宮島の厳島神社には五重塔がある.時間がないので塔の下までは行くことができず,崖(丘?)の下から写真を撮っただけだが,天気が良かったこともありとても綺麗な塔に見えた.日本では五重塔をそこら中で見かける.ウェブで調べてみると五重塔写真集というサイトなど日本中の五重塔をまわっているひともいるようだ.厳島神社の五重塔は屋根の反りが著しく,それは禅宗様式の特徴であるようだ.また,この五重塔は最近色の塗り替えが完了したらしく鮮烈な赤が特徴的だった.
ここで写真の話.こういう青空と鮮烈な赤などの被写体を見ると,どうしても撮りたいカメラの組み合わせがある.それは,ドイツのカールツァイス(Carl Zeiss)社のPlanar(プラナー)のT*(ティースター)レンズに,米国コダック社(Kodak)のリバーサルフィルム(ポジフィルム) エクタクローム(Ektachrome) E100VS (Vivid Saturation)というフィルムの組み合わせ.カールツァイスは,最近ではソニーのデジカメやデジタルビデオカメラなどで採用されているレンズとして有名かもしれない.カールツァイスは,創立当初のニコンやキヤノンもレンズ技術研修に行っているほど歴史が古く,世界最高のレンズメーカーである.カールツァイスのレンズにはそのレンズ構成により名前が決まっていて,その1つプラナーは,標準域のレンズ構成として超有名なレンズである.そこにT*というコーティングを施されたレンズは,とてもコントラストが高く,美しく色を表現する.そのプラナーを通った光が,KodakのE100VSのキャッチフレーズでもある”これまでにないあざやかさとダイナミックな色再現”というだけであって,極めて色鮮やかにフィルムに焼き付く.つまり,今回の綺麗な青空,塗ったばかりの鮮烈な赤という素敵な被写体において最高のパフォーマンスがでる組み合わせである.結局この話を書きたいだけの為に,五重塔の写真を使ってしまった.五重塔.素敵でした.
厳島神社五重塔
Hasselblad 501C/M + Carl Zeiss Planar 80mm C T* f/2.8 + Kodak E100VS
青と赤といったまるで色相の違う色同士を
それぞれに際だたせる、というのは
本づくりなど作家さんの写真を掲載する場合など特に
なかなか難しく何度調整しなおすことか・・(TT)
なるほどレンズとフィルムの組み合わせによっても
色の再現具合が変わってくるのですね。
直己さんのように写真の色彩ひとつにもそのように
レンズの組み合わせなどを考える作家さんたちの
努力を改めて理解しました。
ナマヲさん>
コメントありがとうございます!やはりプロの現場では,色の具合で苦労されているのですね!写真を撮ったカメラ,スキャナ,プリンタでそれぞれ色の解釈が違いますから,カラーマッチングなどありますが,まだまだ難しい領域のようですね.
全ての場面にこのレンズとフィルムみたいな組み合わせを持っていればいいのですが,やはりそれほど持ち合わせはなく,今回のような場面では適任の組み合わせといった感じです.色は綺麗に出始めましたので,そろそろセンスの勝負である構図のフェーズに入ってきました.がんばらねば・・.
う~ん、鮮やかな青と赤のコントラスト。惚れ惚れするなぁ。レンズのセレクトって大切なんだなぁ。奥が深い。
しげさん>
ホント良い色で惚れ惚れしますよねー.たぶんしげさんはお仕事柄モニターキャリブレーションもされていると思うので,私の見ている色が再現されているのではないかと思っています.
レンズは高価なので私も沢山はもっていませんが,フィルム選びは気軽に出来る遊び方の1つです.是非,しげさんもご愛用カメラにE100VSで撮ってみてください.素晴らしい綺麗な色が再現されますよ.