近頃急速に高画素化が進んでいるディジタルカメラ業界.1,2年前までは,ディジタルカメラの性能評価のパラメータとして高画素化が宣伝文句として掲げられ,各社多少他の点を犠牲にしてまで高画素化が進んだ.ほとんどの方が,コンパクトディジカメで300~500万画素程度,携帯でも100万画素以上のカメラをお持ちではないだろうか.画素は,被写体を写しこむイメージセンサーの要素であるから,高画素化が進めば一般的には細かいところまで写っている写真になる.しかし,実際にはレンズ性能や,高画素化によるノイズ・ダイナミックレンジの低下などの要素が加わり,高画素化には限界もある.
高画素化には限界があるとは言いながら,ある1カ所からの撮影で何処まで高解像度で写真を撮れるかというのは,単純に興味がある.先日,横浜ランドマークタワーでの夜景の写真を公開したが,あの写真はディジタル一眼レフ(840万画素)による写真であった.実はその時に大判のフィルムカメラも同時に持ち込んでおり,その現像が上がってきたので,早速フィルムスキャナで取り込んでみた.私の使っている大判カメラはフィルムサイズが4インチX5インチ(通称4x5とかいてシノゴと呼ぶ)である.私のフィルムスキャナが3200dpiなので,ざっと計算すると204,800,000 = 約2億画素相当のカメラとなる.今回,その2億画素の写真を公開するので,是非”等倍”でみて,その解像力を見て欲しい(笑).もう完全に趣味の話であり,写真の話をしていないのが残念であるが,興味のある方は是非ご覧いただきたい.
下の最初の写真は,Photoshopで縮小したもの(600 x 492 pixel = 30万画素程度)である.
当初,この写真をクリックすると2億画素の写真へリンクする予定であったが,2億画素の画像ファイルはJPEG高画質で160Mバイト.なんとWindowsのInternet Explorerでは”表示できません”となってしまった.そこで,Photoshopなどで閲覧できる方には,そのファイルを公開しつつ,画面をInternet Explorerでもそのまま表示できるサイズに分割することにした.4分割写真は,そのまま写真をクリックするとその画像ファイルにリンクするので,気軽にご覧頂ければと思う.
カメラ:TOYO FIELD 45AII
レンズ:Fuji Fujinon-W 250mm f/6.3
フィルム:Fuji Fujichrome Velvia 100 (RVP100)
スキャナ:Epson F-3200
横浜みなとみらい21 横浜ランドマークタワーから
TOYO Field 45AII + Fuji FUJINON-W 250mm f/6.3 + Fuji RVP100
*600×492(30万画素程度)に縮小した画像(クリックしてもリンクなし)
*Photoshopなど大型ファイルを開ける人用リンク(JPEG : 39MByte) * 大きいので注意!
↓↓↓分割画像はこちら↓↓↓
4分割写真:わかりにくいですが上下左右で4つに分割されています.
(それぞれクリックすると拡大:リンク先のファイル=JPEG 4MByte)
使用したレンズが若干望遠側のレンズであるため,写真としては全くおもしろみがない.大判カメラはこの解像度があるからこそ,超広角レンズなどで観覧車から遠くベイブリッジまでしっかりと写っているような写真を是非撮ってみたい.今回の撮影条件は,絞り22位,撮影25秒くらい.焦点コントロールに前面のティルト(tilt)をやや用いている.
今回,2億画素という値になったのは,フィルムの大きさとスキャナの解像度である.実は原理的には,フィルムにはもっと解像感があり,スキャナの性能を上げればより高解像度は狙える.しかし今回の写真をみても,1ピクセルレベルで解像しているようにはさすがに思えず,レンズ性能も含め,スキャニングの解像度的にはこの位が限界かなと思っている.全く必要は無いが,これ以上の高解像度を目指すのであれば,より大きなフィルムを使うことだ.今回はシノゴ(4x5インチ)であるが,大判カメラの世界には11x14インチなんていう化け物フィルムがある.これを先程のスキャニングをすれば,約16億画素の写真ができる.JPEGサイズで1G Bytesを越える可能性がありかなり危険な領域だ.きっと出版,印刷業種,デザイナーさん達はこの位の画像を扱っているのかもしれないが,何せ素人の私のPCでは無理であろう.
今回の高画素の話を通して,高画素の追求は”写真”として見たときにはどうでも良いことが分かる.やはり写真だ.良い写真を撮るようにしよう.
*注意:一般にフィルムのスキャニングにおいて画素という表現は用いない.しかしあくまで同じ感覚の使い方として2億画素という表現を用いた.
これがうわさのネガのやつだね?さすがにやばすぎだね!
綺麗過ぎて本物よりも綺麗かもね
ヤスさん>
どうも!最近よくお世話になっております.
何度か話題に出ております,大きなカメラで撮った写真で,今回使用したフィルムはネガではなく,ポジを用いました.人間が見るものよりも遙かに解像度が高く,あり得ない領域(例えば,建物の中の自動販売機など・・)まで写り込んでいます.
プロもデジタル機を持っていながらも、速写性よりも画像のクオリティを要求される仕事では未だフィルムの645とか67を手放さないですよね。
そのワケが、Naokiさんのサンプル画像からも分かりますね。。
35mmのフィルムが約2,000万画素相当・・というのはどこかで聞いたことがありますが、それ以上の中・大判は、やはり解像度に一日の長・いや百日の長くらいあるなぁ・・って感じました。
おでちんさん>
私がフィルムを使っている理由は,ゆっくりとした写真を楽しめるというのが一番の理由です.しかし,使うからには,ディジタルにも負けない点,1)色,2)ラチチュード,3)中判・大判での解像度です.私も今回大判の実力を再確認しました.昔のマスプロのCMのキャッチフレーズのような感じでした(笑
観覧車の後ろにあるビルの、レストランの様子まで見えますね! 実は写真ってすごいんですね・・。
昔、“ウォーリーを探せ”という絵本があったのを思い出しました。写真の新しい楽しみ方(?)ですね。
↑の写真を目にして、撮りたい風景が頭の中でいくつも浮かんだ。
その一つに地元の砂丘から臨む日本海に浮かぶ烏賊釣り漁船の夜景が。。。
写真 気持ちEィ~と再認識
(´Д`)ハァ~
shumaくん>
本当によく写っているよね.観覧車の向こうのレストランや,あと画面右下では,噂のライブドアオートの看板が・・・.とても人間で解像できるものではありませんが,こうやって道具を使うとここまで見てるモノなのねと再認識しました.
暴野!!!さん>
コメントありがとうございます.
大判カメラいかがですか?(笑)このカメラは撮るのも楽しいし, 暴野さんのイメージする写真の世界を綺麗に切り取ってくれると思いますよ.
それにしても,地元の写真を撮りたいと思うのは素敵なことですね.