本題に入る前に、今日カップの自動販売機でココアを買いました。60円の普通のココア、80円のホイップココア(ホイップ=ホイップクリームの意)があり、ここは奮発して80円のホイップココアを選択しました。いつも使っている自販機だからでしょうか、注ぎ終わったサインのLEDがつくのを確認せずにフライングで取り出してしまった様です。取った直後にホイップが出て、全て下の流しに落ちてしまい、結局普通のココアになってしまいました。と話がずれました。
近年この時期になると話題にあがりますが、夏休みの宿題(読書感想文、自由研究、ドリル、プリント、習字など)を、代行して行うビジネスが横行しています。数年前から取りだたされていますが、未だに検索すると多くの業者が存在することから、需要があるのでしょうね。小学校・中学生は、基本的にお金を持っていないでしょうから、親が頼むわけです。夏休みがあと1週間で終わってしまうので、今がまさに書き入れ時でしょうか。
ある業者さんのケースを紹介します。直接引用するとその業者さんに迷惑かけそうなので、概要だけ。
・夏休みの宿題を業者に送信
・業者は、約2日程度で代行する
・宿題の返却と支払い
扱っている内容:
・ドリル1冊 3万円
・プリント1枚 2000円
・読書感想文 400字詰め原稿用紙毎に5000円
・観察記録 30000円
・図工・工作・自由研究など 20000~50000円
・習字 筆記レベル選択、毛筆・硬筆選択可能 1枚3000円
私の夏休みの思い出と言えば、ラジオ体操とプールにいってスタンプを集めたりした思い出が大きいですが、やはり夏休みの宿題を、夏休みが終わる直前にまとめてやっていた記憶があります(笑) 概して計画的には進まないとは思いますが、こういった代行業をお願いする親たちは、どういった心持ちなのでしょうか。
・子供が勉強をしない。言ってもやらない
・とはいえ白紙のまま学校に持って行かせるのはまずい?恥ずかしい?
・自分でやるのは面倒くさい。むしろできない。
・代行業で済ませよう
といった流れになるのでしょうか。私が期待するのは、学校の先生が普段の生徒の実力(筆跡、文章作成能力、研究能力、習字のレベル、文字の癖など)から、明らかに本人がやっていないことを判定できていることです。普通に考えれば、分かりそうなものですが、これはお子様がやったものじゃないですね?とは、現在の学校教育の現場では親には追求できないのでしょうね。0点でも付けようものなら、PTAに訴えられるのでしょうか?
私としては、受動的な体制でしか教えない日本の教育制度に大変な不安を感じています(私が習ってきた教育です)。まもなく破綻する日本経済で生きていくためには、正しくなくても、妄想であっても、自分で課題を見つけ、研究し、考察が甘くても何とか自分の言葉で結論まで持って行くという一連のプロセスを身につけないと、とても苦労するのではないかと思います。日本の教育制度において、このプロセスをやるのは唯一夏休みの自由研究だと思っています。朝顔の観察なり、もう何万人も過去に行い結果が分かっていても、とにかく自分で自然の現象を見て、何か課題を見つけ、調べ、間違っていても自分の考えを紙にまとめ、そして発表する訓練をして欲しいと思っています。
その一連のプロセスが癖付いたあとで、勉強というのは、
・課題・問題点を設定する精度を上げる:多くの知識を学びどのような点が本質的に問題となっているかを正確に見極める。また研究であれば他の人がやっていない点に着目する。
・研究・実験する精度を上げる:多くの数学・多くの実験手法・多くの機器などの方法を学び、より深く現象を追求・観測・観察できる術を身につける。
・結論の精度を上げる:求められた研究結果から課題・問題点が解決できる結論を導き出す。多くの文献などを読み結論を推論する力を身につけ、人に説得させる文章作成能力、および発表(プレゼン)能力を身につける。
ことだと思います。小学生の頃は、課題設定もイマイチで、研究手法も曖昧で、結論も中途半端だった物を、多くの勉強を学ぶ事で、将来の研究、ビジネスなど社会に通用するレベルに上がっていく(精度を上げ・粒度を細かくする)のが教育の一側面だと思っています。そういう意味で、今持っている知識と能力の範囲で良いので、この課題検討・研究・実験・結論・発表という過程の癖付けを訓練してほしいなぁと思っています。このような思いから、今の教育制度で唯一このプロセスを学べる夏休みの自由研究を、代行させちゃうのは余りに悲しいですし、その子の将来が心配です(上から目線ですみませんが)
この点に関連した問題点として、日本の大学の就職活動があります。一時よりは緩和されましたが、普通は大学3年生の冬期から就活が始まって、大学4年の夏には内定が決まります。その後遊んでいる学生が多い様です。これは明らかにおかしな状態です。世界基準で見れば日本の大学生は全くといっても良いほど勉強をしていません。そのため、(学部の場合)大学で身につける勉強・研究に対して企業はほとんど期待していません(大学側にももちろん問題があります)。大学の勉強内容に期待していないわけですから、企業側も面接の際に、大学時代に苦労したバイトなり、留学先の思い出なりで、どのように考え、どのように対処して行動したのかなどでその学生が企業が求める人格に近いかで判断しているわけです。
私が提案したいのは、大学生には全員卒論を書かせて、その卒論のプレゼンを企業の就職面接で行うべきだと思います。会社としては、卒論の内容が会社の業務に関係ないものでも、その卒論のテーマをどのように決めて、どのように実験・研究・調査をし、どのように結論を導きだしたのか。またその内容を1冊の卒論という書類にまとめ、ちゃんと時間内でプレゼンをする。上記の夏休みの自由研究と同じプロセスで、小中高大と学んできた粒度の細かい、内容の深いプロセスを発表すれば、その人となりが良くわかると思います。その一連のプロセスがまだまだ社会に通用しないものでも、自分で考え、書類にまとめ、プレゼンをするというのは社会で、会社でかならず必要な物ですから、学生達にとっても良い練習になりますし、企業側も研修の手間を省けますし、口だけ達者でロジックの弱い学生を面接で振り落とすことができます。私は大学4年の12月までに卒論を書き上げ、1~3月の3ヶ月で就活をするという形で良いのではないかと思います。
子供も居ない私が随分上から目線で述べておりますが、この国の将来を考えると、教育制度改革は真剣に取り組まなければなりません。その第一歩としては、お子様をお持ちの方は、新学期にお子様に配られる教科書を一度目を通して、質問に完璧に答えられるように準備をするべきかなと思います。一番身近な大人(親)が答えられないものを、学校に押しつけている姿勢では、まずお子様は学ぼうとは思いません。私に仮に子供がいて、自由研究とかしはじめたら、私が全部やってしまいそうです(文部科学大臣賞を目指して)
私のミスで、最新10個のコメントを削除してしまいました(笑)
コメント頂いた方、すみません・・