突然思い立って日本三景`松島`(宮城県松島町)へ一泊二日で行ってきました。
今更日本三景である松島の概説をしても仕方がないので、説明は`松島 – Wikipedia`に譲り、この記事では大量の写真を交えて淡々と紹介。そして感じた事を最後にまとめます。
東京駅→東北新幹線→仙台駅→仙石線→松島海岸駅:時間にして二時間半強の距離で、家が東京駅近くというのもありますが、関東からはさっと行ける距離でした。(昼間に行こうと思って気軽に行ける程度)
*写真はほぼCanon EOS-M + EF-M 11-22mm。クリックすると拡大。それにしてもこのカメラは小さくてよく写りますね。旅行カメラとして最適ですね。
日本三景と定義されたのは結構古く、約350年前の江戸時代前半に書き記されたのが最初とのこと。松島といえば伊達政宗をはじめとする伊達家というイメージがありますが、百人一首で殷富門院大輔(1130~1200頃)が松島について歌っていたりと昔から日本人に好まれていた場所のようです。
ちなみに、宮島(厳島)は行ったことがありますが、天橋立には行ったことがないので、近々日本三景を制覇するためにも行こうかと。
何せ松島に行こうと思いついたのが土曜日の昼過ぎなので、松島到着時にはもう日が傾きかけていました。伊達家だけでなく、松尾芭蕉も奥の細道で松島を通っていますが、今調べてみると松島では句を残さなかったとのこと。きっと何も感じなかったのでしょう(何となくわかる気もしますが)。
町の主要なエリアは想像以上に小さく。十五分もあれば端から端まで歩けます。
殻焼牡蠣、かまぼこなどそこら中で売っているので食べながら歩きます。
さて、松島といえば、海にポコポコ浮かぶ松が生えた小島の海というイメージがありました。しかしコンパクトな町には伊達家がいろいろ整えた国宝の寺院などがあります。その一つ瑞巌寺(国宝)(ずいがんじ)も海に近く気軽に歩いて行けます。総門を越えて本堂に向かうこの参道がとても綺麗です。
振り返るとこんな感じ。国宝の本堂は改修中でした。もう一つの国宝:庫裡(くり)に向かいます。庫裡とは寺院の僧侶が移住する場所(または台所)。瑞巌寺は臨済宗なので、もしかしたら・・・
やはり茶道具がありました。臨済宗といっても大徳寺派ではないので、見慣れた千家に由来するような茶道具とは少し違いますね。
炉も裏千家が使うような大炉のような大きさで切ってありました。中の人に質問すると、大晦日に住職と(おそらく近所の要人を呼んで)お茶を飲むようです。
いわゆる侘び茶とは違う茶をどのように飲んでいるか興味があります。
松島の自然といえば、この写真で説明ができます。最初に紹介した松島のWikipediaの説明によると、
`松島は、仙台平野を南北に分ける松島丘陵の東端が海にまで達し、それが沈水して出来たリアス式海岸がさらに進んだ沈降地形で、溺れ谷に海水が入り込み山頂が島として残った多島海である。全体として松島湾(広義)を形成し、湾内の水深は10メートル以内である。これは、この一帯が過去から大きな地震のたびに地盤が少しずつ沈下してできた地形であることを物語っている。この地域の大部分の地層は第三紀層の凝灰岩、砂岩、礫岩など侵食に非常に脆い岩質で出来ており、特に波に洗われる部分は容易に侵食される。そのため多くの小島は上部に松などが植生し、海面に近い基部は白から灰白色の岩肌を見せている。さらに、海水面近くが波に洗われて鋭角に抉られており、ややキノコに似た形になっているものもある。`
この説明の通り、松島の景観は、リアス式がさらに沈降し、その残った先っぽが小島としてたくさん現れて形成されているとのこと。つまり絶えず変化(崩壊)を続けており、伊達政宗などが見ていた松島と今の姿はもちろん違っているわけですね。東日本大震災の際にも津波は押し寄せましたが、たくさん小島がそのパワーをどんどん減衰させ町の被害はそれほど大きくなかったとのこと。逆にいえば定期的に起こる津波などで小島はどんどん削られているわけですね。
松島というだけありどの島にも松が生えていますが、立派な`楓`も多く生えており、紅葉の時期なんて素敵かなと思いました。もちろんこの時期の青楓も綺麗です。
さて、当日に予約したホテル(民宿?)は、名前が自信たっぷりの`絶景の館`。
写真にあるようにちょっとした高台の上に建っており、さらに矢印の指してある屋上に出られるので松島湾を望むことができます。
外観はやや古めでしたが、1人でさっと行くには十分なホテルと思われます。仲居さんなども親切でした。
その屋上から松島湾を望む。
橋が架かっている島は、`福浦島`。橋を渡って島を一周することができます。この橋は昼間だけ有料(100円だったかな?)で、夜・朝は開放されています。ホテル目の前なので何度もこの記事でこの橋は出てきます。
ホテルに荷物を置いて、カメラだけもって出かけます。快晴の青空に月が出てきました。
福浦島に渡り、島の中を散歩。空気がとても綺麗です。電灯も無いので日が落ちる前に一回りしないといけません。
一部砂浜海岸があるところに下りることができました。
沈みはじめ、夕焼けが始まっています。月も明るくなってきました。
福浦島を一回り(普通に歩くと1時間くらい)してきたらすっかり日は沈んでいました。
橋(二回目)。
さて、雪月花を日本三景に例えることがあるそうです。その場合、松島は`月`になるそうで、月の名所として有名な様です。
例の宿泊者に開放されている屋上で写真を撮ろうとしたら風が強すぎてまともに撮れず。
******* 次の日 *******
日の出の時間と方向を調べてそれより早く起床。屋上に上ってみるとまもなく太陽が上がりそうな様相。
朝も淡い光と空気感で海がとても綺麗でした。NDフィルターをなぜ持ってこなかったか激しく後悔。
まもなく太陽が上がってきそうだったのでホテルを出て橋に向かいます。
さて、九時から一時間ごとに出発する松島湾内島巡り遊覧船乗り場に向かいます。
写真の`赤い線(仁王丸コース)`を回る五〇分コース。値段の部分を見れば繰り返し増額しているのが予想されます(笑)
本当に快晴で青空も海も真っ青で綺麗でした。数多くの小島の間を抜けて行きます。小島には全て名前が付いているそうです。
糞害により餌付け禁止となりましたが、カモメが餌を求めてやってきます。本当に良い天気。
なぜ人間は飛べないんだろう?と疑問に思うほど、羽ばたかなくても船のスピードにすっと付いてきます。
始祖鳥などの大きな鳥がまだ死滅していなければ人間も乗って飛べたかもしれませんね。(なんて思いつつ)
牡蠣の養殖とのことです。震災時に被害が出たようですが、今はすっかり元通りの様ですね。
遊覧船は天気が良ければオススメです。気持ち良かったです。
** 下船 **
さて、松島の海(景観)以外で行きたかったのは、観瀾亭。この建物は秀吉の伏見城の建物を政宗が拝領し移築したもの。
観光ガイド等には茶室と紹介されていることもありますが、茶室ではありませんね。
ずんだ餅と薄茶と注文しようとしたら、+100円でレディースセットでずんだ餅を含め三種御菓子が付きますよというお誘いに負け、レディースセット(700円)に。
伊達家は、石州流が茶頭として入っていたのでこの地域は、石州流が多いそうです。この写真の薄茶は、石州流での点て方なのですか?と質問したところ少し答えを濁していたので、本来の石州流の点て方ではないのかもしれません。そういえば石州流のお点前はまだ見たことがないなと。結構なお服加減でした。
*** まとめ ***
松島は、東京から二時間半で来られるとても素敵な場所でした。
明確な「これ」といったものがないので、これから世界(自然)遺産になることは無いでしょう。そもそもそんな必要も無いでしょう。
とはいえ、1000年以上前から日本人が愛し続けている理由は、やはり浸食が作りあげた変化し続けているこの景観であり、空気の綺麗さと`松`をシンボルとしたこの何とも言えない静かな雰囲気が良いのでしょうね。
次はココ、その次はココみたいなせかせか見て回るような所ではなく、(町もコンパクトに収まっていますし)、さっと一泊二日くらいでゆったりと海を見ながら散歩するような場所でした。
私の様にどうせ家で仕事をするなら松島でという無計画な旅行でも良いですし、飲み会・女子会(?)などを都内で行うなら、さっと松島に移動して美味い海の幸と海を見ながらの方が素敵な時間の過ごし方だと思います。(飲み会は松島海岸駅集合でみたいな)
日本は素敵な場所がたくさんありますね。海外も安価に行ける時代になりましたが、やはり日本で、そしてそれほど有名ではない所にもどんどん足を運んで美しい日本の美を発見して行きたいと思います。
miyashitaさん、こんにちは。
写真で見ても、これだけ気持ちがいいので
実際に足を運んでみたくなるものですね。
目に気持ちの良い写真で、束の間のショートトリップ楽しみました。
しかし、バイクでの旅?トレーニング?には感心しきり!です。
そうそう、姉が海外に住んでおり、大陸のおおらかさ等良いなあと思う事もあるのですが
細やかな美しさや繊細な情感は、日本(人)特有のものかと思われます。
異なる文化も楽しいですが、改めて日本を楽しむの、良いと思います。
私は最近何故か高野山が気になります。
何故かはわかりません(笑)
こんにちは。
初松島でしたが、この天気の良さもあり良い旅になりました。
まさに現地でみる松島は1000年以上愛され続けている理由がわかった気がします。
そうなんですよ。自転車で全国中そこら中走っています。主に山・峠ですね!
高野山はわかります。今でこそプロジェクションマッピングなんてありますけど、高野山の曼荼羅を昔の人が見たら誰も見たことがない立体的な表現にきっと宇宙を感じたのではと。そういう意味で空海さん演出家でもあった気がしています。
(そういえば以前メール送りましたが届いていないですかね?)
おはようございます。
メール、確認できていなかったので再度いま見てきましたが
拾えていないようです。すみません。
フリーメールなので、上手いこと振り分けられていないかもしれません。
お手数でなければ、またメール下さい。
(miyashitaさんの宛先が分かればこちらから一度お送りします)
ひよっこさん
メール拝見いたしました。のちほど返信致します。
御手数をおかけしました!
miyashitaさん
メール届いてよかったです。
お手すきの時にでもご返信してみてくださいね~。
週末は久々に徳川美術館の予定です。!
既に返信しております!
チェックよろしくおねがいします^^)v