKあたりで、作者のやなせ氏のドキュメンタリーやってました。
    アンパンマンについてのお話がもちろんでてきましたが
    一番最初の作品「怪傑あんぱんまん」などは
    幼稚園側からクレームまでつくような
    くらーい話だったそうです。
    以下はあんぱんまんの遍歴です↓
    http://mrcn-tru.hp.infoseek.co.jp/anpan/original/explanation.html
    この頃のはわりとやなせ氏の哲学感があふれてて(一般受けはしませんが)
    むしろ大人でもみたいかな?と思わせますが
    いまのテレビアニメはいろんな人がかかわってるためか
    あほでもわかる「善VS悪」のステレオタイプな内容で
    たしかにバイキンマン応援したくなっちゃいますね。。
    やなせ氏が言うには、子どものほうが賢くて
    「怪傑あんぱんまん」なんかも応援してくれたのは子どもの方だった、
    というからこの想像力のうすめられたアニメは
    大人のエゴ的な産物なのかもしれません・・

  7. おひさです~

    水木しげるの墓場の鬼太郎も今のアニメよりももっと厳しく、ムーミンも原作はもっと哲学的な内容だときいたことがあります。怪傑アンパンマンも最初はそうだったのでしょうね。子供は賢いから冷静にこれは酷いなとおもって見ているのかもしれないですね(かわいげないですが)。
    すごく影響力のあるアニメですから、実際にアンケートをして子供達がどう見ているかさぐってみたいところです。

  8. アンパンマンって、人気アニメですものね。

    あんまり見る機会はないのですが、アニメって、思っている以上に

    子供たちに影響を及ぼすものですから、なるほど・・・と

    ちょっと考えさせられてしまいました。

  9. こんにちは。

    いろいろ聞いてみると、人気は高いですが、一人あたりあまり長い間ハマっている訳ではないので、懸念するほど悪影響はないかもしれませんね(アンパンマン=悪影響と決めつけているわけではないですが・・)

    アンパンマンも他のヒーロー物に違わず正義・悪の構図なのですが、何せ悪役のバイキンマンはいつでもたった二人で戦っている訳で、その戦力の違いにもめげない点でむしろヒーローではないかと錯覚してしまいます(笑

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