2007.09.24: 追記(はじめ)
このエントリーの続きとして、自作スピーカーの開発(続編)を公開している。そのエントリーでダクトの数に対する周波数特性の変化の測定をしている。またコメントとして使用木材は合板よりパーディクルボードの方が良いことがわかった。このエントリーで紹介しているシナ合板より同じ理由でMDF板のほうがコストも特性も良いかもしれない。
2007.09.24: 追記(おわり)
家に居る時は、基本的にいつも音楽を聴いている。聞くジャンルは、ジャズボーカル、クラシカルが中心であり、希にJ-POPといった感じである。いわゆるNo Music, No Lifeとは良く言ったもので、今までの人生いつも音楽を聴いて生きている気がする。一方で、No Life, No Musicであり、例えどんな音楽であっても音楽を聴いているときは生きているわけで、その時間は1度しかない大切な時間である。つまり、せっかく音楽を聴くなら良い音で聴きたいと思うわけである。昔に比べれば激減したが、オーディオ(いわゆるピュア・オーディオ)の世界にはマニアが多い。そのマニアの人々がどのようなモチベーションでピュア・オーディオの世界を追求しているか分からないが、私は単純に人生の時間を使って聴くのであるから、できるだけ良い音で聴きたいと思うからである。
ピュア・オーディオというには実に不思議な世界で、マニアも理論・技術に裏付けさせた理論的な考察を述べている人から、極めて叙情的で詩的な表現でわずかな音の違いを表現する人、とりあえず新しいアイテムを端から試す人まで、その姿勢は様々で実に面白い。所詮趣味なのであるからどんな姿勢でもかまわないと思う。その不思議な世界を、Wikipediaで面白く分類されている。
現在のピュア・オーディオの世界はあまりに高価で、はいそれと購入することはできない。たとえば1mのRCAケーブルが100万円オーバーであったり、1000万円を超えるスピーカーも存在している。高額であれば良い音なのかという泥沼の議論は避け、とりあえず安くてどれだけ満足できる音が出せるかに注力しようと考えている。
今、私の部屋のメインのオーディオは、以下のような構成になっている。
a) SACD(Super Audio CD)の場合
Play Station 3 (PS3)[SACDプレーヤー] -> (HDMI) -> ONKYO SA-TX605(AVアンプ)[D/A変換, プリアンプ] -> (PREOUT) -> Denon PM-2000AE[パワーアンプ] -> SAEC Classic 2.5H[スピーカーケーブル] -> B&W Nautilus 805[スピーカー]
b) CDの場合
CD -> パソコン(PC)にリップル -> (Ethernet) -> Apple AirMac Express[D/A変換] -> Denon PM-2000AE[パワーアンプ] -> SAEC Classic 2.5H[スピーカーケーブル] -> B&W Nautilus 805[スピーカー]
ピュア・オーディオの世界からすれば突っ込みどころ満載の構成であるが、私にとってはまずまず素敵な音を奏でており、割と満足している。この構成になるまで、少しづつ拡張を重ねて現在の状況に至ったわけであるが、何しろ一気にパワーアップしたのは、やはりB&WのNatuilusを購入したときである。今まで不満を感じながら聴いていたオーディオが、一気に楽しくなりそれこそ端からCDを聞き直したいと思うほど繊細ですばらしい音が出ている。これ以上のシステムはいくらでも存在する。ただ、値段的にとても手が出せない領域であるため、このくらいでOKかなと思っている。
さて、今回のエントリーは、上で紹介したパワーアンプとスピーカーの部分を自作で作り、どこまで良い音が出るか試してみることにした。ピュアオーディオは性能以上の値段が付いていることが多くなり、自作で作ったスピーカーがどの程度、市販品に肉薄できるか確かめるためである。夏休みの工作という感じで少し手を動かすことにした。
■ディジタルパワーアンプの自作
スピーカーに比べて、アンプは随分技術が飽和しており、はっきり言って自作でも十分まともな音はする。今回は、Tripath社のTA2020というディジタルアンプICを使って自作した。
電源スイッチとボリュームだけという極めてシンプルであるが、パワーアンプは所詮増幅なので他に機能は必要ない。半田付けよりも、この金属のケースに穴をあけてボリュームなり通すのが大変だった。とりあえず音を出してみたが全く問題なし。TA2020は、可聴域(20Hz – 20kHz)で-0.5db程度のほぼフラット特性なので、予想通りの結果である。一方でAC/DCの部分がせこい部品を使っているので、高速に音圧を要求されたときにDC出力が咳き込むことがあるかもしれない。とりあえず部屋で聞くくらいの低音量であれば、問題はない性能である。ちなみに部品代は全てあわせて13000円程度であった。
*追記:ちなみにこのディジタルアンプは、若松通商のディジタルアンプキットをベースに、コンデンサ、抵抗、ボリュームなどを高品質な物に変更して作っている。参考:若松オリジナルキット デジタルステレオアンプ
■スピーカーの自作
このエントリーの本題ともいえるスピーカーの自作である。ディジタルアンプも含め、オーディオ機器はほとんどの部分でディジタル化が進んでいる。音源はレコードから、CD/SACD、またはネットワークからダウンロードできるデータというようにディジタル化した。アンプは、アナログアンプとディジタルアンプのどちらが良いか近年激しい攻防が続いている。一方で人間に脳波で音声データを送信する技術ができるまで、スピーカーはディジタル化できない。つまりアナログであるからの自由度があり、作るのが難しい。逆にそこに各社ノウハウの固まりがあり、自作する方もいろいろ楽しめる部分であるといえる。
スピーカーは大きく3つの部分から構成される
1)ユニット
2)エンクロージャー
3)ネットワーク
1)ユニットは、まさに音がでる振動板を有している本体で、秋葉原やネット通販で購入できる。秋葉原で言えば、コイズミ無線などが有名である。人間が聞き取れる音の周波数範囲を可聴域というが、一般的には20Hz – 20kHzの間と言われている。その周波数の領域をいかにフラット(平坦)に再生できるかがスピーカー作りの究極で永遠の目標でありモチベーションである。ユニットには、20Hz – 20kHzの全体のレンジの再生を”目指す”フルレンジユニットと、低音部(ウーファー: Woofer)、中音部(スコーカー: Squawker)、高音部(ツィーター: Tweeter)というそれぞれの得意分野の周波数領域専用のユニットがある。フルレンジユニットで20Hz – 20kHz全て音がでればスピーカー業界なんて存在していない。全てのレンジをフラットな特性を出すのは難しいため、ウーファー、スコーカー、ツィーターを分けた3-wayと呼ばれるスピーカーなどで可聴域全体でフラットになるようにしたスピーカーなどがある。自作スピーカーは、まず好みのユニット選びから始まる。理想はフラット特性というが、本当にフラットが良いのかは議論の余地がある。単純に低音が強くでる音が好きな人もいるだろうし、それは趣味であるから、好みの音がでるユニットを探せば良いと思っている。
今回の自作では、往年のAltec社のユニットCD408-8Aを用いた。
Altec CD408-8A
選定理由は、
・Altecである(これは理由にはならないが・・)
・同軸-2wayであるため、綺麗な定位が期待できる
・20cmのユニットであるため、低音が割と出やすい
・安い
などの理由である。
2)エンクロージャーは、いわゆるユニットを取り付ける箱である。木製であることが多い。ユニットは基本的に買ってくるものであるため、自作スピーカーといえば、このエンクロージャーをどのように作るかということに注力される。エンクロージャーはユニットを取り付けるためだけではなく、管楽器や弦楽器などと同様に音を響かせる役目があるため、ヘボいエンクロージャーだとユニット本来の音が出ず、酷い場合、性能を下げてしまうこともありうる。
ユニットは振動板を振動させて音を前面に発生させているが、同時に逆位相の波(音)がユニットの後方に出ている。この後方に出た波が回り込んで前面に出てくると位相が逆であるため、前面の音を打ち消してしまう。エンクロージャーは基本的にこの音波の打ち消し合いを防ぐ目的がある。つまり理想的にいえば無限に広い板に穴が空いていてそこにユニットが付いていれば、後ろの波が回り込むことができないため打ち消しあうことがない。実際に無限に広いのは無理であるが、かなり大きな平面スピーカーというのも売っている。これは平面バッフルというエンクロジャーのタイプのスピーカーである。後ろに出た波を前に出さなければ良いわけであるから、無限に広い板でなくても、密閉箱にユニットを取り付けるのも良い。いわゆる学校の音楽室の天井にあったようなスピーカーであるが、これは密閉型のエンクロージャーと呼ばれる。他にもエンクロジャーはたくさんのアプローチがあるのであるが、今回採用したのは、位相反転型(バスレフ型)と呼ばれる方式である。ユニット以外に穴が空いているスピーカーを見たことがないだろうか?あの穴(ダクト)を有するスピーカーが位相反転型スピーカーである。位相反転型の仕組みをここで説明すると長くなるので、別サイトに譲るが、ユニットの本来持っている低音特性より、位相反転型にすると低音がより出やすくなる。
参考:ヘルムホルツ共鳴とバスレフ型スピーカー オーディオ雑学帳 その4
位相反転型スピーカーは一般的にダクト(穴)が1つである。今回はその一般的なスタイルではなく、去年あたりから話題になっているJSP方式の位相反転スピーカーを採用してみる。JSP方式とは、JSP研究所というスピーカーメーカーが提唱している全方位、位相反転型スピーカーである。百聞は一見にしかずで、JSP研究所のJSP-1010ALというスピーカーをご覧いただければすぐに理解できる。ダクトが1つではなく、ユニットのまわりに4つ付いているスピーカーである。このスピーカーの利点は諸説あるが、1つのダクトよりも低音が出やすいらしい(この辺の理論は厳密に追いかけていない)今回、このJSP方式を採用して、Altecのユニットで作ってみることにした。
3)ネットワーク
ネットワークは、フルレンジではない2-way, 3-wayスピーカーの場合に周波数を切り分けるハイパス・ローパスフィルタ回路のことである。20Hz – 20kHzの可聴域を例えば3wayの3つのユニットで鳴らす場合、それぞれの得意の周波数領域で鳴らすことになるが、ネットワークを使わないと、3つが同じ領域を鳴らしてしまい、音が混ざってしまう。アンプの出力を、フィルタを掛けて、3つのスピーカーが担当領域以外鳴らさないようにする回路がネットワークである。ちなみにその境の周波数をクロスオーバー周波数という。フィルターの構成もノウハウがあるらしい。今回使うユニットは、2-wayの同軸であるが、ユニットの内部にネットワークが搭載されているため、別途回路を作る必要が無かった。ユニットの端子(+、-)を端子台に半田付けするだけで音がでるお気楽なユニットである。
■自作スピーカーの制作過程
ユニットは、秋葉原のコイズミ無線で購入した。最近秋葉原は萌え(アニメ)系に占領されつつあり、全くもって電気回路系は形見が狭い。個人的には萌え系と一緒にするなと内心思っているが、一般人からみたら私もその一員に映っていることは間違いない(笑えない)。
エンクロージャー用の木材は、東急ハンズの新宿店で購入した。しかも面倒なので穴明け・カットなどの木材加工も東急ハンズのクラフトコーナーにお願いした。ハンズで購入できる木材は、ラワン合板、シナ合板、MFD板である。MFDは木屑を再度固めた板材なので強度的にNGかと思い外した。ラワン合板で考えていたが、いざお店で見てみると見た目がいわゆる合板で美しくなく、値段が1.5倍であっても見た目の美しいシナ合板に急遽変更した。しかしシナ合板は後で反りが多いことがわかり板の貼り合わせに苦労した。
ダクトは、配管などで使うΦ89mmの塩化ビニール(塩ビ)の配管を使った。合板と塩ビの接着には、セメダインスーパーXシリーズを用いた。木材の接着剤は、一般的な木工用ボンドである。エンクロージャーの中には、吸音材を張らなければならない。コイズミ無線で買っておいたのであるが、全然面積が足りず、ハンズでポリエステルのホワイト吸音材というのを買ってみた。面によって吸音材の素材が違うのはイマイチが気がするが、新宿からまた秋葉に行くのは面倒だったのでこれで良しとした。
ちなみにハンズのクラフトに提示した木材加工図面を載せておく。
20070915_speaker_schematics_rev2.pdf
材料費として(スピーカー2本分)
スピーカーユニット(Altec CD408-8A @ コイズミ無線): 22000円(2個)
シナ合板(1820 x 910mm 2枚):17000円(もっと安く買えるはず)
ダクト(Φ89mm VU75 1mを25cmで4つにカットx2本):3000円(もっと安く買えるはず)
スピーカー端子台(TRITEC T-93 @ コイズミ無線)):2000円(2個で)
吸音材(ニードルフェルト AONF5093 5個くらい):5000円
その他:
・塩ビ固定用セメダイン(スーパーX)
・木工用ボンド
・吸音材貼り付け用両面テープ(大量にいる。2ロール使った)
・ユニット、スピーカー端子台取り付け用M4 x 16の木ねじ(最低24本程度)
・スピーカーケーブル(ユニットとスピーカー端子台間。55cm x 2本程度)
・半田ごて
合計5万円程度
はっきりいって木材費が高い。ネットで調べたら同じ木材で半額くらいで売っている店を後で見つけた。もっと安いお店および材料であれば4万円程度でできたかと思われる。
まず背面の板にスピーカー端子を取り付けた。
内側には吸音材を両面テープで貼り付けた。
上面、横面にも、白い吸音材を貼り付けた。
次に前面板。真ん中の大きな穴がユニット取り付け穴。4つの穴がダクト用である。
同じく、吸音材を内側に貼り付ける。
ダクトはこんな感じで接着剤(スーパーX)で貼り付ける。VU75という型番の塩ビ配管(外径Φ89mm)の1mを25cmづつ4本にカットしてもらいダクトとして用いている。実はここで紆余曲折があった。実はコイズミ無線でΦ91mmのダクトが売っていたのでそれを買う予定でハンズにはΦ91mmで4つの穴を開けてもらっていた。しかしコイズミ無線では品切れで、”塩ビを使うと良いよ”と言われたので急遽塩ビダクトに路線変更した。たまたまΦ91mmに近いΦ89の塩ビがあったため助かったがあまりに径が違っていたら困っていた。(上記で公開している木材図面はΦ89と修正してある)。とはいえ2ミリの隙間があるため、スーパーXをかなり大量に付けて隙間を埋めながらの接着だったためかなり苦労した。接着剤が木材にも結構垂れて配管周りは見た目が美しくない・・・。木材工作が久しぶりで不器用っぷりが発揮された・・。
なんとか配管を接着剤で固めたところ。
側面板には、箱の強度を高めるための細い補助剤を使った。
(図面でいう42cm x 50cmの板が側面板である)
上面・底面・側面を接着したところ。ここで極力直角がでるように工夫すべきであった。
その後、前面・背面を取り付ける際に、板の反りも含めて寸法が少しあわず苦労した。
完成した2つのスピーカー。
右側面をみてもわかるようにボンドの乾き後などが美しくない・・・。
こんな感じでとりあえずスピーカーは完成した。
JSP方式の位相反転型スピーカーで低音を出すキモの一つは、ダクトの長さ調整である。
今回は1mの塩ビ配管を4等分しているので25cmの長さである。
実は一回り小さい塩ビ配管も同じように25cmの長さでカットして購入しておいた。この径の違う配管を使ってダクトの長さを調整しテープで留める工夫をした。しかし後で述べる計測で、長さに対してとりあえず良い特性が出たのが25cmの延長をしない状態だったので、これで良しとした。
実際に音を出してみると、B&WのNautilus 805にそれほど劣らず、また低音もダクトを通しているような響いた音がそれなりに出ていた。4~5万のスピーカーとしては十分の性能かなといった印象である。逆にこれだけ大きくて(外形:45cm x 45cm x 50cm)、低音がでなかったらあまりにも悲しいことになっていた。主観だけでスピーカーの判断をしても何とも評価し難いので、実際にその性能を計測することにした。
スピーカーの計測は、スピーカーからピンクノイズ・ホワイトノイズなどの可聴域全体でフラットな音声を出して、少し離れたところでやはり性能がフラットなマイクで集音し、その音声をFFT(高速フーリエ変換)して特性をみるという方法である。
まず、マイクは、ベリンガーのECM-8000というコンデンサーマイクを用いた。特性は、リンクのPDFにあるように極めてフラットな特性のマイクである。
自作スピーカーをコンデンサーマイクで計測している様子。
このコンデンサーマイクは、48Vの電圧を(ファントム電源というらしい)加えないといけないため、M-AudioのUSBオーディオインターフェイスFast Track Proという製品を用いた。Fast Track ProはいわゆるUSBオーディオであり、PCからのノイズはUSB経由であるため少なく、ファントム電源搭載のマイク端子、またアナログ出力を備えているので、プリメインアンプに接続することができる。FFT解析ソフトには、自作スピーカー測定プログラムMySpeakerを使わせていただいた。このソフトウェアは、ピンクノイズ・ホワイトノイズなどを出力し、マイクからの入力を解析してスピーカーの周波数特性をFFT解析し表示してくれるプログラムである。またこの計測には、DENON PMA-2000AEのプリメインアンプを用いた。
さて、自作したAltec CD408-8Aを用いたJSP方式位相反転型自作スピーカーの測定結果は、
以上の様になった。ユニットのスペックシート(CD408-8A)の周波数特性から比べて、この自作エンクロージャーに入れた場合、-5db落ちが40Hzくらいであり、低音が割と出ていることが分かった。また、ヴォーカル域である100Hz – 1500Hz位までの領域は、CD408-8Aがもつ本来の特性でフラットな特性であるため、このスピーカーでジャズヴォーカルなどを聞くととても気持ちよく聞きやすい。自作スピーカーとしては及第点ではないかと個人的に思っている。
今回のスピーカーは、カタログスペック的な表記にまとめると
構成:同軸2ウェイ JSP方式バスレフ型
ユニット:Altec CD408-8A 20cm 同軸2ウェイ
周波数特性:44Hz – 20kHz (+-5dB) (実測)
感度:98dB (1W 1m)
インピーダンス:8Ω(最低7.8Ω)
パワーハンドリング:32W – 128W
クロスオーバー周波数:2500Hz
外形寸法:450mm(W) x 450mm(H) x 500mm(D)
質量:8kg
こんな感じになる。
さて、目標としていたB&W Nautilus 805との比較である。聞いた感じかなり良い音が出ていたので割と期待していた。計測条件は、アンプなど全く一緒である。
やはりB&Wはすごかった。低音は自作スピーカーと同程度であるが、なによりも全体を通しての特性のフラットっぷりが半端ではない。特に2kHzを超えたあたりからのツィーターの特性は恐ろしいほど平坦である。やはりすごい。
■総括
今回、B&W Nautilus 805を超えるべく自作スピーカーに挑戦した。自作スピーカーは過去に挑戦したことはあったが、安いユニットに適当なエンクロージャーで音が出た程度の制作であった。今回は優秀なユニットを用いて、低音が出やすいJSPスタイルを用いたことで自作スピーカーで4万円程度のスピーカーとしては優秀なスピーカーになったのではないかと思っている。ここでは載せていないが自作ディジタルアンプとあわせたときでもほぼ同じ特性を示しており約5万強でかなり良い音を実現することができた。一方でB&Wの805はやはりすごかった。もちろんピュアオーディオの世界から見ればこのスピーカーの上には果てしなく高性能なスピーカーがあるが、それでもこの特性をさらっと出してしまうところはさすがである。今回自作スピーカーで木材の反りなどで角が揃わなかったり結構苦労があった。一方で805は、一体成形で曲面しかなく角がない。こんなに美しい形状をしていればいい音がでるのかなと思った。ピュア・オーディオの世界は高額であるが、あまりに高すぎる製品を除けばその値段も納得ができる。そこにはスピーカーエンジニアの努力が注ぎ込まれており、私が日曜大工程度で作ったスピーカー程度ではあの美しいフラットな特性は簡単には出ないなと思った。
スピーカー自作に興味のある方はご連絡ください。コストパフォーマンスが高いスピーカーを安価に作れると思います。
マニアックなトピックにのみピンポイントで
反応してしまう自分が恐ろしいですが、
オーディオの沼は(も)深すぎて底が見えませんね(^^;
アンプは自作とのことですが、これは某かのキットが
あるんでしょうか?
yatsuくん
コメントありがとう(笑
いやはや、こういう話題でコメントいただけるのはありがたいです!
オーディオは深い沼があるので私は深みにはまらないようにしています。基本主観ではなく、マイクによるFFTの値を中心に評価することにしています。
ディジタルアンプは、文章中に追記しておきましたが若松にキットがあります。アンプはこれで性能的に十分だと思いますよ!
スピーカー作るなんてすごいですね!!
私は不器用なので絶対組み立てられません・・・
アンプは、見た目が最終兵器のボタンみたいですごくかっこいいです!!!!
わかばさん
お久しぶりです。スピーカーを作るといってもホント工作レベルで大したことはないです。しかし木材工作は久しぶりで自分の不器用っぷりにびびりました。
アンプ、シンプルですよね。シンプルなものはかっこいいですよね。
いや~勉強になります。
うちはアパートで爆音が出せないので、いまだに大昔のオーディオを
使ってます(SONY DHC-MD777)。
http://www.sony.co.jp/SonyInfo/News/Press_Archive/199808/98-079/
そういえば、PS3は光デジタル出力がついてますが、HDMIとどっちが
良い音が出るんですかね?
nakayo さん
こんにちは。お元気でやっていますか?マカオにはいってきたのかな? DHC-MD777のウェブを見てみましたがいわゆるミニコンポってやつですね!結構物持ち良さそうですね。
音はあまり出せなくてもアンプ、スピーカーをそれなりのを揃えれば良い音がでますよ!
PS3の音声出力をHDMIにするか光ディジタル(SPDI/F)にするかの問題ですが、これは結構難しい問題です。
HDMIは、ご存じの通り同じケーブルにハイヴィジョンの映像信号も流れているためか高速なクロックによるノイズが発生しています。HDMIとノイズで検索してもらえれば各フィルターメーカーがHDMIのノイズ除去フィルターを多く発表しているようにHDMIのノイズ問題は結構深刻です。実際に私のONKYO TX-SA605のAVアンプにHDMIで音声を転送するとある程度音を上げるとジジジというノイズ音が聞こえてきます。同程度の音量レベルで光ディジタルでは発生していません。この問題をONKYO, SONY両社のエンジニアと何度も議論しましたが、しょうがないという対応になりました(全くもってやる気なし)。この問題はONKYOとSONYのAVアンプで確認されている現象で今後この問題が解決されるのか不安です。HDMIの仕様を(http://www.hdmi.org)で確認するとHDMI内の音声信号は光ディジタルと同じSPDI/F仕様です。つまり同じ転送方式なのにノイズが載ってしまうというのはHDMIの映像信号などを扱っていることによるノイズかと思っています。
一方でSACDの音声信号を光ディジタルでは転送できないのでSACDを聴く場合はHDMIにせざるを得ないですよね・・。このあたりは私も気になっているので何らかの解決ができたらブログで紹介します。
元気ですよ~。まだマカオには行ってませんが…。
最近ゴルフに金を注ぎ込んでいるので(笑)
場所がないのでアンプやスピーカーは買えません。
なんかPS3の光ディジタル出力 → DHC-MD777の光ディジタル入力でうまく音が出ないんですよね…。
そろそろブルーレイの映画買おうと思ってるんですけど(パイレーツorダイ・ハード)。
光ディジタルが使えないとなると、PS3のHDMI出力 → 液晶テレビのHDMI入力 → 液晶テレビの音声出力 → DHC-MD777の音声入力という感じでテレビを経由しないといけないので鬱です。
でもHDMIもノイズが出るんですね…。
とりあえず今度飲みましょう!!
TV経由だと厳しいですね。それだとアナログ出力ですよね?
やはりPS3を生かすためには、HDMI1.3a対応のAVアンプが必要になってきますね。各社この秋に出そろうのでどうぞご検討くださいな。
また飲みましょう~
あっ、できあがったんだねぇ。今度聞かせてね!
ひーちゃんさん>
前の3連休でトンカンやりました。
半田付けとかは得意なのですが、木材加工は結構不器用であるのが分かりました。また今度聞きに来てくださいな。
あたしも聞いてみたい!!
今度聞かせてね。
そして、たぶん「あたしもつくる!!」と言い出すに決まっているので
どぞよろしくです。。
kotomoさん>
おお!是非聞きに来てくれい。とっても良く仕上がっていますよ。アンプまで自作してみてはどうかな??
とても良い音しますよ~
このエントリーにどなたかコメントを頂きましたでしょうか?
サーバー移行時に削除してしまいました。
もし宜しければもう一度ご連絡頂ければと思います。
今更ですが・・・(汗
デジタルアンプの自作を検討していて拝見させていただきました。
ただお金をかけるだけでなく、コストパフォーマンスに優れたものを検討している私には非常に参考になりました。ありがとうございます。
コメント欄での光vsHDMIの件ですが、HDMI接続でのノイズはおそらくはGNDのノイズかと思われます。信号線へのノイズに関しては光でもHDMIでも(すでに記載されていらっしゃいますが)SPDI/Fなのでありえません(間違ってデータ化けすればジジジ…レベルではすまないと思います)。
おそらくは光であれば接続されないGNDがHDMIでは接続されてしまうことにより、アンプ側のGNDにまでノイズが回り込むことが原因かと思います。
PS3側のGNDをなにか対策すればよくなる可能性があるかと思い、釈迦に説法かと思いますがコメントさせていただきました。
(まだ読んでいないけど後で書かれていたらすみません)
Tamaさん
コメントありがとうございます。
そういえば、HDMIとSPDI/Fの事を過去に書きましたね。私も忘れておりました。
最近はHDMI経由で音楽を聴いていないので(SACDを聞いていません)、その後何か対策をしたわけではありませんが、ご指摘のあたりの映像信号まわりを合わせたノイズでしょうね。ありがとうございます~
はじめまして。
検索していたらこのサイトに出会いましたので、拙文ではありますが書かせていただきます。
現在、私はCDM-1NTを使用しておりまして、いつかは805でも欲しいなぁと思っています。
(思っているだけでなかなか貯金できないのですが)
本日、たまたまB&Wスピーカについて調べている最中に考えました。
「そういえば自作スピーカーというのがあるけれど、どんなものなのだろう。805レベルのものが
自作で安価にできるのなら、挑戦してみたい」
それで検索をしていてこのサイトに巡り会いました。
歴史ある古豪メーカーに匹敵するのは難しいのは難しそうですね。しかしながら、自作スピーカー
というジャンルはなかなか面白そうだと勉強になりました。
N805の中古か(いつ買えるかわからない)805S、どちらにしようかなぁと全く現実感のない
悩みを抱えているもこなでした。
失礼いたします。
もこなさん
コメントありがとうございます。
まず、昨年にこの記事以外にもスピーカーは何個か作っていまして、NikolaTeslaProject(https://www.spacewalker.jp/archives/category/nikolateslaproject)というスピーカーを作っています。ここでは、SonasFaberのAmatiを”目指して”結構気合いを入れて作りました。もちろんとても良いユニットを使っているため大変上品な音質まで達しましたが、B&W 805はそれとは違った良さがあると思っています。
NikolaTeslaでは、トールボーイスピーカーですので、周波数応答としては低音までしっかりと出て、オケなどには良いのですが、ボーカルなどの音源の場合、ブックシェルフらしい点音源的良さが805にはあります。
自作で805を超えるのは結構大変な気がしますが、DreamCreationのユニットなど大変高性能なので挑戦されてはいかがでしょうか?
さて、N805は発売から経っているので中古の物ですと、結構エッジが痛んでいて、低音にやや難ありの可能性があります。805SはN805に比べツィーターが若干前に(3cmくらい)出ています。つまりN805から805Sの進化でミッドウーファーがやや早く(軽く)なったと感じています。805Sでちゃんと進化していますので、(確かに安いスピーカーではないですが)、これから買うなら805Sが良いかもしれませんね。一方で、同じくこのウェブで紹介しているFocalのスピーカーは安いですが、とても良い音(個人的な好みですが)が出ていると思います。あとMonitor Audio PL100は明らかにブックシェルフでは805Sを超えている(というより全く傾向が違うスピーカー)と思いますので、釈迦に説法かもしれませんが、機会がございましたら是非ご試聴ください。
miyashita様
お返事有難うございました。
実はあれから、ご紹介にあったFocal等を調べて、いろんな選択肢に悩んでおりました。
(自作とか、Focal、N805中古、805Sなど)
そこが一番楽しい時間ではあったのですが、やはり手に入れないとせつない時間にもなってしまいます(笑
CDM−1NTでも不満はなかったのですが、一大決心で先日1NTを下取りに出して、805Sを購入しました。
上記、不満はないと言っていましたが、実際に自宅で805Sを鳴らしてみると、あまりの違いに驚いてしまいました。
最初、N805でいいやと思っていたのですが、miyashitaさんのお返事を参考にさせてもらったからこその805S購入だったので、大変感謝しております。
まだ買って三日ですが、手持ちのCDを聴きまくってます。
ありがとうございました。
もこなさん
805Sご購入おめでとうございます!!素晴らしいスピーカーを購入されましたね。
もう805Sクラスまで来ると、これ以上のスピーカーというよりは好みの世界に入ってくると思うので、私はある意味ブックシェルフの最高クラスの1つだと思ってます。良くなりますし、ヴォーカルなんて本当に聞いていて心地良いですよね。
800シリーズは、手抜きをしていないので、はっきりと別クラスのスピーカーと差がわかりますよね。私の好きなCorrinne Mayなんかは、もう突き抜けるハイ・クオリティで聞く度に驚かされています。
どうぞ大事になさってください。