世界遺産になったワイン “ピコ島ワイン”

半年近く探していたワインがやっと家に到着した。2004年にUNESCOの世界遺産に登録された”Landscape of the Pico Island Vineyard Culture”(ピコ島の葡萄園文化の景観)のピコ島ワインである。ピコ島のワインは、今まで日本には輸入販売されていなかった(個人輸入などはあるかもしれない)。私は、このピコ島を、毎週欠かさずに録画までして見ているTBS世界遺産で知った(”TBS世界遺産 第544回2007年05月20日ピコ島のブドウ園文化の景観(ポルトガル) “)。ピコワインは、過去にロシア皇帝も好みわざわざ取り寄せていたらしい。その情報をしってから、ウェブを中心に調べていたところ、ピコ島のワイナリーのウェブにたどり着いた(Cooperativa Vitivinicola da Ilha do Pico)。実はこのサイトをご覧になれば分かることであるが、Flashを多用しておりSEO対策を全くしていないため、検索にほとんど引っかからなかった。そのため、最初は政府観光局、ポルトガル大使館など問い合わせをしたのだが有用な回答を得られなかった。そんな折り、このpicoワインのワイナリーのウェブを見つけた。直接電話をして問い合わせところ日本に出荷の実績がないと言われ、いろいろ交渉を続けていたところ、ちょうど同時期に大阪のワイン商社が同じようなコンタクトをとっていたらしく、その商社を通して買えということになった。そんな紆余曲折もあり、その出荷第一号を購入させてもらった。そのワインがついに今日家に届いたという経緯である。

ちなみに大阪の商社は、木下インターナショナル株式会社であり、今週あたりから誰でも注文ができるようになるのではないかと思う。初期出荷分がどのくらい輸入できているかわからないので、興味のある方は急いだ方が良いだろう。

ピコ島は、リスボンから西へ1500キロの大西洋に浮かぶアゾレス諸島(Azores islands)の1つ島である。この諸島は、火山によって形成された島群であり、基本的に火山岩で満たされた島である。大航海時代に、ピコ島に入植したカトリックの修道士は、島を覆う溶岩を砕き、不毛の大地をブドウ畑と変えていった。吹き付ける潮風からブドウを守るために石垣を築いたらしい。その石垣は、地球2周分にも及ぶらしい。先人たちの苦労と努力によって作られたブドウ園からできるワインは、糖度が高く、高級なデザートワイン種 ヴェルデーリョを生んだ。このワインは、歴代のロシア皇帝や英国宮廷に愛され続けてきたらしい。このピコ島のワインは後継者不足などに悩まされていたが、2004年UNESCO世界遺産に認定され、また活気を取り戻しているようだ。ピコ島の情報はwikipediaにも掲載されていた(ピコ島 – wikipedia)

ワインに大して詳しいわけではないが、世界遺産ということと、歴代のロシア皇帝がわざわざ取り寄せていたという情報からミーハーにも直接購入しようと試み、今回届いたという経緯である。

ピコ島の拡大図をGoogle Mapsで表示すると
http://maps.google.co.jp/maps?f=q&hl=ja&geocode=&time=&date=&ttype=&q=&ie=UTF8&ll=38.55661,-28.427703&spn=0.003205,0.004989&t=k&z=18&om=1

このあたりのようである。縞々になっている部分がブドウ畑になるのだろうか?

さて、早速家で試飲。まずは、ロシア皇帝も愛したというLajido(ラジド)と呼ばれるデザートワイン。デザートワインというと貴腐ワインなどの濃厚な甘さの予想であったが、むしろ少しドライ気味の白ワインに薄く甘みがついた味であった。家でワインを空けるとそれほど酒に強くないため、1週間くらいかけてチビチビ飲むことが多い。他のデザートワインは甘すぎて1週間チビチビ飲むのが大変なのだが、このくらいの甘さはちょうど良いかもしれない。取り寄せに苦労した、日本初出荷、世界遺産に認定、およびテレビの世界遺産でみた現地の人々が手摘みをし足で踏んで作っている姿をみているという先入観からとてもおいしく感じた(プラセボ効果(笑))。今回届いたのは、1998年の物で、1本3500円程度である。

木下インターナショナルの説明書きを引用させていただくと


ワイン名:ラジド Lajido
葡萄品種:ヴェルデーリョ・アリント・テランテス
収穫方法:手摘み
醸造・熟成:「クラウ」と呼ばれる溶岩石に囲まれて栽培された葡萄は、収穫後、伝統的に足踏みで搾汁され、木樽で発酵させる。発酵終了直前にグレープスピリッツが添加され、アルコール分は16%となる。熟成はアメリカンオーク樽で3年間。
コメント:世界文化遺産に登録された畑で栽培された葡萄を使用。夏の暑さと火山岩質土壌の水はけの良さで葡萄は糖度を増し、土壌に含まれるミネラルと3年間の樽熟成による熟成が、ワインに複雑さを与えている。味わいはセミドライタイプ。食前酒として、また香辛料の効いた料理などと楽しめる。

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Lajidoは色が黄金色でとても綺麗です!

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さて、もう一本は白ワインの”Frei Gigante 2005″(フレイ ジガンテ 2005)。Frei Giganteとは、偉大なる修道士という意味らしく、ピコ島に葡萄畑を開いた修道士たちを讃えているようだ。実は、昨日lajidoで酔っぱらってしまったので、白ワインの感想は後日報告する予定である。

木下インターナショナルの説明書きを引用させていただくと

ワイン名:フレイ ジガンテ Frei Gigante
葡萄品種:ヴェルデーリョ・アリント・テランテス
収穫方法:手摘み
醸造・熟成:「クラル」と呼ばれる溶岩石に囲まれて栽培された葡萄は、収穫後、伝統的に足踏みで搾汁され、一部は木樽で、残りはステンレスタンクで発酵を行う。熟成はステンレスタンクで6ヶ月間。
コメント:トロピカルフルーツの香りに、樽熟成による少しトーストしたような香りが織り重なる。ミネラル分、酸もしっかりとあり、爽やかな余韻を楽しめる。魚介類はもちろん、鶏や豚の料理とも楽しめる。

興味のある方、世界遺産好きの方などは是非ご賞味くだされ。

世界遺産になったワイン “ピコ島ワイン”」への4件のフィードバック

  1. いや~ついに来ましたか!!
    おいしかった?
    楽しみ~。今度飲ませてね~

  2. k5くん>

    やっと届きました。なかなか飲み応えのある良いワインだと思っていますが、プロの目からみてどうなのか感想を聞きたいです。
    こんにちは。最近お店はどうですか?
    暇を見つけて遊びにいきまーす。

  3. おいしそうですね・・・
    写真が上手に撮ってあるので、とてもおいしそうです。
    私も買って 試飲してみたいです。

  4. cafebookさん>

    中々良いワインな気がします(全然ワインはわからないので、客観的かどうかわかりませんが)
    もし興味があれば是非おためしください。

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