2010.06.29:追記 iPhone4は使えました。
2010.06.04:追記 iPadにDockコネクタ延長ケーブルを介してND-S1と接続しました。やはり使えませんでした。
2010.06.02:追記 当然のことながらiPadははまらないので使えません。一方で、Denon DCD-1650SEのUSB接続では、iPadが使えなかったのでそもそもデジタル転送のプロトコルがiPadは変わっているのかもしれません。iPhone 3G, 3Gsに関しては、問題なく使えます。
2009.08.20: 追記 値段は15000円程度だと発表されましたね。sofmapなどで予約開始しています。
2009.08.10: 訂正(iPhoneでの動作が未だ公式サイトでも公表されていないので一部訂正しました。ONKYOに問い合わせたところ、iTouchはおそらく動作する、iPhoneに関してはおそらく大丈夫だろうけど、未だ検証中とのことです。ご購入前に対応機種を確認してください)
onkyoからとても素敵な製品が発表されました。
ONKYO デジタルトランスポート ND-S1(S) :プレスリリース(pdf)
ONKYOデジタルトランスポート ND-S1(S)新製品ニュース
要するにiPodからディジタルデータのまま、S/PDIFで出力できます。iPod, iTouchなどはドック用に共通のインターフェイスを備えているわけですが、そのインターフェイスが意図的にもかなり微妙です(参考:YAMAHA Universal Doc YDS10.pdf from powerplant.co.uk)。参考のPDFの7ページでドックインターフェイスのピンアサインが記載されていますが、デジタルの音声ラインが取り出せません。USB経由やTX/RX(UARTかな?)などのシリアルラインでiPodの各種制御データの信号と供に音声データを吸い上げて、音声だけ切り出す処理がなかなか素人では(ライセンス問題も含め)できない仕組みです。今回のONKYOのND-S1は、まさにこの処理をやっていてUSBやTX/RXを使って音声データをデジタルで取りだして、使いやすいS/PDIFのインターフェイスに変換して出力しています。S/PDIFのクロックに関しては、こだわってジッタの少ない回路をがんばっているようで、なかなか期待ができそうな製品ですね。
要するに、iPodに”高音質”で記録された音楽データを、デジタルのまま取り出す(トランスポート)するだけの、マニア大受け、一般の人には全く必要のない製品と言えます(笑)。
このND-S1を使った家庭用(少しマニア向け)オーディオ環境を考えて見ます。ちなみに、ここでのマニアとは、PureAU (Pure Audio : ピュア・オーディオ)マニアと呼ばれる、とにかく高音質の音楽再生を目指すマニアで、CDを1000枚以上余裕で持っている人を指します。ちなみに、私もこのマニアに足の小指だけ踏み入れていると思っておりますが、何せ金がないのであまりPureAU機材に投資ができず、自作オーディオに向かった亜流派です。
まず、PureAUの世界は怪しい製品が大変多いです。ビックカメラなどで、隅っこに追いやられているPure AUコーナー(ピュアオーディオ、セパレートコンポ、ハイエンドステレオなどと書いてある)は、若者を見たことがほとんどありません。私(=もちろんおっさん)でもかなり若手の方で、40~50歳位のおっさんたちがスーツを着て(会社帰りに)立ち寄っているのをよくみかけます。最近、若者撃退に15kHz以上のモスキートノイズを用いている様ですが、あの現象でも分かるようにおっさん化が進めば進むほど聴力は衰えていきます。なのでおっさんの耳なんてもともと期待できないことをまず認識することがPureAUの世界には必要です(笑)。よくkakaku.comなどの口コミで、”私はこの世界に入って短いので耳が肥えていないのですが”みたいな書き込みを見つけますが、耳は衰える方向しか進まないので、全然臆することはありません。”耳は肥える”ではなく、”好きな音をする「スピーカー」”を見つけるのがPure AUの魅力だと私は思っています。後述しますが、そこそこ良いものを買えば、データソース、D/A変換、プリアンプ、メインアンプは、十分に高音質・高性能な物を購入できます。人間が”おっさんの衰えた耳では特に”聞き分けられない部分まで追求したものを買う必要はありません。とにかく、音は、スピーカーと部屋の形を考慮したセッティングで全然かわりますから、スピーカーより前段に金を掛けるよりは、自分が好きな音のスピーカーを見つけてそちらに投資すべきです。
さて、PureAUのマニアは、(私も含め)機材ばかりにこだわってほとんどCDなどの音源を持っていないという人が多数います。これは写真ではなくカメラ(機材)が好きというマニアに似ています。所詮趣味ですから写真を撮らなくても、CDを聞かなくても機材だけで満足できる変態も多いので、それはそれで良いかと思います。私もその傾向があるので気をつけなければなりません(苦笑)。とはいえ、普通のPureAUマニアは1000枚なり1万枚なりすばらしいCDなどの音源をお持ちです。1万枚というのはマニアではよく聞く話ですが、1枚60分とすると、24時間ぶっ続けで聞き続けて416.6日掛かるわけですから注意が必要です。そういう意味では100枚~1000枚くらいの人が本当に音楽好きな人なのかもしれません(独断と偏見です)。さて、その多数毎あるCDは、そろそろCDプレーヤーで聞く文化を減らしていく時代に突入しました。先のブログ(avexの”microSD”による楽曲販売について、ナウイのか考える。)でも述べましたが、音声データ(2ch音声データ)程度の容量を、12cm円盤でモーター回転+非接触で読み込むのは明らかに時代遅れで、面倒です。BD, DVDなどは容量の関係でまだまだ回転円盤は必要ですが、音声に関しては、やはり大容量ストレージで管理し、ディジタルストリームで適切に処理すべきだと思います。そういう意味で、今回のOnkyoのND-S1は一つノードとなる良い製品だと思います。
ここからND-S1を使ったシステム例を考えてみます。
1)データソース管理(音源ソース管理):RAIDを組んだ(故障を考慮した)大容量NASに高音質形式でCDからデータをインポート。宮下家は約600枚のCDを80% AAC 320kbps、10% Apple Lossless、残り10%はなぜかMP3で保持しており、合計で40Gbytes位です。CDからのインポート作業は時間が掛かるものですから人生に1回だけにしなくてはなりません(笑)。しかもHDDもNASも安いですから、AACなら256kbps以上、Apple Losslessなど高音質設定にしておきます。
2)データソースを、iPod Classicなり、iTouchなりに移動。iPod classicは120GbytesのHDDなので容量は大きいですが、HDDなのでデータが飛ぶ(消える)可能性があるので、そういう意味でも1)の大本はRAIDを組むなり、Blu-rayなりで確実に管理すべきです。人間の耳には関係ないですが、iPod ClassicはHDDのモーター回転でのノイズが乗るため、iTouchなどのフラッシュメモリータイプが良いかもしれません。ここまできたら病気です。
3)デジタルデータのトランスポート:ここでONKYOの新製品ND-S1が使えますね。iPodからS/PDIFで音質劣化なくディジタルデータでトランスポートできます。
4)D/Aコンバーター(DAC):ここはあんまりヘボいと、ちゃんと人間でも聞き分けられる程度にノイズとして検聴されるため、良い物を使うべきです。DACは、100万円を超えるものもありますが、私はそこまで必要はないと思います。CDを直接聞きたいことも多いでしょうから、CDプレーヤーでS/PDIFを外部入力できるものが適任かと思っています。そういう意味で、DENONの新製品である、DCD-1650SEは素敵な製品だと思います。CD/SACDは十分に再生できますし、S/PDIFの外部入力を持っています。更にiPodから直接読み込めるので、実はこのCDプレーヤーを買ってしまうとND-S1は要らなくなってしまいます(笑)。ただ、DCD-1650SEは、iPodから”デジタルデータ”で引っ張ってきているかウェブからは見えません。あり得ない話だとは思いますが、アナログで引っ張っていたらとても残念なのでこの辺は確認が必要です。少なくともND-S1はデジタルで取り出せますので、ND-S1 + DCD-1650SEの組み合わせなら劣化なくD/Aまで持って行けます。
5)プリメインアンプ:アンプは、1万円の物から、数百万するアンプまで非常にたくさんあります。私は、オーディオの科学さんと全く同意見で、10万円程度の最新のプリメインアンプを買っておけば、人間の検知できるレンジでは十分に高性能なアンプだと思います。20Hz~20kHzの可聴域を人間の検知以下のレベルのひずみでフラットに増幅するなんぞ、高周波でこれだけ携帯なり通信なりやっている時代にとっては余裕な事だと思います。そういう意味で、たとえば、DenonのPMA-2000SEあたりのアンプで、必要十分だと思います。PureAUのマニアからすれば突っ込みどころ満載かと思いますが、少なくとも私はこのレベルの製品とそれ以上の製品をブラインドテストで聞き分けられる自信はありません。
6)スピーカー:このブログはOnkyoのND-S1が素敵という解説のブログですが、実は個人的にとても気に入っている(気になっている)スピーカーがありまして、それを紹介したかったので、こんなシステム例まで紹介しています。
英国 Monitor Audio PL-100 Platinum
このスピーカーは本当に素晴らしいです。ペアで55万くらいするのでとても購入できませんが、いつか欲しいなぁと思っているスピーカーです。お金に余力のある方で、よく分からんがいい音の出るスピーカーが欲しいってことなら、PL-100はとてもオススメです。とはいえ先述の通りPureAUは自分に好みのスピーカーを見つけることが目的ですから、是非店頭で聞いて頂きたいです。本当にハイスピードスピーカーで解像度が高く気持ちの良いスピーカーです。私の好みでトールボーイスピーカーはあまり好みではなく、音がすっと軽く・早くでるブックシェルフのスピーカーが好みです。私も好んで使っているB&W 805もブックシェルフで、スピード感のある良いスピーカーですが、PL-100は全く違うアプローチで、もっと高速な気持ちよいスピーカーです。PL-100は自作では迫れないなぁって思ったスピーカーの一つです(いつか挑戦するかもしれませんが、PL-100についているトゥイーターが絶対に入手できない)。ちなみに昨年作った30周年記念スピーカーも音の傾向が違いすぎて比較にはなりません(圧倒的にPL100が上です(笑))。実はある方からオススメのオーディオシステムを紹介してくれといわれまして、ここで紹介したシステムを紹介しました。個人的な好みを押しつけてはと思いましたが、とても気に入って頂いたようです。
さて、話もずれ、個人的な好みも含めた極めて雑談ブログとなりましたが、お使いのiPodに入っている素晴らしい楽曲を、素晴らしい音で再生させるためにも、ND-S1から始まるような素晴らしい再生環境を整えてみるのはいかがでしょうか?
ここで1枚高音質の録音された素敵なCDを紹介。
YO-YO MA plays ENNIO MORRICONE
from Sony Music SICC-199
”海の上のピアニスト”などの映画音楽の巨匠であるEnnio Morriconeさんと、ヨーヨー・マさんのコラボアルバムです。
曲は美しいし、チェロは素晴らしいし、しかも録音品質もクオリティが高いです。上記の様なオーディオシステムで聞けばもちろん格別ですが、
普通に聞いても素晴らしいCDだと思います。
はじめまして。ちまちまと自作スピーカを作っているものです。
FontekのNeoCd3.0M
Madisoundで$81.80
http://www.fountek.net/products_neo_30.htm
Platinumシリーズのサイト
http://www.hifijapan.co.jp/platinum.htm
どうみてもNeoCd3.0Mのカスタム品に見えます。Ribbon massも18mgで同じだし。
とりあえず30周年スピーカのツイータをこれに変更してみるのはどうですか?
価格的には大幅ダウンですが。
ScanSpeak R2904/7000は高域特性はよいのですが指向性が狭いので
リスニングポイントによって音が大きく変わります。
NeoCd3.0Mは未聴ですが、特性表では素晴らしい指向特性ですね。
saasfanさん
ものすごいハンドルネームですね(笑
有用なコメントありがとうございます。
私も正直いって、S-Sのリングドームのツイーターはもちろん高性能ですが、指向性がおっしゃるとおり強すぎて、やや不不満をもっています。
monitor audioのリボンを聞いてから、Ravenのリボンを考えていたのですが、Fontekのリボン、かなり良さそうですね。夏に向けてまたスピーカーを組み上げる予定でございまして、参考にさせていただきます。ありがとうございました。
とりあえず、安かったのでmadisoundで買ってみました。
海外サイトをいろいろ見てみたところ、MAのプラチナのTWに恐らく使っているとのことですね(ある人は、、MA用には、更にf特のばたつきを抑えるなどのクオリファイ試験をやったようですが)。
すぐに組めるかわかりませんが、音がでたらここで紹介致します。
良い情報ありがとうございました。
TWがリボンになると、ミッドをどうしようか悩み中です。
@miyashita
行動が素早いですね。私はもたもたしているばかりで、なかなか作れません。
スピーカの完成を楽しみにしてます。
seasfanさん
(まだお読みになっていればですが)、NeoCd3.0Mが今日にも届きそうです。
厚かましい質問ですが、seasfanさんのおすすめのMid or 1Khz程度まで引っ張れるWFは何かございませんか?
今のところNeoCD3.0M + AudioTechnologyのMidの2ウェイで行こうかと思っていますが、
おすすめのMidか、MAのPlatinumのミッドの情報などお持ちでしたら教えて頂ければ幸いです。
とてもお勧めのユニットを挙げられるほどの経験はありませんし、
スピーカに関しては工業製品と言うよりは嗜好品なので
性能より好みが優先します。
MAのmidやウーファは自社生産だとおもうので購入はできないでしょう。
まずはお手持ちのユニットと組み合わせて、普段お聞きになる音量でクロスを
4KHzから2.5KHzくらいまで試してみてはいかがですか?意外とAudioTechnologyと
相性がよいかもしれませんよ(根拠なし・無責任)
PL100の2.8KHzはかなり無理をしていると思います。PL300の4KHzだと2Wayは厳しく
なります。
聞いたことのないユニットなので無責任に妄想力を働かせてみると
ハイエンド・高解像度系を狙うならば、
4KHzクロス:accutonのセラミックミッド(アバロンを聞いたことがあるだけ)
2.5KHzクロス:seasの12cmまたは15cmのメタルコーンもOK(SEASのL15RLY/Pを
使ってますが4KHzは無理、たぶんexcelでも一緒)
といったところでしょうか。
安物好きの私ならば
http://www.troelsgravesen.dk/FE126E.htmに2wayの作例のある
FE126E(n)をmidに使って3wayにすると思います。この場合は軽い振動板に
よる反応の早い市販品には無い音を狙うのであって、歪率とか分割振動とか
PL100との比較とか難しいことを考えちゃいけません。
って好みが違うので全然参考にならないですね。
コメントありがとうございます。
PL100は、2.8kHzまで引っ張っていますよね。金属系のウーファーだと暴れ出す領域ですよね。私もそこで繋ぐことは考えていませんが、とりあえずAudioTechnologyのも1本8万近くしているので、今回は、これで組んでみることにします。
Accutonのセラミックは、知人マニアから狂信的に進められました(笑
B&Wも800シリーズが全部ダイヤ化しましたし、やたら堅い系が増えてきましたね。
私も30周年記念スピーカーで、L22RNX/P (H1252)を使いましたが、これはかなり良い感じの音で、実際にはこれと、S-SのTWで2ウェイで聞いていました。
今回はパッシブフィルタで行く予定なので、まずは、Fontek+AudioTechnologyで行ってみて傾向を見たいと思います。ありがとうございました。
素敵なスピーカーの紹介ありがとうございました。合わせて、結果的に無断で引用してしまったことになり、申し訳ありませんでした。今後、注意致します。遅ればせながら、引用表示ならびに、リンクを致しました。継続して、掲載しておいてよろしいでしょうか?不快な思いをさせてしまったことを、重ね重ね、お詫び申し上げます。
なんでも好奇心 さん>
削除ありがとうございました。
私の記事の内容など大した内容ではありませんし、その内容をそのまま掲載しても意味がないと思いますので、
このまま削除して頂ければと思います。
ご丁寧な対応ありがとうございました。
それでは、そのように致します。
他の記事も見させて頂きましたが、広い範囲を緻密な記述で、もう脱帽です。
温泉から、最新技術まで、素晴らしいですね!
お忙しいことと思いますが、お身体に気をつけて、ますますのご活躍お祈りしております。
半分ボケ爺より・・・・
こちらこそ、失礼致しました。ご対応ありがとうございました。