”おたま”に変わるもの

時々、”悩みないでしょ?”と失礼なことを聞かれることがある。宇宙のことばかり考えていると、さすがに小さなことで悩むことはないが、それなりに悩みはある。最近の悩みといえば、調理器具”おたま”である。

スープものが多い日本料理の中で、液体を含めた料理を掬う(すくう)という目的を満たすために”おたま”は一見最適なデザインだと思うし、機能的にも十分だと思っている。しかし、私は”おたま”が万能だとはとても思えない。

”おたま”の悩みというのは、大好きな豆腐のみそ汁において、豆腐をおたまではうまく掬えないというものである。みそ汁好きの人間なので、毎朝かならずみそ汁を作る。実家から野菜が大量に届いたのでカボチャなり、ジャガイモなりの具が入ることがあるが、豆腐好きとしては、必ず豆腐(絹)をみそ汁には入れたい。その豆腐の形を崩さずに”おたま”で掬うのはとても難しいという悩みである。

鍋を直径方向に切断をし、その断面を見ると当たり前だが”コ”の字を90度時計回りに回転した形状をしている。そこに半円の断面をしたお玉を使って柔らかい豆腐を掬うのは理にかなっていない。

一人暮らしでのみそ汁づくりでは、この悩みを更に助長させる。一人暮らしのみそ汁は、”だし汁の量が少ない”ことである。

鍋は普通のサイズ → 一人分の量は少ない → 汁(だし汁)の量が少ない(豆腐が全て浸かる程度) → だし汁の液面が極めて浅い → 豆腐が掬い難い

だし汁が浅いと更に豆腐をお玉で掬うことは難しい。もちろん鍋を傾けて液面を増大させるアプローチも悪くないが、直角の角に貯まる豆腐を円状のおたまで掬うという構図は変化していない。実際には、豆腐が浸かる程度のギリギリのだし汁量では、みそ汁が突然沸騰しやすく、みそが煮立ってしまいみその風味が失われてしまう。一人暮らしの場合、そのだし汁のほとんどを飲みきれず捨ててしまうため、だし汁量が煮立たないギリギリのレベルを責めるため、やはりだし汁は少なくなってしまう。

そこで、お玉ならぬ”おひら(お平)”みたいな豆腐をスマートに掬うことができる調理器具がないのだろうか?フライ返しでやれば済むことなのだが、できれば、掬う平板の先の円弧も、鍋の円周に沿った形状をしていれば完璧に豆腐を掬うことができる。こんな素敵な調理器具があれば教えてください。

”おたま”に変わるもの」への6件のフィードバック

  1. 本来の用途とは違うかもしれませんが、横口レードルはいかがでしょう。

  2. dairaさん>

    おおお!レードル!!そんなナウイものがあるのですね。ネットでしらべてみましたが、確かに球体であることはかわりませんが、横口があるため、豆腐が掬えるかもしれませんね。ちょっと実物をみて確認してみます。

    今回の記事を書いてみて、宇宙だかなんとかいいながら、悩みが死ぬほど小さいことに気が付きました(笑

  3. 湯豆腐などに使う網じゃくしはいかがでしょうか?
    汁はお玉で掬わないといけないのが難点ですが(笑)
    あと、うちでは炊飯器についてきた「おかゆしゃもじ」を使うこともあります。お玉より平べったくて掬いやすいので。

  4. 通りすがりさま>

    コメントありがとうございます。
    湯豆腐の網じゃくしはいいですね。たしかに。
    少し小さいタイプもありますよね。
    おかゆしゃもじも確かに良いですね。
    なんか、こうやってコメントいただけると皆様とても工夫していますね・・・。
    デパートにでもいっていろいろ見てみることにします。

    食べてしまえば一緒なのですが、器に盛られているまでは、豆腐の形をキープしたい性格なので・・・(笑

  5. 上のエントリーに感動したもんだから、下のエントリー読んで度肝抜きました。
    いいですか!?胃に入ればなんだっていいの=3
    (母ちゃん風)

  6. *miho*さん>

    うわうわ、やばいなぁ・・(笑)
    食べる前に豆腐の形が崩れているような料理は日本の料理じゃないよぉ。
    見た目にこだわらないと、料理を作るのも適当になりそうで、料理の腕があがらない気がしています。
    これは個人の性格にも大きく依存するかもねぇ。

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