キエフの民芸品を茶道具に見立てて稽古

仕事関係の出張でまたもウクライナのドニプロペトロウシクに来ております。今回は接続が悪くて途中、キエフ(ウクライナの首都)に一泊。乗り換え便まで少し時間があったので、キエフを一回り観光してきました。

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St.Andrews Church, Kiev

キエフにはこんな素敵な教会ばかり。キエフの町並みは別記事でまた紹介します。このセント・アンドリュース教会の前には、この教会を見に来た観光客をターゲットにした路面店が多数並んでいました。

その中に、キエフの伝統的な(?)木製容器・小物・置き物を扱っている路面店がありました。ふと見たときにこれは茶道具としてなかなか良い形をしているなと。茶の湯の楽しみの一つに”見立て”があります。

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左のを建水に、右上のを抹茶茶碗に、右下(蓋を取ってある状態)を薄茶器にと`皆具`に`見立て`ました。全部木製で、手書きで模様が描いてあります。イチゴと楓ですかね??なかなか綺麗な物です。路面で売られていましたので長い間風雨にさらされていたものです・・・。

今回の出張では、お点前の順番だけ忘れないようにと、帛紗・扇子・抹茶・柄杓・茶筅は持ってきました。茶碗は陶器だと割れるかと思い味噌汁のカップ(プラスチック製)を持ってきていたのですが、上記のキエフの見立て皆具で簡易稽古が出来ています。帯はスーツのベルトで。

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さらにホテルの部屋のマットが良い感じでした。畳の一畳と見立てるには大きすぎましたが、今回の見立て皆具と絵柄と配色などがあいますね。水差しは6リットルのミネラルウォーターボトル。そして風炉釜は、電気ポットで見立てました。

目的としては、運び点前の(手順の)稽古なので道具は何でも良いのですが、こうやっていろいろな物を見立ててみると面白いものですね。色々気づく事がありました。

・ミネラルウォーターが硬水なのか軟水なのかわかりません。また持ってきた抹茶が極めて悪いものを持ってきたからか、点てた薄茶がとても不味い。そもそも静電気で抹茶がダマになってしまい(こし器は持ってこなかった)、とにかく酷い状況でした・・。ハッキリ言って飲めず・・・。

・木製の抹茶茶碗は、熱容量や比熱の関係でとても点てにくかったです。陶器とは違って難しいものでした。醍醐寺に所蔵されている秀吉が使った”黄金天目茶碗”は、全部が金で出来ているわけでは無いとのこと。これは全て金だと熱すぎて持てないという理由から中身は木製で、金箔を塗ってあるとのこと。金箔によって傾向は違うとは思いますが、木製の茶碗に出会す事もこれからあるのかもしれませんね。お湯での茶筅通しをしても茶碗が暖まらないですし、工夫が要りそうです。

・お湯の量が難しい:柄杓を持ってこなかったので、写真の通り抹茶茶碗にポットからお湯を入れるのですが、いつもは柄杓の合に合わせて調整したいたものが道具が変わると分量の検討が付かない事が分かりました(完全に合に頼っていることが分かりました)。柄杓以外を使う事は茶の湯ではさすがに無さそうですが、敢えてポットでも適量を注げる感覚を身につけないなと思いました。今回の茶碗は、茶溜まりが狭く、茶筅摺りの傾斜も大きくいわゆる抹茶茶碗とは形が異なります。なのでお湯の高さでは判断が難しく、何か他の基準で判定する感覚が必要な様です。

・薄茶器の蓋の形の重要性:利休型などを始めとした棗(薄茶器)は、蓋の上部中央はほぼ平らになっています。これは茶杓の節が蓋の上部中央には”触れず”、節の前後2点で接地して安定しています。今回の民芸品の薄茶器の蓋は、蓋の上部中央が最も高い形になっていて、茶杓を置くと中央部が節の一点で乗ってしまい、茶杓がそれを中心に回転してしまいます。(竹とんぼの様に)。薄茶器のデザインに関して、そのあたりは気にしたことがなかったのでまた勉強になりました。つまり、薄茶器としての見立てが悪かったと。

 

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(なんか大きな泡が2つ残ってしまっていますね・・・。)

今回、茶巾と懐紙を持ってきませんでした。近くのスーパーで買ってきたキッチンペーパーを代用していますが、茶巾も懐紙も縦横比が(自分の体感として)分かりませんでした。何気なく使っている道具も、意識して使わないとなぜそのデザインなのか、大きさなのか考えずに過ごしてしまいますね。今回の出張先での”見立て”で多くの事を学びました。

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